タイトル:【七】敵研究所潜入作戦マスター:トーゴーヘーゾー

シナリオ形態: シリーズ
難易度: 普通
参加人数: 7 人
サポート人数: 2 人
リプレイ完成日時:
2010/06/08 15:28

●オープニング本文


前回のリプレイを見る


 ULT広報部のマルコ・ヴィスコンティだ。
 今回も『ナナレンジャー』の参加者を募集する。
 第三話にて、プルシャンブルーが敵の手に落ちた。
 ナナレンジャーは敵の本拠地であるテナントビルへ潜り込んで救出作戦を敢行することになる。
 ビル内の情報を知らせる前に、次の情報を確認しておいて欲しい。
 ナナレンジャーの協力者である、情報部員ヤマダの報告書からの抜粋だ。

『デガスキメラに関する考察』
 デガスキメラの特徴とは、個体ごとに治療が難しいウィルスを散布して、多くの人間を行動不能に陥らせることにある。
 その一方で、ウィルスの存在を無視した場合、デガスキメラは戦力として突出した点が見られない。
 KVなどによる遠距離攻撃などで撃破することはたやすく、あくまでも生身による直接戦闘の難しさが障害なのだ。
 この点から推測するに、デガスキメラとは都市制圧などの極めて限定された目的用に調整された兵器群と思われる。
 しかし、デガスキメラがどれだけ効果的に敵を鎮圧できるとしても、単体での都市制圧は極めて困難と言わざるを得ない。

『抗体スーツに関する考察』
 デガスキメラと共に行動するには、ウィルス影響下であっても行動できることが必須である。抗体スーツが開発された理由はここにあるのだろう。
 つまり、抗体スーツとは、デガスキメラに同行する兵士の装備品として開発された品なのだ。
 その抗体スーツが、デガスキメラと戦うための、唯一の対抗手段というのは、運命の皮肉と言うべきか。

 読んでもらったとおり、デガスキメラとは諸刃の剣なんだ。ウィルスを散布してしまうと、味方であるバグア側の兵士すら感染して動けなくなる。そのため、味方陣営の施設でウィルス散布に踏み切るのは難しいという設定だ。
 同時に、抗体スーツの現物を博士が全て持ち出してしまったため、バグア側でもデガスキメラを実戦運用に踏み切れない。バグア側にとっても、スーツの重要度は高く入手したい品だということを覚えておいてくれ。
 今回の舞台となる研究施設のテナントビルは、バグア側が大阪を占拠するための前線基地として建造されたものだ。第一話で博士が脱出したのもこのビルということになる。研究員だけでなく、警備員を装った兵士がそれなりに配置されている。
 プルシャンブルーの救出と、抗体スーツの奪取が、ナナレンジャーの目的だ。
 しかし、いつもの迎撃戦と違って、こちらから攻め込むことの問題点が一つある。
 スーツを早めに装着していると時間切れの可能性があるんだ。そのため、デガスキメラの存在を確認してからでないと装着できないし、一歩遅れると感染してしまう。そのあたりの見極めを考えておかなきゃならない。
 現場へは前回と同じく、俺が運転する『ビフロスト』で送る予定だ。



●メンバー一覧(現在11名)
・アンバー
・ウィスタリア
・カーキー
・カーマイン
・シルバーグレイ
・スカーレット
・スカイブルー
・ビリジアン
・プルシャンブルー
・ミッドナイトブルー
・ローズピンク

●ナナレンジャー基本設定
○デガスキメラシリーズ
・人を動けなくするウィルスを散布する。死骸からワクチンが精製可能。
・小型キメラの中継によりウィルスの影響範囲が広がる。
○抗体スーツ
・ウィルスを遮断するナノマシン製のスーツ。片手に収まるサイズの『スターター』で変身する。
・稼働限界の10分を越えると、勝手に解除されてしまう。
・生体電流を感知しやすくするため、下着姿で装着する。起動させた本人以外は使用不可。
・ドラグーンはAU−KV無しで戦うか、スーツの上にAU−KVを装着。
・武器やスキルは本人持参。スキル使用時は生体電流によってスーツ色の発光が生じる。
・至近距離にいる仲間と二人で協力すれば、合体攻撃が可能。
 デフォルト名『ツインカラー・ナントカ』

●スーツ色等(コードネームも同じ)
・『JIS慣用色名』内のカタカナ表記から申請。
・禁止色:赤、青、黄、桃色、緑、白、黒、金、銀。
・申請色が他者と被ったり禁止色の場合は、MS側で決定する。
・必殺技名称は先頭にコードネームを付けて申請。例:ライトブルー・ナントカ。

●参加者一覧

シェリー・ローズ(ga3501
21歳・♀・HA
三島玲奈(ga3848
17歳・♀・SN
辰巳 空(ga4698
20歳・♂・PN
シャーミィ・マクシミリ(gb5241
14歳・♀・HD
奏歌 アルブレヒト(gb9003
17歳・♀・ER
希崎 十夜(gb9800
19歳・♂・PN
ユーリア・パヴロヴナ(gc0484
18歳・♀・HG

●リプレイ本文

●撮影風景

「今回も宜しくね」
 役柄とは違って、営業スマイルを浮かべるユーリア・パヴロヴナ(gc0484)。
 シャーミィ・マクシミリ(gb5241)もいつものように明るく挨拶しているものの、どこか緊張気味に見える。
「今回はお姉ちゃんが来てるから」
「‥‥え?」
 参加者一覧を確認したマルコ・ヴィスコンティ(gz0279)は、レベッカ・マクシミリ(gc3090)の名を確認してようやくその事実に気づいた。
「な、なんと! 今日はあたし以外にもちゃんと来てるとな! マルちんは何処だーっ! もしや夢オチだなんて事は!?」
 騒ぎ立てる火絵 楓(gb0095)に、呆れたようにマルコが応じる。
「みんながいてもいなくても騒がしいんだな‥‥」
「ッぅ〜! 痛い、ゆめじゃない」
 頬をつねる楓にマルコも手を貸してやった。
「いひゃいいひゃいっ! ‥‥やりすぎだーっ!」
 楓はマルコの手を払いのけて怒鳴りつける。
「‥‥番組の近況や視聴率などはどうなっていますか?」
 奏歌 アルブレヒト(gb9003)に問いかけられて、マルコが返答する。
「あれ‥‥、言ってなかったか? 『ナナレンジャー』はテレビ番組じゃないぞ。ULTタウンでのメディア販売用のローカル作品なんだよ。今のところ、知名度はゼロだ」
 せいぜい、先日のULTまつりによる宣伝ぐらいなのだ。
「これが七色戦隊の制服だってさ」
 シェリー・ローズ(ga3501)が掲げて見せたのは、アメコミチックでセクシーな衣装だ。今回は敵地への潜入中に変身可能とするため、身体にフィットしたスーツが準備されている。
「さて、今日こそスカーレットの活躍! って衣装がない! 出番もない!」
 衣装をチェックした楓が悔しそうに告げるが、マルコは軽く受け流してしまう。
「その通りだ。だから雑用をがんばれ」
 かくして、主要キャラ役だというのに、撮影現場を彼女は走り回ることとなる。
 辰巳 空(ga4698)だけが、今回の話では皆と違って捕虜という役回りなので、絡みが多くなるバグア兵達に缶コーヒーを差し入れして、念入りに打ち合わせをこなしていた。
 脚本の修正により、裏側の役割を課せられたアルブレヒトは、もの悲しい視線をどこか遠くへ向けている。
「‥‥奏歌はもしかして、‥‥腹黒い役がぴったりとか‥‥思われているのでしょうか」

●潜入作戦

「‥‥目の前で仲間が攫われた。あそこで目立たてないなら、あたし何処で目立てばいいの?」
 暗い状況において、暗い思考を進めるユーリア。
「どうせなら、乙女を攫え、デガスども」
 なにやら、負の感情を込めて俳句まで詠み上げるぐらいだ。
 ナナレンジャーの面子が欠けているという事実を知らされて、深刻な表情でアルブレヒトが問いかけた。
「‥‥さて‥‥少々留守の間に‥‥面倒な事になっていますね。‥‥それで‥‥作戦は?」
「まずは隣接したビルからテナントビルの屋上へロープを渡し、ビル屋上へ。そこから、ロープを垂らし窓から侵入というのはどうでしょう?」
『ライラック』こと、レベッカが提案する。これまでも、そして今回も、別な任務があるため同行できないが、仲間を助けるためにこの場へ駆けつけたのだ。
 詳細を詰めた彼等は、夜が更けるのを待って兵員輸送車『ビフロスト』に乗車する。
「イロナシ整備はできてるだろうね、七色戦隊出動だ」
 シートに足を組んで座るシェリーが、運転席のマルコへ指示を出す。
「ナナンレンジャー以外のメンバーは全員『色が無い』はずだけどなぁ」
 前回の呼び名を貫く彼女に疑問を抱きつつ、マルコはアクセルを踏み込んで、専用の『ビフロスト』を発進させた。

 希崎 十夜(gb9800)が見下ろす先に、問題の敵アジトが存在していた。ビルの高低差も肉眼で確認し、十夜は迅雷を助走に使って、屋上の縁を力強く蹴る。
 地上高20mの風に煽られたことで、十夜の身体は予測した軌道よりも右に流れ、わずかながら距離が足りない。必死で伸ばした指先が縁にかかり、十夜は無理矢理屋上へ身体を引き上げることに成功する。
 ビルの屋上間にロープが張られ、奏歌とユーリアも中空を渡りきった。
 扉に接近した奏歌がピッキングツールで開錠すると、3人は扉の内側へと滑り込む。
 曲がり角に達すると、奏歌はシグナルミラーを突き出して行く手を確認して足を進めていく。

 尋問を受けていた空は、手錠をかけられたまま部屋を移動している最中だった。牢に入れられれば脱出が困難になると考えた空は、監視していた兵士を殴りつけて手錠の鍵を奪う。
 監視員をトイレに連れ込んだ彼は、天井の空調ダクトへと潜り込んだ。

 1Fから侵入したのは女性3名だ。
 シャーミィはシェリーにあわせて、身体にフィットしたスーツを着込んでいる。
 三島玲奈(ga3848)が身を包むのは、潜入には不向きなセーラー服だ。『溺死防止のため素早く脱げる構造なんや』とは本人の弁。一応は視認性に配慮して真っ黒である。

 7Fを探索中だった3人組は、監視室を見つけて制圧を果たしていた。空の逃走と同じタイミングだったためすれ違いになったのは不幸とも言えるが、それが無ければ逃走もすぐに発覚していただろうから幸運という見方もできる。
 空の現在位置を確認するために、奏歌が熱心にモニターを操作してた。
 彼を助けるというのも目的の一つだが、彼女は情報部員のヤマダから『空は自分の意志でバグアに同行したのではないか?』という疑惑と共に監視を命じられていたのだ。
 そのため、自発的にこの場に残り、十夜とユーリアを先行させていた。
「‥‥いた」
 驚いたことに、彼は自力で『スターター』を見つけ出したようだ。
 しかし、トイレの中で兵士が見つかったことや、監視室の応対の不備に感づかれてしまい、慌ただしく動来だした兵士が、デガスキメラを動かそうとしていることに気づく。
 無線機を使った奏歌の連絡により、ナナレンジャーはウィルス散布に先んじることができた。まだ合流できていないが、彼等はそれぞれの場所で変身を行った。

「変身っ!」
 物陰に身を潜めたユーリアを、ナノマシンが包み込む。
「所詮、あたしは舞台裏、わかっちゃいるけど、夢見たい。妥協に流され、神田川♪」
 響いてくる少女の歌声。
「頭上に星は巡らねど、足元光は照らさねど、輝けぬからこそ我が人生♪」
 緑色のナナレンジャーが姿を見せたる。
「焦って困って、涙に濡れる。明日もどうせ、笑えない〜♪」
 二丁の銃を交差させ、彼女が高らかに名乗った。
「へヴィダウナー! ビリジアン!」
 いつもよりも強く宣言したのは、悲劇担当を奪われた悔しさによるものらしい。
 十夜も、軍用ベストを脱ぎ捨てて、黒いボディースーツ姿で変身する。
「新たな伝説を紡ぐ閃剣の騎士! 『シルバーグレイ』、参上!」
 結局動きづらいと感じた玲奈は、体操着とブルマ姿になっていたが、さらに水着姿となってスーツを装着していた。
「薔薇色の覇道を歩む美しき戦乙女、七色戦隊隊長ローズピンク!」
 腕を組み、非常に高飛車な態度をとるシェリー。
「世界の涙を止める為、何の因果か化物退治。七色戦隊ナナレンジャー、お呼びとあらば即参上!」

●救出作戦

 デガスキメラのウィルスが散布され、感染したバグア側の兵士達が倒れていく。しかし、ナナレンジャーもまた、スーツの稼働時間内にデガスキメラを倒さねば、同じ運命が待っているのだ。
 コウモリデガスキメラと小型キメラは翼を広げて、ビル内を飛翔していく。
 ここで予想外のことが起こった。奏歌と入れ替わりに監視室に入ったらしい兵士が、館内の照明を全て切ってしまったのだ。

 暗闇に舞う小型キメラを相手に、小銃「ブラッディローズ」と小銃「クリムゾンローズ」を発砲しつつ、ユーリアは手応えを感じられずにこぼしている。
「‥‥ちょっとしんどいわね」
 いつものガトリングであれば、細かな狙いなどせずとも蜂の巣にできるだろう。
 しかし、室内戦闘を考慮して跳弾・誤射を避けるために不使用を選択したのは正しい判断と言えた。特に今回は暗闇なのだからなおさらだ。
 しかし、超機械「ザフィエル」の放つ電磁波が、狙い違わず小型キメラに命中する。
「‥‥私はほとんど盲目だし、慣れているわ」
 驚く二人の耳に、遅れて到着した奏歌の声が届いた。
「ここは俺達に任せて、ユーリアは監視室へ行ってくれ」
 十夜はキメラの羽音を頼りに、迅雷で間合いを詰めると、タックルして敵の動きを封じにかかった。超音波を背中に受けながらも、ユーリアは上階を目指して駆けだした。
「時間稼ぎ、させて貰おうか!」
 十夜は奏歌の助言と援護を受けながら、小型キメラの超音波に小銃「S−01」で応戦する。

 小型キメラに翻弄されていた空の元へ、光が差し込んだ。比喩ではなく、本物の照明が闇の中で小型キメラを映し出す。
 一度外へ出て、「リンドヴルム」を装着したシャーミィであった。
「アンバーショット」
 彼女は小銃「S−01」を向けて狙い撃つ。
 落ちてきた小型キメラめがけて、伸び上がるように空はストライク・アームズをつけた拳を叩きつけた。

「カーキー・ガンザード!」
 暗闇に小銃「シエルクライン」を向けて、影撃を交えて銃弾の雨を降らす。
 超音波を受けながら、向こうには見えて、こちらからは見えない現状に、玲奈は唇を噛んでいた。
 ある閃きを感じて、玲奈は手探りで見つけた花瓶を取ると、セーラー服の上に水をぶちまける。
「超音波は濡れた布一枚で遮断できるそうや。音波の力が水分子の振動に費やされるからな」
 濡らしたセーラー服を放り投げると、飛んでいた小型キメラが布に突っ込んで身動きができなくなる。
「カーキー・ファングバイツ!」
 ノコギリアックスによる急所突きと、小銃「シエルクライン」の影撃ちを、左右から交互に連発した。その様は猛獣の牙を思わせた。
 壁際にまで追いつめ、逃走を許さないまま、玲奈はこのまま押し切ろうとする。

 監視室に戻ったユーリアは、操作卓を動かして再び照明を取り戻す。
 そのかわりに、とんでもない事実を知ってしまった。
 ユーリアはマイクを握ると、館内放送で呼びかけていた。
「研究所の自爆装置が作動しています。ここでは操作できません」

『爆弾があるのは地下です。辰巳さん止めてもらえますか?』
 一番最寄りの位置にいた空が指名を受けた。言葉こそ質問の形を取っているが、断るという選択肢は許されない。
 階段を駆け下りた空は、ユーリアの誘導に従って、いくつかの部屋をチェックしていく。
 カウントダウンを告げる小さな音を頼りに、爆弾を発見した空は起爆装置の破壊に成功する。
「ここは‥‥」
 爆弾が取り付けてあったのは、研究データを収集しているであろうサーバーであった。
「これを調べれば、もっと多くの情報が得られそうですね」

 照明の点灯によって、広々とした部屋の隅から隅まで見渡せるようになった。この3Fは部屋の区分けがされておらず、非常に広いことがわかる。
 装着していた「リンドヴルム」をバイク形態としたシャーミィは、エンジンを噴かせてデガスキメラへ向けて急加速する。
 バイクという敵へ圧倒的優位性を確信し、コウモリデガスキメラはすれ違いざまに攻撃を狙うが、その寸前で、「リンドヴルム」は後輪を跳ね上げた。
 敵の眼前でジャックナイフターンを決めて、シャーミィは飛翔するデガスキメラを叩き落とした。
 地に伏せたままデガスキメラが、超音波を発して二人に反撃する。
 そこへ響いた銃声は、この場に駆けつけた十夜によるものだ。彼の銃撃が敵の超音波を黙らせる。
 十夜の作り出した好機にシェリーが動く。
「さあて、そろそろトドメといくよ!」
「は〜い」
 アイコンタクトで彼女の意図を察したシャーミィは、シェリーの前に停車させて、後部座席に彼女を迎えた。
 タンデムとなった「リンドヴルム」が、ふらつきながら立ちあがるデガスキメラめがけて、タイヤを軋ませて突進する。
「Wカラー・疾風剣!」
 シェリーの咆哮とともに、すれ違いざまに彼女の剣が一閃する。アンバーとローズピンクの光が照明の下でさらに輝きを生み出した。
 壁に激突する寸前で「リンドヴルム」は180度方向を変えて、二人はデガスキメラの末路を目にする。
 歩み寄ったシェリーは、その足でキメラをむんずと踏みつけた。
「ふん、アタシに歯向かうなんざ百万年早いんだよ」

 プルシャンブルーがスーツを解除すると、マスクの下からはナナレンジャーの見知った顔が現れた。
「辰巳さんが無事で本当に良かった‥‥」
 無事であったという事実だけで、ユーリアには十分だ。疑うほどの精神的余裕もない。
「‥‥とりあえずは、無事でなにより、ですか‥‥」
 気づかう十夜だったが、囚われていた空と比べると、彼の方がダメージは大きいようだ。
「敵に捕まるなんざアンタ気合いが足りないねぇ。‥‥罰として半年間掃除係だよ」
 黒さを感じさせる笑みと共に、シェリーは辛辣な言葉と処罰で空を出迎えた。
 ビルから出てきた7人を前に、マルコが労いの言葉をかける。
「任務を達成したみたいだな。ご苦労さん」
 仲間を取り戻した彼等の顔は一様に明るかった。
「このビルはどうなるんですか?」
「調査のためにUPC軍で差し押さえるだろうな」
 ユーリアに訪ねられて、マルコが軽く答えた。
「その後は、ULTでイベント用にでも使うか。アミューズメントパークを造るとかな」

●次回予告

 敵アジトを確保したナナレンジャーは、デガスキメラや抗体スーツの研究を進めるため、地下にあるコンピューターをUPC軍基地へ搬送しようと試みる。
 ルート上に出現した強力なデガスキメラによって苦戦するナナレンジャー。
 デガスキメラを撃破するために、七人は全員の力を合わせた合体攻撃を試みるのだった。