タイトル:試作型装備実験マスター:タカキ

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 7 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/11/18 00:13

●オープニング本文


 エスティヴィア(gz0070)は、ドローム社における兵器部署研修を終え、先日のレーザー兵装の開発に乗り出した。
 暫く、多忙が続き、ろくすっぽ眠れないこともあったが、試作0型が出来たことは確かであった。
「手応えはある」
 目に隈の顔で彼女は、その装備のたぐいを見る。
 身を守るためのKV用レーザーシールド1型。人型限定ではあるが、盾を持っていると、その部分でフィールドを形成し、非物理防御を上昇させる(全体を覆うことはないが、そう言う効果になった)。持っているだけで知覚武器を反発して弾くのだ(かわしやすくする)。多少軽くしたメトロニウムシールドにレーザー装置を取り付けた物なので
 次に、機体レーザーコーティングアクセサリである。咄嗟の判断にコクピット周辺にレーザーフィールドを展開できる抵抗フィールドである。若干の物理防御も提供することも可能だ。
 作ったのが良いが安定起動する実験は内部でやっている。ただし、KVに装備しての実践はまだであった。
「そろそろ、試験運用ですね」
「だねぇ」
 エスティヴィアはコアーの言葉で、頷く。
「一寸軽い戦闘箇所ってないかしらねぇ」
 と、彼女はフラフラと端末を弄って、知り合いに電話する。
『五大湖周辺には未だ、お互いのパトロールと偵察部隊がウロウロしているとは聞いている。競合地区の境界線では小競り合いは未だ続いているな。規模はピンキリだ。いまからデータ送る』
 電話の相手は、手際の良い男であった。

 そこで簡単そうな、偶に地上ワームとKV数機が交戦する、北米某所の競合地区境界線で実験することとなった。
 さて、今回問題点について、彼女は思う。
「KV同士の戦いでも良いのだけどさぁ。あまり強化しすぎた物だと正確なデータがとれないんだよねぇ。強化に耐えうるかもあるわけだし」
 と、其処が悩みの種。
 そう、小型ヘルメットワーム程度(空陸問わずそれぐらいの強さ)を殴り倒せる無双KVでは、正直今回の兵装・アクセサリのデータがうまくとれない。KVの元のスペックで抵抗したのか、今回の依頼では難しいのだ。
「ほどほどの、強化しているKVか無改造のKVを持っている人でやって貰おう‥‥」
 彼女は化粧して、書類を纏め、ラストホープに向かったのであった。

 そのプロトタイプのデータは『現時点の想定スペック』は以下の通りだ。
名称:試作型レーザーシールド1
受防:30 抵抗:10 装備箇所:副兵装(M)
重量:50
メトロニウムシールドを軽量化し、レーザーフィールドを装備したKV用の盾。常時若干の抵抗を得るが、練力を消費することにより、レーザーフィールドを大きく展開し、1ターンの間防御と抵抗を上昇できる。

名称:ピンポイントフィールド1
抵抗:20 装備箇所:アクセサリ(M)
重量:35
コクピット部分に装備する、非物理用抵抗装置。若干の抵抗の上昇と共に、練力を消費することで、1ターンの間、コクピット周辺にバリアが出来て、抵抗上昇する。

名称:試作型幻影噴霧装置
装備箇所:副兵装(M)
重量:30
映像装置をKVに搭載し、ダミーのKVを映し出す。練力を消費することで、1ターンの間幻影を作り出し、相手を翻弄するため、回避を上昇させる。

●参加者一覧

守原クリア(ga4864
20歳・♀・JG
守原有希(ga8582
20歳・♂・AA
絶斗(ga9337
25歳・♂・GP
水円・一(gb0495
25歳・♂・EP
ロレンタ(gb3412
20歳・♀・ST
ハイン・ヴィーグリーズ(gb3522
23歳・♂・SN
アブド・アル・アズラム(gb3526
23歳・♂・EP

●リプレイ本文

●整備倉庫にて
 試作器試験を手伝う一行は、オタワより離れている中継基地にて、KVに試作兵装が装備され、徐々に整備していくのを見守る傭兵達が居た。
「しかし‥‥あの30分アニメの放映に四苦八苦してた時から考えると、物凄い進歩したもんだね‥‥」
 クリア・サーレク(ga4864)が、前にエスティヴィア(gz0070)の研究に付き合ったことを遠い目をして振り返っていた。
「そんなに長かないよぉ」
 未だ目に隈をつけて、額にはエジプトの目の紋様が光っているエスティヴィアが頭を掻きながら歩いてくる。おそらく覚醒状態で仕事をしているようだ。
「エスティヴィアさんお久しぶり〜。ちゃんと食べてる〜?」
「カロリーバーで凌いでるねぇ。肉食いたい肉――」
「だめだよー! はい、差し入れ」
「おお! 甘い物は大事だねぇ!」
 クリアが差し入れで持って来たのはアップルパイだった。エスティヴィアは覚醒を解いてから、クリアの頭をなでて「ありがとう」と言い、パイの一切れを食べた。
「はぁ、美味い〜。うまうま」
 かなり至福な顔になる女科学者に、よほど飢えていたのかと、クレアは苦笑を漏らす。
「‥‥多少関わったからな、手を貸すのは良くあることだ」
 水円・一(gb0495)が、コクピットで自分の機体をチェックしながら言う。
「あ、ひさしぶり〜」
「あまり緊張感がないな。おい」
 彼は苦笑する。
「ああ、今は一寸ブレイクターイム♪ 珈琲あったかな?」
 近くのテーブルにポットと、フラスコがあり、そこに黒い液体があった。珈琲のようだ。
「‥‥」
 水円は其れを見ないことにした。
「うーん甘みと苦さがマッチ」
「どんだけ‥‥まともなのを食ってないんだ」
 クールに決めている上半身半裸で両手義手の絶斗(ga9337)が突っ込む。誰もが、心配になる仕草だったのだろう。後ろには守原有希(ga8582)が緊張した顔つきでエスティヴィアを見ていた。
「えっと、初めまして‥‥守原と言います」
「たしかある場所であったが、改めて初めましてだ。絶斗だ」
「あいよ。初めまして。エスティヴィアよ」
 握手を交わす。
 守原が、真っ赤になって固まってしまった。あまりにも緊張してしまったらしい。彼の性格の所為で。
「おい、大丈夫か? いつものか?」
 絶斗が彼を担いで守原を担いでいった。
「可愛い女の子だね〜」
 ふふ〜んと、笑うエスティヴィアなのだが。
「‥‥彼、男ですよ」
「え゛‥‥女装剣士とおもったわぁ」
 クリアのツッコミで驚いた。

 そのあと、ロレンタ(gb3412)、ハイン・ヴィーグリーズ(gb3522)、アブド・アル・アズラム(gb3526)が各々装備を付け、調整した後、エスティヴィアに向かって歩いてくる。
「初めましてですわ」
「はじめまして」
「はじめてだな」
「エスティヴィアよぉ。よろしく」
 握手を交わしてから、エスティヴィアは真剣な顔になる。
「先ほどの和服少年が落ち着いてから、今回のことを詳しく話すわ。会議室でまってて」
 と、言って、助手のコアーを呼び打ち合わせにはいるようだ。
「そろそろ、機体戦か‥‥」
 何名かが、初機体での参戦らしく、緊張していた。

 会議室にて、一行がエスティヴィアを待っていた。そう時間もかからず、彼女がコアーを連れて入ってくる。流石に寝不足を物語る目の下の隈は隠せてないが、彼女の意気込みは伝わってくる。
「またせたね。さて、今回の依頼を詳しく話すよ」
 ホワイトボードに、敵の位置、装備の性能を教えていく。
「ま、装備は試作品なので、実際出回る場合は変わっているけどねぇ。とにかく実践で効果を見たいのよ。では質問を受け付けるわ」
「では‥‥早速だけど。ボクから」
 クリアが手を挙げて、敵の力や装備について訊ねていく。それに習い他の者も訊ねていった。エスティヴィアも可能な範囲で答えていく。
「燃費問題とか色々あるから、何とかしないとな」
「何処まで使うかは、任せるわよ。データがとれれば、無理に殲滅しなくても良いから」
「いや、出来ることはきっちりやらないと」
 ロレンタが答えた。
 再び、整備倉庫。各自がKVに乗り込む。
「今日は任せてくれ‥‥いい結果を届けて見せる‥‥多分な‥‥」
 絶斗が親指を立ててエスティヴィアに向かって言う、滑走路に向かっていった。
「ええ、頑張ってねぇ。でも撃墜はされちゃダメよ?」
 エスティヴィアは、7人、1人1人のコクピットまで見送ってくれていた。

 7機の飛行機状態のKVが、轟音を出して飛び立っていく。その飛行機雲を、彼女はじっと見つめて‥‥。
「管制室に向かわないとね‥‥」

●敵機発見・エンゲージ
 ロレンタの岩龍が空を飛び、戦闘エリア外での着地ポイントを調べる。
「陸戦班は戦場エリアから数キロ離れたところで降りて」
「了解」
「分かった」
 戦場は林、壊れた建造物、舗装剥がれた道路、爆撃でのクレーターがある平原とも言える場所のようだ。たしかに『障害物がある』とは言っていた。何筋かプロトン砲で出来た『道』もあるようだ。
「‥‥これを滑走路にできるかもな」
 絶斗が言う。
「敵機発見」
 ロレンタが叫ぶ。かなり先の方にだが、確かに犬と牛、飛ばない鳥‥‥ダチョウか鶏か、ウズラかそう言った生物に見えないこともないワームが居た。周りにある林などを暢気に食べている。その周りで浮かぶHWが、この生体ワームの散歩の主みたいに見えた。
「まず、HWを引きつける!」
 空戦班のクリアが全員に伝えた。
「任せますよ。クリアさん」
 守原が、操縦桿を強く握る。初のKVでの出動。緊張が走る。
 クリア、ロレンタ、ハインのKVが先行。HWを引きつけるため、推定戦闘エリア、ギリギリからミサイルを撃つ。爆音とともに、旋回し戦闘エリアから離脱。しかし、HWは浮上し、威嚇的にプロトン砲の光の帯を放つ。
「むううん! うごけえ!」
 回避するために、ハインが思いっきり操縦桿を動かす。プロトン砲の帯はコクピットすれすれを飛んでいく。
 生体ワーム3頭も、異常事態に気が付き、各々の遠吠え、鳴き声で叫び、警戒し始めた。牛は既に蹄で、地面を蹴っている。
 既に陸戦班は着陸して、3頭に向かいバルカンやマシンガンで牽制射撃を始めていた。
「エンゲージする!」
「了解」
 同時に空と陸で戦いが起こる。

●空
 牽制的なプロトン砲の威力だったが、初搭乗のロレンタはその威力に脅威を覚えた。握る操縦桿に汗で上手くつかめない。
「この落ち着け!」
 ロレンタが自分を叱責する。
「‥‥幻影噴霧装置起動‥‥」
 多少扱いを知るハインは、落ち着いて試作品を起動させた。
「ちゃんと起動しているよ」
 隣で見ているクリアが言う。
 そう、丁度彼のS−01の隣に一機、同じような機体の映像が出ているのだ。微調整を繰り返し、ロッテを組んだように映し出す。
 クリアとロレンタは、ピンポイントフィールドを展開する。きわめて薄い桃色の膜のようなものがコクピット周りを覆ったようだ。しかし視界自体に問題はない。
「さて、お仕事!」
 3機は打ち合わせ通りにHWを引きつけるようにバルカンやライフルで撃つ。
 ヘルメットワームはそれに怒ったかのように、狙いを定めたプロトン砲を放ってきた。
「回避! くう!」
 クレアの雷電が被弾するも未だ飛べる。ロレンタは運良くかわし、ハインは上手く幻影のKVにあたったようだ。HWは誤認して其れを撃ったらしい。粒子が飛び散ったため、再度構成しないと行けないようだ。
「効果はあるようですね」
 ハインは呟き、反撃にでた。ヘルメットワームに弾が掠り、相手も少し距離を置く。しかし、クレア機が接近し、ドックファイトに持ち込む。鬱陶しがるHWは、くねくね不気味な軌道で空を飛ぶ。どう見ても離れたがっているがクレアはそれに何とか追いつく。
「逃がさない」
 ハインはスナイパーライフルRで、ロレンタは高分子レーザーと84mm8連装ロケットランチャーで逃げ場を封じる。
 苛立ち(たぶん)をもったHWから静電気が出た時に似た光見えると、空が曇り始めた。
「雲行き? 天気予報晴れじゃなかったかしら?」
 ロレンタが、言う。
 同時に、轟音と共に、電気の塊が3機を襲ってきた!
「きゃああ!」
「うおおお!」
「‥‥びっくりしたぁ!」
 3者3様の驚きと悲鳴。ハインだけは無事にかわしたが‥‥。ロレンタにあたってしまったようだ。
 キメラのように、HWも雷弾のような物を打ってくるようだ。
「どうやら、ピンポイントフィールドの効果でなんとか大丈夫」
 岩龍を旋回させて、HWから距離を取る。
 クリアの方はというと被弾はしたのだが、雷電の強化が裏目に出たのか全く被害はなかったようだ。彼女もピンポイントフィールドを張っている。
「うーん、怖かったけど‥‥どっちで防いだかわかんないね‥‥」
 こうやって、HWとのドックファイトが続く。


●陸
 絶斗、守原、水円、アブドはガトリングやバルカンで牽制しながら、近接距離までにじり寄る。足下を打ち付けるように撃っているが、相手はあまりよける気がしないようだ。鳥の方は素早い避け方をするのでダチョウを連想させる。
「絶斗さんが接近するまでの援護を」
 絶斗はミカガミのため、選択肢が限られる。故に完全に近接戦のみ想定の武装なのだ。機爪「プレスティシモ」と煙幕、そしてレーザーシールドだ。
 弾幕にも怯まない、牛と鳥が赤い帯と共に突進してくる。既に戦闘にいた守原に牛、絶斗に鳥だ。
「耐えるけん!」
 うす桃色の粒子を散布した盾で、守原は受け止める。衝撃でコクピット内の彼の体が前後に激しく揺れた。
「きつか! でも、いける!」
 ヒートディフェンダーで反撃する守原。しかし、牛の突進はおさまらない。体感では10mは押し戻されたかもしれない。後ろで援護射撃していた水円のR−01が進み、熱ディフェンダーで斬りつけることで牛の突進を止めることが出来た。
 絶斗も鳥の突進を受け止め、踏ん張る。そこでアブドが横からレーザーシールドを粒子展開状態で鳥を殴る。しかし、元からSESの武装側の装備がないので、フォースフィールドの赤い壁に遮られた。
「ビームコーティングアックスと違うのか」
『SES付いていたら、SES搭載って前もって言うわよぉ。盾は防御用なの』
 無線からエスティヴィアの声が聞こえた。
「否、聞いてない」
『聞かなかったし。まあいいわ‥‥あまり無茶しないよーに』
「‥‥実験再開させて貰うぞ!」
 ダメージ自体は行かなかったが、押さえ込むことだけは成功している。盾の使い方のひとつ、押さえ込みはいつも通り出来ると見て良いだろう。
 牛の後ろから犬のワームが寄ってきて、遠吠えをあげると、周りから火の玉が出てきて、守原と水円にぶつけてきた。
「フィールド展開! 盾で、牛が邪魔と!」
「はやい!」
 盾で受け止めようとするが、牛の突進の所為で上手く動けない! 燃える機体に熱さで苦しむ守原と水円。
「やったな、しかし‥‥牛が邪魔けん!」
 体全体を使った蹴りで牛を押しのける。赤い壁は発生するが、押しのけることはできた様だ。
 牛は周りから冷気、鳥は、静電気をならして‥‥氷と雷球を作り出し、ぶつけてくる。
「盾としても、抵抗装置としても申し分ないか!」
「そのようだ! こっちの幻影も上手く使えている」
 アブドの方は全てKV幻影でかわすことが出来たようだ。
 (空にいるがかなり特殊能力の範囲は広いので)岩龍の恩恵もあるために回避しやすい事もあるのだ。
 陸の方も順調にデータ撮りの戦いを繰り広げていた。

●仕留める
「そろそろ‥‥いい頃だ」
 絶斗が言う。
「空もOK」
 クリアが答えた。
「殲滅開始!」
 空陸とも、一斉に、とっておきを使って戦い始める。
 鬱陶し牛ワームは、データ採取のときからじわじわとダメージを与えていたため、守原と水円の相互攻撃で撃破し、犬ワームに向かう。犬だけは何回か召炎弾を撃ってきただけで接近してこなかったのだ。しかし、牛がやられると、突っ込んで噛み付いてくる。守原が盾で防ぎ、ヒートディフェンダーで応戦する。水円のR−01も牛との戦いで上手く盾を使いこなし、アブドがやった盾の押さえ込みで犬を押さえ込み、動きを封じた。
「逃がさん! 目撃者は残さんよ!」
 カートリッジを吹き飛ばし、ヒートディフェンダーをリロードし、犬に渾身の斬撃! 同時に、水円も同じように斬撃を与えた。
 それで、犬は沈黙する。

 空の方も‥‥。クリアとロレンタ、ハインのミサイル、84mm8連装ロケットランチャー、8式螺旋型ミサイルでの一斉発射で、HWを撃墜させた。
「雷の方は怖かったわ」
「‥‥うーん。燃費未だ悪いね」
「下の方も順調のようです‥‥しかし」
 遠くから数機、ワームらしい機影が見えてきた‥‥。

 アブドが鳥を押さえつけて、至近距離のバルカンとヒートディフェンダーで相手の生命を削り取っていく。バルカンを撃ちきった所直ぐに離れた。
「いまだ、絶斗!」
「行くぞ‥‥! 雪村の横斬りと龍の爪による十字攻撃、ドラゴンクロスだ‥‥!」
 絶斗が、ミカガミの内蔵雪村を起動させる。現れた光の剣と機爪とで十字斬りをする!
 生体ワーム全体に言えるのだが、知覚武器に対抗できる物は数少なく、この必殺技で鳥ワームは沈黙した。

「追加オーダーはお断りよ。サービス残業はしない主義なの。援軍がきたわ」
 空からロレンタの通信。
「了解、離脱する」
 自然の滑走路は出来ている。後は撤退のみだ。
「煙幕での昇り龍を見せてやりたかったが、控えておこう‥‥」
 どうも、レーザーから見ると、そんな余裕はないようだ。
 KVの機械足が走る。十分に走ったとき、飛行機状態に変形。空では、煙幕装置で煙幕をはって離陸援護している。陸戦班も煙幕をはって、ブーストして戦線を離れることに成功した。
「しっかり持って帰ってきたぞ」
 アブドが、エスティヴィアに向けて通信した。

●解析結果
「うーん」
 KVからのデータレコードを解析するエスティヴィア。しかし唸ってる。
「クレア君」
「なになに?」
「いや、君の雷電は強すぎでまともなピンポイントフィールドのデータとれなかったよぉ?」
「あちゃあ‥‥」
「フィールドの展開しているかしていないかでのダメージ比率がわかんないのよね。まあ、ロレンタ君の岩龍からは分かったけど‥‥」
「とほほ」
 がっくり項垂れるクレア。
「アップルパイ美味かったから良いけどさ」
「そんなので?」
 彼女は驚きの顔になる。
「腹は減っては何とやらでしょ。それと、要望の『KV全体か、重要箇所にフィールド展開』は研究するわぁ。いつできるかわかんないけど。後、流石に幻影装置はアクセサリ化が良いわよねぇ。あとは、ラボで詳しく研究するわぁ。みんな、ありがとうねぇ」
「はい、お願いするね。そして、楽しみに待ってる」
 と、クリアが言った。
 こうして、無事データ収集は終わったのであった。