タイトル:【棺】アジト調査マスター:タカキ

シナリオ形態: シリーズ
難易度: やや難
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/11/15 13:23

●オープニング本文


 デトロイト付近で1人の変死体が発見、事故と判断された。無惨に獣のような爪や牙で殺されていることから、野犬に襲われた物と見られている。周りが動物問題として取り上げる以外、目立ったニュースとして取りざたされることはなかった。身元は戦場報道関係だったようだが、なぜ此処で野犬に殺されたのか謎は呼んだ。
 ただ、ウィルソン・斉藤(gz0075)だけは、その事件に何かあると知っていた。何者かに殺されたと情報で
「これは、キメラだな。あと、普通の口径だとおもうが。ふむ」
 考え込む斉藤。
 小綺麗になった事務所。何台かのパソコンはUPCに繋がっている。
『すまんが、この仕事は君にしか任せられない』
 この事件を調べていた、親友の男が軍の電話回線を特別につかって、彼に話しかけている。
 死んだ男は、ジャーナリストというのは分かっている。しかし、彼はある怪奇事件を追っていたのである。フロイ・ジャクソン。日系の米国人ようだった。
『‥‥彼は、原因不明の行方不明になる事件の真相を追っていたようだ。真相を掴もうとして‥‥逆にやられたらしい』
「やはりきな臭いな」
 行方不明者の話。此はよく知っている。公式記録からはその4割が能力者や、適応内定者とわかっている。そのボスを何度かにがしてしまったり、罠にはめられてしまったりと苦い思い出がある。さらには、先のシェイド討伐に、人質をのせた巨大戦艦で卑劣なことをしているのだ。
「厄介な物だな‥‥引き継いで真相をあばけと?」
『ああ、あのフロイと言う男の身元は現在調べている最中だがこっちも限界でね。君の鼻が頼りなのだ、ウィルソン』
「また、あれですか‥‥まったく。俺は犬かよ。此処掘れワンワンをしろと?」
『そう言わずに頼む。あのフロイはジャーナリスト。真相を絶対誰かに伝えたいと思って、どこかにバックアップ録っているだろう。それを君と傭兵達で探してくれないか? バグアが絡むと一般の警察はお手上げだ』
「わかった、そっちに残ってる全資料、こちらに回せ。いいな?」
 通信を切る。
 溜息混じりに斉藤は、椅子にもたれかかった。
「やれやれだぜ‥‥」
 タバコを吸う。紫煙が天井まで延びるのを眺めた。
「なにか、に潜んでいるな‥‥」
 彼は思う。
「養父さん、お仕事?」
 弁当を差し入れに来た娘が言う。
「ああ、しかし大丈夫だ。お前はお前のしたいことをすればいい」
「はい。お弁当です」
「すまないな、これから仕事だろ?」
「うん、ナシュビルの現状まとめをね。じゃ、またね」
 娘は敬礼してから部屋を出る。

 僅かな情報を元に、彼の『鼻』は的確に突き止めていく。そして、その原因が、潜む場所を知った。
「強行したくても、それが何かまでは分からないな‥‥。いきなりドンパチじゃやばい。データの収集と、其処から見える行動をしないといけない‥‥俺が直に指揮とるか‥‥」
 彼は、うち捨てられた工場跡に、宿敵が居ると確信した。
「本部を頼むな!」
「わかりました少佐!」
 かなり隅の方の依頼ボード。あまり気にされないような場所に、依頼が載っていた。

『事件捜査のために、強行班募集。組織名はファウンダーだ W・S』


一方で、
「無能な部下を持って、かなしいですよ」
 冷たい口調で、執事風な男が新聞を読んでいた。地面に洗脳能力者に押さえつけられている、男が居る
「ま、まってください! これ以上のミスはしません!」
「無理ですね。始末しなさい」
 冷酷になにも感情を出さず、洗脳能力者に指示を出した。
「お‥‥」
 男はそのまま事切れた。執事風の男はそれを見ずに新聞をたたむ。
「こうも、早く動いてくるとは。色々カモフラージュしていても、あの男にかぎつけられたら、見つかったも当然。早く撤収作業を」

●参加者一覧

水上・未早(ga0049
20歳・♀・JG
ベル(ga0924
18歳・♂・JG
終夜・無月(ga3084
20歳・♂・AA
ファルティス(ga3559
30歳・♂・ER
鹿嶋 悠(gb1333
24歳・♂・AA
風雪 時雨(gb3678
20歳・♂・HD
鹿島 綾(gb4549
22歳・♀・AA
桂木穣治(gb5595
37歳・♂・ER

●リプレイ本文

●集合
 デトロイトにある特別捜査チーム『ファウンダー』のデスクルームは騒がしくそして忙しなかった。近くの仮アジトへパソコンや通信器具を纏めているためである。
「はい、どいて、どいてー! 隊長ならあっちですよ」
「‥‥おっと‥‥すみません‥‥」
 『ファウンダー』の事務担当は知っている顔の一人、ベル(ga0924)にそう言うと、重たそうな段ボール箱を持って別方向に行ってしまった。
「‥‥あっちですって‥‥」
「そうですか、いきましょう」
 風雪 時雨(gb3678)と一緒に向かう。後ろには、この二人と同じように、この事件のことを気がかりにしている能力者達がいた。
 あっちというのは、ウィルソン・斉藤(gz0075)が休憩で良く煙草をする喫煙ルームだ。汗をかいているので、先ほどまで設備整頓や打ち合わせの合間の一服なのだろう。彼の溜息が深い。
「お、来たか」
「‥‥斉藤さん、お久しぶりです‥‥」
 斉藤とベルが握手する。時雨や未早、無月と鹿嶋、初顔合わせの人と順に握手して、
「自己紹介しよう、俺がこの特別捜査チーム『ファウンダー』のウィルソン・斉藤だ」
「はじめまして」
 簡単に自己紹介を済ませて、彼が煙草を吸い終えるのを待つ。終わった直後に、水上・未早(ga0049)が、ニッコリ微笑んで、
「やる気満々ですね、義父さん」
 言うと、斉藤は思いっきり咽せた。
「げほ、げほ! いきなりそう言うな‥‥不意打ちだ」
「あ、ごめんなさい」
 未早はクスクス笑う。
 しかし、すぐに真剣な顔になって、
「お仕事の詳しいことを聞かせてくれませんか?」
 尋ねると、彼も真剣な目つきで頷いた。
「よし、歩きながら話そう」
 9人は廊下を歩きながら、説明を聞いた。
「今から、近くを仮拠点として設備を運んでいる」
「場所は?」
 鹿島 綾(gb4549)が訊く。
「物がおおいから、廃ビル群にあるボロビルと考えていたが‥‥」
 斉藤はそう答えると、綾はこう提案した。
「ホテルがいいんじゃないか? ほら人通りが多い分、相手にも余り気づかれないし、廃ビルみたいなだと、逆に目立つし。ほら、『木を隠すには森』ってやつだ」
「ふむ、その案も考えていた。近場にあるから。しかし、若干遠い事で考えていたんだが‥‥」
 綾の提案に、斉藤が未早と綾をみて、何か決意したようだ。
「埃っぽい場所に女性がずっと居るのは色々問題だな。本部はホテルでいこう」
 斉藤は、すぐに部下に指示を出して、移動変更をとった、ボロビルは中継基地にするようである。

 一行はそのホテルに向かって作戦テーブルを取り囲むと、すぐに捜査の班を分けることにした。
「やはり犯人は、アキラのデスペアだと思うんです」
 未早はそう言うと、ベルも時雨も頷いた。
「前のサンフランシスコ近郊の事件で逃げた連中のこと?」
 ファルロス(ga3559)が訊ねると、3人は頷いた。

「時間との戦いだ。相手をつかまえる証拠のバックアップを早く見つけ出してくれ」
「では、無月さん、いきましょう」
「はい‥‥」
 鹿嶋 悠(gb1333)と終夜・無月(ga3084)車を借りて、殺人現場まで向かい、その足で自宅に寄る。
「私はフロイさんの過去の経歴と宅配履歴、電話の通話履歴を調べます」
「俺は、皆の情報を纏めることにする」
 綾と未早がコンピューターの前に座って、データと通信担当となるようだ。
 ベルと時雨、ファルロスと桂木穣治(gb5595)は、交友関係を調べるとともに自宅やバックアップの探し場所の調べるためにでる。
「目的は能力者を洗脳して手ゴマとして使おうって感じか?」
 穣治は、ベルと時雨に訊くと、ベルと時雨には無言に頷く。
「‥‥何度も‥‥そう言うことに‥‥遭っていますから‥‥」
「それはやばいな」
 穣治はうなる。
「まずは人間関係を調べて貰ってるから、立ち寄った場所とか訊いてみようか」
「ですね」
 今は一刻も早くバックアップを探さないといけない。焦りは禁物だが、相手がどう動くかも大体よそが着いていると時雨と未早が言う。
「爆発物に気をつけてください」
 と。

●捜査と灯台もと暗し。
 爆発物はないか気をつけながら、鹿嶋と無月は現場を調べている。近くの工場は普通に稼働しているようだが、事件があった場所は沈黙している。近くの倉庫も開いており、散乱した箱や錆びた機材の山が、如何にここが使われていないかを物語っていた。
「バックアップが‥‥この数百メートル近くに‥‥あればいいのですが」
「落ちているかも知れないと?」
「可能性がありますから」
 しかし、隠しているであろう場所を探してもそれらしい物を見つけることは出来なかったため、連絡を入れて自宅に向かう事にした。
「殺人現場では無かったらしいです」
「OK。いま今ある情報を纏めている」
 逐一報告を受ける未早と綾は、ファウンダーメンバーと一緒に情報を纏めていた。
「‥‥履歴から調べた人に、何か渡されてないか訊いて欲しいです」
 未早が出ている全員に再度指示を出す。
 一方、綾は情報が入ってこないとき、斉藤達が見張っている工場の地図をみて、侵攻ルートを調べている。
 ファルロスが捜査に出る前に、
『貸金庫を使っているってことはないか?』
 と、未早に訊くと。
「銀行のデータを調べますので、分かったら電話しますね」
「了解」
 まずファルロスは目星である、銀行のことを調べるのだが、フロイが貸金庫を使っている銀行は無いという事が分かり、予想は外したとファルロスは悔しがった。
「どこに隠してるんだ? 彼は」
「‥‥銀行じゃないとすると、やはり人に渡しているのでしょうか‥‥?」
 ベルがそう考える。
『たぶんその辺りが濃厚』
 と、未早達も言っている。
 調べていくと、フロイの職業はゴシップ記者ではなく、戦場ジャーナリスト寄りらしい。死ぬことが予想されるため、余り友人を作ることはなかったようだ。ファルロスやベル、時雨と穣治は二人一組でわかれて、未早からリストアップして貰った、数少ない友人達にも訊ねていくが、なにも受け取ってはないというのだ。
 次の日のミーティングで、新たな情報がもたらされた。
「彼は、とある小さな新聞社2件と接触があったようです。そちらに向かって訊いてください」
 未早が出ている時雨とファルロス、ベルに穣治に指示を出す。鹿嶋と無月は、ここから遠い自宅を調べると車で出ている。
「「了解」」
 急いで4人は向かう。
 そのうち一社が、戦争関連の新聞記事を書く場所だった。そこの編集長が「たしか、渡したい物があるといって‥‥結局事件で貰っていない」と言う答えが返ってくる。
「まさか‥‥っ」
『まだ、自宅に?』
「‥‥急行しましょう‥‥っ!」
「鹿嶋さん、終夜さん!」
『了解、ちょうど着きました。調べます』
 鹿嶋が、車を出る音が電話越しで聞こえた。
 一戸建ての家は雑草が生えており、見た目は荒らされてはない。鹿嶋が自宅のドアを開けて、中に慎重に入ると、荒らされた形跡と思いきや‥‥、彼は多忙だったためか、ビールやドロームコーラの空き缶の山や、宅配ピザやジャンクフードの空き箱の山など散らかり放題だった。つんとした匂いがする。
「誰も手をつけてないですけど」
「掃除したくなりますね」
 無月が苦笑する。鹿嶋はつい最近こんな惨状を見たような、と思っていたが口に出さなかった。
 敵の気配は無いが、念のために軽快してあたりを探すも、6人が揃って大掃除にも似た捜索により、床の収納部分奥から、メディアケースを発見したのだった。
「急いで本部に戻ります」

●解析と、今分かる犯人
 メディアにはプロテクトがかかっていたが、簡単に解除でき、それを全員で閲覧する。
『私たちはね‥‥貴方の才能を‥‥』
『さて、【コフィン】まで運ぶんだ‥‥』
 そのメディアには、サンフランシスコの失踪事件に似た誘拐手順の光景と、アキラの姿、そして、誘拐の決定的シーンの映像と写真が納められていた。一部一部、キメラの発する電磁波などが邪魔をして、ノイズが入るのだが、アキラの顔だけはよく分かる。場所も、ほぼ斉藤達ファウンダーが見張っている場所と一致している。
「‥‥まさに、アキラです」
「そうですね‥‥」
「やはり、アキラとデスペアか」
 ベルと時雨、未早が、ビデオのアキラを見てつぶやいた。
「【コフィン】って何だろう?」
 綾は、アキラがしゃべった言葉を考え込む。
「今は‥‥分からないですね‥‥」
「何かのキーワード?」
 皆が考えるが、今答えは出せるほど情報がない。
「こうしちゃ居られないね。早くつかまえないと!」
 綾達は、武装し、出撃に入る。
「よし、俺が外で更に監視する。傭兵のお前達は強行突撃だ」
 斉藤が指示を出した。
「了解!」

●邂逅と戦闘
 綾の強行ルートの算出には、アキラと良く関わった未早やベル、時雨の推理も考えにいれ、正面ではなく、工場の裏口から入る。バックアップからの情報からすると、こちら(傭兵)とほぼ同じ人数の洗脳人間や、警備のキメラは間違いなくいるだろう。
「たぶん、アキラならここに罠を仕掛けますね」
「洗脳能力者も数多く従えているはずです」
「結構、数多そうだな」
「猟犬キメラも居そうですね」
 そうして、ルートを絞り突撃作戦に入った。そのルートは二つ。工場の裏口の1つと、この工場跡は寮があったらしく、片方がその寮へ向かう入り口からの挟み撃ちをする。裏口はベルと綾、鹿嶋、ファルロスの班で、寮からの出入り口は未早、時雨、穣治、無月の班で構成した。

 スナイパーのベルと未早が各突入口に危険がないか確かめると、犬キメラと人間が居る。ベルがキメラをすぐに仕留める。警備が警報を出そうとするその隙に、綾が接近して捕らえ、気絶させた。そして中に入っていく。そのサインを遠くから知って、未早側もすぐに行動を開始する。この先をすすむと、工場の中央、一階に通じる通路になっている。向こうが動いたときに一気に時雨と無月が駆けていく作戦で行くことにした。
 ベル達は罠を回避しながら、先に進む。そして、最後のドアで聞き耳を立てると、何かの悲鳴と、アキラの「撤収します」の声が聞こえる。この先は、工場の大きな場所で吹き抜け二階に出る。おそらく、アキラ達は一階に居るのだろう。寮側からの方も聞こえているようだ。
(「ビンゴだ」)
(「それなら、今突入できるチャンス」)
 全員は頷いた。
「‥‥逃がさないぞ! デスペア!」
 全員で蹴り破って、一気に包囲する傭兵達。
「‥‥っ! 気づかれましたか! ‥‥宿敵もいっぱいですね‥‥」
 アキラ・H・デスペア(gz0270)が全員を睨む。
 洗脳能力者が銃を構え、1ダースの狼型キメラがうなりを上げている。
「観念しろ! もう囲まれている」
 綾が叫ぶと、アキラは不敵に笑い、
「観念? 私が観念する? 私を捕まえられませんよ?」
 目配せで、洗脳能力者が銃撃してくる。応戦するように、小銃「S−01」やシエルクラインの銃声と‥‥、鹿嶋の手袋から炎の様な電磁波が、キメラを焼き焦がす。寮側班も一気にドアを蹴り破って、リンドブルムで突撃する時雨と無月が飛び出し、キメラや洗脳者をなぎ払っていった。
「アキラ! まだフィアナを狙うか!」
「あの人は私の側にいるべきですよ! 少年! 手を退きなさい!」
「そんな事、断る! フィアナは皆の貯めに歌う心清い人を‥‥渡す物かっ!」
 リンドブルムで急接近した時雨はアキラと鍔迫り合いになる。いったん押され気味のアキラであったが、いきなり力を抜いき、合気道か何かに近い体術を使って、リンドブルムがバランスを崩す。そこから、さらに投げ飛ばすのだった!
 そのときに、時雨は何かが光物を見る。スローモーションのなかで、彼の服から何かがこぼれ落ちる瞬間を。
(「あれは?! 痛っ‥‥!」)
 時雨は豪快に、木箱の山にぶつかって埋もれてしまった。
「あんな重い物を軽々と‥‥強化人間‥‥」
 穣治は急いで時雨に向かう。二階からの援護射撃に感謝し、時雨を起こした。
「大丈夫か?」
「大丈夫です。投げ飛ばされただけですから」
 銃撃の中をアキラは躱して行くのだが、壁にぶち当たる。
「く‥‥あれは‥‥。しかたない‥‥。逃げるしかないか‥‥」
 アキラは舌打ちをした。何かを悔しがっているようだが? と全員は思う。すでに壁に阻まれて逃げ場がないからだと思われる。
「やはり観念するべきだな。おとなしく‥‥っ 何?!」
 何か仕掛けてくると警戒する一行に、アキラは壁を叩くと彼の周りが爆発した。
「自爆装置?!」
 爆弾を仕掛けていたのは分かっていたのだが、いきなりの爆発からすぐに対応するにも、アキラとの距離が遠い。
「ここまで来たことはほめてあげます。本当ならこういう逃げ台詞は言いたくはないのですけどね‥‥」
「まて! ごほっ!」
 炎の中でアキラは、
『追いかけてくるなら‥‥コフィンで会いましょう‥‥あなた達は最高の贄になりそうだ』
 と、言い残し姿を消したのであった。

●見つけた物とコフィン
 爆発の揺れが終わる。しかし完全に崩れていないが、早く脱出した方がいいと誰もが考えつく。
 起き上がった時雨が穣治にある地点を指出す。
「あれを‥‥」
「なんだろうか? これ」
 スティック型のUSBメモリのようだ。しかし、節足動物じみたデザインで、今でもメモリから足が生えて『ギチギチ』か『わさわさ』動きそうで不気味である。
「アキラが持っていた物かも知れません」
「ここが完全に崩れる前に、逃げましょう」
 鹿嶋が言うと、安全な道を通って、工場跡地を脱出した。

 一行は、メモリを渡していったん休息する。
 その結果を待ちながら。
「このメモリの解析は北中央軍で解析しないと分かりそうにもないな」
 ハードなどは人間の文化技術らしいが。内部のソフト面が今の端末などでは解析不能らしい。
 今にも動き出しそうなUSBメモリを見て、全員が思った。
(「『コフィン』‥‥一体何なのだろう?」)
 アキラの残した言葉、『コフィン』。
 それを知るのは、この解析が終わってからだろう。