タイトル:【BV】贈り主を探せマスター:周利 芽乃香

シナリオ形態: ショート
難易度: やや易
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2010/03/02 20:17

●オープニング本文


※これらの依頼は、依頼主の依頼を文字通りに成功しない方がULTの評価が高まる場合があります。

「‥‥あれ? これ、いいのかな」
 依頼の情報に目を通した受付担当は、首を傾げた。普段ならばULTの依頼掲示板に来る前にはねられるレベルの妙な依頼に思えたのだ。しかも、これが唯一と言う訳ではない。そして、問題になるかどうかのライン引きは慎重に行われている気配があった。明らかに作為を感じる動きだ。
「どうしたんだろう。何か上で起きて‥‥あ、こんにちは。申し込みはこの任務ですね?」
 職員は内心で首を傾げつつ、今日も笑顔で職務を遂行するのであった。

●シャイなあの子に会いたくて
 バレンタイン。恋心抱く女性が意中の相手にチョコレートと共に愛を告白する日。
 昨今は商業戦略もしたたかなもので、友チョコだ逆チョコだとバリエーションを増やしてはいるが、やはり基本は告白だろう。
 告白する側も、される覚えのある側も、2月14日はさぞ落ち着かぬ思いをしたに違いない。

 さて、ここに淡金の髪を持つ少年が一人。
 キクチと名乗った彼は、柔らかな髪をかきあげつつこう言った。
「ボクに恋してる娘を探して欲しいんだ☆」
 キザったらしいその態度に些かカチンとしながらも、話を聞いてみよう。
 キクチはおもむろに、いかにもバレンタインチョコなラッピングを施された箱を取り出して言った。
「更衣室のボクのロッカーに入ってたんだけど‥‥カードに贈り主の名前が書いてなかったんだ。よっぽど恥ずかしがり屋さんなんだネ☆」
 最後の一言は余計だろうが、これがキクチの性格のようだ。殴りたい衝動を抑えて確認する。
「そのチョコの贈り主を探して欲しいと?」
「イェース」
 ――やっぱり殴りたくなってきた。

 とりあえず、チョコレートの贈り主を探してやれば依頼達成だ。
 情報らしきものはキクチの申告による自慢話くらいしかないが、頑張って見つけて欲しい。

●参加者一覧

石動 小夜子(ga0121
20歳・♀・PN
新条 拓那(ga1294
27歳・♂・PN
藤堂 紅葉(ga8964
20歳・♀・ST
八葉 白雪(gb2228
20歳・♀・AA
ナンナ・オンスロート(gb5838
21歳・♀・HD
ソウマ(gc0505
14歳・♂・DG
フロスヒルデ(gc0528
18歳・♀・GP
不動・明(gc0827
18歳・♀・HG

●リプレイ本文

●恋するキミはどこの誰
「やあ、キミたちがボクのお願いを聞いてくれたんだね☆」
 依頼を請けた能力者達が面会したミシェル・キクチ本人は、やっぱり殴りたくなるような少年だった。さらりと淡金の髪をかき上げ、顔の向きは流し目気味、柔和に微笑むその姿は明らかにカメラ目線。
 あれか、鏡の前で練習した『ボクカッコイイポーズ』を実践してくれているのか。
 あー、なんかイラっときた。
 内心ワクワクしながらこの依頼を請けていた。周囲に舐められないように不機嫌を装っているだけのはず‥‥だった、が。
 不動・明(gc0827)の整った顔が強張った。キクチの言動は、乱暴者で意地っ張りかつ美少女の自覚がない明の怒りポイントに触れたらしい。
「ん〜?どうしたんだい、仔猫ちゃん?」
 やっぱり殴りてぇ!でも――
(「イラッとするけど‥‥イラッとするけど‥‥」)
「不誠実な態度があったら、ぶっ飛ばすぞ」
 贈り主の気持ちを考えると無碍にもできない。怒りの衝動を必死に耐えて葛藤する明。のっぴきならぬ明の様子を隠すように青年が前へ出た。
「わかったわかった。とりあえずそのキザ、もとい、端整過ぎるきみの姿は罪作りだ。話はいいから要点を抑えさせてもらうよ」
 新条拓那(ga1294)は飄々と、大人の余裕を見せて軌道修正を図る。キクチの自慢話を忍耐強く聞き取って、本部で上がっていた以外の情報を纏めていった。
「毎年沢山のチョコを‥‥キクチさんは人気がおありなんですね」
 拓那の隣でキクチの話を聞いていた石動小夜子(ga0121)が、仕事半分素直さ半分で相槌を打ってやると、キクチが調子に乗った。
「キミもボクの親衛隊☆に入りたいのかい?」
「い、いえ‥‥そんな」
「悪いけど、小夜ちゃんには先約があるんだ」
 にこやかに聞き手に徹していた拓那、大切な相方をナンパされてはさすがに忍耐も限界だ。こめかみをヒクつかせ、慌てて小夜子を庇う。
「拓那さん‥‥」
 バレンタインデーという特別な日に特別な人と一緒に仕事をできる嬉しさ。頬染めて照れる小夜子からキクチも事情を察したらしい。
「失敬。ボクも誰かの大切な人を大勢の一人にするつもりはないからネ、安心してくれたまえ」
 慇懃無礼に詫びたものだ。

(「‥‥この依頼人の人って‥‥何だか嫌な感じ‥‥」)
 ボイスレコーダーを仕込んで遣り取りを聞いていたフロスヒルデ(gc0528)、心中こっそり考えた。そこへもうひとつの思念が割り込んでくる。
(『‥‥コイツ、乙女心を舐めてるわね…出切れば天誅下したいけど‥‥』)
(「だね!皆どうするのかな?」)
 バレンタインは恋する乙女の晴れ舞台。フロスヒルデがキクチにバレンタインや恋愛観について尋ねると、彼はこう言ってのけた。
「バレンタインチョコは女のコの気持ちだネ☆ボクは一人の女のコだけのものじゃない、みんなのボクなんだ。シャイなコも平等に愛するのがボクなんだヨ☆」
 包容力のあるボクカッコイイ――とでも言いたそうな自信過剰少年は、世界の女性がすべからく自分に好意を持っていると信じてやまないらしい。
 フロスヒルデと彼女のもうひとつの彼女なっちゃんの遣り取りも知らず、キクチはいい気なものだ。家族構成、交友関係について問われると、自慢混じりにぺらぺら喋る。
「フランス貴族のお祖父さんがいらっしゃる‥‥なるほど、それでキクチさんには気品があるのですね。で、同居家族は両親と弟が一人‥‥弟は16、という事はキクチさんとは1歳違いですか」
 ソウマ(gc0505)が適当にキクチを煽ててやりながら詳細から嘘がないかを慎重に探る。ふとついでのように「弟さんはどんな方ですか」と水を向けた。
「弟?無骨なニッポンダンジって感じだネ」
 ボクとは似ても似つかないよと、案外きつい事を言う。似非フェミニストは男には容赦ないようだった。

「‥‥手がかりになるもの‥‥チョコレートを見せていただけませんか」
 白雪(gb2228)の申し出にいいよとキクチが合図をすると、執事らしき人物がダンボール箱を抱えて部屋へ入ってきた。
 箱の中には可愛らしくラッピングされたチョコレートが沢山、意外や本当に貰っているようだ。
(「どれも手作りやラッピングが個性的ですね‥‥」)
 冷静に解析するソウマの向かいで白雪は件のチョコレートを観察中。刑事ドラマよろしく指紋採取など試みているようだ。
 やがて破らないよう慎重に包みを解いた白雪は、箱の中から小さなチョコを取り出すとキクチに差し出した。
「はい、キクチさん。食べてみて下さい」
「‥‥?」
 あーんと口を開けてチョコを頬張るキクチ。
『‥‥平気そうね。毒殺の可能性は低いか』
「‥‥え。ちょっと待って」
 白雪の内に生きる双子の姉・真白が胡乱な呟きに、場に居た皆は勿論、白雪までもが突っ込んだ。
「このチョコ‥‥きちんと手作りしてありますよね」
 贈り主名をリストアップしていたナンナ・オンスロート(gb5838)がぽつりと言った。
 チョコレートの再形成は案外難しいものだ。溶かして固めるだけと思いがちだが、温度調整を誤ると簡単に失敗する。手間隙かけて形作られたハート型のチョコレートは贈り手の真剣さも伝わってくるかのようだった。
「カードも凄く丁寧に書いてあります〜」
 フロスヒルデが無記名のカードを手に呟いた。名こそないが、カードに綴られた内容は胸に迫る恋する乙女のそれで。
「こりゃ本命だな‥‥」
 明はキクチの友達宛というオチではないかと考えたりもしたのだが、文面はキクチに宛てられたそれで。
「本気、ですよね」
 キクチはどうでも良いが、勇気を出して告白した想いを空振りにはしたくない。
 叶わない片思いは哀しすぎるから‥‥ナンナはまだ見ぬ贈り主に共感して、几帳面に書かれたカードの文字を見つめた。

「犯人探しとはね‥‥組織時代の裏切り者探しを思い出すよ」
 無記名のチョコレートの贈り主を探せ、か。
 壁にもたれて一部始終を見ていた藤堂紅葉(ga8964)が皮肉気に唇の端を歪める。ややあって、不敵に笑んだ。
「探偵ごっこも悪くない」
 キクチから得られる情報は揃った。
 次は関係者各位――この場合はキクチの『親衛隊☆』達――の話を聞きに学園内に散るかと、それぞれに動き始める。
「基本は足と言うがねぇ‥‥私は彼を借りようか」
 紅葉に身柄拘束されたキクチ、部屋を出てゆく能力者達に言った。
「彼女は恥ずかしがり屋さんだから、くれぐれも怖がらせたりしないように頼むネ☆」
 フッと歪めた口元から白い歯が光った。非常に鬱陶しい。
 ――やっぱり殴っていいですか。

●キザなアイツはお金持ち
 さて、学園内に散開した能力者達。
 まずは件のチョコが発見されたという更衣室のロッカーへ向かった面々は、キクチのロッカーと近い場所を使っている生徒達に話を聞いていた。
「今は誰も着替えてないから小夜ちゃん達もおいで」
 仕事とはいえ異性の更衣室に入るのは何となく躊躇われるものだ。気兼ねしないようにと拓那が手招きしてやると、小夜子と明、フロスヒルデが更衣室へ入ってきた。強がっているが内心安心した明である。
「ごめ〜ん。ちょっと聞いてもいいかな?」
 フロスヒルデに合わせて、内なるなっちゃんが「知ってることは素直に喋りなさい」尋問めいた出だしに一同笑顔で緊張が解けた。ほんやか笑んで拓那が質問を始める。
「で、バレンタイン当日はどうだったか教えてくれるかな?」
「特に何もなかったよな?」
「ああ、キクチの奴が沢山チョコ貰ってたけど教室でだったし」
「羨ましいよなー」
 あのダンボール箱一杯のチョコは紛れもなく貰い物のようだ。だが、さすがに男子更衣室のロッカーがチョコで溢れた訳でもなかった。
「この更衣室の奴のロッカーにもチョコが入ってたんだが‥‥見た奴居ねーか」
「キクチがチョコ見つけたのは知ってるよ」
「チョコを入れた人物は?」
「見てないな」
 当時の様子を詳細に尋ねると、キクチはかなり驚いていたと言う。
(「1個のチョコに驚いていたのか‥‥実は余り貰い慣れて居ないのかもな」)
 大勢の内の一人でなく、大勢と別の一人を探しているのかもしれないと、拓那が推測を立ててみる。後で『親衛隊☆』の話も聞いてみよう。
 更衣室に誰もいない時間帯を狙って入れられたものか、目撃者は見つからなかった。しかし使用状況を辿れば時間の特定はできそうだ。
「目撃者無しですか‥‥一か八か、頼ってみますか直感に」
 ソウマ覚醒。理論派な彼の周囲に精霊が浮かんだ。
 彼を祝福するかのように舞う精霊と共に『GoodLuck』を発動――すると、上衣脱ぎ脱ぎ更衣室のドアを蹴開ける男子生徒出現。
「やっべ、早く着替えなきゃ遅刻するッ!」
「?‥‥‥!?いやぁぁぁぁっっ!!!!!」
 半裸で飛び込んできた男子生徒を見た、明の悲鳴がこだました。

 一方、教室を回っている面々。
 ナンナはチョコの贈り主が内気な女生徒の可能性が高いと踏んでいた。故に教室を巡り有力な情報を集めようと動いている。
「――でね、ミシェルがその無記名の子を殊更気にしているの。シンデレラのガラスの靴を持った王子様みたいだったわ」
「ミシェルらしい〜」
 ナンナの例えに、キクチのクラスメイトがくすくす笑った。残された贈り物の小箱を持つ柔らかな淡金の髪の美少年、と言うと確かに王子っぽいかもしれない。
 だが、意味深な笑いが気に掛かる。
「らしいって、どういう事?」
「彼ってすっごいフェミニストでしょ?家がお金持ちなのもあって、ホワイトデーには3倍返しでプレゼントをくれるの。だから皆、バレンタインにはチョコをあげるんだけど、まさか全員返すつもりだなんて!」
「ほんと、彼優しいわよね〜」
 何だろう、この微妙に気の毒なキクチ観は。
 少なくとも級友女子の間での彼の評価は『お金持ちの同級生』程度のようだ。ナンナが礼を述べて立ち去ろうとすると、一人が声を掛けてきた。
「ミシェルの親衛隊代表さんはひとつ上の学年だけど‥‥話が聞けるように連絡しとこっか?」
「‥‥えと、そっちは仲間が行ってるはずだから‥‥いいわ」
 クラスメイトの申し出を丁重に断ったナンナはそそくさと教室を後にした。
 ひとつ上‥‥自分と同学年。できれば立ち入りたくはなかったから。

 廊下の一角を念入りに調査する白雪――いや、これは真白か。
(『更衣室へのルートはここしかない。犯人は必ず写っているはず‥‥』)
 別に犯人探ししている訳じゃないよと、白雪は真白の意識に苦笑した。それらしい物はみつからず、キクチの『親衛隊☆』代表格の教室に辿り着く。
「ミシェルの?隊員希望さんかしら」
 キクチに劣らず浮世離れしたお嬢様然とした女生徒だが、白雪が説明すると誤解も妄想もなく理解してくれた辺りはキクチより話せそうだ。
「キクチさんに秘めた想いを抱いていそうな女生徒って居ますか?」
「いないんじゃない?ミシェルは‥‥そうね、敢えて言うならみんなのおもちゃ、かしら。可愛いでしょ彼。恋人用じゃないのよ、観察用。みんなそのつもりだと思うわよ?」
 ある意味、クラスメイトより酷かった。

●ボクのハートに真実を
 学園内情報収集を終え、再び集まった能力者達とキクチ‥‥と、新たな人物。関係者だろうか。
 全員揃った事を確認し、小夜子が厳かに切り出した。
「皆様に集まっていただきましたのは、ほかでもありません。キクチさんには悲しい結果ですが‥‥犯人は貴方です!」
 ぐるり見渡し一瞬溜めて、ぴしっと指を突きつけた!
「す、すみません‥‥これがやりたかっただけなのです‥‥」
 その場にいた全員に注目された小夜子、ふしゅうと照れて拓那に回収された。呆然としているキクチに拓那は元気出せと声を掛けてやる。
「まぁ、うん、何だ。世の中には欲しくても貰えない人のほうが多いんだしさ?まだ貰えるだけよかったって思うべきだって」
 して、犯人――もとい、チョコの贈り主の正体は?

「兄さん‥‥」
「嘘だ、ボクは信じない‥‥」
 ミシェル・キクチは4人家族である。両親とキクチ本人、そして弟。
 弟が贈り主だったというのか。
 妹ならまだしも、弟。同性の弟。
 世の乙女の恋心を応援するつもりでいたフロスヒルデだが、贈り主は大柄無骨な男だったとは。
(『いーんじゃない?弟くん、本気みたいだもん。キクチはふざけた事言ったら、この録音を学校中に流してやるわ』)
 なっちゃん、過激です。
「ご愁傷様です」
 ソウマが無表情に告げた。
「逆チョコ?‥‥あ‥‥今年お兄ちゃんにチョコ贈ってない!」
 逃げるようにそそくさ部屋を出てゆく白雪に、真白の疲れた声が被さっているのが聞こえる。
 その場に居た全員がご愁傷様と言うしかない状況で、紅葉がキクチの肩を引き寄せて言った。
「そりゃ嘘だろ、チョコの贈り主は私だ。なぁキクチ?」
「‥‥お、お姉様‥‥はい、ソウです‥‥」
 この二人、仲間達が情報収集に出ている間に何があった。
 紅葉の前ではすっかりしおらしいキクチの様子に、会ったばかりのキザったらしさはない。紅葉は余裕の表情でキクチに愛を囁いたり如何わしい悪戯を仕掛けたり。
 場に居合わせた皆が居心地悪くなるような桃色空間の中、一人だけ声を発した猛者がいた。
「に、兄さんは僕のものだ、貴女には渡さない!」
「掛かったね、それでいい」
 にやと笑った紅葉は、真っ赤になっているキクチを解放した。

 ――で。
「本人の期待は判るがね‥‥つまり‥‥キミにはその道の素質があるという事だ。おめでとう」
 その道。すなわち衆道・男色・同性愛。
 日仏クォーターで、淡金の柔らかな髪をした線の細い美少年。
 キクチの周囲の女子の評価は『誰にでも優しい』『おもちゃ』『観察用』等、少なくとも恋愛対象としては見られていなかった。彼女らから贈られたチョコは所謂義理チョコであり、本命と思しき今回のチョコ贈り主には考え難い。
 家族からの可能性を考えた時、家族構成上『弟』という同性である点が懸念され、立証する為にキクチの弟をこの場に呼んだという訳だった。
「さて‥‥どんなつもりか知らんが‥‥悪戯ならお仕置きが必要だ」
「ち、違う!僕は兄さんの事を‥‥」
 弟が贈ったチョコの小箱をちらつかせて迫る紅葉。弟は抵抗の意思をなくしたキクチを抱き締め必死に主張した。
「ほほう、そうか。兄共々躾けられたいと‥‥それじゃあ獲物はいただいて行くよ」
 悠々と、紅葉は兄弟を連れて部屋を出て行った――

「‥‥なあ、あたしはあの弟を応援してやるべきなんだろーか」
 残された部屋で、明がぽつりと言った。
 悪戯なら怒るつもりでいたナンナも、怒るに怒れずにいて、消化不良の想いを抱えたまま互いに顔を見合わせた。
 まぁ、贈り主は見つかったのだから良しとしよう。
 この恋の進展、それは当人達だけが知っている――という事で。