タイトル:天空の龍神マスター:STANZA

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 4 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/09/19 22:02

●オープニング本文



 その村は古来、龍の姿をした神様に守られていると言い伝えられていた。
 村はずれにある天まで続くかと思われる険しい岩山の頂きが、龍神様の棲処だと。
 良く晴れた日に山の頂を見上げると、そこには墨を引いた様な影が悠然とたゆたう姿が見られると言う。
 しかし、村の伝承にそうあるだけで、実際にその姿を見た者はいなかった‥‥つい最近までは。

「俺は信じてなかったんだ、そんなの迷信だって」
 電話の向こうで、その村に住むという青年はULTのオペレータに向かって言った。
「本当は今だって信じちゃいないけど‥‥」
 しかし、見てしまったのだ。
 ぐるぐると輪を描く様に、山の頂の周囲をゆっくりと飛ぶ姿。双眼鏡で見たそれは、確かに村に伝わる屏風絵に描かれた龍神様にそっくりだった。
 悠々と空を飛び回るその姿には,日頃から信心とは縁のない青年も、何か神々しいものを感じていた。ずっとそのままであれば、確かにあれは本物の龍神様だと思えたかもしれない。
 しかし、この龍神が本当に神なのだとしたら、それは荒ぶる神だった。

 確かに最初の頃は人に危害を加える様子はなかった。
 だが、やがて偽物の龍神はその本性を露わにした。
 ――グオォォォ‥‥ッ!
 ――ガアァァァ‥‥ッ!
 大地が震える様な叫び声を上げて、竜神は時折里へ降りて来る。
 そんな時は必ず、家畜が消えたり、家や車が潰されたりといった被害が出るのだ。

「年寄り達は龍神様が怒ってるんだって‥‥怒りを鎮めないと、このままじゃもっと酷い事が起きるって言うんです。でも、俺は‥‥違うと思う。あれは龍神様なんかじゃない」
 恐らくはキメラなのだろうと、青年は考えていた。
 バグアの技術なら架空の生き物でもキメラとして作り出せると聞いた事がある。恐らくあの龍は、村の人々を襲わせる為に造られたのだろう。
 だが、信心深い村の年寄り達は、青年の言う事に耳を貸さなかった。
「龍神様を鎮めるんだって、お供えを持って山に行っちまったんです」
 山頂には龍神を祀る小さな社がある。そこへ向けて、神社の神主を筆頭とする年寄りが合計七人、今朝早く重たい米俵を担いで、岩だらけの山道を登っていった。
「俺、止めようとしたんです。あれはキメラなんだって、危ないからやめろって。でも‥‥罰当たりな若造は黙ってろって‥‥そう言われて」
 山頂へ向かう道は険しい。青年も村の祭で登った事があるが、若者の足ならそう苦労せずに登れる。しかし、年寄りの‥‥しかも米俵を担いだ状態では。
 それだけではない、道中で龍神キメラに襲われる危険だってあるのだ。
「俺だって、せっかく龍神様が現れたって喜んでる村の皆をガッカリさせたくはないけど‥‥」
 誰かが怪我をしたり、怪我だけでは済まない様な事態になったりしたら。
「お願いします、手遅れになる前に、龍神様を退治して下さい!」
 電話の向こうで、青年は深々と頭を下げた。

●参加者一覧

ミリハナク(gc4008
24歳・♀・AA
ビリティス・カニンガム(gc6900
10歳・♀・AA
エレナ・ミッシェル(gc7490
12歳・♀・JG
雁久良 霧依(gc7839
21歳・♀・ST

●リプレイ本文

「龍ですわ! 龍!」
 遙か高空に舞う龍の姿を双眼鏡で捉えた竜種好きのミリハナク(gc4008)は、のっけからテンションマックスだった。
 麓に広がるのどかな田園風景と点在する松林、それに続く里山、そして霧に霞む岩山――どれをとっても、龍が棲む里に相応しい佇まいを見せていた。
「オリエンタルドラゴンが住まうなんて素晴らしいところですわね」
 しかし、上を見上げて双眼鏡を構えたまま、その身体がゆらりゆらりと左右に揺れる。
「ミリハナクの姉貴、大丈夫か?」
 その身体をビリティス・カニンガム(gc6900)が支えようとするが、ミリハナクはけろりとした顔で振り返ると余裕の笑顔を見せた。
「ありがとう、でも大丈夫ですわ。この程度、怪我のうちには入りませんもの」
 ゆったりとした巫女装束で誤魔化してはいるものの、その下は包帯塗れの筈なのだが‥‥本人はそのテンション故か、何の痛痒も感じていない様だ。
「そ、そうか‥‥まあ、無理すんなよ‥‥?」
 本人の言とは裏腹にどう見ても大丈夫そうではないその様子を見て、ビリティスは腹を括った。
(前衛が少なくなった分、あたしが頑張らねえとな!)
 ミリハナクがこの状態では、いくら本人が大丈夫だと言い張ったところで前衛として戦うのは無理だ。そうなると、龍の前に出られそうなのは‥‥雁久良 霧依(gc7839)は後衛だし、エレナ・ミッシェル(gc7490)も銃使いだし‥‥あれ、もしかして前衛って一人だけ?
 ゴクリ、ビリティスは生唾を飲み込む。しかし、その目は龍の舞う山頂ではなく‥‥目の前にある二つの小山に釘付けになっていた。
(にしても‥‥2人ともでけーな‥‥)
 ミリハナクに霧依、二人とも何て豊満な巫女さんなんだ‥‥、ゴクリ。
 って、そっちですかい。
「でもさ、あれって確かに龍っぽいけどー」
 ぽつり、エレナがミもフタもない事を言った。
「神様なんているわけないんだってー、じーちゃんばーちゃんボケてるの‥‥?」
 その余りに合理的かつ現実主義、そして歯に衣着せぬ物言いは、村人に聞かれたら「この罰当たりが」だの「これだから今時の若いモンは」だの、四人纏めて小言を喰らい小一時間は足止めされた挙げ句、神聖な山に入る事はまかり成らんと追い返された事だろう。
 しかし傭兵達にとっては幸いな事に、村人達は龍神の怒りを恐れて家に閉じこもり、外に出ている者は誰もいなかった。ラッキー。
 ‥‥まあ、エレナの場合は例え目の前にじーちゃんばーちゃんがいたとしても、遠慮はしないだろうけれど‥‥しかしここで波風を立てるのは本意ではない。
「じーちゃん達の説得は任せた! 説得とか一番苦手だしね」
 エレナは二人の巫女の背を軽く叩いた。

 さて、いつまでも麓でのんびりしている場合ではない。早く龍の姿を間近に拝み‥‥じゃなくて、村の危機を救わねば!
 村の空き家で準備を整えると、四人は案内板の表示に従って岩山を登って行った。
 ふらふらと足下の覚束ない爺様達は、山の中腹で息切れしたらしいく、岩場に腰を下ろして休んでいた。その姿を見付けた四人は、身軽に駆け寄って行く。
「‥‥な、なんじゃ、お前さん達は! ここは今、一般の者は立ち入り禁止‥‥ぶふーっ!」
 爺様の鼻から何か赤いものが迸った。その目は先頭の巫女に釘付けになっている。
「我等は荒魂を鎮める為に参りました、専門の能力者にございます」
 その巫女、霧依が厳かな口調で言った。先端に黄金に輝く玉が付いた、捻れた木のような形状を持つ杖‥‥超機械「ヘスペリデス」に紙垂を付けて、祓串の様に仕立てたものを手にした彼女の巫女服は、何故か脇の部分が全開になる様に改造されていた。勿論、下着は着けていない。
 爺様はどうやら、そこから何か見てはいけないものを見てしまったらしい。
「な、なんじゃ、そのフシダラは格好は!」
 元気な爺様は、鼻血を拭きながら顔を真っ赤にして喚いた。しかし、セクシー巫女は涼しい顔で答える。
「アメノウズメ様に肖りましてでございます」
 アメノウズメとは、遙か神話の時代に天岩戸の前で裸踊りを踊ったとされる女神様の名だ。
「そして、これなるは我が助手にして龍巫女見習い」
 言われて、背後に控えたミリハナクが恭しく頭を下げる。
「ここはどうか、わたくしどもにお任せ下さいませ」
「任せろと言われてもじゃな‥‥何をするつもりじゃ?」
「龍と言えば、お酒と美女のお供えも効果的ですわ。御爺様方の代わりに鎮めてまいりますわ」
 生憎と酒は持って来ていないが、美女ならここに。しかもダブルで。これならきっと、龍神様もイチコロだ。
「我が郷里の八郎大明神は、和魂として顕現する以前は、上野国の全ての民を無差別に食らおうとする程の恐るべき荒魂にございました」
 見習いの言葉を受けて、セクシー巫女が厳かに告げた。
「我の見立てでは、ここの龍神様はそれ以上‥‥貴方達が如何に信心深くても、お構いなしに供え物ごと全員食い殺されてしまう事でしょう」
 顔の前で祓串をばさりと振ると、爺様達はまるで催眠術にでもかかった様に、その動きに吸い寄せられた。
「しかし我々なら龍神様を鎮められましょう。ここは全て、お任せあれ」
 爺様達は互いに顔を見合わせる。どうやら、今の話には納得した様子だったが‥‥
「‥‥その、ちんまいのは‥‥何じゃ?」
 天狗の面を被ったビリティスに向けて、爺様達の視線が集中した。ちんまいとは失礼なと思いつつ、小さな天狗が一歩前へ出る。
「わしは群馬の霊峰、榛名山からやってきた修験者、鎧天狗坊じゃ!」
 ビリティスは精一杯の低い声で大見得を切ると、弓の弦を鳴らして清めの儀式‥‥らしき事を披露して見せた。
「このわしが巫女を補佐し、必ずや龍神様を鎮めてみせようぞ! 臨兵闘者皆陣烈前行!」
 ちらり。こんな感じで良いのだろうかと霧依を見る。実はこれ、全て彼女の入れ知恵だった。霧依はこっそりと親指を立てて見せる。
「ふむ‥‥まあ、ええじゃろ」
 爺様達もそれで納得‥‥してない。
「‥‥じゃが‥‥」
 まだ何かあるのか。
「あれは何じゃ、あのチャラチャラした娘っ子は!」
「‥‥私?」
 エレナが首を傾げる。
「んー‥‥ボディガード、かな?」
 じゃきん! 二丁のSMG「ターミネーター」を両手に構えて見せた。
「ほら、近頃は何かと物騒だしねー、備えあれば憂いなしって言うじゃない?」
 この山にも何かいるかもしれないし。もしかしたら、その何かのせいで龍神が暴れてるのかもしれないし、うん。
 しかし爺様達はまだ文句を垂れている。
「そんなチャラチャラした格好で神聖な山に入るとは、まったくこれだから今時の若いモンは‥‥」
 出た、今時の若いモン攻撃。
 しかし今は、有史以来何千年も変わらない爺様達の愚痴を聞いている暇はないのだ。暇があっても聞きたくない。
 良いじゃない、今時の若いモンだって。いつの時代も今時の若いモンが世界を動かすのだ‥‥と、それは置いといて。
「さあ、それでは供物をお預け下さいませ。わたくしどもが責任を持って、頂上までお運び致しますわ」
 見習い巫女がにこやかに、しかし有無を言わせぬ調子で宣言した。とにかく龍。早く龍に会いたいのだ。
 その気迫に押されたのか、爺様達は米俵を降ろすと、渋々ながらも山を下りて行く。
 その背中にセクシー巫女が念を押した。
「儀式の最中は神力が荒れ狂い、近付く者は皆、死んでしまいます。決してついて来られません様‥‥」
 ついて来るなと言われれば、ついて行きたくなるのが人の性だが‥‥どうやら、爺様達は素直に従ってくれた様だ。或いは、単にこれ以上は体力が保たなかっただけかもしれないが――

 傭兵達は米俵を担いで山頂を目指す。
 頂上に近付くにつれて風が強くなり、急激に気温が下がって来た。足下の岩も、崩れやすくなっている。
 それでも何とか、頂上の小さな社が見える所まで来ると――
「きゃーーー!」
 ミリハナクが黄色い声を上げた。見上げると、手を伸ばせば届きそうな高さに、悠然と漂う龍の姿があった。
「龍ですわ! キメラとはいえ龍! 素晴らしい!」
 カメラを取り出し、写真を撮りまくる。傷の痛みは元からそれほど感じていなかったらしいが、もう完全に吹っ飛んでしまった様だ。足場の悪い中を駆け回り、様々な角度から写真に収めていく。
 しかし――
『ゴアァァァッ』
 そういつまでも大人しくモデルになっていてくれる筈もなかった。
 龍は一声吠えると、一気に天に向かって駆け上がり、そこから渦を巻く様に急降下して来た。竜巻の様な風が舞い上がり、岩の欠片が急斜面を転がり落ちて行く。
 手近な岩にしがみついて耐えた傭兵達は、反撃に出た。
 まずはミリハナクが怪我人である事を活かして囮となる。メトロニウム合金製の盾、スキュータムを構えると、龍の正面に立った。
 巨大な龍と目が合った‥‥などと喜んでいる場合ではない。山登りをしたり、米俵を担いだり、撮影のために走り回ったりと、結構無茶をしたミリハナクの身体は、結構なダメージを受けていた。傷口が開き、包帯に血が滲む。その匂いを嗅いだ龍は興奮し、真っ赤な口を開けてミリハナクに襲いかかった。
 喉の奥が怪しく光る。それをブレスの予備動作と見て取った霧依は、正面に回るとその口中にヘスペリデスを向ける。紙垂が千切れ飛び、強力な電磁波が龍の口の中に広がった。
 堪らず口を閉じた龍は、今度は角で突きかかって来る。それを盾で防ぎながら、ミリハナクは閃光手榴弾のピンを抜いた。
「20、19‥‥」
 カウントダウン、開始。
「‥‥3、2‥‥」
 次の瞬間、仲間に合図をすると、龍の顔を目掛けて投げ付けた。
 まばゆい閃光が迸る。それを直視した龍は、眩しさと目の痛みにのたうち回った。
 その目にまたもヘスペリデスの電磁波が飛び、ビリティスのソニックブームが飛び、更にエレナの二丁拳銃ならぬ二丁SMGが火を噴いた。
「最近大質量のキメラと戦うの多いなー」
 どかん!
「なんでだろ? 行く先々にいる気がする!!!」
 どかんどかん!
「ペットにできたら楽しそうなのにー♪」
 どかんどかんどかん!
 龍の背に乗って飛び回るのも良いかもしれない。でもエサはどうするんだろう。寝る場所は‥‥、なんて考えてる場合じゃなかった。
 胴体を狙っても埒があかないだろうと、強弾撃で威力を上乗せして頭を狙う。と、その背後から巨大な尻尾が音を立てて迫って来た。しかし、そんな動きも予測済み。慌てず騒がず吹っ飛ばす。
 少々分が悪いと見た龍は、一度体勢を立て直そうと宙へ舞い上がった。しかし、エレナはそれを許さず制圧射撃を叩き込む。
「短期決戦にするって決めてるんだから、あんまり動き回らないでよね!」
 どっかん!
 更にビリティスがソニックブームを飛ばし、霧依の電磁波攻撃が追い討ちをかけた。
 揚力を失った龍は岩場に降りると同時に、その巨体をくねらせて邪魔者を叩き落とそうとする。しかし、その瞬間を待っている者がいた。
「喰らいやがれー!」
 地面に降ろしてしまえばこっちのものだと、ビリティスがその胴体を目掛けて鉄槌「メテオライト」を振り下ろす。のたくる胴体の動きをかわし、カウンターで流し斬りを叩き込むと、巨大な胴体が波打って震えた。更に間髪を入れず懐に飛び込むと、手当たり次第に鉄槌をぶん回し、天から降り注ぐ隕石の如き一撃を加えていく。打ち付ける度に岩山が震え、足下の小さな岩が転がり落ちた。
 その間にもミリハナクは受けた傷を回復させながら閃光手榴弾を投げまくった。例え怪我人でも、出来る事はあるのだ。治療が間に合わない時は霧依の練成治療にも頼りつつ、ひたすら投げる。お陰で帰ったら暫く寝込みそうな気もするが、気にしない!
「さて、そろそろネンネの時間だな!」
 ビリティスが動きの鈍って来た龍の背に駆け上がり、頭の後ろに取り付く。引導を渡す時が来た様だ。
 ただでさえ弱ってきた龍に、霧依が練成弱体をかける。ミリハナクの閃光手榴弾を合図に、エレナがSMGを放つ。部位狙いで威力を上げた貫通弾が龍の顎を貫いた。そして、ビリティスの猛撃がその頭部を砕く――
 龍の巨大な身体は山頂の社を取り巻く様に崩れ落ち、動かなくなった。
「あたしもドラゴンスレイヤーって訳だな」
 ビリティスが得意げに背筋を伸ばした。
 この残骸は絶対に村人に見られない様に処理して欲しいと、UPCに頼んである。後は谷底に落とすなり何なり、上手くやってくれる事だろう。
「供え物は龍が食ったって事にして、軍経由でどっかに寄付するのがいいかな」
「そうですわね。でも、その前に‥‥」
 背後でミリハナクのやけに楽しそうな声がした。
「ちょっと焼いて喰らいましょうか」
「喰らうって‥‥マジか!?」
 ビリティスも今まで何かと食べては来たが‥‥龍を喰らうという発想はなかった。
「おいしそうですし、美容や不老長寿によさそうですわ」
 キメラとは言え霊獣だし。もしかしたら怪我にも効くかもしれない。
「大好きだから喰らう。自然なことですわね、うん」
 なるほど、骨まで愛するとはこの事か。
 お腹壊したりは‥‥しないよね?

 暫く後。龍の肉で腹拵えをし、戦いの疲れを癒やした一行は、無事に麓の村へと帰り着いた。
 行く時は死んだ様に静まりかえり、人っ子一人いなかった村も、今は賑やかで活気に溢れていた。
「龍神様は御心を安らかになされ、天に帰られました」
 セクシー巫女が厳かに告げる。
「これからは和魂として、村を守護して下さるでしょう」
 天に帰ったからには、もう山頂にその姿を見る事はない。しかし姿が見えないだけで、龍神様は変わらずこの村の守護神であり続けるのだ‥‥と、その説明に皆は納得した様だ。
「おお、そりゃあ良かった!」
「ありがたや、ありがたや‥‥」
 手を合わせ、龍神の巫女とその御一行様を拝み倒す村人達。
「ところで‥‥」
 爺様のひとりがふと訊ねた。
「さっき、山の方から何やらまぁ香ばしくて良い匂いが降りてきたんじゃが‥‥あれは何だったんじゃろかのう?」
 言えない。
 龍神様を焼いて食いましたなんて、とても言えない。
 さて、何と言って誤魔化したものか‥‥思わぬ所で窮地に陥った(?)御一行様でありました。