タイトル:子供と廃墟の犬とマスター:タカキ

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/06/10 00:30

●オープニング本文


 近畿某所。
 都市再開発の波により、僅かながらの安定は生まれている場所だった。それほどバグアの攻撃は酷い物だと物語る。疎開、避難、そういった人の流れが結果、故郷を無くし、再出発としてコミュニティの再構築する流れがあった。人という生き物はそれが出来るからこそすばらしい。
 しかし、いつバグアが襲ってくるか分からないこと確かである。
 気が付けば遠くからヘルメットワームが行き交い、それを追っていくナイトフォーゲルも見かける。それは、彼方遠い空でこの付近まで来ていないのだが、それでも‥‥、いつしか此処にやってくる不安はある。

 しかし、子供達は未来を持って生きていこうとしていた。小さな命も等しく。

「母さん! このこ飼ってよ!」
 小さい犬を抱っこしているのは男の子だった。
「だめよ。良太郎‥‥此処にいるのは避難なのよ?」
 母親はため息を吐く。
 この良太郎の家族も、戦場から追われ、此処に越してきたのである。しかし、コミュニティに馴染み、孤独というストレスからは解放されている。良太郎はこの町の中では、特筆するほど人気者では無いせよ、友達が多い。
 犬は、唸ることもない。
 犬種は、小型犬で尻尾が短い、コーギーであった。しかし、子犬にしては何かが違う。
 お腹が出ている。メスで子を孕んでいるのだ。
「かわいそうだよ! ボクが世話するから!」
「‥‥だめよ‥‥。子供が生まれるのでしょ?」
「‥‥うん。おじさんが言ってた」
「残念だけど無理。おじさんに‥‥」
「いやだ!」
 良太郎は叫ぶ。
「きゃうん」
 その言葉に驚いたのか犬は逃げ出す。
「あ、まって! プッチ!」
 彼は犬を追いかけた。
「はぁ。‥‥本当は‥‥ねぇ。ごめんね‥‥良太‥‥」
 と、彼女は、今の生活でいっぱいなのだ。
 今にある仏壇には、ナイトフォーゲルをバックに写っている男の写真が飾られていた。
「あなた。良太郎は本当に良い子に育っているけど‥‥私は‥‥」
 と、涙ぐんでいた。


 公園。そこに良太郎の友達が集まっている。男女あわせての6人
「困ったぞ。おれんちも飼えないと言われた。其処まで余裕がないって」
「あたしのうちもだ」
「どうしよう‥‥」
「たしか、学校の裏に、丁度良い廃墟があったよ」
 都市開発のために数ヶ月後に解体する予定の古いコンクリートの建物がある。住居地区からすると2km離れたところだ。将来見張り台などを立てる予定もあるそうだ。
「でも其処危ないんじゃ?」
「プッチを見捨てろと?」
「そんなんじゃないよ」
 と、あーでもない、こうでもない、と考える。
「よし、その廃墟をつかって、俺たちで飼おう」
 それで皆同意した。

 学校の給食を残し、小遣いから少しずつ貯めていき、プッチの世話をする。
 6人は大人に秘密にして犬を育てているが、親たちは知っていた。しかし、止めることは出来なかった。
 本当は誰もかも新しい命の到来を、期待していたのだ。

 そんなときである。

 一機のKVとヘルメットワームがもつれながら‥‥廃墟から3km離れた場所に墜落した。爆音と共に火柱があがり一面は火の海であった。空には、それ以外何もない(一瞬の出来事で、ワームもKVも飛び立ってしまった)。
 救急車と消防車、地元警備で居る能力者が護衛として駆けつける。ヘルメットワームにキメラが運搬されているかもしれないのだ。危険である。
 人々は学校に避難しているが、不安がぬぐいきれない。
「プッチ‥‥今日が子供を‥‥」
 良太郎達があつまり‥‥。
「俺たちで助けに!」
 走る。あの廃墟に。
「家の息子知りませんでしたか?」
「私の所も」
「どこに‥‥まさか! 犬の所?」
 しかし、自分たちが行って此処に連れ戻すことは‥‥できるのか?
「俺は行く」
「まて! それは危険だ」
 自警団に止められた。
「子供達を放っておけるか!」
「‥‥しかし! 俺たちが今あそこに向かうと!」
「くっそ!」
 無力感がこみ上げる。
 良太郎の母親は‥‥その隙を見て、追いかけていく。
「良太郎‥‥ごめんね‥‥」
 と、謝りながら。

 爆発でも生き残っているキメラが、茂みを物とせずに動き出す。あのヘルメットワームは輸送型だったようだ。数は分からない。四方に散ることを予測し、能力者の一団が別れてこの再開発の町を守ることになっている。
 あなたは、そこで廃墟方面に向かうであろうキメラを発見次第撃破する依頼を受けたのであった。
 其処に新たな命があることと、未来の希望が居ることも聴かされている。

 時間は‥‥僅かと思う。
 能力者よ、キメラの手から子供と犬を救い出すのだ。

●参加者一覧

イシイ タケル(ga6037
28歳・♂・EL
旭(ga6764
26歳・♂・AA
サルファ(ga9419
22歳・♂・DF
最上 憐 (gb0002
10歳・♀・PN
城田二三男(gb0620
21歳・♂・DF
リーウィット・ミラー(gb0635
18歳・♀・SN
ヌアージュ・ホワイト(gb0637
18歳・♂・DF
甲(gb0665
20歳・♂・ST

●リプレイ本文

●急げ!
 緊急の依頼を発見したサルファ(ga9419)は、
「――子供たちが!? それは大変だ。急がないと!」
 と、焦りを隠せなかった。
 すぐに彼は受付を済ませ、作戦会議室に向かっていく。
 彼の後ろを見ていた好奇心旺盛な、リーウィット・ミラー(gb0635)は、彼が見ていた依頼内容をみて、納得する。
(「このミッションから私の能力者の道が始まるの! お姉ちゃん見てなさい!」)
 と、憧れでありライバルの姉に向けるように誓うのである。
 今回緊急のために高速移動艇に集まっている。高速移動艇内で作戦会議を行うのだ。
「‥‥ん。きっと助けに行く」
 最上 憐 (gb0002)が、椅子にちょこんと座り、全員が来るのをまっていた。
 全員がそろって、会議が始まる。
 旭(ga6764)、城田二三男(gb0620)、ヌアージュ・ホワイト(gb0637)、甲(gb0665)が席に座る。ホワイトボードの近くに、イシイ タケル(ga6037)が立って、地図を貼り、皆に向かってこういった。
「こどもは愛され、守られなくてはなりません」
 それに異論を唱える者はいなかった。

 作戦は、まず廃墟までは全員で移動、そして敵が少ない場合はサルファ、城田、最上、甲の殲滅班で叩き、保護班の旭、イシイ、ホワイト、ミラー達が廃墟に先行し子供達を助ける。もし、情報にあるマンティコアなどが来た場合は、全員で戦うことになる。
「では急ごう!」
 高速移動艇が飛ぶ。
 ヌアージュは席について呟いていた。
「僕のお母さんは同じように助けてくれただろうか‥‥」
 母親が子を助ける。そのことが彼自身の過去の傷により、理解できていないのである。

●遭遇
 現地に着いた。再開発のクレーンやトラックなどがあちらこちらに点在する町を印象づける。しかし、それを見ている余裕はない。別部隊が他のキメラを倒すためにすぐに持ち場に向かっている。イシイ達もすぐに行動に移った。
 イシイは、最上が有らぬ方向に歩こうとしているのをみて、
「最上さん、そっちじゃないみたい。あの銀色の髪のお兄さん(サルファ)についていきなさいね」
「‥‥?」
 一寸の間があく。
「‥‥ん。わかった」
 最上はサルファのソデを掴んで話さなくなった。
「普通に名前で呼んでくれ‥‥イシイ」
「そうですね」
 無線は旭とイシイが持っている。しかし、戦闘中に使えるか不安である。キメラの発する謎の電磁波でおかしくならなければいいのだが。
「よし、向かおう」
 サルファが歩き出した。
 全員も進む。
 廃墟まで、学校から2キロ。しかし勾配や木々もあるので、歩きづらいだろう。

 20分ぐらい歩く。丁度廃墟が森の隙間から見えてくる。
「あそこか!」
「!? なにかくる!」
 そう言うと否や、いきなり潜んでいた様子でいた山猫3匹が襲いかかってくる!
 甲がすぐに反応して、超機械一号を向けて1匹を完全に沈黙させる。もう一回別の山猫を狙うが素早く電波をかわされてしまった。しかし、サルファが覚醒しコンユンクシオで山猫を斬ろうとするが、1撃はかわされたがそれは囮で、反動を利用し横凪で吹っ飛ばす。しかしまだ生きているようで、相手はそれで警戒し、止まってしまう。しかしもう1匹がサルファに飛びかかり、サルファは受け止める形で全員を守っていた。
「こっちは任せろ。だから‥‥頼んだぞ!!」
 彼は保護班に叫ぶ。
 保護班はすぐに、その場を離脱する。
「さて、殲滅優先だ! どけよ!てめえらに用はねえんだよ!」
 襲ってきた山猫を蹴り飛ばしてから大剣を振り回す。掠っただけで致命傷になっていない。
「‥‥さて‥‥はじめるか‥‥」
 城田もゆっくりと覚醒し、目を赤く悪鬼のような不気味さを宿す。そして刀と盾を構え、サルファを襲っていた山猫に一太刀を浴びせるも、まだ生きている。
 猫がサルファを反撃してくる。
「ぐあ!」
 牙や爪が彼の体に食い込む。
 もう一匹は最上にむかったが、軽やかにかわして、いた。
「‥‥ん。殲滅する」
 最上がすぐに動き、一気にファングで山猫を倒した。
 丁度、サルファが大剣に力を込めて振り降ろして、山猫を一刀両断のもとに倒す。
 サルファが怪我を負ったので甲が練成治癒で怪我を治す。
『ざ‥‥ざ‥‥。こちら保‥‥班‥‥聞こ‥‥すか?』
 キメラの登場で電波がおかしい状態だったトランシーバーから旭の声がする。
『現‥‥い、廃墟の入り口です。‥‥ざ‥‥』
「分かったすぐに合流する」
 怪我を応急処置で止血治療し、殲滅班は廃墟を目指した。


●廃墟
 廃墟のビルは、今にも崩れ層というわけではなかった。
「かなりしっかりした作りだね! 表からは『凄い危ないなぁ!』と思っていたけど!」
 リーウィットが色々喋る。
「ですね」
 イシイは怒りもせずに、彼女の話を聞いている。
「ねぇねぇ、やっぱりこういう所って、秘密基地にしたくなると思わない? ね? ヌアージュ」
「‥‥む、まあ、そうだよね‥‥むかし‥‥ね」
 相変わらずまくし立てて居るなぁとヌアージュはため息を吐いた。
「だれだ!」
 遠くの方で子供の声がする。
「良太郎!」
 女性の声もする。
 子供がかけてきて身構えていた。ヘルメットに、木きれを持ち、鍋の蓋まで持っていた。母親が子供を庇うように抱きしめて震えているが。
「な、なんなのですか?」
「大丈夫ですよ。私たちは助けに来ました。傭兵です」
 イシイが言う。
 母親は安堵し、
「あの助けて下さい! この子達は言うことを聞かなくて!」
 と、懇願する。
「俺たちはここから動かないぞ! ブッチを守るんだ!」
 と、木きれを振り回そうとするが、母親に抱きしめられているため、振れなかった。
「帰らないからな!」
 後ろには、他の子供数名が居る。
 旭とヌアージュは位置を把握する。この辺りは頑丈のようで落盤の心配はなく、入り口もひとつだけのようだ。
 旭は、良太郎に近づき目線を合わせるように屈み込んだ。
「今は、此処でじっとしてて、今怪物が襲ってくるかもしれないから」
 彼の声は優しく、兄のように話す。
「ブッチを守ってくれるの?」
「そうだよ」
 微笑む。
「なら、兄ちゃんは仲間だ!」
「そうだね、仲間だ」
「あの、でも」
 母親は子供が心配でたまらないらしい。
「お母さん、既にキメラは近くまで来ています。今ここから逃げ出すのは大変危険です。なので、安全な場所で子供達を見て下さい」
「‥‥はい」
 何とか説得に応じてくれた。
「すぐにも子供達を連れて逃げたかったのですが‥‥」
 と、母親が犬を見る。
 皆も覗き見ると、確かに調子が悪いようだ。
 犬の息が荒い。
「まさか、陣痛?」
 リーウィットが覗き込んだ。
 確かに、普通に苦しみ方ではない。もうすぐ子供が生まれようとしているのだ。
「動かせない理由ですね」
 ふむ、と考えるイシイ。
「絶対守りましょう」
 イシイの言葉で3人は頷く
 そこでトランシーバーから応答があった。
『今到着した!』
 サルファの殲滅班である。

●決戦
「そうか、もうすぐ子供が生まれるのか」
 サルファは腕を組む。
 スナイパー陣は高台で敵が来ないか監視している。
「なら、守るか‥‥」
 城田も刀と盾を構え直す。
「ん‥‥。がんばる」
 最上もファングを持ち直す。
「あ、きたみたい!」
 リーウィットが指を指す。
 蝙蝠の翼で空を飛んだ老人のような顔をした異形が飛んできていた。30m先の茂みの方からは狼。
「ここからは先は通さないぞ!」
 サルファがかけだした。

 キメラがつっこんで、廃墟にダメージを与えたら、中にいる子供達が危ないと判断するサルファ。勿論保護で回っていた前衛系も走る。そう、近づけさせては行けないのだ。
 リーウィットが、異形‥‥マンティコアの翼に狙い定める。
「あたれ‥‥」
 矢には強弾撃の影響によりものすごい速度で打ち出される。そして見事にマンティコアの翼を射抜く! 相手はバランスを崩し、不時着する形で地面に倒れた。しかし、その程度で死ぬ生物ではない。そしてもう一度矢をつがえ、今度は地面にいる狼に向かって狼のキメラに向かって撃つ。それが狼の脳天を直撃し、キメラは絶命した。
「よし‥‥命中」
 髪の毛がぼんやりと光る覚醒中の彼女の目は、戦闘マシーンに近かった。

 サルファは、狼を斬る。しかし、狼はすぐに茂みに隠れて姿を消す。
「く!」
 いきなり側面からその狼が彼を襲う。爪と牙でサルファは深手を負ってしまう。
「こなくそ!」
 彼はキメラを引きはがし。体勢を立て直す。
 その横から最上が瞬天足からの連続攻撃を仕掛け、狼を撃破する。
「‥‥ん。大丈夫?」
「ああ、まだまだ」
 サルファは活性化で傷をふさぐ。
 旭が、気を引くために、皆から離れているマンティコアにむけて、小銃「S−01」を撃つ。近づけさせないためにも威嚇射撃をするのだ。次は肉薄し、蛍火を使おうと考えている。
 城田とイシイ、ヌアージュはすぐにマンティコアに近づいた。刀やソード、ハルバードで切り裂こうとするが、かわされるか、当たったとしても毛皮の硬さに手応えはなかった。
「堅いですね‥‥」
 冷静に考えるイシイ
「まだ‥‥おわらん‥‥それだけではおわらん‥‥」
 城田は何かブツブツ言っている。

 マンティコアは、雄叫びをあげ、尻尾や爪、そして尻尾についているトゲを飛ばして周りにいる城田、イシイ、ヌアージュ、サルファ、最上に襲いかかってくる!
 盾で受け止めるも衝撃はきつい。
「強い!」
 最上は軽やかにかわすが、トゲが服に穴を開けた。
「‥‥ん。大事な服」
 イシイは、怪我を負っているサルファも庇ったため、かなりダメージは蓄積されている。
 甲が、すぐにサルファとイシイに練成治療を施し、回復される。
 イシイはロウ・ヒールで、自分の怪我を癒し、ソードに力を込めてレイ・バックルを出す構えをとった。
「はああ!」
 綺麗な太刀筋で、マンティコアの皮膚を切り裂く!
「うごあああ!」
 一体元の動物の雄叫びはなんなのか分からない悲鳴でマンティコアが叫ぶ。
 城田も活性化し、傷をいやしてからマンティコアに斬りかかる。
 マンティコアは苦痛で暴れ出して、周りにいるイシイとヌアージュ、城田を吹っ飛ばしていく。
「むうう!」
 何とか堪えたのはヌアージュだ。
「僕だって‥‥僕だって、人の役に立てるんだ!!」
 ハルバードを構え、力を溜める。ハルバード自体が赤く光る。その力を一瞬に、マンティコアにぶち当てた! 両断撃である。
 その一撃で、マンティコアは沈黙した。

●新たな‥‥命
 急いで甲の練成治癒、救急セットを持ったメンバーが負傷したメンバーの治癒を行うこと暫くしてから、廃墟の方で歓声が上がる。
「? なんだ?」
 覚醒も解き包帯だらけのサルファが、中に入っていく。
 丁度、子供とぶつかったので上手く支える。
「うまれた! ブッチから子供が生まれた!」
「え? ええ!?」
「‥‥ん。それはすごい」
「‥‥すごいな」
「すごいですね」
 と、近づきたいが今は返り血を浴びているし刺激は危険なので自重する。
 遠くから撃っていたため返り血もないリーウィットと旭が、遠くでブッチを見守っていた。
「何か感動するね」
「ですね」
 ブッチは、子犬の羊膜を舐めている。子供達を信頼しているのか、吼えることもしなかった。

●これから
 周りが安全と確認されるまで、かなり時間はかかったが、無事救出することが出来た。
 犬のブッチについては、結局良太郎の所で飼うことになったらしい。子供は町の中で里親が見つかるようにと募集もかけるそうだ。甲が懸念していた犬を今後どうするかという問題は、解決できたこととなる。
「生き物を育てるということは、教育上良いことです。それは『愛することの練習』ですからね」
 イシイはその答えに満足げである。
 そして、落ち着いてからだがサルファは怒った顔で子友達に言う。
「コラ。いくら犬が心配だからって、他の人を心配させちゃ駄目だ」
「ごめんなさい」
 素直に謝る子供達。
 サルファは廃墟に設置されたペットベッドの犬をみてから
「‥‥でも、犬を助けようとしたその勇気は、評価できるな。よく、頑張ったな。えらいぞ」
 彼は良太郎の頭をなでて上げた。とびきりの笑顔で。
「うん! お兄ちゃんありがとう!」

「‥‥ん。お腹空いた」
 最上が言う。
「祝勝会というのも悪くないよ!」
 リーウィットが言う。
「なら、俺の店でぱぁっとやろうぜ!」
「おー!」
 サルファの言葉に、リーウィットがはしゃぐ。
「いいですね。私はお酒に興味はありませんが、祝勝のお酒は別物です」
 イシイが微笑んだ。

 余談だが‥‥。
 祝勝会後のサルファの家と店の冷蔵庫は空っぽになっていたほど食い尽くされていて、一寸困ったことになったがそれは気にしないことにした。
「‥‥ん。まだ足りない」
「まだかよ!」