タイトル:物資集積所防衛戦マスター:真太郎

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2010/04/20 07:00

●オープニング本文


 かつてはロサンゼルスにまで勢力を伸ばしていた北米のバグア軍であるが、ロサンゼルスを人類に奪還されてからは前線がどんどんと後退してゆき、今ではサンディエゴとメキシコとの中間点が最前線となっていた。
 両陣営の間で連日の様に砲火が鳴り、銃弾が飛び交い、剣戟が鳴り響き、大量の鉄と油が消費されてゆく。
 そのため、ここサンディエゴ東部方面第9基地第2物資集積所という前線の端の端でも敵の襲撃はあり、燃料、弾薬、食料、医薬品、生活必需品などを満載したトラックが集積所を訪れて、次々と荷を降ろしてゆく。
 
 だが、今日は荷降ろしの最中にレーダーが集積所に向けて接近してくる敵編隊をキャッチした。
 しかし敵は陸戦型ヘルメットワームとキメラの混成部隊だったため、基地司令は主力メンバーだけで十分撃破可能と判断し、KVでの戦闘未経験者や経験の浅い者は基地に残したのだった。


『ヘルメットワーム1機撃破!』
『こちらはキメラ3撃破』
『脆いな。それならすぐに掃討できそうだ』

基地司令部に先行部隊からの無線通話が届く。
 そこから響いてくる報告はいずれも撃破を知らせる類のものばかりで、その声もどこか弾んでいる。

『よし、また1機撃破だ。残りは何機だ?』
『残りは‥‥え? ちょっと待って!』
『どうした?』
『前方にタートルワーム出現。後背にはレックスキャノン! 挟まれたわ!』
『くそっ! さっきの奴らは陽動か』
『装甲の厚い機体で前後を固めろ! 前方の包囲を突破するぞ!』
『了解!』

 しかし先行部隊が敵の挟撃に合い、通信機から響く声に緊迫感が篭もった。
 そして基地司令が増援を派遣すべきか判断していた時、
「5時の方角より敵接近、数はゴーレムが2、陸戦型ヘルメットワームが3です」
 レーダーが先程とは別方向から接近する新たな敵部隊をキャッチした。
「なに! こちらにもか? 先行迎撃部隊の様子は?」
「未だ敵と交戦中です」
「ならば呼び戻す事は不可能だな‥‥。では現有戦力で迎撃にあたるしかない。残りの傭兵部隊のKVを出撃させろ」
「了解」

 こうして基地に居残り組として待機させられていた傭兵達にも幸か不幸か出撃命令が下ったのであった。

●参加者一覧

フィオナ・フレーバー(gb0176
21歳・♀・ER
タルト・ローズレッド(gb1537
12歳・♀・ER
椿(gb4266
16歳・♂・AA
山下・美千子(gb7775
15歳・♀・AA
クルト・ファルスト(gb9377
12歳・♂・ST
アクセル・ランパード(gc0052
18歳・♂・HD
アセリア・グレーデン(gc0185
21歳・♀・AA
天小路 皐月(gc1161
18歳・♀・SF

●リプレイ本文

 基地から各KVで出撃する傭兵達。
「あら、後方での待機のみって聞いてたんだけど‥。まさか出撃することになるとはね」
 フィオナ・フレーバー(gb0176)がウーフーの強化型ジャミング中和装置を起動させる。
「初依頼で留守番かと思いましたけど、そう上手くいきませんね。まあ物資を潰されても困りますし、油断しないで行きましょう」
 通常のKVより3倍以上大きいスピリットゴーストに乗るクルト・ファルスト(gb9377)が最後尾に付く。
「あわわわ、大規模以外では初めての実戦です‥‥」
 緊張でガチガチになり、いきなりヘタレそうになる椿(gb4266)。
「椿さん、肩の力を抜いてください。俺がサポートしますし、訓練どおりにすれば大丈夫です」
「そ、そうですね‥‥。コレを乗り越えて、俺も皆さんの役に立たないとダメですね。大丈夫、装甲に守られてるなら大丈夫です、怖くない‥です‥!」
 だがアクセル・ランパード(gc0052)に諭されて少し落ち着きを取り戻すと自分を叱咤した。
「楽に終わるかと思ったんだけどなー。まぁ、数で勝ってる分大規模作戦の時よりは楽かな?」
「ふむ、確かに大した数ではないが‥‥。ま、私としては早いところこの機体に慣れておきたいからな。丁度いい相手だ」
 山下・美千子(gb7775)の言葉に、新調したイビルアイズに乗るタルト・ローズレッド(gb1537)が同意する。
「対ゴーレム班はHW殲滅までの間、基本的に時間稼ぎ。対HW班はHW殲滅後、もう一方に合流。以上が作戦の概要ですね」
 天小路 皐月(gc1161)が手短に作戦の最終確認を行う。
「そうです。ですが時間稼ぎのつもりはありません‥‥。別に、倒してしまっても構わないのでしょう?」
「はい、構いません。皐月はアセリアさんとゴーレムBの相手ですね。よろしくお願いします」
「ん? おい、違うぞ皐月。お前のパートナーは私だ」
 アセリア・グレーデン(gc0185)の好戦的なセリフに答えた皐月だが、タルトに訂正された。
「え? あ‥そ、そうでした。すみません。初めてのKV戦ですので、ちょっと緊張しているみたいです‥‥」
 皐月は羞恥で大柄の体をコクピットの中で小さく縮める。
「気にする事はない。緊張しているのは皆同じなのだから」
「そぅそぅ。だから皆、無理しないで行きましょう!」
「‥はい、ありがとうございます」
 アセリアとフィオナに慰めれてて少し緊張が解れた皐月だった。


「敵との距離100。目標はドリルを持ってるやつね。いくよ、用意はいい?」
 ウーフーの各種センサーで敵との相対位置の把握を行っていたフィオナが仲間たちに告げる。
「は、はい!」
「何時でもどうぞ」
「‥‥ファルコンスナイプ起動。照準ロック完了。各員、5秒後に射撃します。射線に入らないように」
「それじゃあ、作戦開始!」
 そして対HW班は先頭の小型陸戦型HWに一斉攻撃を開始。
 椿が轟音と共に放った135mm対戦車砲は避けられたものの、フィオナとアクセルが撃ったプラズマリボルバーの光弾がHWの装甲を貫き、クルトのスナイパライフルSG−01が頭部を撃ちぬき、200mm4連キャノン砲が胴体部を粉砕した。
「よし、1機撃破」
 フィオナが嬉しそうに報告する。
「と、突貫します!」
「よ〜し、行っくぞー!」
「皐月も桜子に負けてはいられません」
「招かれざる客は早々にお引取り願うとしましょう」
「ロックオンキャンセラー起動。これでも当たる様なら自分の腕が悪いんだからな。私に文句言うなよ」
 そして椿、美千子、アセリア、皐月が敵に向かって突撃を始め、タルトが試作型対バグアロックオンキャンセラーで起動させて各機を支援する。


 椿はソードアームのHWに接近しつつ対戦車砲を放ったが、HWは身を屈めて避けるとビームガトリング砲で反撃してきた。
「うわぁっ!!」
 椿は咄嗟に3基の追加補助スラスターを吹かし、ジグザクに動いて何とか避ける。
 そのまま距離をとって再び対戦車砲を放つが、やはり避けられた。
「あ、当たらない‥‥。やっぱり接近戦でないと‥‥」
 しかし椿はKVでの格闘戦に尻込みして足が前に出ない。
 その間もHWはビームガトリング砲を撃ってくるが、椿はスラスターを駆使して避けまくる。
 そうしてHWが椿に気を取られている間にブースト機動で横に回りこんだアクセルのフェニックスがD−502ラスターマシンガンを正射。
「貴方の相手は俺がやらせて貰います!」
 音速で飛来した数十発の弾丸がHWの装甲を穿ち、脚を何本かへし折った。
「よし、これで機動力を削い‥」
 しかしHWは慣性制御で浮き上がり、アクセルに突撃してくる。
「くっ!」
 アクセルは咄嗟にハードディフェンダーを眼前に立ててソードアームの一撃を受け止めた。
 そしてソードアームを受け流すと体勢を崩したHWを脚爪「シリウス」で蹴り飛ばし、機槍「ドミネイター」を突き刺す。
「椿さん、今です!!」
「は‥はい! え‥えぇーい! 行くぞーー!!」
 アクセルに促された椿は自分を奮い立たせるため、敢えて対戦車砲を捨てて駆けた。
「怖くない‥コクピットにいれば怖くない‥」
 念仏の様にそう唱えつつ雪影を抜いて大上段に構えると、刀身に太陽の光が反射してキラリと煌いた。
「一の太刀、修練の全てを見せます‥!」
 そして体に覚えこませた『一の太刀』を繰り出す。
「破っ!」
 雪影の刀身は風を切り、HWの頭頂を断って貫き、胴体を抜けて地面を叩いた。
 斬られたHWは切断面から紫電が迸ったが倒れず、ソードアームで斬りかかってくる。
「っ!?」
 椿は咄嗟に雪影を斬り上げ、間一髪ソードアームを弾く。
 タルトがロックオンキャンセラーを発動していなかったら直撃していただろう。
「ならば、奥の手です!」 
 椿は再び雪影を両手で大上段に構え、アブレッシブ・フォースを付与すると、左腕に装備した高電磁マニピュレーターを放電させた。
 それで雪影に電磁効果が及ぶ訳ではないが、雪影の刀身が放電を纏った様に見える。
「高電磁マニピュレータ、ソォォド!!」
 そして再び放たれた『一の太刀』はHWを真っ二つに斬り裂いたのだった。


 その頃、クルトは大砲を装備したHWの側面に回り込もうとしていたが、HWからは間断なく大砲を撃ち込まれていた。
 クルトは機盾「シャーウッド」で受け止めていたが、軽量のシャーウッドでは着弾の衝撃を殺しきる事はできず、機体各部に負荷が掛かる。
 砲弾を受け続けている内に盾は歪み、左腕のアクチュエーターが損壊、腰部と膝関節の動作も鈍くなってきた。
「お待たせクルトくん」
 だがその間にフィオナがHWの後ろに回り込んで照準をセット、ヘビーガトリング砲のトリガーを引く。
 発射された数十発もの弾丸がHWの脚部をズタズタにして薙ぎ払う。
 するとHWが大砲の過重で後ろに傾いて倒れた。
「クルトくん、トドメお願いね」
「了解。ファルコンスナイプ起動。位置情報入力、誤差修正。照準ロック。200mm4連キャノン砲連続発射!」
 HWは盾で受け止めたが、ファルコンスナイプで狙い撃たれた砲弾の破壊力は盾ごとHWを吹き飛ばす。
 そして着弾する度に盾がひしゃげ、腕が折れ、脚が曲がり、装甲が弾け、大砲が吹き飛び、体がへこみ、遂に動力部に直撃。
 HWはその場で爆発、四散した。


 一方、対ゴーレム班の美千子とアセリアはバズーカを装備したゴーレムに向かっていた。
 そしてバズーカを撃たれる前にアセリアがゴーレムの手前で煙幕を張り、ゴーレムがこちらを見失った瞬間に美千子がブーストを起動。
「ブースト起動、突撃っ!」
 ブーストによる加速で煙幕を突っ切ると、ゴーレムのバズーカにジェットエッジを伸ばす。
 だがゴーレムが一瞬早く身を引き、ジェットエッジは空を切った。
「あれ?」
 そしてゴーレムは阿修羅の着地地点を狙ってバズーカを発射。
「やばっ!」
 美千子は着地と同時に地面を蹴り、横に転がって辛くもバズーカを避けた。
 もしゴーレムがロックオンキャンセラーの影響を受けていなければ直撃していた事だろう。
 そして美千子がバズーカの第2射も避けた、その時。
「私の相手もしていただく!」
 今度はアセリアのミカガミが煙幕を突き抜け、接近仕様マニューバを発動させてゴーレムに挑みかかる。
 ゴーレムは振り向きながらバズーカを構えたが、ミカガミの右腕から伸びた機体内臓雪村を振り下ろす方が速い。
 雪村の光の刃は装甲を易々と融解しつつ斬り裂き、ゴーレムの胸に斜め一文字の傷跡を残す。
 そしてゴーレムの脇を抜けて間合いを取る。
 ゴーレムはアセリアの後を追って振り返りつつバズーカを構えたが、その瞬間、美千子がサンダーホーンをバズーカに打ち込み、電磁パルスを流し込む。
「貰ったよ!」
 バズーカに紫電が走り、弾装から火を噴いた瞬間、ゴーレムはバズーカを阿修羅に向かって投げつけてきた。
「わっ!」
 美千子が慌ててバックステップで避けると、眼前でバズーカが暴発する。
 その隙にゴーレムは腰の短剣を抜いて左右に手に1本ずつ握り、阿修羅に向かって駆けた。
「接近戦なら望む所だよ!」
 対する美千子もゴーレムに向かって駆ける。
 そしてゴーレムの振るう短剣をギリギリで見切って避けると地を蹴り、飛び掛ってしがみ付くとジェットエッジで背中を抉り、更にナックル・フットコートβ で強化された後ろ足で胸部装甲を抉りながら肩に乗って飛び越えた。
「折角足が四本もあるんだからちゃんと活用しないとね」
 だが、移動と攻撃を同時に行うこの戦法では間接や重要部分を狙うのは難しく、ゴーレムに軽傷しか与えられない。
 アセリアは美千子が過重をかけてゴーレムの体勢を崩した瞬間に間合いを詰め、ジェットエッジでヒット&アウェイを仕掛ける。
 しかしジェットエッジでは雪村ほどの威力はなく、致命傷を与える事は難しい。
「ミチコ‥ほんの少しでいい、奴の注意を私から逸らしてください‥」
「うん、何とかやってみるよ」
 2人はヒット&アウェイで攻撃を続けたが、ゴーレムに決定的な隙を作る事ができない。
 そしてイビルアイズのロックオンキャンセラーが切れた直後、ゴーレムは美千子が離脱する瞬間を狙って後ろ足を掴み、地面に叩きつけた。
「あぅ!」
 阿修羅の背面機構が潰れ、体がコクピット内で跳ねる程の衝撃が美千子を襲う。
 そしてゴーレムは地面に横たわる阿修羅に短剣を突き立てた。
「このぉ!」
 しかし美千子は四肢を使ってゴーレムに抱きつくとクラッシュホーンを顔面に突き刺した。
「離れろミチコ!」
 その隙を逃さずアセリアがマニューバを起動させて踏み込む。
 ゴーレムは短剣を振るって迎撃してきたが、アセリアは右腕で受けた。
「右腕一本ぐらいくれてやる‥っ」
 腕を斬り落とされながらもゴーレムの懐に潜り込むと左手で胸部に掴む。
「掴んでしまえば外すことは無い」
 そして0距離から雪村を起動。伸びた光の刃がゴーレムの胸部を貫く。
「これで‥終わりだっ!」
 アセリアはそのまま雪村を一気に斬り上げて上半身を真っ二つに斬り裂き、ゴーレムの機能を完全に停止させたのだった。


 少し時間は撒き戻り
「1対多の状況ならば‥難しい相手でもない!」
 タルトはロックオンキャンセラーを起動した後、ビームコーティングアクスを持つゴーレムの足をスナイパーライフルRを狙撃した。
 足を撃たれたゴーレムが動きを止めている間に皐月が接近してガトリング砲「嵐」を乱射。
 しかしゴーレムは横に大きく回りこんで弾幕を避け、更に接近してくる。
 皐月はRA.0.8in.レーザーバルカンも放ったが、これも避けられた。
「くっ‥この距離では当たらない。もっと接近しなければ‥‥」
 そう思って距離を詰めるとゴーレムがアクスを横凪に振るってきた。
 皐月は機盾「シャーウッド」で受け流そうとしたが、知覚兵器は盾では受け止めないため、透過した光の刃が盾を持つ腕を斬り飛ばした。
「しまった、腕が!」
 そのまま一気に畳み掛けようとしたゴーレムにタルトが試作型「スラスターライフル」を正射。
「それ以上やらせないよ!」
 これもゴーレムに避けられたが、その間に皐月が距離を取る。
「ちっ、思ったより動きがいいじゃないか」
 タルトは武器をスナイパーライフルに持ち直し、手早くリロードして発射。放たれたライフル弾がゴーレムの頭部を直撃する。
「今だ!」
 ゴーレムの視界が奪われた一瞬の隙を突いて皐月がブーストを起動。急加速でゴーレムに突撃をかける。
「貫け真紅姫!」
 そしてアグレッシブ・フォースを付与した試作型機槍「黒竜」に全体重とブーストの加速力を乗せてゴーレムに突き立てた。
 黒竜の槍先がゴーレムの胸部装甲を貫通し背中まで抜ける。
 だが、ゴーレムを倒し切るだけのダメージは与える事はできなかった。
 そして上段から振り下ろされたアクスがディアブロの胸から股までを一気に斬り裂き、返す刃が腰部から肩部までを裂き、横凪の一撃が頭部を斬り飛ばす。
「キャア!」
 衝撃と共にコクピットに紫電が走り、レッドランプが幾つも点灯。計器類が小爆発を起こし、モニターがブラックアウトを起こす。
 モニターはすぐにサブカメラに切り替わって復旧したが、機体は危険な状態だ。
「退がれ皐月!」
 タルトはスラスターライフルを放ってゴーレムの身を引かせると、ゴーレムとディアブロの間に自機を割り込ませ、機刀「白双羽」で斬りかかる。
 しかしゴーレムは白双羽をアクスの柄で受け流しつつ振り上げ、イビルアイズの肩口に振り下ろした。
 高熱の刃が肩部装甲を融解し、右腕を白双羽ごと斬り落とす。
 そして至近距離からバルカン砲を乱射。イビルアイズに無数の弾痕が穿たれた。
「このっ! 調子に乗るな!」
 タルトは残った左腕でスラスターライフルを抜くとゴーレムに足を撃って体勢を崩し、その間に距離を取る。
 そして2人がアクスの射程外に逃れた時、不意にゴーレムを2条の光が貫いた。
「遅くなってゴメン。2人とも大丈夫?」
 それはHWを倒して駆けつけたフィオナのショルダー・レーザーキャノンによる攻撃だった。
「照準セット。支援砲撃開始します」
 続いてクルトが放った最後の4連キャノンがゴーレムを直撃。
「よし! 一気に畳みかけさせてもらうぞっ!」
 そしてタルトがスラスターライフルで、皐月がガトリング砲で集中砲火を浴びせ掛ける。
 損傷したゴーレムには既に回避する余力はなく、そのまま蜂の巣になって倒れ伏したのだった。



「‥‥終わったか。先行した人達は無事なんでしょうか」
 クルトがそう呟いた時、フィオナがレーダーで先行部隊を捉えた。
「うん。どうやら無事みたい。今帰還してきてます」
「オレ‥生きてますよね‥成功ですよね‥‥」
 フィオナの報告を聞いた椿がコクピットの中で思いっきり脱力する。
「もちろん成功ですよ。皆お疲れ様でした」
 アクセルが微笑を浮かべて皆を労う。

 こうして8人は敵の奇襲から物資集積所を守り抜いたのであった。