タイトル:【AP】兵器少女考案談議マスター:竹科真史

シナリオ形態: イベント
難易度: 易しい
参加人数: 3 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/04/13 07:05

●オープニング本文


 1990年代前半に突然現れた未知の地球外生命体、バグア。
 人類社会への無差別攻撃・征服を行っている彼の中にも、人類同様、娯楽に飢えているモノもいる。

 大規模作戦『【極北】Operation of Far North』真っ只中のグリーンランドにあるバグア基地内。
「これのバグア兵器バージョンがあったらなぁ‥‥」
 ゼオン・ジハイドの11、風祭・鈴音配下のバグアの1人は基地付近の雪原に落ちていた折れそうな程細身の体、儚げな印象を抱かせつつ、そこはかとなくダークなKV少女「骸龍」を手にそんなことを考えていた。
 フル稼働な精巧フィギュアを弄りつつ、これを鈴音に見つかったら没収される! とバレないようこっそり鑑賞していたのだが、運悪く見つかり取り上げられた。
「このようなもの‥‥人間の玩具は私達には不要です」
「ひ、酷い‥‥!!」
 床におもいっきり叩きつけられ、仕舞いには草履でグリグリに。その時の鈴音の表情は、普段の穏やかさはどこへやら、鬼のようになっていた。怖いので「鬼みたいだ‥‥!」と面と向かって言えないが。そんなこと言ったら、得意の音波洗脳でものすごく酷い目に遭わされる‥‥かも。
「そのガタクタを早く片付けなさい、目障りです」
「は、はい‥‥」
 鈴音が去った後、バグアは泣きながら欠片をひとつずつ丁寧に拾いながら「ごめんね、ごめんね‥‥」と謝る。
「とんだ災難だったな。実は、俺も持ってるんだよ、そういうの」
 そう言って仲間がこっそり見せてくれたのはKV少女「フェニックス」。
「敵の兵器だってのに、何でこういいんだろうね。ちなみに自分はこれが好き!」
 ともう1人がじゃーん! と見せたのはKV少女「斉天大聖」。
「おお、心の友よ!!」
 KV少女がイイ! と思ったのは自分だけではないことに大喜びのバグア。
  
 その後、出撃までの時間潰しにとバグアは自分だけで考えるのはつまんない、と仲間を巻き込んでバグア兵器な少女フィギュア考案会を強引に実行したのだった。

※このシナリオはエイプリルフールシナリオです。実際のWTRPGの世界観に一切関係はありません

●参加者一覧

/ UNKNOWN(ga4276) / 基町・走太郎(gb3903) / ミリハナク(gc4008

●リプレイ本文

●兵器少女を熱く語ろう!
 愛でていたKV少女を壊され半べそをかいていたバグアだったが、同類である『心の友』と称する同士を集め、バグア兵器な少女フィギュアの話をすることで立ち直ることができた。
「ふむ、そういうのがいいのかね? バグアにそういう者がいるなら私も協力しよう」
 考案会に参加した、というよりさせられたのはふらりと現れた「こんな奴、バグアいたっけ?」と心の友達に思われているダンディなUNKNOWN(ga4276)、無駄に露出の高い服装の天然系お姉様のミリハナク(gc4008)、元気系ゲーマー少年の基町・走太郎(gb3903)の3人。
「可愛い少女は大好きなので熱く、エロく語りますわよ! 下着の作り込みなくして何が兵器少女よ!」
「おお、同士よ!」
 どさくさに紛れてミリハナクの手をがっちり握るバグア。
「兵器少女の下着は、KV少女のものより精巧にしましょう!」
「こういう話、いいねぇ。下着精巧は俺も賛成! ということで‥‥俺が考えたのはコレだぁ!」

●ビューティ系兵器少女
 真っ先に発表した走太郎が考案したのは少女擬人化ステアー。
「兵器少女「ステアー」はボンキュボンなポニーテールダンサーで、深紅のハイレグレオタードに白のレッグウォーマー姿だ! どうだ、セクシーだろぉ?」
 セクシーだったら負けませんわ! とミリハナクは砲戦兵器少女「Rex−Canon」を考案。
「Rex−Canonを少女擬人化したフル稼働フィギュアですわ。セクシーなボディスーツを着た高飛車系お姉様で、温度で服の色が変わりますの」
「いいね、いいねー!」
 ナイスバディなお姉様を瞬時に想像したためか、バグアの鼻息が荒く、顔が赤らんでいる。
「私が考えたのは、KV少女「K−111」の色違いでスカーレットという名前のファームライド少女だ。赤ゴスロリで傘で隠すようにしているのだが、クールビューティを装っている恥ずかしがり屋だ。胸が残念なのはカプロイア仕様ということで」
 セクシー系もいいけど恥ずかしがりなのもいいねー! と喜ぶバグアに「どっちがいいんだ!」と心の友数人に突っ込まれたため鼻血が出てしまった。ポケットティッシュを取り出すと鼻の穴に詰め「他にはどんなものがあるんだ?」と考案会の続きを促す。

●制服系兵器少女
「こういうのもあるが」
 銜えていた煙草の煙をふかしたUNKNOWNが考案したのは機動兵器少女「小型ヘルメットワーム」。目をキラキラ輝かせたたちびっ子で、タンクトップに色違いのフレアミニスカ姿をしていてとにかくたくさんいるらしい。
「同類として中学生バージョンの「中型ヘルメットワーム少女」と高校生バージョンの「大型ヘルメットワーム少女」というのもある。大学生バージョンのビッグフィッシュ、疲れたOLバージョンのギガワームもあるのだが、どうかね?」
 学生もいいねー! とご満足なバグア。
「私もヘルメットワームで考えてみましたわ。こういうのもどうかしら?」
 ミリハナクは機動兵器少女「本星型ヘルメットワーム」を考案。
「本星型ヘルメットワームを少女擬人化したフル稼働フィギュアで、三つ編み眼鏡の鉄壁才女キャラクタとしてデサインしましたわ。校則通り、学生服着用していますの」
 学生ならこういうのはどうだ! と負けじと走太郎が考案したのは陸戦兵器少女「ゴーレム」。
「ごつい体型、おっさん顔の「本当に少女か!?」と疑いたくなるほどのオヤジな外見だ。良く見るとヒゲが生えている。スカートが長いスケバン風セーラー服姿だ。古臭いって? 気にするな」
 そういうのはヤだな‥‥とバグアは青褪めた。実際にそういうゴツいおっさん少女がいたら怖い。
「制服とはちったぁ違うが、迷彩服に青いベレー帽姿の戦艦少女「ラインホールド」は銃器マニアであらゆる銃を使いこなせる軍人少女で、バズーカ砲での破壊活動が得意だ」
 これイイ! とさっきまでの顔色はどこへやら、バグアは急に元気を取り戻した。

●ゼオン・ジハイド専用機少女
 健康的なのはいかがかしら? とミリハナクは超高速兵器少女「フォウン・バウ」を提案。
「フォウン・バウを少女に擬人化させたフル稼働フィギュアで、最速を目指すアスリートキャラですわ。スパッツが眩しいわよ」
「フォウン・バウがいるんだったら、ゼダ・アーシュもいないとな! 機動兵器少女「ゼダ・アーシュ」はショートカットの目つきが悪い不良少女で、鉄パイプを持ってるんだ。背中に「夜露屍苦」と書いてあるグレーの特攻服がトレードマークだ。ソルもあるぜ。あと、機動兵器少女「ソル」は高身長のスポーツ少女でバレーボール部所属だ。スラリとした手足とブルマーに包まれた形の良いヒップが魅力的だ! でも怒ると怖い」
 ゼオン・ジハイド専用機も、ミリハナクと走太郎の手にかかれば個性的な少女に大変身。

●少女チック兵器少女
「妨害兵器少女「キューブワーム」は不思議系電波少女で、パジャマ姿でぬいぐるみを抱いていて、妨害兵器少女「メイズリフレクター」は方向音痴のドジっ娘系で、キラキラした装飾でゴテゴテと自分をデコラーションしていますの」
「ミリハナクさんもメイズリフレクターを考えてたか‥‥。俺が考えたのはグルグル眼鏡の常に電波を受信している不思議ちゃんで、UFO本をいつも持ち歩いているブレザー少女って設定だ」
 キューブワーム、メイズリフレクター共に不思議で個性的な少女という設定のようだ。
「補助兵器少女「マインドイリュージョナー」は小柄なメルヘン思考少女で、キノコを思わせる提灯ブルマーのような衣装と赤い魔法ステッキが特徴だ。魔女っ子チックなのもいいだろ?」
「アースクエイクを少女擬人化した地震兵器少女「アースクエイク」は、割烹着を着た腹ペコ系少女ですわ」
 心の友に指摘されるまで涎が垂れていることに気付かなかったバグアは、アースクエイクの手料理を想像していたのだろう。
「一卵性双生児の兵器少女ってのもいいんじゃない? 陸戦兵器少女「タロス」は姉で斧槍を装備しているジャージ姿のボクっ子、そっくりな「ティターン」は妹で、日本刀を装備している着物姿のガードが固いお嬢様って設定だ」
 装備と服装が同じだったらどっちがどっちかわかんなさそうだなー、とバグアは困惑。

●捕虜系兵器少女?
 鹵獲KV少女というのもあっていいのではないか? とUNKNOWNが提案する。
「既存KV少女の改造品で旧型機が多いがね。蝶形アイマスク付けただけだが」
 KV少女「K−111」はいないが‥‥と呟くと新しい煙草を取り出し、一服してから銜える。
「バグアに捕獲されたKV少女、ってとこか?」
「まあ、そんなものだ」
 兵器や補給物資を奪う鹵獲は広義の意味では「捕獲」と称される場合もあるが、軍事用語としてはこれが適当な言葉なので走太郎の言葉でも間違ってはいない。
「我らに捕らわれた敵の少女かー。それ、そそられるねー」
 バグア、何やら危ないことを考えているようで‥‥。

●考案会強制終了
 様々な案がある程度出揃ったところで、これらを実際に作ろうと思わないかと美術や彫刻の知識があるUNKNOWNが言い出した。
「え? でも、どうやって作るのかわかんないし」
 フィギュアの作り方を知らないバグアに、手取り足取り制作法を伝授。
「型を作り、量産体制を作るのだが、秘密にやるのが楽しいと思わないか?」
「ま、まぁそうだけど‥‥」
 こんなの作っているのが鈴音様に知れたら踏みつけにされたKV少女みたいになる! とビビったが、兵器少女を作りたいという欲求が勝り、怖さは一気に吹き飛んだ。
 帰ってきたら早速制作だ! と意気込んだが、
「貴様ら、まだ出撃していないのか! 鈴音様が怒ってらっしゃるぞ!」
 この役立たず共が! と上官なバグアが怒鳴りズカズカと基地内へ。
「ん? 貴様、見かけない顔だな。バグアではないな?」
 訝しげにUNKNOWNの顔を覗き込む上官バグアに「ちょっと話があるから裏に行こうか」と肩を叩き、外に連れ出した。
「あのダンディな人、正体バレたとか?」
「私達、ここではバグアですのに」
 エイプリルフールだからいっか、と止める気まったく無しの走太郎とミリハナク。
 基地の裏では、UNKNOWNが膝蹴りと小型超機械αを使い「私はバグアだ、そうだろう?」と上官バグアを脅していた。
 話が終わった2人が戻ってきたところで出撃の時間となったので、兵器少女考案会は終了することに。

●兵器少女のその後
 考案会を実行したバグアはどうなったかというと‥‥。
 出撃したのはいいが、搭乗していたヘルメットワームが撃墜させられ撤退を余儀なくされた。素早く脱出したため無傷、というのは運良すぎだが。
 その後、傭兵達と鈴音に見つからないよう命からがらグリーンランドを逃げ出し、UNKNOWNからじっくり教わったフィギュアの作り方を活かして考案会で提案された兵器少女達を作り出してはうっとりとした表情で愛でていた。
「これ、KV少女みたいに人気が出るかも」
 ほとぼりが冷めたらコレで一儲けしてみるか! と大量生産を始めたが、売れ具合に関しては別のお話、ということで。