タイトル:がめたん。マスター:STANZA

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 6 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/04/15 22:29

●オープニング本文


 すがたかたちはこわいけどー こころはやさしいおともだちー♪
 せいぎのみかた がんばれ がめた♪
 がめたーがめたー ぼくらのがめたー♪

 勇ましいオープニング主題歌とともに、今日も「宇宙怪獣ガメタ」の放送が始まった。
 テレビにかじり付くようにして、夢中で見ている小さなおともだち。
「がめたー、がんばれー!」
「わるいかいじゅう、やっつけろー!」
 おともだちの声援を受けて、ガメタは今日も戦う。
 ガメタは宇宙から来た、巨大なカメ型怪獣だ。怪獣だけど、正義の味方。悪い宇宙人から地球を守ってくれる、みんなのヒーローなのだ。

 どんな原理が働いているのか不明だが、ガメタは翼もないのに空を飛ぶ。
 くるくる回って敵に体当たりをぶちかましても、目を回したりしない。
 ひっくり返しても、カメとは思えない素早い動きでしゃっきり起き上がる。
 口からは火を噴けるし、目からは怪光線が出る。
 身長60メートル、体重80トン、飛行速度マッハ3。真偽のほどは定かではないが、子供向けの「ガメタだいひゃっか」にはそう書いてある。

 地球は現在リアルで宇宙人に侵略されている真っ最中なわけだが‥‥中にはこんなヒーロー番組を楽しめる程度には平和な地域もあるのだ。
 そして今日は最終回。地球に平和を取り戻したガメタは、故郷の星へと帰って行った。
 またいつか会おうと、必ず戻ると約束をして。


 その数日後。
 ガメタは戻って来た。テレビの中ではなく、現実の世界に。

 しかも、悪い怪獣として。

「おかーさん! がめたんが! がめたんがぁー!」
 ニュースの画面を指差して泣きわめく小さなおともだち。
 そこにはカメ型の巨大な怪獣が町を破壊する様子が映し出されていた。
「ぼくのがめたんが、わるいかいじゅうになっちゃったー!」
 それは勿論、ガメタではない。ガメタにそっくりなキメラだ。意図的に似せたのか、それとも偶然か、それはわからないが。
 しかし小さなおともだちは、ガメタが悪役になってしまったのだと信じ込んでいた。
 ガメタに何があったのだろう。
 どうして、悪い怪獣に?
「うわあぁぁん、がめたぁん!!」

 カメキメラが平和な町を襲ったその時、小さなおともだちのいるご家庭は、もれなく大騒ぎになっていた。
 男の子も女の子も、みんなガメタが大好きなのだ。
「がめたをもとにもどしてー!」
「ころしちゃらめぇーーー!」
「うわあぁぁーーーん!」


 子供の夢を壊すカメキメラ、許すまじ。

●参加者一覧

ドクター・ウェスト(ga0241
40歳・♂・ER
終夜・無月(ga3084
20歳・♂・AA
芦川・皐月(ga8290
20歳・♀・DF
ガーネット=クロウ(gb1717
19歳・♀・GP
各務・翔(gb2025
18歳・♂・DG
ハーモニー(gc3384
17歳・♀・ER

●リプレイ本文

「ガメタか‥‥懐かしい」
 各務・翔(gb2025)は本部のモニタに映される画面を見つめ、呟いた。
 幼い日に夢中になって見ていたガメタには、それなりに思い入れがある。それに、ガメタが今でも子供達に人気のヒーローであり続けている事を思うと嬉しくもある。
 それだけに、今のガメタ‥‥いや、ガメタそっくりなあのキメラは。
「ガメタを侮辱する存在‥‥許せないアル!」
 翔が口を開くより先に、隣で同じ画面を見つめていた芦川・皐月(ga8290)が叫んだ。しかも拳を握って。かなり気合いが入っている‥‥と言うか、本気で怒ってる?
「そうですよ、子供を悲しませるなんて許せないです!!」
 と、こちらも義憤に駆られた‥‥わけでもなさそうな、ハーモニー(gc3384)が脇から相槌を打つ。
「あ、すみません、ご挨拶もせずに。エレクトロリンカーのハーモニーと申します」
 ぺこりと頭を下げ、顔を上げると見知った顔と目が合った。
「ガーネット君、お久しぶりです」
「初心者兵舎ぶり、でしょうか」
 ガーネット=クロウ(gb1717)は無表情に答えるが、別に怒っている訳ではない。いや、怒ってるけど‥‥それはモニタの向こうのアレに対してであって。
「子供たちの夢を壊すのは許せません」
 怪獣映画、知らないけど。良いの、今から勉強するから。
「けっひゃっひゃっ、では決まりだね〜」
 なんか、変な人がいる。‥‥いや、失礼。
「我が輩はドクター・ウェストだ〜」
 ドクター・ウェスト(ga0241)、ウェスト研究所の所長にして、メインはゲーム系だが『ガメ派』か『ゴジ派』かと問われれば『ガメ派』と答えるオタク、らしい。
 で、何が決まりなんだろう。
「子供達の夢を守るアル!」
 ニセガメタをぶっ飛ばしたいのは山々だが、今は子供達のケアが先決だ。我慢、我慢。
「それで、作戦はどうしましょう」
 ハーモニーが内心ワクワクしながら問いかける。たまにはこんな仕事も楽しいものだ。と言うか、子供の為というのは実は建前だったりするのは‥‥秘密にしておいた方が良いだろうか。
「TV中継を借りて、映像に解説をつけるのが手っ取り早いアルかね。誰かが悪役になって‥‥」
「なるほど、芝居か」
 皐月の提案に翔が頷く。
「キメラなど問答無用で倒したい所だが、今回は特別だ。ガメタの名誉と子供達の心を護ってやろう」
 早速、手近な黒っぽい布を首に巻いてマント風にしてみる。
「俺は悪役だからな」
 これでAUKVを装着し、マスクで顔を隠せば‥‥悪役に、見えるだろうか。

 作戦の大枠が決まったところで、いざ現場へ。
 メンバーは5人。名簿には6人の名前があるが、最後の一人は遅刻だろうか。
 だとしても待っている時間はない。
 一刻も早く、子供達を安心させてやらなければ!

「まずは電波ジャックアルね!」
 現場に着いた皐月は、TVの中継車に近付く。ジャンパーを羽織り、メガホンを持っていれば、普通のTVクルーに見えるだろうか。スタッフに事情を説明して協力を求める為には、関係者以外お断りと門前払いされる訳にはいかないのだ。
 実力行使も考えてはいるが、それは最終手段。断られてからでも遅くない。
(もしかしたら彼らの中にも熱いガメタ魂を持つ漢がいるかも知れないアル)
 という事で、説得開始。
「子供達の‥‥いや、子供達だけじゃない、私達の夢を守りたいアル! 力を貸して欲しいアル!」
「そうだなぁ、俺も子供の頃は好きだったし‥‥」
 熱く語る皐月の言葉に共感を示すスタッフ達。それどころか、現場の責任者は今でも熱烈なガメタファンらしい。
「よしわかった! 機材も人も好きに使え! 責任は俺が取る!」
 聞けばこの人、元は怪獣映画が撮りたくてこの業界に入ったのだとか。今回めでたく念願叶って監督デビュー(?)という訳だ。

 一方こちらは悪役の皆様。皐月から電波ジャック完了の報を受け、ガーネットが予め調べておいた接触ポイントへ向かう。
 現場では、既にガメタが暴れていた。鋭い爪の付いた前足を軽く振っただけでビルの一角が崩れ、続く体当たりで半壊する。幸い人々の避難は完了しているが、これ以上被害が拡大しないうちに止めなくては。
 翔とハーモニーは愛機を駆って、立ち並ぶビルの陰伝いに地上からガメタに接近し、壊れたビルから立ち上る黒煙の中に身を隠した。まだ、カメラに映る訳にはいかない。この壊れたビルから突如として現れた様に見せかけるのだ。
 ガーネーットは飛行形態のまま上空で旋回し、出番を待つ。
「‥‥怪獣映画、研究してきました。初代から最新のガメタまで、ついでにゴヅラも」
 移動の最中、ずっと借りて来たDVDを見ていたらしい。目が血走っているのは、そのせいか。
「任務の為ですから。寝てませんけど、任務の為ですから」
 血走った目の片方にはドクロのアイパッチ、カウボーイハットを斜めに被り、軍用外套の下はレオタード、覚醒の影響で元々赤い髪が更に鮮やかに染まっている。口元には含み笑い、しかし表情は動かない。合い言葉は「ひゃっはー」。
 完璧だ。どこから見ても、立派なイカレた女幹部。名前は‥‥
「我が名はバグア三魔将がひとり、魔女参謀ボウヨミークロウ」
 ガーネットは愛機を人型に変形させ、音声を外部スピーカーに切り替えると、その名の通りの棒読みで名乗りを上げた。
 そしてカメラと光源の位置をしっかり計算しつつ、最もカメラ映りの良さそうな位置を選んで降下を始める――

「このおねーさん、わるいひと?」
「ばぐあって、わるいうちゅーじんだよね?」
 わいわい、がやがや。幼稚園の教室で、TVの前に齧り付いて中継に見入る子供達。台詞が棒読みなのは気にならない様だ。寧ろ宇宙人っぽくて良いと思っているのかもしれない。
 その耳に、悪役よりも悪役っぽい笑い声が響く。
「けっひゃっひゃっ!」
 イントネーションのおかしい外国人、ウェスト博士にカメラが寄る。応急で作られた解説席にはウェストと皐月が座っていた。
「特別番組、ガメタの真実! 解説は私、ガメタの友達アルアルサッキーと、ガメタ研究の偉い人、ウェスト博士でお送りするアルよ!」
 サッキーは早速、博士にマイクを向ける。
「博士! ガメタは悪者になったアルか? どうしてあのビルを壊すアル!?」
「Oh! アレはバグ〜アのキチで〜すネ〜」
「バグアの基地アルか!? 一見普通の会社に見える、あのビルが!?」
 その時、新たな音声が飛び込んで来た。
『ふふふ‥‥ガメタめ、人間達のビルの地下に秘密で建造した、我々の秘密基地を見破るとはさすがだな!』
 声と共に、キャノピーを開いてコックピットに仁王立ちする翔の姿が画面に映される。金属質に光るボディと、たなびく黒マント。鎧将軍カガミの登場だ。
 そしてこの悪役、説明がわかり易い上に、ビルの所有者や利用者の立場にも配慮を忘れない。
「秘密で建造、つまりこのビルで働く人達は何も知らなかったアルね!」
「そういうコト〜、で〜すネ〜。サス〜ガはバグ〜アなのデ〜ス!」
「ガメタの目的は?」
「Oh! ソレ〜は、モ〜チロ〜ン! バグ〜アのキチを〜、ハカ〜イするコト〜で〜すネ〜」
『はっはははははははは、良くぞ私達の秘密基地に気が付いた!!』
 ガメタに基地を破壊され、怒り心頭の女性幹部がまた一人。ハーモニーはすっかり役になりきっている。
『我が名は邪心女帝ダークハーモニーなるぞ! 皆の者、ひれ伏せーーーい!』
 なんかすっげぇ偉そうだ。顔に悪役っぽいペイントを施し、服やアクセサリーもそれっぽい物を選び‥‥悪役っぽい話し方も練習して来た。覚醒したせいで髪も瞳も白銀に輝いてるのも、何となく悪役っぽい。黒煙の中に隠れていたせいで、大事な愛機も煤で真っ黒。これでチミっ子たちが怖がってくれなかったら、泣く。
『ふははー、ガメタめ。よくも私達の悪巧みに気づいたな。こうなったらロボットで決戦だー』
 コックピットでガメタに対して餌アピールをしつつ、魔女参謀も一生懸命に頑張っている。薄い表情で高笑いとかしてもイマイチアピール度は低いが、それが棒読み台詞と相乗して何とも言えない恐ろしさを醸し出していた。
「あのメカは何アル? 私達、地球のメカにそっくりアルよ!?」
「我々のナイトフォーゲルをマネ〜て作ったバグ〜アの機動兵器で〜すネ〜」
『その通り!』
 何故か解説音声が聞こえたらしい鎧将軍が答えた。
『しかし残念だったな! このメカは地球人のKVそっくりに作った偽者だが、性能は我々バグア軍のメカのままだ!』
「つまり‥‥地球のメカよりも性能が良いという事アルか!?」
『お喋りは終わりだ。さあ、この鎧将軍カガミが相手をしてやろう!』
 中の人は少しノリ過ぎたかと思っている様だが、ガーネットとハーモニーはもう素で魔女参謀と邪心女帝になりきっている。ノリノリの二人は、もう誰にも止められない。
『ひゃっはー!』
 魔女参謀は棒読みっぽく叫びつつ、チェーンファングを振り回し‥‥たいのをぐっと堪えて、じゃらんじゃらんと誘う様に鎖を鳴らしてみる。KVボウガンも、構えるだけ。実際にぶん回したら、ガメタよりも大きな被害を出しそうだし。悪役ならそれが正しい姿なのだろうが、これはあくまでフリだから。
 だが、余り頭の出来はよろしくないらしいガメタ‥‥いや、カメキメラはそんな挑発にも乗って来た。どすんどすんと地響きを立てながら、二足歩行で突進して来る。
 どっかーん!
 固い甲羅の縁に突き出た突起を突き立てる様に、魔女参謀のちょっとワルっぽい機体に向けて体当たりを仕掛けて来た。
 しかし、それを受け止めたのは邪心女帝の愛機、調和だった。ちょっとやそっとの攻撃ではビクともしないこの機体は、今回の様な任務にはうってつけだ。炎のブレスもレーザーも、どんと来い。それでも追い込まれたふりをしながら、じりじりと後退する。
『ぬうぅ! ガメタめ、これほどまでとは‥‥っ!』
 これで、チミっ子たちの目にガメタの活躍を焼き付ける事が出来ただろうか。
『うわあ、やられた。逃げないとやられちゃうわ』
 本当は攻撃が当たっていない魔女参謀も、当たったふりをして一緒によろけながら後ろに下がって行った。
『おのれー、我々の実力はまだまだこんなものではないのだ』
 悪役は普通、そんな捨て台詞を残して去るものだ。さっき学習した。
『覚えておれガメタ、次こそは必ずー』
 棒読みしつつ、逃げる。目標地点は予め決めておいた、人にも建物にも被害が出ない様な場所。
「あっ! 悪者が逃げて行くアル! ガメタは勝ったアルか!?」
「サぁ〜、ドウでしょうね〜、ガメ〜タも追いかけテ〜行きマ〜スね〜」
 と、中継の画面が白く煙る。翔が幻霧発生装置で霧を発生させたのだ。自然に中継を終わらせ、かつガメタの向かった場所が子供達に悟られる事のない様にとの配慮だった。
「ああ、残念アル! もうこれ以上はカメラで追えないアルよ!」
 皐月がいかにも悔しそうに言葉を添える。
「でも、私たちは信じているアル! 私達のガメタはきっと勝つアルよ!」
 いいや、今頃はもう勝利を収めて宇宙へ帰って行ったかもしれない。そういう事にしてしまおう!
「私達のガメタが悪者の撃退に成功しました! これで平和が戻ってきます! ありがとうガメタ! ありがとう!」

 ――ぷつり。
 中継が途絶えると、名簿に載っていた最後のひとり、終夜・無月(ga3084)は、隠してあったAUKVに飛び乗り、カメキメラの姿を追った。
 目的は力試し。生身であの巨大怪獣に対し、どこまで通用するか‥‥それを試したかった。
 しかし追いかけたは良いが、キメラは何処へ向かっているのだろう。それが消えた方角には濃い霧が漂い、視界を遮っていた。前もって仲間と相談でもしていれば、予め誘導ポイントを教えて貰う事も出来ただろうが‥‥
 それでも、足跡や轍、それに破壊の形跡を辿るうちに、どうにか追い付く事が出来た様だ。

「‥‥誰だ、あれ」
 誘導を終え、翔がいざ攻撃に転じようとチェーンファングを構えたその時。
 生身のままでキメラに近付く人影が見えた。
 その人影――無月は躊躇う事なく巨大キメラに近付いて行く。足下に立つと、まるで巨人と小人だ。普通なら攻撃が通じる相手ではないと、誰もが考えるだろう。
 しかし‥‥無月が自身と一体になったかの様な太刀を振るった瞬間、キメラの咆哮が大地を震わせた。その軌跡は閃光となり、緑色の体液が足の傷から迸る。
 視界に入らない相手の動きに苛立ち、闇雲に暴れるキメラを更に翻弄する如く、無月は瞬天速を駆使して一撃離脱を繰り返した。これだけ大きな相手の攻撃は一撃でも喰らえば命はない。その覚悟を持ち、己の技量に驕る事も、油断も隙もなく、完全なる格上に対する心持ちで、全身全霊をもって挑む。
 柔らかい部分を集中的に狙い、ある程度ダメージを蓄積したところで、壁走りの要領で相手の足を蹴り、跳ぶ。その勢いを武器に乗せ、少々固めの腹に思い切り突き立てた。
 キメラが全身を揺さぶり、刀を突き刺したまま腹に取り付いている無月を振り払おうともがく。だが無月は振り落とさせる前に自分から跳んだ。着地後、すぐに急所を狙って豪力発現を発動させる。
 しかし――
 キメラが飛んだ。不利を悟り、逃げようというのだろう。空を飛ばれては、生身では追う術がない。
 だが、それは仲間達が阻止した。
 ハーモニーが万一に備えて張った煙幕の中、キメラとの戦いは決着の時を迎える。
「もしかしたら、本物のガメタが力を貸してくれたのかも知れんな」
 翔はちょっと気障ったらしく、そんな事を言ってみる。
「それはともかく‥‥お嬢さんがた、お疲れでしょう。お茶でも如何ですか?」
 そんな事より――
「中継の録画はあるのでしょうか」
「早く帰って調和を奇麗にしなくては」
 どちらも、眼中にない様です。

 そして戻った中継基地では。
「何故我輩がキメラを擁護しなければならないのだ! ソレというのも君達が無頓着にあんな映像を流すからではないか〜!!」
 ウェストがぶち切れていた。バグアに対する憎悪で血涙流し胃液を吐瀉し、覚醒して中継車に八つ当たり‥‥する前に、仲間達の手で引きずられて行ったのは言うまでもないが。
「子供たちの夢は守れたでしょうか」
 モニタに映るノリまくった自分の姿を見つつ、棒読みに少し自己嫌悪を感じるガーネット。でもダビングは欲しい。永久保存版。
「ガメタ‥‥偽者とはいえ、ガメタ二世として生きる道もあったはずアル‥‥悲しいけど、仕方が無いアルね。安らかに眠って欲しいアル」
 少しだけしんみりと、散っていったキメラに黙祷を捧げる皐月。
「‥‥次に誤字ラが来ない事を祈るか」
 実はゴジ派な翔が呟いた。

 ――後日。
 TVの前で、お子様達が再び騒ぎ出した。
「がめたん、かえってきたー!」
 新番組『帰って来たガメタ』お楽しみに!