タイトル:【BD】密林に墜ちた星マスター:竹科真史

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2010/09/23 16:55

●オープニング本文


 バグアの突きつけてきた脅しと共に、ボリビア領内へはキメラが侵入を開始していた。本格的な侵攻ではなく、これも脅しの意味合いなのだろう。
「‥‥でも、この国にはそれに抗う力がない」
 国王ミカエル・リアは項垂れる。中立を標榜するボリビアの主権を尊重し、UPCは駐留していない。援助という形で持ち込まれた僅かなSES武器や能力者らの力では、長大な国境線はおろか、人里を守ることすら困難だ。それゆえに、彼は。
「ULTへ依頼を出す。それならば国是を犯してはいない‥‥。そうだとでもいうのか? それで納得させるにも限界はある」
 一歩を踏み出した若き国王に、摂政のマガロ・アルファロは不快げに眉をしかめてみせた。

 ボリビアの人里から数キロ離れた上空では、北中央軍、南中央軍を中心としたUPC正規軍混成がバグア軍と熾烈な戦いを繰り広げていた。
 その最中、1機のビーストソウルが猛攻撃の標的となり撃墜、やむなく戦線離脱した。
「‥‥ついてないね、ったく!」
 不時着したジャングルで悪態をついたのは、大規模作戦初参戦でナイトフォーゲル戦未経験な能力者エストレーラ。
 今まで大規模作戦に関わらなかったのは病弱な母と年の離れた弟がいる故郷を守るためだったが、南米が危機に晒されたことを知り急遽参戦したのだった。その間、弟が母を守ると言ってくれたのが心強かった。
 機体は破損したものの、エストレーラは重傷に至らなかったため脱出することができた‥‥というが、両足に細かい機体の破片が食い込んでいるため長距離を歩くのは無理な状態だった。
 それでも、歩いていればそのうち人里に辿り着くだろうと高を括り歩き出した。
 あともう少しで人里というその時、エストレーラは多数のキメラと出くわした。
「助けがくるまで孤軍奮闘するしかないか。あたしが怪我をしてるからって甘くみないことだね、かかって来な!」

 大規模作戦に参戦するカンパネラ学園生徒の引率者として参戦した三崎・裕士(gz0096)は、数年ぶりの南米戦ということもあり高揚しているが、カンパネラ学園体育教師であると同時にUPC南中央軍中尉という立場を弁え司令官的立場に徹し、生徒や聴講生のバックアップを務めることに。
(「本来なら自分も参戦したいが、それでは、生徒のためにならん」)
 戦いたい気持ちを抑えながら歩いていると、1人の女性が手負いの身でありながら必死にキメラと戦っていた。
「あれは‥‥エストレーラではないか!」
 娘であり、カポエイラの教え子であるエストレーラがキメラと戦っていることに驚いたが、三崎は落ち着いて同行していた能力者達に援護を要請した。
「彼女1人では、あれだけの数のキメラを倒せん。皆、援護を頼む!」

●参加者一覧

九十九 嵐導(ga0051
26歳・♂・SN
翡焔・東雲(gb2615
19歳・♀・AA
澄野・絣(gb3855
20歳・♀・JG
七市 一信(gb5015
26歳・♂・HD
月城 紗夜(gb6417
19歳・♀・HD
フォルテ・レーン(gb7364
28歳・♂・FT
湊 獅子鷹(gc0233
17歳・♂・AA
沁(gc1071
16歳・♂・SF
南 星華(gc4044
29歳・♀・FC
ドゥ・ヤフーリヴァ(gc4751
18歳・♂・DF

●リプレイ本文

●行動開始
 三崎・裕士(gz0096)率いる能力者10名は、両足を負傷しながらも多数のキメラと苦戦中のエストレーラを発見。
 能力者は一刻も早く合流をと行動しようとするが、キメラが群がっているので容易ではない。
「たたた、大変だー!?」
 ドゥ・ヤフーリヴァ(gc4751)が真っ先に駆けつけようとするが、まずはエストレーラの安全確保をすべきだと九十九 嵐導(ga0051)に止められた。
「‥‥なんて言ってる暇はないね。まず彼女を救出しないと‥‥」
「助けを必要とされているなら手を伸ばす、助けられる者は助ける。それだけだ。何を迷うことがある?」
 翡焔・東雲(gb2615)が言うように、エストレーラを助けることに迷いは不要。
「私はキメラを捜索、足止めし、エストレーラに近づくための道を開く囮となるがおまえ達はどうする?」
 合金手袋を装備しながら、皆に訊ねる東雲。
「俺はあんたと囮として行動する。キメラの数は少し多いが‥‥やるしかないな」
 嵐導は小銃「S−01」とシールドを装備し、どのキメラにも対応できるよう体勢を整える。
「私も同行します」
【OR】矢筒「雪柳」を腰の右側に吊るしている澄野・絣(gb3855)も囮役に。
「俺も。ああ、糞みてえな気分だ、なんでこんなに暑いんだよ!? というが、仕事はしっかりこなすけどな」
 暑さにいらつきながらも湊 獅子鷹(gc0233)はキメラを倒す気でいる。
「‥‥暑い。俺は‥‥エストレーラの救護と護衛を‥‥」
 沁(gc1071)は救護を志願。
「我も救護だ。先公、体育の点数オマケしろよ?」
 月城 紗夜(gb6417)が三崎に言うが「それとこれとは別だ」と却下。
(「親子かあ‥‥。後で一悶着起こらないければいいんだけど」)
 そう呟く七市 一信(gb5015)は、ハイドラグーンに転職してからの初依頼にしてはゆっくりできない、力試しをしている暇は無さそうだとため息をついた。
「ヘビにトカゲに‥‥ありゃ何だ? アリクイ? 何にせよ急がないとまずいか?」
 キメラを見たフォルテ・レーン(gb7364)は「さっさとやっつけよう!」と戦闘態勢に。
「エストレーラの援護はあくまでも依頼遂行の一環にすぎん。自分に対する気遣いは不要。戦闘開始っ!」
 三崎の号令で、各自、持ち場に着いた。

●道を開け
 救護班がエストレーラと合流、治療するまで囮班はキメラ攻撃を仕掛け道を開くことに。
 絣は物陰からの奇襲に注意しつつ、長弓「桜姫」で狙える位置に付くとブラジルバクとウミイグアナが群がる地点に『狙撃眼』と『即射』を使い弾頭矢を撃ち込んだ。
「エストレーラさんを巻き込まないよう注意してっ! さて、まずは挨拶よっ!」
 弾頭矢使用後、エストレーラに近いキメラを中心に狙い撃ちし、彼女を狙うのを妨害している。
「あなた達の相手はこっちよ、よそ見しないで貰いたいわね」
 仲間と呼吸を合わせて突撃した東雲は、できるならアナコンダを先に倒したいと正面から接近し意識を自分に向けさせるよう仕向けた。
「ジャングルなので欺瞞に注意し音、風、匂い、振動、全身の感覚を研ぎ澄まして敵を追え!」
 思惑通り3メートルアナコンダが接近。
 飛びかかり攻撃は飛べば自由が利かないだろうと『流し斬り』を使い、攻撃をかわして二刀小太刀「疾風迅雷」 で胴を突き通して地面に縫い止め動きを封じようとしたが素早い移動にてこずっている。
 東雲の援護をすべく、絣は動きを牽制するように3メートルアナコンダを『即射』後に確実に射撃。動きが止まったのを見計らい東雲は頭を切り落とし、口に小太刀を突き刺してから『紅蓮衝撃』で2枚おろしに。
「助かった、おまえのおかげでうまくいった。残りのアナコンダは巻き付き攻撃に注意し、見失わないよう意識を集中して追わないとな」
 そこから少し離れた地点では、嵐導がキメラの注意を引き付け、ある程度接近してから『狙撃眼』で射程を調整、『先手必勝』を発動し攻撃。
「これで、救護班がエストレーラ嬢と合流し、態勢を整えるまでの時間が稼げるな」
「そうだな。さあ来い、俺らが相手だ!」
 フォルテはキメラとエストレーラの交戦位置に近づきつつ呼笛を吹き、誘いに乗ったウミイグアナ1体を味方の射線を遮らない、離れているエストレーラを射線に入れないよう真デヴァステイターで仕留めた。
「エストレーラを庇う前に誤射なんて、冗談じゃないからね?」
 右構えで右手に菫を、左手にショットガン20を装備した獅子鷹はキメラを見て「美味そうじゃん」と瞳を輝かる。
「戦闘じゃなくて、屠殺タイムといきますか」
 ブラジルバクが獅子鷹に突進し鼻ではたき倒そうとしたが、寸でのところで避け『竜の爪』で菫の能力を高め、勢い良く腹部を狙い切り裂きショットガン20でとどめ。
「バクはまだ2体残ってるな。その前にこいつを、と」
 間髪入れず接近したウミイグアナは、むやみに近づかずにショットガン20連射。
「この調子で残りも倒して食料だ」

●星と合流
 囮班が開けた道を駆けつけ、救護班はエストレーラのもとに急ぐ。
「くっ‥‥!」
 負傷しているにも係わらず、エストレーラは必死に戦っている。怪我による高熱、暑い密林での長時間戦闘により体力はかなり消耗していた。
 ウミイグアナを避けようとしたが、目がくらみ、倒れそうになった。
 ここまでかと覚悟を決めた時、『迅雷』で間に入った南 星華(gc4044)に支えられた。
「大丈夫? あなたを助けにきたわよ。ちょうど良いところにきたわね、沁さん。エストレーラさんの治療、お願いね」
「‥‥わかった」
 沁は『拡張練成治療』でエストレーラが自己防衛できる程度に治療し、終わると『電波増幅』を使用し牽制を主とした護衛に専念することに。
 沁以外の救護班は、エストレーラを囲むようにして護衛にあたっている。
「私の目の前では、誰も死なせはしないわ!」
 星華はエストレーラの間に割り込もうとするウミイグアナに接近すると『エアスマッシュ』を使用した妖刀「天魔」で斬りつけた。
「脱水症状で倒れられると後々面倒だ、これで糖分と水分を補給しておくんだな」
 紗夜はエストレーラにトリュフチョコと烏龍茶を手渡した。エストレーラがそれらを口にした時、どこからか「パーンダー!!」という声が聞こえた。
「エストレーラさん、気を抜くな! 俺らが合流するまで耐えるんだよ!」
 そう叫びながら『竜の翼』で合流したのは、AU−KVを装着したパンダ、もとい、パンダの着ぐるみ姿の一信。
「俺、パンダですが何か問題でも?」
「いや‥‥」
 苦笑するエストレーラに1体のブラジルバクが勢い良く突進してきた。
 突進を食らいエストレーラから剥がされることだけは避けたいと、一信は『竜の鱗』発動後、吹き飛ばされるくらいならと全力で受け止めた。
「受け止めろバハムート‥‥パンダさん出力全開じゃああ!!」
 受け止めるとブラジルバクを一気に押し倒し、囮班が合流してくるまでログジエルの盾を使いエストレーラを守る壁となった。
「囮班が合流するまで、パンダさんパワーで頑張るからなー!」
 救護班に近づこうとするブラジルバクは『竜の咆哮』で押し返し、攻撃を最低限に抑え、援護しながら視野を広げ行動。キメラの中でも厄介なアナコンダは周囲に溶け込むおそれがあるので、見逃さないように注意。
「アナコンダが右から来てるよっ! 気をつけてっ!」
 ウミイグアナの全身にある棘での遠距離攻撃を受け止め、一信は付近にいる仲間にアナコンダ出現を伝えた。
 出現付近にいたドゥは間合い、攻撃のタイミングを計りつつ接近するアナコンダに攻撃するチャンスを窺う。
(「実質4度目の実戦なんだ、うまく動くさ‥‥。新人とか、そういうのは戦場では関係ないんだ‥‥!」)
 牽制でチクチク刺して仕留めるべきか悩んでいるところに1体のウミイグアナ接近。
 邪魔しないで! と『迅雷』で接近し『疾風』使用後『円閃』で仕留めた。切り札があるのだが、それはアナコンダに備えて温存することに。標的のアナコンダだが、ウミイグアナとの戦闘中に木の上に逃げた。
 数が多いので自分達だけでは苦戦すると、紗夜は水分補給と治療を終え一休みしていたエストレーラを戦わせることに。
「戦えない傭兵など不要、戦意を無くせば死と同義だ」
 弱っているようなら敢えてきつい言葉をと思っていたが、エストレーラは片手剣を手に立ち上がった。
「それでこそ傭兵だ」
 数が多いウミイグアナを倒すべく、紗夜とエストレーラは動いた。
 舌での絡め取りと叩きつけに注意し、片膝を立て衝撃に逆らわず直ぐに立てるよう全身の棘に超機械「ザフィエル」でダメージを与えることを試したが、タイミングが合わずダメージをくらったので『竜の血』で回復。

●一斉攻撃
 救護班がエストレーラと共にキメラと戦っているところに囮班が加わり、キメラを一掃することに。
「あなた達の相手はここにもいるわよ!」
 ウミイグアナの群れに矢を放ち、絣はエストレーラに接近させまいと援護。
「エストレーラ、できるならナイトフォーゲルのコクピットに入ってろ!」
 交戦地から少し離れたところにある墜落したビーストソウルを指し、東雲はエストレーラに撤退を命じた。
 キメラの数が思うように減らないので、ドゥは間合いを取り、辺りを見渡してから閃光手榴弾を使うことに。
「今から閃光手榴弾を使います! 目を瞑って!」
 その叫びを聞いた能力者達とエストレーラは閃光で目が眩まないよう強く目を閉じ、音がやんだのを待つ。即座に目を開け、キメラ達の視界が遮断されたのを確認すると攻撃再開。
 沁と星華は、ビーストソウルに向かうエストレーラに付き添うことに。
「戦況が不利な以上、ダラダラ戦っても仕方があるまい」
 紗夜は『竜の翼』でブラジルバクに接近し、低い姿勢から『竜の瞳』で命中を高めてから蛍火で連撃。突進しての体当たりをしかけてきたので、衝撃に逆らわずにログジエルの盾で抑えた。
 動きを押さえつけられたブラジルバクだったが、勢いに任せて突進し紗夜を振り払い逃走しターゲットを近くにいた東雲に変えた。木々を払い除ける鼻を東雲は小太刀の一方で受けとめ、残る小太刀で切り落としてから『流し斬り』『急所突き』で足を狙い動きを止めた。
「攻撃方法を絶ってしまえば、倒すのは数が減ってからだな」
 10名入り混じっての戦闘なので動きに注意し、互いに背中を取られないよう位置を調整しながら連携して戦うがぶつかることも。
「悪いな、初めてで加減がわからん」
「気にすんなって」
 動きが止まったブラジルバクは、フォルテの迎撃で倒された。
 ウミイグアナがすかさず噛みつこいとしたが『急所突き』で妖刀「天魔」を口に捻じ込み、その隙に真デヴァステイターをぶち込む。これはおまけだ! と『豪破斬撃』でとどめ。
「へへっ、引っかかってやんの!」
 ビーストソウルに辿り着いたエストレーラは、沁の手を借りてコックピットに。
「あなた、運が良いのか、悪いのか判らないわね。キメラを倒して、皆の帰りたい場所に帰りましょう」
 群がるウミイグアナが射程内に入ってきたので、星華は『迅雷』で接近し『エアスマッシュ』で妖刀「天魔」に最大エネルギーを付加して1体ずつ攻撃。
「‥‥邪魔だ。瞬雷!」
 加勢した沁が音声認識にて機械巻物「雷遁」で牽制。
「雷撃‥‥万雷‥‥」
 出し惜しみせず、連続して機械巻物「雷遁」から繰り出される雷撃で迫り来るウミイグアナを攻撃。その間、星華との戦闘で弱った数体が倒れた。
「‥‥雷紋」
 機械巻物「雷遁」を摘みながら投げると先端をウミイグアナに飛ばし、そこから発せられた雷で攻撃。騙し技なので威力は弱いが、右往左往するトリックを加えているので当たる確率は高くなる。
「蒼雷陣‥‥!」
 対象を機械巻物「雷遁」とし、帯電させ自分の周囲に展開する静電気が自身を襲うガード態勢技である。ウミイグアナが近づいてきたが、静電気に驚き退いたところを星華の一撃で倒された。
 エストレーラがビーストソウルに乗り込んだのを見届けた能力者達は、一斉に残るブラジルバクとウミイグアナを殲滅。残るは5メートルアナコンダだけとなった。
 短い時間で決着をつけようと木の枝に隠れながら移動するアナコンダを『影撃ち』で狙い撃ちする嵐導だったが、素早い動きに対応できず締め付けられた。
「仲間を締め付けるとは舐めたマネしてくれるな。その頭に刀を突き立て、息の根止めてやる!」
 駆けつけたフォルテが少しでも締め付けを緩めようと真デヴァステイターを連射。それによりアナコンダの力が抜けたので嵐導は脱出することができた。
「助かった」
「どういたしまして」
 フォルテは小型超機械αに持ち変え、逃げようとするアナコンダを阻止。
 そこに接近、攻撃、接近を繰り返しながらウミイグアナを攻撃してきたドゥが合流。
「僕はこの世に家族もいないし、きみ達に何の恨みも無い。この場で人を傷つけた事を悔い改め、二度と人を襲わないで生きていくなら見逃がしてもいい。けど‥‥」
 最後の攻撃になるならと静かに告げるが、アナコンダは言い分を聞かない。
「僕は生きたいんだ‥‥悪いね」
 そう呟くと『迅雷』で瞬時に近き、渾身の『円閃』を叩きつけた。

 これにより、すべてのキメラは能力者達に倒された。

●星と父親
 戦闘終了後、獅子鷹は周囲に構わずキメラの肉や内臓の回収。
「何だよ? やんねえぞ、俺が食うんだ。こりゃ、ステーキかカレーだな。バクのモツ崩れてねえよな? ハツとかレバーとかも」
 それを食べるのか? と心配する三崎だったが、気を取り直してエストレーラに駆け寄り厳重注意を。
「まったく、無茶をして。自分達がいなかったらどうするつもりだったのだ!」
「ごめん‥‥」
 そんな父と娘のやりとりを見た紗夜は、子煩悩だった父と自分を庇って死んだ弟のことを思い出した。
「我は兵器だ、此処は戦場。戦うのが兵器の定め」
 羨ましいと思うが、その感情を振り払う。
 嵐導が救急セットでの応急処置を行ったおかげで、エストレーラはゆっくりだが付近の人里まで歩くことができた。
「遭難した時は、その場所から動かないほうが良いぞ」
 東雲の忠告に、エストレーラは「今後、気をつけるよ」とバツが悪い顔で答えた。
「三崎センセ、休憩ついでにどっかでメシ食わない? いい店知ってるなら教えてくださいよ。ヘビ料理を‥‥」
 三崎が睨むので、フォルテは「ほんのジョークですよ?」と焦る。
「サポートに徹する、か。まったく、俺らしくもない」
 立ち止まって一服する一信がぼやく。
 人里に到着するとエストレーラを休ませ、その間、三崎はUPC南中央軍に彼女を発見したと連絡。その数時間後、三崎に付き添われて病院に搬送された。
 能力者達は敬礼し、無事、病院に到着することを祈った。

 エストレーラの護衛、キメラ退治:成功!