●リプレイ本文
●学園祭と食欲のために
「‥‥バグアは改めて知ることになるでしょうね。人類のその果て無き欲望を。その欲の名は‥‥『食欲』!」
オーバーリアクションで意欲を燃やすソウマ(
gc0505)。
食材集めのためとはいえ、能力者がキメラを狩ろうとはバグアは夢にも思っていないだろう。動物の姿をしていても、バグアにとっては兵器である。
実際に被害が出ているので、食材集めを兼ねたキメラ退治は一石二鳥とも言えなくもない。
「食材集めか。お礼に、たこ焼き食わせてもらえたりしないかなあ」
学園祭の様子を見に来たらじかる(
gc5803)は、ぶらついていたら、たこ焼きの材料が足りないと相談をソウジ・グンベ(gz0017)に持ちかけた生徒の話を耳に。
暇を持て余していたところに舞い込んだ食材調達依頼は、ちょっとしたイベントのようなものである。獲った食料で何か美味しいものを作ってくれないかと内心、密かに期待している。
「食堂に食材が足りないってのは問題だよな。せっかくの学園祭だし、おばちゃん達には思う存分、料理の腕を揮ってもらいたい。そのためには、キメラ退治をしっかりと、だな」
宵藍(
gb4961)はおばちゃん達に協力すべく、志羽・翔流(
ga8872)と那智・武流(
ga5350)は、一昨年の学園祭で屋台対決をしたこともあり他人事と思えず参加。
「学園祭に関わった身としちゃ、関係ねぇとはいえないんだよ。食材が足りないからってキメラ使うのか?」
「バレなきゃいいんじゃない?」
生徒や食堂のおばちゃんが困っている、というより、ソウジからの依頼なのでノーと言えず参加したリュイン・カミーユ(
ga3871)は、鮭だけだなく、熊を倒してお持ち帰りする気十分だ。
「食材が欲しいなら、我らに任せておけ」
食材確保に成功したら、料理に参加できたら‥‥と誰にも聞こえないようボゾリ。料理は苦手だが、ソウジが食べてくれるので頑張れる。
「秋姫・フローズン(
gc5849)といいます‥‥。困っている人を‥‥助けたい‥‥です」
人付き合いが苦手、能力者になって初めての依頼ということもあり、緊張と不安で体が震え、心が押し潰されそうになるが役に立ちたいと勇気を持って挑む。
「お互いに頑張りましょうね」
穏やかな笑みで秋姫に声をかける夏 炎西(
ga4178)の頭に、高級食材として珍重されている「熊の掌」がよぎる。熊退治をして鮭の確保と聞いたので、武器の他、釣竿を持っている。
調達する食材は少ないが、場所が分散している、キメラの数が多いということもあり班別行動に。
タコを退治する海班はソウマ、武流、らじかる、KIRA(
gc5977)。
出現場所が近いということもあり、サル退治とカルガモ退治は同時進行に。畑班は翔流、宵藍、秋姫、佑磨(
gc6026)、ダック中佐(
gc6043)。
ヒグマを退治する川班はリュイン、炎西、昂宮榎乃(
gc4849)。
各班それぞれ現地に向かおうと行動した時、「遅れました」とぽんず(
gc5954)、アマンダ(
gc5976)、神坂(
gc6050)、吉岡知哉(
gc6078)がやって来た。秋姫同様、これが初依頼になる彼らは全員畑班に合流。
「学園祭っていいですねぇ。では、張り切ってまいりましょうか」
●タコをゲットせよ
11月の海は寒いが、食材を確保すべく海班は行動を開始。
「単純計算すると、1人で2〜3杯倒すことになるな。ま、なんとかなるだろ」
深いところにいると倒せねぇな、と武流は浅瀬でタコが来るのを待つ。
「安心して下さい、痛いのは最初だけですから。僕の子守唄で、すぐに気持ち良く眠れますからね」
ソウマは『豪力発現』を使用し、足場の悪い砂浜で海に引き込まれないように注意にながら超機械「グロウ」を指揮棒のように優雅に振るい子守唄を歌う。
「そんなんでタコが倒せるのかよ?」
「食材にするので、なるべく原型を留めるよう攻撃するためです」
それも一理あるが、実力行使! と武流は浅瀬に1杯いるのを確認すると一気に駆け出し、ケイブルクで串刺しにしようとしたが背後から伸びた触手に両手両足を締め付けようとしたところに『探査の眼』で五感と第六感をフル活用し、このことを察知したソウマが『豪力発現』を発動し、触手を機械剣「フェアリーテール」で両断。
「助かったぜ‥‥って、後ろ!」
そう言われたので振り向くと、触手がソウマめがけて伸びてきた。
「なんの! 返り討ち!」
触手を掴み取り、投げ飛ばして動きを封じた。投げ飛ばされたタコは、らじかるの『鋭角狙撃』で倒れた。
「皆、あそこにもタコがいます!」
ピキーン! と第六感を閃かせ、鋭い直感でタコの居場所を察知しては仲間に知らせる。
「深いところにいる奴は俺が何とかするよ。無理しないようにね!」
らじかるは『隠密潜行』で位置を悟られないようにしてから、KIRAは援護射撃で、武流は浅瀬のタコを串刺しにし1杯ずつ倒す。
「何人たりとも、僕の知覚から逃れることは出来ませんよ。って、タコですが」
不敵に微笑み、超機械「グロウ」で指揮棒を振るうかのようにタコを倒すソウマの全身に触手が伸びようとしているのに気づいたらじかるは『強弾撃』で仕留めた後、近づいてきたタコの触手に叩きつけられ、波打ち際に倒れた。
「仲間に何しやがる!」
仕返しだ! と容赦無いタコをタコ殴り(というより槍でメッタ刺し)する武流により、らじかるを叩きつけたタコは倒された。
その後、ソウマのキョウ運で居場所を察知されたタコは一斉攻撃で全滅。
「最後の1杯退治完了! 腹ぺこー‥‥」
安心したのか、らじかるの腹の虫が鳴る。
海班が確保したタコは、頭や腹は一部損傷が酷いものの足は原型を留めていたのでかろうじて食材になる。タコだけかと思いきや、カキ、アワビ、イセエビ等の海の幸もゲット。これらはすべて、ソウマのキョウ運で流れ着いたものである。
「さすがは僕のキョウ運。これで学園祭は成功間違いなしです」
「すげぇ‥‥。俺、アワビ食ったことねぇんだよなぁ」
食材を見て目を輝かす武流。
美味しいたこ焼きが食べられそうだと、らじかるとKIRAは楽しみに。
●畑とサルとカモガモと
「あの‥‥落とし穴は‥‥どうですか‥‥?」
移動中に秋姫が提案した落とし穴トラップは、カルガモには効果はないがサルには効果があるだろう。その際、サルが簡単に出てこられないよう深く掘る必要があるが。
少しでも退治の手間が省けると、全員、その案に賛成した。
自分がいたほうがいいだろうと最年長の翔流が秋姫に付き添い、畑で待っているサル退治を要請した農家の主人に交渉を。
「あの‥‥お願いしたい事が‥‥あります‥‥。落とし穴を‥‥作るのを‥‥手伝って欲しいですが‥‥」
キメラ退治の手伝いとあらば、と主人は家族、近所の人達と落とし穴作りに協力することに。
男性陣は農家と協力して落とし穴を掘っている間、秋姫は農家の女性達とおびき寄せるための餌を作っている。香りが強く、見た目も美味しそうな餌を「美味しそうです‥‥」と思わず食べそうになった手を止める。それを見た女性達がクスクス笑うので、少しはリラックスできたのかと思う秋姫だった。
まだ被害が出ていない場所を中心に、落とし穴にサルをおびき寄せる餌を用意し、自分達が落ちないよう秋姫が目印の木の枝を刺す。
「どんな目標、どんな場所であろうと本気で俺はやらせてもらう‥‥!」
「落とし穴完成! 数はさほどでもないけど、食い意地張ったおサル退治とカルガモ退治はキツいかも」
やる気十分の佑磨に対し、疲れそうだとげんなりする翔流。
「数がそれなりだから、サルとカルガモが合流すると厄介だな。カルガモが大根畑、白菜畑にへ行かないように攻撃誘導しないと。それにしてもネギ畑にカモって‥‥カモネギ?」
宵藍が言うように、ネギ畑を縦一列に並んで歩き回るカルガモはそうとしか思えない。実際に、ネギ銜えているのいるし。
「本当にカモネギだな‥‥」
カルガモ退治と動き出す佑磨が呆れる。
サル退治班は、サルが落とし穴に落っこちると同時に一斉攻撃と動き出したが、1メートルのサルは免れ、60センチのサルはすべて落ちた。
離れたところで様子を見ている農民の子供に、1メートルのサルが襲い掛かろうとした。
「あ‥‥危ない‥‥!」
それを見逃さなかった秋姫は、身を挺して子供を庇ったことにより背中に攻撃を受けてしまった。幸いなことに、サルにつけられた傷は浅かった。
「何やってんだ、あんた!」
駆けつけた翔流がガトリングシールドでサルの攻撃を受け止め、子供を安全なところまで連れて行けと手負いの秋姫と近くにいるダック中佐に言うと宣戦布告。
「畑を荒らすおサル共、食材は俺が守る! 学園祭のためだ、悪く思うなよ?」
これ以上畑を荒らさないようちょこまかと動き回るサルを狙い撃ちする翔流に続き、子供を避難させた秋姫とダック中佐が追撃。
「辺りはまるで地獄絵図のようだ。これも自然の摂理か」
そう言い聞かせ、新鮮な食材を手に入れると決心してサルを斬るダック中佐。
雛が60センチのカルガモにくっついているので、キメラだが親子だろう。
下手に親を仕留めて雛がバラバラになるのを避けたいと、カルガモ班は揃って行動するのを待ち、雛から先に倒すことに。
「畑を荒されるのは困るんだ、悪いな」
高さ的に足元を攻撃されそうだと、宵藍は月詠での斬撃をメインに、補助的にエネルギーガンを使い退治を。『疾風』を使い親カルガモを月詠で薙ぎ払い、雛カルガモをジャンプで避けながら宙返りし、着地と同時に踏み込んで接近し『円閃』を叩き込むその動きは中国舞踏を思わせる。
「上がガラ空きだぞ?」
親カルガモのくちばしを受け止め、月詠で弾き『両断剣』で威力を上げ上段から斬り伏せ、佑磨と新人4人は、くちばしに気をつけながら雛を1羽残さず撃破。
残る親カルガモは、宵藍の『両断剣』を付与した一撃で倒された。
数は少ないとはいえ、食べ物に執着した素早いサルを倒すのは容易ではなかったがカルガモ退治を終えた宵藍達が加わり、戦力アップしたのでなんとか殲滅することができた。
「お姉ちゃん、助けてくれてありがとう」
助けた子供から笑顔でお礼を言われたことで、秋姫は達成感に包まれた。
キメラ退治を終えた畑班は大根、白菜、ネギ、カルガモを無事確保。
カルガモはすぐ調理できるよう翔流が捌いたので、キメラだとバレる心配はないだろう。
●川沿いでの熊退治
川では、ヒグマがすべての鮭を獲るのではないかと心配になるくらい乱獲中。
「夏、メスのほうは任せた」
「わかりました。オスはお任せしますね」
ヒグマ1体に対し1人となるが、ベテランのリュインと炎西なら大丈夫だろう。いざとなれば、榎乃のサポートもある。
「まったく、本当に面倒ごとを増やしやがって‥‥」
熊は嫌いではないが、生態系を乱すほど鮭を取るのは駄目とクマ退治に加勢した榎乃は炎西に『練成強化』をかける。
「転職して初めての戦闘ですかので、今までと感覚が違うので心していきます」
攻撃力不足を『ファング・バックル』で補い、『急所突き』でメスヒグマの弱点に武器を叩き込む。
「キメラといえども苦しめたくないですし、早めに倒したいですね」
「何を甘いことを言っているんですか。寝言は寝てから言え、ですよ。挟まれないよう気をつけてくださいね」
そう言うと、榎乃は体力配分を考えつつ、無理しない程度に熊の後ろ側から腕や足の動きに注意して機械脚甲「スコル」で攻撃。
リュインはオスヒグマに不意打ちを仕掛けるべく、自分の匂いがしないよう風下からそっと接近。目視確認できる距離に着くと『練成強化』をかけてから『瞬天速』で側面に回る。
「まずは一発‥‥と見せかけてもう一発!」
低い体勢から鬼蛍で斬り上げ、刃を返して斬り下した後、バックステップで距離を取る。振り下ろされようとする爪を身体を沈めて回避中、石に躓いてよろけたが体勢を立て直し『瞬即撃』で腹部を刺突。
鬼蛍を抜くと『瞬天速』を積極的に使い翻弄させ、爪や牙をスウェーで避けては反撃を。
「ふん、遅いな。それで我を捕らえられると思ったか!」
バックステップで離れ、エネルギーガンで両目を狙撃。視界を妨げられたことで凶暴化したオスヒグマは嗅覚を頼りにリュインを嗅ぎつけると噛み付きに来た。
「これで終わりだ!」
フッと笑うと背後に回りこみ、『瞬即撃』で止めを刺す。
倒れたのを確認し、メスヒグマがどうなったかを見ると既に倒されていた。
熊退治が終わると、炎西は『GooDLuck』を使用し鮭獲り。
「山育ちの血が騒いでしまいますが、乱獲はしないように気をつけましょう」
獲れた鮭は内蔵とイクラを取り出して塩漬け、身は新巻にすることに。
「これで、食堂のお役に立つでしょうか」
「十分立つだろう。さて、熊だが熊鍋用に持ち帰るか」
その前に、と炎西がヒグマの魂に祈りを捧げる。
「血抜きして、後は丁寧に解体しましょう」
「そうですね。捌いておかないと、爪や牙でキメラだとバレてしまいそうですから」
リュインも一緒に解体しようと誘うが、したくないと断られた。
「何を言っているんですか。どんな食べ物も、下処理してくださっている方がいるのですよ? 仕方ないですね」
やれやれ、と言いつつ、炎西に手伝ってもらいながら笑顔で下処理をする榎乃。
「熊の胆ですね! あ、これは熊の掌ですね!」
「炎西さん、浮かれていませんか?」
「そ、そんなことないですよ!」
2人がかりの熊の解体、鮭の下拵えがすんだので、学園に持ち帰ることに。
●ありがたくいただきます!
「新鮮な食材、お待ち。美味しい料理、期待してる」
学園祭当日の料理を楽しみにする宵藍がカルガモの肉を、秋姫と佑磨が大根と白菜を食堂のおばちゃんに手渡す。その他に、炎西が作った新巻鮭とイクラ、リュイン達が倒したヒグマの肉が食材に加わった。
「ところで、稗田っておばちゃんいないのか? ま、あの人がいなくても前に学園祭に世話になった恩返しはできる。当日は人手が足りないだろうから、俺も手伝うよ」
「おばさん達は大変でしょうが、学園祭、頑張ってください。僕もお手伝いします」
料理人の翔流、榎乃が当日手伝うことに。
「私も料理を手伝います。作りたいものがありますので」
何かは当日のお楽しみです、と炎西は料理を教えてくれなかった。
食材を渡し終え解散すると、リュインは食堂に戻りおばちゃん達に頼みごとを。
「‥‥おばちゃん、一緒に料理をやっていいか? 下手だけど‥‥ものすごーく下手だけど、教えてもらって頑張るから!」
好きな人に食べてもらいたい、ということに気づいたおばちゃんの1人が「ビシビシ教えるから」とリュインの頼みを聞き入れてくれた。
学園祭当日の早朝。
厨房に一番乗りした炎西は新巻鮭の切り身をカットし、下処理済みの熊の掌をレシピ本片手に調理中。本格的なものなので、時間は相当かかるだろう。
翔流は野菜や肉を切り揃えたり、出汁を作ったりと鍋の下拵え。その横では、リュインがおばちゃん指導のもと調理中。
学園祭が始まると、自分が獲ってきたタコが使われているかどうか気になった武流は真っ先にたこ焼きを買いに行った。彼がタコを仕入れてくれたことをソウジから聞いて知っていた生徒は、お礼にとたこ焼きをサービスしてくれた。その後に買いに来たらじかるも、武流同様、サービスしてもらえたのは言うまでもない。
らじかると入れ替わるように、逆ナンに成功したソウマが美女を連れてたこ焼き屋台に。美女はボンキュボンバディなお金持ちのお嬢様なので、たこ焼き以外にも色々ご馳走してもらえた。キョウ運、おそるべし‥‥。
頼んだ鍋を受け取ったのは良いが、食堂は既に満員で、武流は空席を探すのに一苦労。
「よっ、ここ空いてるぞ。相席だけど良いか?」
困っている武流を見つけたソウジが声をかける。ラッキー! と喜んで相席。そんな彼が頼んだのは鴨鍋と石狩鍋と熊鍋。これはすべて能力者達がゲットした食材で作られている。
「待たせたな。さあ、食すが良い」
リュインがソウジに手渡したのは、心をこめて調理した熊鍋だ。この熊は、彼女が仕留めたオスヒグマである。肉を一口食べたソウジは初めての食感に驚いたが、慣れてきたのか、食べるスピードを速めた。
「美味かった。キミ、料理の腕随分上げたな。おかわり!」
肉は何か、というのを聞かなかったのは、食材がキメラであることを知っているから。
「あ、リュインさんとグンベさん。ちょうど良いところに。これ、召し上がってください」
炎西がテーブルの中央にどーん! と乗せた大皿には、熊の掌が載せられている。大きな熊なので、他の客にも掌も食べてもらえるくらいあるだろう。
「す、すげえ‥‥。これ、最高食材だろ!? 俺、食ったことねぇんだ。なあ、俺も食っていい!?」
「これだけでかいんだ、皆で食おう。いいだろ? リュイン」
「ソウジがそう言うなら、良いだろう」
熊の掌は、3人(特に武流)が美味しくいただきました。
らじかるは、共に戦った新人達を誘い鍋に舌鼓を打つ。
「自分達が倒したキメラとわかっていても‥‥美味しいです‥‥」
「俺達が獲ったカモ、けっこういけるな」
舌を火傷しないよう、少しずつ鴨鍋を食べる秋姫と佑磨。
「たこ焼きも美味いー!」
食堂に来る前、たこ焼き屋台で買ったたこ焼きを頬張り大満足のらじかる。
「これも自然の摂理か」
熊鍋を食べながら、自分にそう言い聞かせるダック中佐。
ぽんず、アマンダ、KIRA、神坂、知哉も達成感を感じながら鍋を食べている。
「俺とおばちゃん達が作った鍋、美味いか?」
腕組みして満足な笑みで声をかける翔流に、彼らは声を揃えて「美味しいです!」と答えた。
学園祭が終わったので、食堂は後片付けで大忙し。
「料理に夢中になっていたら、私何も食べていません‥‥。あの‥‥何か残り物ありますか?」
「鍋の食材が少し余ってるから、今作ってやるよ。ちょっと待ってな」
ありがたいです、と座り込んだ炎西は翔流に感謝する。
「ソウジに喜んでもらえて良かった。ありがとう、おばちゃん」
調理して良かったと思うリュインだったが、何を作ったのかを聞いてほしかったというのが本音だが、チャンスがあればまた美味しいものを作る! と意欲を燃やす。
確保した食材の肉だが、翔流と炎西、榎乃が上手く捌いたので最後までキメラだとバレなかったのを付け加えておこう。
食材確保のためのキメラ退治:大成功!