タイトル:紅葉を守れ!マスター:タカキ

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 5 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/11/04 23:41

●オープニング本文


 とある、畿内の行楽シーズンにおいて賑わう山がある。
 そこは、紅葉が綺麗で今では一寸知れている場所である。紅葉のトンネル。それをくぐれば蒼い空に赤や橙、黄色の艶やかさに彩られた山。
 耳をすますと、せせらぎも聞こえる。沢が近くにある事を、教えてくれる。
 五感に自然の素晴らしさを感じ、リラックス出来る場所なのだ。

 しかし、問題が起こった。

 各地での大きな戦いの後、遠くで見かけるワームとKVの小競り合いは続いている。畿内の多くは安全圏とはいえ、名古屋という、大きな拠点を狙わんと、バグアは動くのだ(八王子がどうなっているのかは視野には入れない)。
 UPC軍の守りの薄い地域は、県を問わずして、バグアの脅威にさらされやすいのである。
 ここの保全委員会や、猟協会は、熊にしてはいびつな物や、しかにしてはおかしい物を発見し、猟犬も怯えてしまうと言う事象を話している。おそらく、キメラを運ぶ小型補給型(ビックフィッシュではないようだ)ワームにより運ばれて、この近辺を荒らし回っているのだろう。キメラの所為で、いまのところ人に怪我、もしくは極端な自然破壊が行われているという事は、今のところ無いのだが、破壊の権化といえるこの状況を放置するわけも行かない。故に関西UPC軍を通して、傭兵達に依頼をだすのであった。

『大きな熊、鹿、他には猿のキメラが居るようだが‥‥気を付けて欲しい。異形化しているはずだ』

●参加者一覧

ドクター・ウェスト(ga0241
40歳・♂・ER
鳴神 伊織(ga0421
22歳・♀・AA
赤霧・連(ga0668
21歳・♀・SN
UNKNOWN(ga4276
35歳・♂・ER
水円・一(gb0495
25歳・♂・EP

●リプレイ本文

●初心忘れるべからず?
 紅葉が生い茂る山々。もしこれが行楽気分で行けたのならどれほどすばらしいことだろう。しかし、今回は違う。
「そこにキメラがいる、今の我が輩にはそれだけで十分だ」
 ドクター・ウェスト(ga0241)は十字架を外し、殺気を全開にして言い放つ。
 彼にとってバグアの存在は憎悪するものなのだ。
 覚醒すると目が光るのだが、せずとも光りそうな瞳。『目で人を殺す』と言う言葉があるが、まさにそうかも知れない。
 黒いスーツの男が高級煙草の吸い殻を携帯灰皿にしまってから、メンバーを見てこう言った。
「メンバーが熟練としても、だ。油断は禁物だ」
 その男はUNKNOWN(ga4276)である。
「私はともかく、手練れだらけですね‥‥」
 苦笑するのは鳴神 伊織(ga0421)である。
「否、私は初心者だよ」
「どこがだね? UNKNOWN君。我が輩がピンチな時に、フォトデータを収めていた君が初心者というのかね?」
「俺からすれば全員違う」
 突っ込んだのは、水円・一(gb0495)だ。それで、殆ど黙ってしまう。
 経験などは彼からすれば桁違いなメンバーが揃っていた。
 研究者として有名になっているドクターに、山羊座と戦った黒ずくめの男、美人剣匠‥‥。豪勢である。
「ほむ! 紅葉さんのSOS、確かに受信しましたよ! 其れとピクニックです! キメラを倒してからですが!」
 ちなみに、既にピクニック気分の赤霧・連(ga0668)もかなりの手練れである。
「お弁当もってきましたヨ」
 お重を持っている連。気合いが別の方に入っている。
「ふむ、紅葉を楽しむのも一興か‥‥。仕事が終わったら」
「無粋なキメラを倒しますか」
 UNKNOWNと伊織が言う。
「我が輩はそう言うことはどうでも良いのだ。さっくり倒しに向かおう〜」
 ドクターは、エネルギーガンを担いで、急かすように言うのであった。
「まて、油断は禁物だ。まずは‥‥そうだな‥‥。傭兵成り立ての頃、何を他に注意したか、な?」
「ふむ、持ち物検査だね。其れは一理あるね〜。焦っていたら例えキメラでも危険だね〜」
 ドクターは黒い男の言うことに納得した。
 方位磁石や、地図、治療器具や遭難時の緊急装備などを確認するが‥‥。連が土鍋を持っていることにUNKNOWNは「よし、行こう」とスルーする。しかし、ドクターが突っ込むのだ。
「まて、何故レン君は土鍋を持って居るんだね〜?」
「ほむ、熊に鹿に猿ですよ? 今夜はお鍋です!」
 きらーんと目が光る連。猿はともかく、鹿に熊だ。鍋の食材である。既に食う気満々だ。
「!!!?」
 その答えに、ドクターは絶望するような驚きを隠せない。
「我が輩は、キメラなんぞ食う気はない! バグアの作った肉を食べるくらいなら、濃くて不味い、珈琲を飲んでいるほうがマシだね〜」
「好き嫌いはダメですヨ!?」
「まあ、まあ‥‥」
「個人が、食う食わないかはともかく、探そう」
 伊織と一が言い争いを止めるために割って入った。

●索敵
 一行は、一を中心に、先頭を伊織、右にUNKNOWN、左に連、後ろにドクターとして円陣を組んでおり、森の中を進む。
 キメラは一部異形化していたとしても、基本となる素体が動物なので、その動物と同じ行動をとることが通説だ。
「ということは、糞をするんですね?」
「そういうことだねぇ〜。だから‥‥鹿や熊なら足跡や、糞を調べれば分かるね〜」
 連の問いに、ドクターが答える。
 ドクターや伊織も、全員覚醒した状態で先を進む。それは、いつ奇襲があるか分からないことと、隠密潜行や探査の目の稼働時は覚醒していないと持続不可能なためだ。連、UNKNOWN、一は常時覚醒になる。
 獣道を見つけた連が皆を導いて、たどっていく。確かに、熊の足跡があるのだが、余分に一対有る。あと、糞も見つけた。
「縄張りのようだねぇ〜」
 辺りを警戒するドクター。
 一が、遠くの方を眺めて目を細めている。
「む‥‥ここから先に、熊がいるようだ‥‥」
「なら潜行で先行します」
 連が、長弓「クロネリア」を持って、隠密潜行を使いながら先行する。
 一が言うとおりに、確かに沢があり、そこで熊2頭が餌を探していた。熟した果物か、川魚を探しているようである。相手は全く気付いていない。
「‥‥なら‥‥」
 連は影撃ちと即射を使い、熊二頭を一気に屠った。完璧な不意打ちだった。
「ほむ、完璧なのでス」
 直ぐに戻ってくる連。
「片づけましタ」
「良くやった‥‥」
「次に行こう‥‥」
 簡単に済みそうな、依頼のようだ。本当に。

●苦戦?
 鹿も数頭、見つけ出し、射撃武器がある者が一気に仕留め、逃げる鹿は伊織が迫って首をはねる。これもけが人はなく、最後は猿だけとなった。しかし、流石に木の上にいる猿だけは、なかなか見つからない。危険を察知してか、姿を見せないのかも知れない。
「それと、まだ潜んでいるヤツがいるかもしれないね」
 猿だけではない、まだ鹿や熊が居る可能性も否めない。ただ、数が多ければ今より大事になっていたはずなのだ。ここは微妙なラインである。
 熊は単体か家族でいる。しかし、猿は群でいるし、鹿も小規模ながら群でいる事もある。
 索敵中に一が、何かに気付く。直ぐに連を抱きしめて、横に飛んだ。
「ほむ!?」
 何かが急に降りてきた。急降下のように。そのあと、落ち葉が吹き飛び舞う。猿キメラが連めがけて不意打ちをしようとしたのだ! その姿は筋骨隆々の異形。猿は全員をにらみつけては尋常じゃない跳躍をし、木に登っていった。一撃離脱戦法だ。
「危なかったでス。ありがとう」
 お互い怪我はない。
「なかなか手強い奴だな‥‥」
 UNKNOWNがショットガン20を構えて上を見る。
 木の上から一気に、小石の雨霰がくる。回避したり受け止めたりで、防御一辺倒となる。木の枝が邪魔で確実に狙えないのだ。
「‥‥鬱陶しい!」
 ドクターがエネルギーガンを連射する。木に当たってしまい、うまく当てられない。
「ここは‥‥こうだな」
 UNKNOWNが木に向かってショットガン20撃つ。
「木が可哀想ですヨ!」
「今はそう言うときではない」
 彼の思惑通り、衝撃で猿が落ちてきた。しかし受け身をし、直ぐに別の木に登ろうとするところ伊織や一、ドクターが仕留めていく。
 伊織が1匹を突き刺して仕留めたところ、直ぐにドクターに向かってソニックブームを放った。
「なんですと!」
 彼の真横を通り過ぎるソニックブームは、真後ろから襲ってくる猿キメラを両断する。猿が断末魔をあげた。
「油断大敵とは‥‥このことだねぇ〜」
 少し、冷静になるべきかと、彼は思い直した。

 こうして、3時間に及ぶ獣狩りは無事済み、怪我はドクターの錬成治癒、救急セットで完治する程度の軽微なものだった。

●お鍋です!
 ドクターがサンプルをとりたいと言うことで、倒したキメラの遺骸から、持っていける分だけ解体する。
「今回のフォースフィールドは普通だったねぇ〜」
 と、検査ケースに血や肉片、皮を採取している。彼は既に十字架を首にかけていた。
 3時ぐらいになる。連や伊織が用意した普通のお弁当を食べて、リンゴジュースや緑茶、キリマンジャロ珈琲を飲みながら紅葉を眺め、仕事の疲れを癒していた。UNKNOWNとドクターの掛け合い漫才のような話で盛り上がったり、料理談義に花が咲いたりと和やかに時間が過ぎるのだが‥‥、
「さて、お鍋の時間です! 食べ物の前には私は無敵ですヨ!」
 連がそう言うと、ドクターを除く全員、頷く。
 どどーんという擬音が連の周りで木霊するかのようだ。
「我が輩は遠慮する。先に帰っているね〜」
 正直に嫌な顔をして、ドクターはさっさとラストホープに帰るようだ。
「先に帰って、サンプル研究と行くよ」
 と、言い残し去っていった。
「ホム、残念です」
 ションボリする連だが、無理強いも出来ない。ドクターの背中がそう語っていた。

 既にサンプル採取の時に、鬼包丁での解体をしているため次の準備は、町役場近くの集会場を借りればいい。鹿肉と熊肉の鍋パーティだ。流石にお猿さんは食べられそうにない。
「筋張っていますネ」
「筋骨隆々だから、ね。筋張って当たり前だな」
 近所の一般市民にも、分けることが出来るような量なので、宴会になっていく様子だ。
「これは楽しそうになるですネ!」
 この連、ノリノリである。
 猟友会のひとにノウハウを教えて貰い、筋張っている肉を軟らかくし、野菜などで臭みをとっての大きな鍋会。町の人と交流をして、有意義な一日を過ごした、一行であった。
 ドクターの方はと言うと、サンプルから研究・検査するのだが、結局、大きな手がかりを掴むことが出来なかったようである。