タイトル:息子と母親の前途多難マスター:竹科真史

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/07/06 18:13

●オープニング本文


 ジェフとアンナの母子が、身を寄せている伯父(アンナの兄)の家を出ることになった。
 伯父家族と折り合いが悪いとか、そういうことではない。
 いつまでもここにいては、伯父家族もキメラの犠牲になると考えてのアンナの決断だった。

 4月に行われたジェフのバースデーパーティでは、ジェフが可愛がっていた愛猫・ミシャそっくりのキメラが現れ、その一ヶ月後には、父・ラルフに似た男がワーウルフに変身し、母子を襲おうとした。
「兄さん、本当にありがとうございました。長いこと、お世話になりました‥‥」
「おじさん、ありがとう」
 伯父にお辞儀する母子。
 そんな母子の引越し先は、以前カウンセリングを行ってもらったカウンセラー・碓井梓紗が住むサンフランシスコ付近だ。ジェフのカウンセリングが長引きそうなので、思い切って引っ越すことにしたのだ。
 ひとつ問題なのは、引っ越し先が安全地域あるサンフランシスコ手前なので情勢が不安定な点である。

 数日後。アンナとジェフ母子はUPC本部を訪れ、ソウジ・グンベにあることを頼んだ。
「お願いがあります。能力者の皆様はお忙しいことと思いますが‥‥私達の引越しを手伝ってほしいのです。サンフランシスコは安全地域と聞きましたが、その手前の地域ではキメラが出現するかもしれません。それに、この子と親しい能力者が傍にいてくれたほうが安心なんです」
 立て続けに起きたキメラ襲来により、ジェフは未だに元気が無いのでアンナの言うとおり、ジェフが慕う能力者達が傍にいたほうが良いかもしれない。
 そう判断したソウジは、能力者に呼びかけてみますと母子に伝えた。

「能力者諸君に仕事だ。‥‥というが、引っ越し作業だ。アンナ、ジェフ母子が、安全地域であるサンフランシスコ付近に引っ越すことになった。長期にわたり、サンフランシスコ在住のカウンセラーのカウンセリングを受けるのが理由だ。ジェフ少年は、立て続けに起きたキメラ襲来で未だに精神的不安定な状況にある。そこで、ジェフと親しい能力者達に協力してもらいたい。母子と面識の無い能力者の参加も歓迎する。ジェフ少年を安心させることがキミ達の仕事だ、と言いたいがジェフの伯父宅周辺上空には飛行型キメラが出現しているのでナイトフォーゲルでの護衛も頼みたい。この話は、母子を不安がらせないように話していない。話すと、ジェフ少年が余計不安定な状態になるからな。詳細は、能力者が集まり次第報告する」

 報告が終わった後、ソウジは大きな溜息をついた。
「何てこったい。これから新天地へ向かうって時に‥‥」
 引っ越しには飛行機がいるな、とソウジは母子の分の旅客機の手配をし、上官に頼み込んでナイトフォーゲルによる護衛の許可を得た。
 旅客機はUPC軍の戦闘機の護衛を受けて運航している。それがナイトフォーゲルに代わるのだから、航空会社も断る理由はない。こちらは問題なく通った。
 許可を出した際、何故あの母子に肩入れする? と上官に尋ねられたソウジは
 何故あの母子に肩入れする? と上官に尋ねられたソウジは
「今は亡き、大切な友人の家族だからです‥‥」
 と、寂しげな微笑で答えた。

 新たなる生活の前途が多難とは、神か悪魔の気まぐれとしか思えないソウジだった。

●参加者一覧

赤村 咲(ga1042
30歳・♂・JG
鷹代 朋(ga1602
27歳・♂・GD
篠原 悠(ga1826
20歳・♀・EP
新居・やすかず(ga1891
19歳・♂・JG
三島玲奈(ga3848
17歳・♀・SN
リュイン・グンベ(ga3871
23歳・♀・PN
南雲 莞爾(ga4272
18歳・♂・GP
嶋田 啓吾(ga4282
37歳・♂・ST
アンジェリナ・ルヴァン(ga6940
20歳・♀・AA
ゼシュト・ユラファス(ga8555
30歳・♂・DF

●リプレイ本文

●出発の時
 アンナ、ジェフ母子の引っ越し手伝い兼護衛に参加した能力者は、ジェフに慕われている鷹代 朋(ga1602)はじめとする男女10名。
 朋、赤村 咲(ga1042)は依頼指揮官であるソウジ・グンベと共に母子に挨拶。
「こんにちは、アンナさん。ソウジ中尉から話を聞きました。俺で良ければとこの依頼を引き受けることにしました」
 朋を見かけたジェフは、一緒にいられると思い嬉しくなった。
「こんにちは、ジェフ君。俺は今日、きみと一緒に旅客機に乗るんだよ。途中までだけど」
 お仕事(依頼)で? と尋ねるジェフに「遊びに行くんだよ」と笑顔で答える朋。
「久し振りだね、ジェフ君。きみとはママを捜す時の依頼であったんだけど‥‥ボクのこと覚えてる?」
 咲の顔を覚えていたジェフだったが、名前がなかなか思い出せないでいる。
「咲‥‥お兄ちゃん?」
「そうだよ。覚えていてくれて嬉しいな。ボクも鷹代さんとソウジ中尉と一緒に旅客機に乗るんだ。宜しくね」
「うん!」
 ジェフは自分の名前を覚えていてくれて良かった、と胸をなでおろす咲だった。
「アンナさん、彼らがジェフに話したように2人も旅客機に同乗します。俺が仕事で旅客機に乗る際、あなた達をサンフランシスコまで送ると言ったら「自分達も」ときかなくて」
 そんなこと言ってない、と反論したげな目でソウジを見る朋と咲。
「そ、そうなんだ。ねえ、鷹代さん」
「あ、ああ」
 そういうものの、士官服姿のソウジが同乗することに疑問を抱くジェフ。
 二人が旅行鞄持参ということもあり、ジェフは安心したようだ。彼らの鞄の中にはぬいぐるみ、アニメDVD、お菓子、ジュース等、ジェフが好きそうなものが入っている。

「アンナさん、ジェフ、こんにちはー。うちは篠原 悠(ga1826)や、宜しゅう。引っ越しのお手伝いに来たでー!」
 母子とは初対面なので明るく元気、フレンドリーに挨拶する悠。
「悠お姉ちゃんも能力者なの?」
「せや。今日はジェフん家引っ越しのお手伝いが依頼や。作業の途中なんでこれで失礼しますー」
 ジェフに手を振りながら、引っ越し業者に扮した仲間のところに悠は戻った。

 悠以外で引っ越し業者に扮して依頼をこなすのは新居・やすかず(ga1891)、三島玲奈(ga3848)、リュイン・カミーユ(ga3871)、嶋田 啓吾(ga4282)。
 4名は母子の荷物を家から運び出しながら咲、朋、ソウジと笑顔で話している様子を窺いつつ、護衛していることを気づかれないように自然に振舞う。
「血の繋がらない娘が、闇が怖くて眠れないと言っていましたねえ。恐怖は必要な感情ですが、バグアやキメラが与える恐怖は不要です」
 立て続けにキメラに襲われたことが原因で精神的に不安定になったのだろう、と推測する啓吾。
「僕もそう思います。あの子にはこれ以上、怖い思いをさせたくありません」
 啓吾と子供服収納ボックスを運びつつ、やすかずはそう言った。
(「依頼に私情は挟まんが、ソウジが大切に想うものは我も護りたい」)
 調理器具が入っているダンボール箱を運びながら、母子を見て誰よりも護りたいと思うリュイン。

「引っ越し準備終わりました。カリフォルニアの青空の下でゆっくりして下さいね♪」
 営業スマイルでいつでも出発できますよと言った玲奈は、ソウジに近づくと耳打ちで『例の準備、できています』と報告した。
「アンナさん、行きましょうか。ジェフ、朋と咲が一緒で嬉しいだろう?」
「うん!」
 何も知らないジェフを騙したことに罪悪感をおぼえたソウジだった。

●移動開始
 旅客機がある空港には、母子、朋、咲、ソウジはハイヤーで。
 引っ越し業者役の能力者は、啓吾運転の運転する引っ越し業者のペインティングを施したトラック、リュイン運転の悠のジーザリオで空港に向かった。
 トラック前方を先行警戒し、危険なことが起きた場合は他車両へ無線連絡する担当者はジーザリオにいるゼシュト・ユラファス(ga8555)。
「キメラに幾度と無く遭遇するとは、ついてないにも程があるな‥‥。慰めようは無いが、せめて空の旅くらいは安らぎを与えたいものだな」
 ゼシュトは、新たな生活を始めようとする場が安全であるよう願った。
「今のところ、キメラらしきものはいないようです」
 トラックの助手席にいるやすかずは、移動中は警戒を怠らない。

 トラック、ジーザリオから離れて車を運転している南雲 莞爾(ga4272)は、玲奈とアンジェリナ(ga6940)を乗せ2台を見失わないよう、慎重に運転しながら警護している。
 アンジェリナは移動中は窓から見える外を見ながら、バースデーパーティーの時にあったジェフのことを思い出していた。ソウジ達との同乗も考えたが、人懐っこいジェフに若干の苦手意識があるのでどう接すれば良いかわからず、戸惑いそうなので辞めた。

●空港到着
 数10分後、一行は空港に到着。
「旅客機のパイロットに挨拶をしてきますので、ロビーで待っていてください」
 ソウジは、旅客機の死角で待機中のナイトフォーゲルがある場所に向かった。朋、咲を除く能力者は全員、ナイトフォーゲルで旅客機の護衛を務める。
「作戦だが、どうするか決まったのか?」
「大丈夫ですよ、ソウジさん」
 咲のEF−006ワイバーンを借りた啓吾が、作戦概要の説明を始めた。
 彼を中心として話し合った結果、旅客機の前後左右にナイトフォーゲルの配置し、4つの隊に分かれて行動するとのこと。
 A隊は前方、B隊は右翼、C隊は左翼、D隊は後方護衛で、旅客機を基準にそれぞれの隊内で1機ずつ上下高度をずらして配置。
 A隊は玲奈、ゼシュト。B班はリュイン、莞爾。
 C班は啓吾、やすかず。D隊は悠、アンジェリナ。
「皆、嶋田の兄さんの作戦でいいな? 旅客機には母子以外の乗客も数名いるので、十分注意するように」
 そう言うと、ソウジは母子達のところに戻った。

「正直、ナイトフォーゲルは苦手だ。日々の修練で磨いた技が発揮できない」
「何言うとんの。唯一の岩龍乗りなんやからしっかりしぃや。皆、アンジェリナさんを頼りにしとんのやから」
 悠の一言に「‥‥そうだな」と納得するアンジェリナ。
「そろそろ旅客機が離陸するようです。出撃準備を始めましょう」
 玲奈の一言の後、各自ナイトフォーゲルに騎乗し離陸準備を行った。

●空を飛ぶ
 サンフランシスコに向かう旅客機の前方を護衛するA班ナイトフォーゲルを戦闘に、旅客機を囲むようにナイトフォーゲル護衛班は各配備についた。
 ソウジは操縦席に、母子と咲、朋の4人は最後列の席についている。
 他の乗客もいるのでなるべく騒がないよう楽しい雰囲気に持ち込むことにした朋は、小さな鞄から携帯ゲーム機を取り出した。カードゲーム、アメコミヒーローコミックも鞄に入っている。
「あまり珍しいものは無いんだけど‥‥とりあえず、対戦ゲームでもやろうか。それとも、赤村さんも一緒にカードゲームがいいかな?」
「ぬいぐるみやお菓子もあるよ。どれがいい?」
 ジェフはじっくり考えた後「カードゲームがいい」と答えた。トランプがあったのでババ抜きをすることに。
「トランプは終わったらアニメDVDを見ようね」
「うん」
 ジェフと遊んでいる最中、朋は上着の裏側に提げている拳銃を気にしていた。

 旅客機後方飛行中のアンジェリナは、岩龍のレーダー機能を最大限に展開し、キメラの反応に集中。
 悠はアンジェリナの岩龍と情報をリンクしつつ、後方で索敵を行っている。
 前方と右翼護衛のA班、B班の統括指揮を執るのはゼシュト。
 配置はゼシュト機が上方、玲奈機が下方を飛行しながら二機一組行動を駆使できるようスタンバイ。
 莞爾はリュインと共に右翼の警護、警戒にあたったいる。上方は莞爾、下方はリュインが担当。
 莞爾のナイトフォーゲル理念は、各距離対応の戦闘を可能にする万能型。間合いに応じた武器変化をつけ、前衛突撃も後方支援も可能な状態にしてある。
 リュインは配置での警戒、警護の他、岩龍とのデータリンクによる状況把握でキメラ早期発見するよう努めている。
 左翼担当のやすかずは上方から左から上にかけて、啓吾はレーダーと目視で下方を警戒しながら左翼と同高度を保つよう飛行。
「キメラですが、今のところいないようですね」
「やすかず君、油断は禁物ですよ」
 C隊の二人が安心した数分後、アンジェリナが何かを察知した。

『アンジェリナだ。各員へ告ぐ、8時の方向に敵影発見』

 いよいよ敵の登場か‥‥と、ナイトフォーゲル護衛班全員が固唾を呑んだ。

●戦闘準備
 操縦席にいるソウジは、アンジェリナからキメラ出現報告を受けると操縦士に「キメラが来ます。能力者が全力で護りますので通常通り運航願います」と報告。
『ソウジだ。アンジェリナから連絡があったと思うがキメラが出現した。旅客機から遠ざけた後、全力で攻撃せよ! 旅客機をなるべくキメラ出現場所から遠ざけるように操縦士に指示したが、いつ接近するかわからん。皆、後は任せた!』
『イエッサー!』

 旅客機が少し方向を変えたことに気づいたのか、ジェフは不安そうな顔をした。
「朋お兄ちゃん、キメラが来るのかな?」
「どうして?」
「そんな気がするの‥‥」
 幾度と無くキメラと遭遇したためか、敏感になっているようだ。
「大丈夫。キメラが来ても他の能力者がやっつけてくれるよ」
 咲も朋同様、無用に騒ぎ立てられた場合を想定していたが乗客達がまったく気づいていないことに安心した。
「大丈夫。たとえキメラが旅客機を襲おうとしても、能力者の皆が守ってくれるから」
 大声を出さない限り、他の乗客には朋達の会話は聞こえないだろう。
 朋と咲がすべきことは、母子を護ることだ。

●空の戦闘
 ナイトフォーゲル班はキメラ・プテラノドンに接近し、旅客機から遠ざけるよう誘導し始めたが、アンジェリナだけは決して旅客機の傍から離れなかった。プテラノドンが接近する可能性があるので、岩龍の機能性を頼りに出現場所を探るしかない。
「悠、皆と共にキメラ退治を頼む。私はキメラを旅客機に接近させないようにする」
 わかった、と返答し、悠はプテラノドンに接近した。
「翼竜ねぇ‥‥どんどん何でもアリになってきたやん、キメラの種類」
「バグアのキメラ作成バリエーションが増えた、いうことでしょう。奇抜なキメラが出た例もありますし」
 そうなん? と玲奈の言葉に驚く悠。
「きみ達、お喋りはそこまで。戦闘開始だ!」
 ゼシュトの「戦闘開始」の一言が合図となったのか、各隊一斉攻撃。
「旅客機と岩龍護衛はうちに任せときっ!」 
 悠は旅客機とアンジェリナ機を死守すべく牽制攻撃を行い、プテラノドンを近づけさせないようにしている。
「皆、戦前は任せたで! 気張りや!」

 ゼシュトと玲奈は挟撃に持ち込むため、プテラノドンに接近。
 ゼシュト機が攻撃時は、プテラノドンの急接近を警戒しつつスナイパーライフルD−02を発砲。
「晴天の霹靂め〜! 粉砕したるわ〜!」
「母子を襲わせるわけにはいかないんでね」
 ゼシュトはH−044短距離用AAMで釘をさすように牽制の要として行動しながら、流れ弾が旅客機に当たらないよう発射方向に厳重に注意している。
 接近戦メインの2機は近づきすぎたのか、プテラノドンに尻尾で払われた。
「いったぁ〜!」
「くっ‥‥接近しすぎたか!」
 悔しがるA隊。

 A隊と共に行動しているB隊の莞爾は、間合いに応じた武器変化をつける他、前衛突撃も後方支援も可能な装備なので長距離攻撃、後方支援時にも機動戦闘を忘れず確実に攻撃するよう心掛けてながら3.2cm高分子レーザー砲と突撃仕様ガドリング砲を使用し、掃射後に動きが鈍ったのを見計らい3.2cm高分子レーザー砲を直撃。
 雷電の機種依存特殊能力『超伝導アクチュエータ』で精度を上げた後、各隊の戦闘態勢が揃うまでホーミングミサイルG−02、3.2cm高分子レーザー砲で牽制攻撃。
 B隊も攻撃中に接近しすぎたこともあり、プテラノドンの尻尾、爪攻撃を喰らった。
「おのれぇ!」
 攻撃されたことに激怒するリュインに対し、莞爾は冷静だった。

 C隊のやすかずはA隊、B隊を援護しつつスナイパーライフルRで牽制しつつ、プテラノドンの標的を旅客機から自分達に変えるようUK−10AAMで迎撃。
 主な狙いは顔面と翼。翼が傷つけば飛行に支障をきたすと予測してだ。顔の攻撃は、他所への攻撃に比べ無視し難いものがある。運が良ければ目潰し可能だ。
「全隊揃ったようですから、キメラと旅客機の間に位置付けしましょう」
 合流した啓吾が各機に連絡した後、旅客機とプテラノドンの位置を確認。十分離れていることを全機に報告後、G放電装置で牽制。
 やすかず機と射線を微妙にずらしながら敵の行動を阻害し、攻撃されそうな機体のフォローも行っている。
 弾幕の効果が切れたのか、プテラノドンは啓吾機に向かってきたがUK−10AAMで迎撃。
「照明弾を使うから直視するなよ!」
 各機に伝達後、プテラノドンを旅客機から逸らすため照明弾を発射。機種依存特殊能力『マイクロブースト』を使用し回避、命中を上げ攻撃を続けた。
「唸れ、空戦スラビライザー! 未来を拓け〜!」
 玲奈はF−104改バイパーの機種依存特殊能力『ブースト空戦スタビライザー』使用後、試作型リニア砲、3.2cm高分子レーザー砲連発。
 プテラノドンの背後に回り込んだリュインはバルバロッサ、3.2cm高分子レーザー砲で翼を狙い、機動力と攻撃力を削り取った後、距離を近づけUK−10AAMを3連射。
「目障りだ‥‥墜ちろっ!」
 リュインの猛攻撃でプテラノドンが墜落した。

 プテラノドン退治:成功!

●新天地へ
 ナイトフォーゲル班の能力者達は、一足先に空港に着いた。空港側には、事前にナイトフォーゲル着陸許可を申請してあるので問題は無い。
 母子と朋、咲到着後、引っ越しトラックとジーザリオ、ハイヤーで引っ越し先に向かった。
 母子がカウンセリングを受けるために引っ越すことを初めて聞いたかのように振舞う咲と朋は、手伝いを申し出た。
「ジェフ君、もうすぐ着くよ。よく頑張ったね」
「咲お兄ちゃん、朋お兄ちゃん、お手伝いしてくれるの?」
 コクンと頷く2人。
 引っ越しは能力者、母子の頑張りで短時間で終了。
「ジェフ君、今日はこれでお別れだけど時間があったら遊びに来るね。今度は外で遊ぼう。俺、外遊びならいろいろ知ってるから」
「約束だよ」
 ああ、約束だと、朋はジェフと握手した。その後、咲も約束だよと握手を求めた。
 こうして、母子は新天地での生活をスタートさせることができた。

 その日の夜。
「今は指揮官と傭兵ではなく‥‥恋人だ。母子の新生活を祈って飲むぞ、ソウジ」
 リュインと共にバーに行ったソウジは「2人で母子の新生活を祝うか!」と言った。

 母子の新生活に幸あれ。