●リプレイ本文
●食堂メニュー考案会
カンパネラ学園の食を担う食堂のおばちゃん達と生徒8名、聴講生のルアム フロンティア(
ga4347)がメニュー考案会に出席。
考案会に参加したいという生徒は大勢いたが、あまり大勢の意見を聞くことは無理なので食堂のおばちゃんの中心的存在で、生徒や教師の良き相談相手での稗田盟子の「聖徳太子は10人の声を同時に聞くことができたので〜参加生徒は10人です〜」の一言で人数決定。
納得できん! という生徒の猛抗議の末、『先が赤い細長い紙』を引かせて参加者を決めた。
「集まってくれてありがとう〜♪ 早速。意見を聞かせてちょうだ〜い」
「あたしが先にします!」
元気良く挙手した岩崎朋(
gb1861)の提案はどのようなものか。
●岩崎朋の提案
「女性向けの栄養バランスが取れたものが食べたいな〜」
栄養バランス摂取となるとミネラル等をを多く含んだものか、鉄分を摂らなければならないので、手軽な材料だとレバーが適している。
問題は、朋自身が好き嫌いが激しいという点だった。
「レバー大好きだから問題ないんだけど、どうしてでも食べられないって人がいるだろうから、それなりに工夫しないと駄目になりそうね〜」
そこまで意見を聞いた盟子は、それなら、レバーをペーストにして食べやすい味つけにしてパンにつけてみましょうか〜? と提案した。
「それ、あたしが作りたいんだけどいいかな〜?」
生徒の料理を食べてみるのもいいかも、と言う盟子意見に食堂のおばちゃん達はOKサインを出した。
(「やったぁ♪ 俊哉に手伝ってもらおっと☆」)
●都築俊哉(
gb1948)の意見
そうくるだろうと思った俊哉は、手軽に片手で食べられるような軽食系メニューを出してほしいと提案した。
「俺が考えてみたメニューは『おにぎりバーガー』。こういうのはいかがかな?」
おにぎりをハンバーガーのパンと同じようにして、その間にハンバーグ等を挟む、という軽食らしい。
「アイデアは悪くないんだけど〜、ご飯を固めにしないと駄目じゃないかしら〜?」
盟子のいうことは尤もだ。寿司のシャリ(飯)でも、しっかり握らないとすぐに崩れてしまう。
「でも〜試してみる価値はありますね〜。あなたが実際に作ってみて〜おばちゃん達に味見してもらうのがどうかしら〜?」
実際に食べてみないと何とも言えない、という盟子の意見に頷く食堂のおばちゃん達であったが、手に入れられる食材でどこまで出来るか試してみる価値はあると判断。
「後は、サイドメニューというか、軽い単品料理を増やすのもいいかもしれないな」
手軽に手が出せる値段で、量はやや多めのスナック感覚なものもいいと唐揚げとか。ポテトとか、小さめのピザとかも候補に入れていた俊哉だった。
「俺は料理とか上手くできないから、簡単な料理しかできないからな。だから、皆と一緒にいいメニューを考えたい」
応援するわよ〜、と後押しする盟子。
●メイフィア(
gb1934)の意見
「私は、甘い物がほしいです。ストロベリーパフェとか」
甘い物の食べすぎは良くないが、疲れた時や、頭を使う時には糖分摂取は良いと言われている。小さいサイズのパフェならちょっとした作業、作業の合間にも手軽に食べることができるだろう。
「私も、後でこれを実際に作ります」
甘いもの大好きな食堂のおばちゃんがいたので、瞳を輝かせてメイフィアに期待している。しかし、彼女は味覚障害なので極端に甘いものが好みである。
●大槻 大慈(
gb2013)の意見
「食い物の話が出たら、俺が来ない訳にはいかねぇだろ?」
どうしてでもメニュー考案会に参加したかった大慈は、希望者が殺到していたので参加できるのか? と不安だったが、当たりくじをひいたので念願叶って大喜び。
「俺が食いたいものはカレー! 学食って言ったら、やっぱこれだろ? 俺、まだ学食に入ったことがねぇから分からんけど、一般的な学食のカレーって申し訳程度に玉ねぎが入っているだけなんだよな。俺の好きなのは、野菜なんかの具が大きく切ってあって、皿に盛った時にドドンッ! ってな感じでゴロゴロッ! と具が乗っていると、
見た目だけで贅沢な感じがして嬉しくなっちゃうなぁ。それに、具が大きいほうが食べ応えがあって、腹も膨れやすいと思うんだよ、うん」
具を大きく、という案は良いが、あまりにも大きいと具を炒める、煮込む工程の時間が通常のカレーの倍かかる。
「カレーに季節ごとの旬ってあったっけ? ま、いいか。季節の中で一番美味い野菜や魚介類なんかをぶち込んでも美味いと思うんだよな。基本は同じ料理でも、具が変わると全く別の料理に変わるんだもん、嬉しくなって食べちゃうよ?」
シーフードカレーはあるが、魚を具に‥‥という抵抗感があるおばちゃんもいたので『具を大きめ』と『季節ごとの野菜を』という意見を受け入れた。
「あ、そうそう。カレーといったら福神漬け、らっきょが欠かせないけど、取りたい放題っての駄目?」
「構いませんよ〜」
盟子の意見に「ホントか? じゃあ、取り放題OKなんだな? やったぜ!」と喜ぶ大慈。
●鯨井レム(
gb2666)の意見
「僕が要望するメニューは、ずばりサンドイッチ。これは、食堂のおばさん方の条件をすべて満たしているのは言うまでもない。材料費は特殊な具材を用いなければ抑えられるうえ、他メニューの材料を使うことも可能。学生食堂である以上、コストを抑えるのは当然」
レム提案のサンドイッチは、たしかに食堂のおばちゃん達が出した条件に適った1品といえる。具材料はハム、レタス、トマト等の代わりに餡やジャム、クリーム、苺やバナナといった果物を挟むことでデザートにもなる。
「世界各国から人が集まるカンパネラ学園において、地方色の出るメニューは食べる人を選ぶおそれがある。サンドイッチならば、ワールドワイドに愛されているメニューで、具さえ配慮すればベジタリアンでも大丈夫」
持ち運び簡単、調理簡単なメニューなので、ある程度具を揃えれば良いかも。
「作り手に高度な調理技術を必要としない点も、今回考慮した点。作り置きせずとも、少数の人間の分ならば即席で作れる品というのは、いざという時に助かると思う。ちなみに、僕はゆで卵が入ったものが好きだ。是非ラインナップに入れてもらえるとありがたい」
手軽に作れて、具材の工夫次第で食事にもデザートにもなるサンドイッチ案は食堂のおばちゃん達は協議の結果、全員一致で採用。
●高岡・みなと(
gb2800)の意見
「直にメニューを話し合えるのっていいね。ボク達の意見がおばちゃん達の参考なるし、意見交換になるし」
みなと最初の要望は、プリンの種類を増やしてほしいこと。『特性ふわとろプリン』があるが、これはスタンダートなものだから『ふわとろチョコプリン』『ふわとろレアチーズプリン』が食べたいようで。
「とろふわプリンはそのまま残してね。一口サイズのデザートも食べたいな。一口ケーキはどうかな? おばちゃん達は作るのは大変そうだけど、手軽に食べられるから小食の人向きかな」
食堂のおばちゃんをなめてはいけない。デザートも作れるのだ!
「あ、和菓子も食べたいな! でも‥‥小豆が手に入るかどうか‥‥」
和菓子に関しては、小豆が仕入れられるかどうかという問題があるため保留。
「あとね、バイキング形式! この学園にはいろんな国から来た生徒や先生達がいるんだから、自分が食べたいものを選べるようにしてほしいな。女の子向きに、ヘルシーないおかずお願い! こんにゃく料理とか、豆腐ステーキとかさ」
ヘルシーなのは良いことだが、カロリー計算をしないといけない、こんにゃくはカロリーは少ないが消化があまり良くないということをみなとは知らなかった。
●斑鳩・南雲(
gb2816)の意見
「学園っ! 食堂っ! 青春群像って奴だねっ! 美味しいメニューを考えるねっ!」
学園なので運動、勉強、そしてご飯は基本という南雲の要望は、食堂に行くのが楽しみになるようなメニュー。
「まずはこんにゃくゼリー! ヘルシーでカロリー控え目っ! 甘くて美味しい女の子の味方っ!」
ゼリーにすればこんにゃくの甘くて食べやすく、食べ過ぎなければ消化不良にならないという食堂のおばちゃん達の意見でデザートに採用決定。
「高岡さんも言ってた豆腐ステーキっ! 精進料理で食べたけど、すごく美味しかったよっ!」
味付け次第では肉のステーキ並みに美味しくなるので、これは即決。
「オムレツ等のふんわり玉子料理って大事だと思うっ!」
セットメニューも考えてきた南雲は、旬の魚の塩焼きメインの『焼き魚定食』(切り身か丸々かは魚次第)。付け合せはシソの葉、生姜に大根おろし。『焼肉定食』は豚肉か牛肉を焼いたもの。付け合せはもちろんキャベツの千切りてんこもり!
『唐揚定食』は鳥の唐揚に付け合せはポテトサラダ。これにもキャベツてんこもり!
『野菜炒め定食』は、野菜のみを塩コショウで炒めたものに。これでカロリーは減少されるし、『豆腐ステーキ定食』は豆腐ステーキに大根おろしとシソの葉を付け合せ。
「豆腐ステーキだけど、ステーキソースでも美味しいけどドレッシングが意外と合うんだよ!」
「そうなの〜? 今度作ってみるわね〜」
美味しそうだから試してみる価値あり、とメモる盟子。
「メイン以外は、ご飯にお味噌汁、漬物、お好みで納豆、生玉子、海苔等、組み合わせはお値段据え置きで生徒の自由っ!」
お値段据え置きに関しては「学園長と交渉してみますね〜」とちょっと困った顔をして言う盟子だった。経理担当者が誰だかわからないからだ。
●常世・阿頼耶(
gb2835)の意見
「学食メニューの充実のために参加しました。コンセプトは『量的にガツンと来る』『体力作りに適している』『学園卒業後の主な進路となる就職先がUPC軍等』なので、頑健な体を作る源となる栄養のあるメニューがいいのでは」
「育ち盛りの子がいれば〜体力をつけなきゃいけない子もいますから〜」
盟子が、どのようなものが大量調理に適しているのかしら〜? と訊ねると、阿頼耶は「調理量を大きくすると、その分材料も大量になるわけですが、多様な品目を細かく仕入れるよりも数種の品目を大量に仕入れる方が安価になるのではないでしょうか。たとえば『ジンギスカン』とか」
そう言うものの、実際は『ラム(マトン)肉の焼肉』なので、メニュー表記する場合は『ジンギスカン風焼肉』になるのかもしれない。
「タレに漬け込んだ羊肉と、肉と別に焼いた野菜を一緒に出す事になるのでしょうか? 漬け込みだれは普通の焼肉のたれではなく。摩り下ろしリンゴとか、蜂蜜とかを入れてみる、というのもできますよ」
タレは他の焼肉系のメニューにも使えるので、カルビ焼きとか焼肉でも良さそうだが、それだけだと寂しいので、同じ焼肉でも肉にバリエーションを、と言うのが最大の理由だとか。
「豚の生姜焼きとかブリの照り焼きは、メニューにありそうなのでやめます」
その2品は既にありますよ〜、とニッコリ笑って言う盟子。
●ルアム フロンティア(
ga4347)の意見
聴講生であること、最年長であることを考慮してか、最後に意見を述べたルアムの意見は、学生が好きそうな物を中心に。見た目も味も楽しめることを考慮すべきだということだった。
提案としては、デザートは小腹がすいた時にはチョコ掛けシュー皮の中にカスタードクリームが入っている『エクレア』、食欲がない時の栄養源『中華粥』。
「‥‥中華粥のトッピングは‥‥何でも良いが‥‥簡単なうえ‥‥ほんのりとした味付けが‥‥お勧め‥‥」
そのほうが食が進むと提言するルアム。
季節を感じさせたいなら、苺たっぷり乗ったサクサクの甘いタルト型ビスケット『苺ビスケット』、口の中で溶ける柔らかさの抹茶風味羊羹『淡雪かん』。
「‥‥あれも食べたい、これも食べたいと言う人には‥‥『ミニミニ料理セット』がいいかも‥‥。飽きが来ないと思う‥‥」
心の元気がない時には、ほんのり甘いチョコレートを溶かして混ぜる『ホッと一息ココア』は、牛乳の甘さも相まって心の中からふわっと温まる優さが感じられる。
『鍋煮込みらぁめん』は、試験勉強に追われている時にほっと溜息を、ということで考案。
「あなたの意見は〜とても参考になったわ〜。遊び心もあるメニュー名もいいわね〜。差し入れにもらった飴細工の『カンパネラ学園校章』と『カンパネラ学園校舎』は〜食べるのが勿体無いくらいの出来です〜。『カンパネラ学園校章』の飴ですが〜、食堂のおばちゃん一同で話し合った結果〜、正式採用することに決まりましたので〜、後でレシピを教えてくださいね〜」
ありがとうございます‥‥と頭を下げて礼を言うルアムだった。
●生徒とおばちゃん達のコラボ
これまで提案されたメニューだが、調理したいと申し出た生徒達は実際に食堂の厨房で作ることに。食堂のおばちゃん数名が手伝うが、できない部分だけ代わりにするだけである。
「手洗いはちゃんとして〜三角巾とエプロンをつけてね〜」
衛生面はちょっと厳しい盟子が、一切手伝わない。
朋と俊哉は、協力して『鶏レバーペースト』作成。
鶏レバーはざっと洗い、白い部分を切り取ってから一口大に切り血合いを丁寧に取り除いてから冷たい牛乳を入れたボウルに30分ほど漬け込み、その後、鍋にバターを入れ中火で下処理したレバーを炒め、中まで火が通ったら、鍋から取り出し、同じ鍋でスライスニンニクと玉ねぎをしんなりするまで炒める。
それに鶏レバーを戻し、オールスパイス、ジンジャー、塩、コショウを振りかけ、白味噌とブランデーを加え混ぜ合わせ、火を止め冷ます。
冷めたものにローズマリーのみじん切りとレバーをフードプロセッサーでペーストにすれば完成。ちなみに、ペーストにしたのは俊哉だった。
メイフィアのストロベリーパフェは甘みを控えめにすればメニューとして出せるし、みなと案の一口ケーキは、甘いものが苦手という人でも食べられそうなものだった。
おにぎりバーガーは、固めに握ったご飯にハンバーグを挟めば完成。心配されていたご飯崩れはなかった。
「おばちゃん、試食はしないのか?」
大慈が期待の眼差しで盟子を見つつ、早く食べたいと言いたげに聞いた。
「では、いただきましょう〜」
こうして、実現されたメニュー試食タイムが始まった。
●正式採用メニュー
『鶏レバーペースト』(朋考案)
『おにぎりバーガー』(俊哉考案)
『苺クリームパフェ』(メイフィア提案)
『デザートサンド各種』(レム提案)
『一口ケーキ』(みなと提案)
『こんにゃくゼリー』(南雲提案)
『豆腐ステーキ』(みなと、南雲提案)
『具でかレー』(大慈提案、命名)
『カンパネラ学園校章飴』(ルアム考案、作成)
これらが食堂デビューする日は近いだろう。