タイトル:【コミ】肉体言語と白熊マスター:タカキ

シナリオ形態: ショート
難易度: 易しい
参加人数: 6 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/08/07 10:57

●オープニング本文


 そろそろ、「魔法と少女と肉体言語2」がマスターアップし、熱血亭や各種ゲーム店舗で発売されるニュースが大阪・日本橋やラストホープに広がった。流石に大規模作戦中の北米には治安の安定化してからとなるが(ローカライズもまだだからな)。
 しかし困ったことが起こった。
 あちこちに小さめの白熊キメラが熱帯夜に冷風みたいな息を吐き、店の準備を妨害しては、肉体言語の発注書を食べてしまうのだ。それは山羊の仕事だろ。熱血亭では筐体が破壊された。
 一般人がキメラに太刀打ちできないが、通りかかる能力者が武器を携え退治しようとするが、これがまたも得る可愛いつぶらな瞳。いやはや困ったことです。萌え白熊キメラですか、そうですか。萌えてしまって、フカフカ毛皮を楽しんでいるところ、熊がジャイアントスイングしたり、ブレーンバスターして、能力者沈黙。

「このままじゃ、新作を出せじゃないか! 困るじゃないか!」
 店の人は大困り。別に被害が出た店での熊は、普通の人を襲うことはあまりなさそうで、フカフカ毛皮と可愛い顔に萌えている人が、その白熊と遊び始めている。
 敵対心があるか、魔法と少女と肉体言語のキャラのコスプレしている人が対象になっている事も分かっていた。

『肉体言語2を愛する熱心なヲタクよ! 日本橋に平和を!』
 と、大規模作戦中なのに、変な依頼で頭を抱えるのである。

●参加者一覧

ドクター・ウェスト(ga0241
40歳・♂・ER
辰巳 空(ga4698
20歳・♂・PN
朝霧 舞(ga4958
22歳・♀・GP
水円・一(gb0495
25歳・♂・EP
アセット・アナスタシア(gb0694
15歳・♀・AA
天羽・夕貴(gb4285
22歳・♀・FC

●リプレイ本文

●暴れる白熊
 「魔法と少女と肉体言語2」のチラシ、ポスターを食べていき、さらには過去作品の筐体を破壊していく白熊キメラは、萌えと恐怖を振りまきながら、大阪日本橋を闊歩していた。たまたま居た能力者が対応するのだが、萌えキメラのオーラに無力化し、白熊にベアハッグとプロレス技を食らって、ノックダウンしている。カオスまっただ中であった。
 数は2体。急いで駆けつけた能力者の増援は6人だった。
 イタイ白衣を羽織って十字架を握りしめるのはドクター・ウェスト(ga0241)であった。彼は怒りに震えていた。
「我輩の邪魔をするとは、いい度胸ではないか〜‥‥」
 最後の良心である、十字架を外すと覚醒し、憎悪の目が輝いた。
「二体なら何とかなりますよね‥‥」
「姿見だけならば、売っていても問題ないレベルだが。キメラだしな」
 どんな恨みがあるんだ、バグアという疑問を持ちながら、辰巳 空(ga4698)と水円・一(gb0495)が、状況を見極める。
「一寸これ恥ずかしいんだけど」
 改造レオタード姿で真っ赤になりながら朝霧 舞(ga4958)がぼやく。
 コスプレにも反応して、白熊が襲ってくるという情報があるから、こうしておびき寄せる事になっている。同じようにアセット・アナスタシア(gb0694)もシャルロッテ・ディスティニのコスをして、
「みんな1つのものが好きだからここに来てるんだよね‥‥。それを壊したり食べたりするなんてちょっといただけないな」
 と、愛剣のコンユンクシオを大事な相棒のように持って言った。

●お約束展開は基本中の基本であるっ!
「まずは、我が輩が相手だっ! このキメラめ!」
 ドクターは、足下に転がっている空き缶を拾い、のそのそと獲物を探している白熊に投げつける。わずかながら赤い壁が見えた。向こうも気づいたようで、イタイ白衣にはひかりのSD絵が描かれているので、突進してきた!
「ドクター! 無茶しちゃいけない!」
「ぬいぐるみのような存在であろうと、ソレがキメラであれば我輩には効かない!」
 彼の憎悪が頂点に達したのか、可愛い顔した凶悪な猛獣の萌えオーラが全く聞かなく、そのまま、熊と組み合った!
「肉体言語シリーズで覚えた数々の肉体言語、見せてや‥‥あ‥‥あーっ!」
 しかし覚醒しても彼は科学者である。いくら格闘関係の知識はあっても、それはそれ。結局白熊自体の体格および体力の勝負に負けて、白熊に逆に格闘技を極められた。
「おぶぅ!」
 ブレーンバスターでコンクリート直撃という大ダメージ。
「くうう」
「ドクターっ! もう、無茶して! いくよ! コンユンクシオ!」
 アセットが飛びした。
「俺は周りの避難と、もう一頭をおびき出す。天羽、手伝ってくれ」
「‥‥了解しました。買っておいたこの肉体言語の方をつかっておびき寄せます」
「それは、ファン層として複雑だろうな‥‥」
 水円と天羽・夕貴(gb4285)、辰巳が、他のもう一頭が暴れているという場所を野次馬から聞き、急ぐ。

 アセットは可愛い顔の熊に戸惑いながらも、心を鬼にして耐えてドクターを救出し、白熊の爪をかいくぐって転がる。
「後で、自分で治療してください」
「カッとなってやってしまった。反省はしていない。しかし、ここからはまじめにするよ〜」
 ドクターが錬成治療で自分の怪我とアセットの怪我を治し、さらにアセットを練成超強化する。伊達眼鏡の驚異的行動力からなせる技だ。
 一方、朝霧が白熊に思いっきり蹴りを入れる。しかし、彼女はSES武器を持っていなかったため、蹴りは赤い壁に阻まれた。
「あれ?」
 彼女はうっかりしすぎて、武器を所持していなかったのだ。この先はおわかりいただけたであろうか?
「あれ――っ!!」
 ベアハッグで、まず全身が締め付けられる。さらにジャイアントスイングにてドクター側にとばされる朝霧。ドクターは何とか彼女を受け止めたが、朝霧は気絶していた。相手はたとえ萌えキメラでもキメラはキメラだ。必ずSES武器は持っていこうという実に見事な見本を見せてくれたのであった。彼女はこれで、しばらく動けない。
「キメラはSES武器がないとだめだね〜」
「きゅう」
 心優しい野次馬さんが、朝霧を搬送していく。アセットとドクターの2対1となった。

●こっちは比較的まじめに?
 水円と辰巳、天羽は、どすどすやってくる白熊を上手く引き寄せる。
「こちらよ〜」
 投げて気を引かせたいのだが、「勿体ないからひかえることだ」と水円に水を差される。
「じゃあ、ジャケットのコピーで」
「それならかまわん」
 妥協案成立。
「執事アレックスのコスはしたのは良いけど、技などはまだだったんですね」
 執事の格好をしている辰巳は苦笑しながら、アサルトクローをつける。そして、格闘をたしなんでいる彼は、様々なコンボを用い、バックステップで回避していく、そして、広い駐車場に引き込んだ。しかし、面と白熊の顔を見たときに‥‥、つぶらな瞳が彼の心の底にある、可愛い物を愛でるという感情を起きあがらせる。
「うっ?!」
 一瞬、ステップのタイミングをずらしてしまった。白熊のアッパーが彼の顎にクリーンヒットする。そのままラッシュが来そうな所で、横から光が割り込んだ。
『ぐぎゃああああっ』
 光がやんだとき、白熊が顔を押さえて苦しがっている。
「萌えオーラを軽減できるはずですよ!」
 雪のような白い肌の天羽が、刹那と迅雷を使用した、吉備団刀の一撃だったのだ。起きあがるキメラには、斜めに刀傷が刻まれている。萌えのオーラが半減していることは、辰巳も水円も感じ取れた。
「ナイスフォローだ。天羽。この白熊、ゲームコントローラーで出来そうなやつだな。別キャラでパンダとかいるんだろ」
 水円が、そんなことを言いながら、機械剣αで斬る。
『ぐおおおおおおっ』
 キメラの叫びが大阪・日本橋に響く。
 持ち直した辰巳も、アサルトクローにて熊を攻撃して、確実に仕留めることができた。
「さて、あとは、向こうだけど。大丈夫でしょうか?」
「端から見れば楽しそうに、戦っているようにしか見えないな」
「怪我がなければいいですよね。早く助けにいきましょう」
 3人は、アセットとドクターの元へ走っていく。

●少女剣士とイタイ博士
「そこで、十字斬りをすれば、好きが生まれるはずだね〜っ!」
「わかりました! ‥‥こうかな!」
 ドクターも近接戦闘に入り、機械剣二刀流で戦っている(さすが眼鏡の恩恵だな)。
「ソノ愛らしい外見ゆえに、我が輩には裏の策がありありと見えて、嫌悪と憎悪が湧き上がるのだよ!」
 バグアとキメラを忌み嫌う彼には萌えキメラの萌えなど、敵ではない! と言う。しかし、格闘は不慣れな彼が、必死に剣を振り回しても、白熊は避けてしまう。
「この、いい加減当たれ! うわ!」
 白熊のストレートがドクターの頭をかすめていく。
 それが大振りで、好きが出来たところに、シャルロッテのアセットが懐に入った。
「いくよコンユンクシオ‥‥、我が一刀は閃光の如く、我が一撃は雷鳴の如く‥‥、一撃! 必殺! チェストぉぉ!」
 愛剣コンユンクシオにスマッシュと両断剣の重ね技が熊に炸裂する。
 その威力で、白熊は吹き飛ばされ、何かわからない肉塊となった。
 アセットは剣を持ちながら、シャルロッテの勝利ポーズ格好をとり、
「我が剣術に死角はなし。魔剣聖に刃向かうとは愚か‥‥」
 完璧とは行かないまでも、様になった勝利ポーズだったので、野次馬達も「おおっ! すっげー」とわんやわんやだった。
「おお、なかなか様になってるねぇ!」
「ありがとうございます。一寸恥ずかしいかな」
 照れているアセットに、写真撮影の群れ。仲間達は、彼らを説得して最後の仕事に取りかかった。
 一仕事を得た、ドクターは十字架をかけ直し、キメラの肉片の採取に取りかかる。
「なんとか、片づけたみたいですね」
 辰巳は安堵した。

●後始末
「やっと、なんとかできるよ。ありがとう」
 熱血亭の店長や各所の店員が、傭兵達に感謝した。
 水円やドクター、辰巳が周りの後始末を手伝った事で、予想より早めに修繕出来たのであった。最終的に、じっくり休むことが出来たのである。
 しかし、しばらくキメラの動向を見極めてから、ということで、延期になってしまった様であった。
「米国、LH、同時販売が良いかもね」
 と、言う案もあるようだったのだ。

 それでも、ヲタクの憩いの場所は守られたのだった。