タイトル:【AP】戦う術はKV少女マスター:真太郎

シナリオ形態: ショート
難易度: 不明
参加人数: 6 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/04/10 20:32

●オープニング本文


 西暦199×年
 地球は突如宇宙から飛来した謎の生命体【バグア】の侵略を受け、未曾有の危機にあった。
 あらゆる攻撃を減衰させてしまうフォースフィールドを纏うバグアに人類の兵器はまったく通用せず、世界は徐々にバグアの手に落ちていった。
 世界中の科学者達がバグアに対抗する兵器を作り出そうとしたが、どの様な兵器を作ったところでバグアのフォースフィールドの前には無力だった。
 人々は絶望し、未来に希望を失い、ただバグアに蹂躙されるしかないと全てを諦めかけた、その時
 エミタ・スチムソン博士が画期的な研究結果を発表した。
 スチムソン博士は長年の研究でバグアは人類が生存している次元とは別の次元の生物である事を突き止めた。
 バグアは姿が見えてはいるが、彼らの実体自体は別の次元にあるのだ。
 フォースフィールドはこの世界の次元とバグアの世界の次元とを隔てている境界面なのである。
 そのためバグアを倒すには次元の境界面を破壊するだけのエネルギーを喰らわせるか、バグア側の次元から攻撃を加える事が有効とされ、その二方面での研究が行われた。

 バグアの目を逃れ、地下で細々とした研究が開始されて3年後。
 ドローム社が遂に異世界から兵器を召喚できる装置を発明をした。
 しかし最初の召喚実験で多くの人々が大きな期待を胸に見つめる中、紫電を放つ召喚機から現れたのは兵器ではなかった。
 現れたのは見た目が人類とまったく変わらない、本当にごく普通の少女だったのである。

 唖然

 呆然

 疑惑

 困惑

 そんな空気が研究室に流れる中

「あの〜‥‥アナタが私のマスターですか?」

 と、少女は言った。

 その後、その少女の体を調べると、まず精巧なパンツを身につけている事が分かった。
 そして何故か召喚機を扱って自分を召喚した者に付き従おうとした。
 理由を尋ねたが少女にも分からないらしく、何故かそうしなければいけない様な気になるという事だった。
 更に調査を進めると、その体はバグアと同じくあらゆる攻撃を減衰するフィールドを有し、彼女の手で扱われた武器はバグアのフォースフィールドを完全に無効化したのである。
 その事実に歓喜した研究者はその少女を【KV少女】と名付け、バグアと戦わせる事にした。
 中にはこんな年端もいかない(様に見える)少女に戦わせる事に異を唱える者もいたが、彼女自身も戦う事を望んだため実戦に出る事となる。

 初の実戦でKV少女は目覚ましい戦果を挙げた。
 だが、その戦いで敵の攻撃を受け続けたKV少女はやがて苦しげな表情を浮かべ、その姿を消してしまう。
 理由はもちろん誰にも分からなかった。
 そのため研究者達は新たなKV少女を召喚。
 新たに現れたKV少女は以前の子とそっくりであったが、本人に問うと別人だと言う。
 調べると姿はそっくりだが本当に別人だという事も分かった。

 新たなKV少女で調査を進めていたある日、KV少女の意外な弱点が判明する。
 その弱点とは‥‥パンツだった。
 あるスケベェな研究員が実験と称してKV少女のパンツを脱がしたところ、KV少女が忽然と消えてしまったのである。
 (余談であるが、その研究員はタイーホされて研究所を追放された)
 その後また新たに召喚したKV少女のパンツを脱がしても結果は同じ。
 そう、KV少女は身につけている精巧なパンツを脱がされると姿が消えてしまうのだ。
 自分で脱げば大丈夫だが、他人に脱がされるとダメらしい。
 そしてパンツを脱いだ状態だとあらゆる超常の力が失われてしまう事も分かった。

 そうして何人ものKV少女で実験を続けた結果

・あらゆる攻撃を減衰できる。
・バグアのフォースフィールドを無効化できる。
・召喚機を扱って呼び出した者に従う。
・呼び出す者によって姿が違う事がある。
・一定以上のダメージを負うと消えてしまう。
・自分以外の者がパンツを脱がすと(タイムラグはあるものの)消えてしまう。
・パンツを脱いだ状態では超常の力を発揮できない。

 以上の事が判明した。
 何故そうなるのかまでは謎であったが、バグアに対抗できる事は確かで、当時の研究者にとってはそれが分かれば十分であった。

 人類は次々とKV少女を召喚してバグアと戦わせた。
 KV少女達の力は絶大で、地球上の勢力図がどんどんと塗り変えられていった。

 その後、ジョン・ブレスト博士が召喚に成功し【エミタ】と名付けられた鉱石を使ってバグアのフォースフィールドを破る事のできる武器が開発された。
 これによりKV少女でなくともバグアと対抗できる様になったが、エミタが希少金属であったため戦争の主流はやはりKV少女のままだった。

 そして長い長い戦いの末、人類はバグアを宇宙に追い返し、地球に平和が戻った‥‥かに思えた。
 しかし人類は愚かであった。
 バグアから取り戻した土地と利権を巡って今度は人類同士で戦いを始めたのだ。
 その戦いでも最大の戦力として扱われたのがKV少女であった。
 人類を救うために召喚された少女達であったが、彼女達はマスターの望むとおり自分の同胞とも刃を交えたのである。

 そして今も尚、KV少女同士の戦闘は世界各地で行われている‥‥。





 この物語はフィクションです。
 このオープニングは架空の物であり、このシナリオの結果はCtsの世界観に影響を与えません。
 申し訳ございませんが相談期間中の拘束は通常通りに発生します。事前にご了承の上ご参加ください。

●参加者一覧

弓亜 石榴(ga0468
19歳・♀・GP
カルマ・シュタット(ga6302
24歳・♂・AA
旭(ga6764
26歳・♂・AA
キリル・シューキン(gb2765
20歳・♂・JG
諌山美雲(gb5758
21歳・♀・ER
グリフィス(gc5609
20歳・♂・JG

●リプレイ本文

●とある湖畔のログハウス

 ログハウスに住む旭(ga6764)はラボから逃げてきたビーストソウル型KV少女『サベージクロー(愛称サビー)』と共にKV少女を使った強盗団等の犯罪者と戦うフリーランスのPMSCsだったが、今はここで隠遁生活をしている身だった。
「マスター。少女連れがくる」
 スクール水着の上にセーラー服を着込んだ長い黒髪のKV少女サビーが不審者の来訪を告げる。
「少女? 物騒だね。ラボの関係者かな」
「分からない。でも、こんな所に少女連れ‥‥」
「何かある‥か。サビー、戦闘準備」
「了解。マスター」
「‥‥ねぇ。そのマスターっていうの、やめない?」
「了解。マスター」
「‥‥やっぱり、いいです」
 サビーのずれた返答に苦笑いを浮かべ、旭は来訪者を出迎えに向かった。

 グリフィス(gc5609)は元は軍人だったが戦いに明け暮れる生活が嫌で軍を抜け、相棒のシュテルン型KV少女『クリナーレ』と平穏に暮していた。
 しかし先日、独立傭兵から半ば強制的な依頼をされ、仕方なくここに住む旭達の始末にやってきていた。
 そう、偶然にも2人は共に戦いを忌避する者達だったのだ。
「戦いなんてしたくはないが‥‥だがやる以上は本気で!」
 しかし標的がどんな人物か知らされていないグリフィスは問答無用で小銃「ブラッディローズ」を相手のKV少女に放ち、クリナーレがヘビーガトリング砲を旭に叩き込む。
「やっぱり敵か!」
「マスターをやらせはしません!」
 旭は聖剣「デュランダル」の幅広い刀身で弾幕を防ぎ、サビーは散弾を受けながらもガウスガンと粒子砲で反撃。
「隊長!」
 クリナーレはグリフィスの前に飛び出してガウスガンをシールドガンで受け、粒子砲はその身で受け止めた。
 クリナーレは少し無口でクールな印象があるが‘マスターなら命を投げ打ってでも守る’という強い意志も持った子なのである。
「クリナーレ、相手をスイッチ」
「了解」
 クリナーレはグリフィスが旭を小銃「FEA−R7」で牽制している間にサビーに肉薄してゼピュロスブレードを一閃。サビーのセーラー服が斬られ、スクール水着が露になる。
 一見サビーの体にはダメージがない様だが、この次元に留める為のエネルギーフィールドは大きく減衰している。
「よくも‥‥」
 不意にサビーの怒りで小刻みに震える体に赤いラインが徐々に浮かんできた。
「よくもマスターに頂いたセーラー服を台無しにしたなっ!!」
 サビーはダメージが蓄積すると全身に赤いラインが浮かび上がり、苛烈な性格に変貌するのだ。
「そんなこけおどしに!」
 クリナーレがブレードを振りかぶった瞬間、サビーは剛装アクチュエータ『インベイジョン』Bを発動。
 高速機動で懐に潜り込むと腕にインプラントされた高分子レーザークローを起動し、クリナーレの胴を左右から挟み込むように薙ぎ払う。
「ゴホッ!」
 クリナーレの体がくの字に曲がり、手からゼピュロスブレードが零れ落ちる。
 サビーはそのままタックルし、高速機動で湖まで押し切り、クリナーレと共に湖に沈み込んだ。
(水に入ればこっちのものだっ!)
 サビーは『インベイジョン』Aを発動、眩く輝くレーザークローで袈裟切りにし、一文字に引き裂き、光の刃を腹部に突き立てる。
「カハッ!」
(トドメ!)
 クリナーレの口から苦鳴と共に空気が零れ、トドメの刃がクリナーレに迫る。
 しかし
(クリナーレ!)
 刃は2人を追って湖に飛び込んだグリフィスの体を引き裂いた。
(隊長ーー!)
(俺に構うな‥やれ!)
 グリフィスが苦痛に顔を歪ませながら目で訴える。
(了解!)
 クリナーレはPRMを知覚モードで全力起動。スナイパーレーザーVE−01でサビーの頭を撃ち抜いた。
「キャーー!!」
 サビーは頭を抱えて水面に急浮上。
「サビー!」
 駆けつけた旭が抱えて岸まで連れ上げた頃には既に透化が始まっていた。
「くっ‥‥君にもっと楽しい世界を見せてあげたかったのに‥‥ごめん」
「‥‥いいえ。マスターはラボしか知らなかった私に色々な世界を見せてくれました。その全てが楽しくて‥‥その全てが宝物です」
 サビーは旭に微笑みかけ
「マスターには感謝しています。本当に‥ありが‥」
 その言葉を最後にサビーの姿はセーラー服だけを残して完全に掻き消える。
「サビー‥‥」
 旭は残されたセーラー服をギュッと抱きしめた。

 クリナーレの肩を借りて湖から上がったグリフィスはその様子をじっと見ていた。
「すみません‥‥こちらも負けるわけにはいかないんです」
 そして旭から背を向け、クリナーレと共にその場を立ち去った。

 こうして戦いを忌避する2人の男の戦いは終わった。
 だがもし戦う前に2人が言葉を交わしていたら‥‥互いの境遇を知っていたら‥‥また違った結末があったかもしれない。






●雪降る廃墟

 バグア大戦時はロシア軍特殊部隊に配備されたキリル・シューキン(gb2765)は除隊後、世界各地の独立・革命運動を支援する戦争屋になった。
 そして今は欧州某国で内戦があり、その革命軍に参加していた。
(能力者は戦いの運命を背負った存在なのかもしれないな‥‥)
『こちらリーリャ。敵を捕捉しました、中尉』
 そんな事を思っていると、パートナーのS−01型KV少女『リーリャ』から無線が届く。
 リーリャは古参兵士であったキリルにずっと付き添い、共に死線潜り抜けた間柄だ。
 そのため今でも最終階級の『中尉』と呼び、今も共に戦い続けているのだが、本当はキリルと静かに暮らしたい思っていた。
 だが、未だにその事は口に出せていない。
(あれか‥‥)
 キリルが双眼鏡で確認すると、政府軍の対KV少女用スーツをピチピチに着込んだ黒髪の男と、同じスーツを着た長い黒髪の少女が見えた。
「よし、仕掛けるぞリーリャ」
『了解です。‥‥ですが自分と違って、中尉は替えがないのです。お願いですから無理をしないでください‥‥』
 リーリャがこんな気遣いをするのは除隊後のキリルはどこか死に急ぐ癖があるためだ。
「分かっている。だが替えがないのはリーリャも同じだ。無理はするな」
『‥‥はい』
 キリルがそう告げると無線機からやや嬉し気な声音が返ってきた。

「マスター、わざわざそんなピチピチな服を着なくても‥‥」
「大丈夫だ、問題ない」
 カルマ・シュタット(ga6302)は自身のシュテルン型KV少女『ウシンディ』の問い掛けに自信満々で答えた。
「でも‥‥」
「大丈夫だ、問題ない」
 ウシンディと同じサイズなので確かに窮屈だが、せっかく支給品という名目でペアルックが着れるのである。利用しない手はない。
 そう、この2人はパートナー以上、恋人未満という微妙な関係なのである。
「ウシンディはその‥俺とペアルックは、嫌か?」
「え? あの‥嫌じゃないです。その‥嬉しいです」
「そ、そうか‥‥」
「‥はい」
 なにやら照れくさい。
 そうして2人が少し良い雰囲気で歩いていると

 ――ドォン!

 不意に2人の横手で何かが爆発。
「グハッ!」
 吹き飛ばされた2人がが壁に叩きつけられた。
「マスター!」
 爆発でフィールドを削られたが体はかすり傷程度のウシンディはカルマを連れてすぐに身を隠す。
「‥なんだ? 何処から攻撃を受けた?」
「分かりません。たぶんトラップか何かだと思いますけど‥‥」
 それはキリルがグレネード弾で作った有線IED(即席爆破装置)だったが、2人にはそこまで分からない。
 そして今度は放物線を描いてグレネード弾が飛んで来た。
「チィ!」
 物陰から飛び出すと再び近くで有線IEDが爆発し、2人とも吹き飛ばされる。
「くそっ!」
「私が突貫します!」
 ウシンディはグレネード弾が飛んで来た方向に走りこみ、廃墟越しに巨大剣「シヴァ」を振るった。
 廃墟が切断されて吹き飛び、瓦礫と共にグレネードランチャーがバラバラになって飛び散ったが射手の姿はない。
 これも時限式に改造したグレネードランチャーによるトラップなのだ。
(これもトラップ? だったら敵の狙いは‥‥私達に隙を作る事!?)
 ウシンディがその事に気づいた直後、

 ――タァン

 1発の銃声が廃墟に響き渡った。
「ぐふっ!」
「‥え?」
 そして、ウシンディの目に胸を撃ち抜かれてゆっくりと倒れるカルマの姿が映った。
「マ、マスターーー!!」
 ウシンディが慌てて駆け寄ってカルマを抱き起こすと、その胸からはだくだくと血が溢れてくる。
「あ‥ああ‥‥」
 ウシンディは必死に手で胸を押さえたが血は止まらず、カルマの顔色が徐々に青白くなってゆく。
「死なないでマスター! 死んじゃダメーーー!!」
 ウシンディの瞳からボロボロと涙が零れ、カルマの顔を濡らす。
「ウシンディ‥‥そんな悲しそうな顔、するな‥‥」
 カルマは震える手を伸ばし、ウシンディの涙を拭うとそっと微笑んだ。
「マスタぁ〜‥‥」
 ウシンディがその手をギュッと握る。
 しかしカルマにはもう握り返す力が残っていない。
「今まで‥‥楽し、かった‥ま、た‥な‥‥」
 それが、カルマの最後の言葉となった。
「マスター! マスター! マスターー!!」
 ウシンディはカルマの胸に縋って絶叫し、何度も何度も大粒の涙を零す。

 リーリャがカルマを仕留めたスナイパーライフルD−02を構えて用心深くウシンディに近づく。
「‥‥お願いがあります。私のパンツを‥脱がしてください」
「‥‥分かりました」
 リーリャが願いを叶えると、ウシンディは再びカルマの側に跪く。
「私のマスターはアナタだけです。だから‥‥」
 ウシンディがそっとカルマと唇を合わせる。
 やがてウシンディの姿が薄れて消え、残されたカルマの死体には雪が積もり、全てが白く覆いつくされていった。

「任務完了しました」
「すまない‥‥お前には苦労をかけてばかりだな」
 全てを終えて戻ってきたリーリャをキリルが労う。
「いえ、中尉のためなら自分はどんな苦労も厭いません」
「‥‥そうか。では行くぞ」
「はい」
 そして2人は戦場を巡る。
 おそらく死が2人を分かつまで‥‥。





●とある戦場

「あれ、諌山さん? うわぁ〜久しぶりだね、元気にしてた?」
 弓亜 石榴(ga0468)は敵側に諌山美雲(gb5758)を見つけると軽い調子で声をかけた。
「ざ、石榴さん‥‥」
「誰なの美雲?」
 美雲のディアブロ型KV少女『みくもん』が不思議そうに尋ねる。
 みくもんは見た目、体型、性格、声、全てが美雲と瓜二つで、髪をポニーテールで纏めていた。
「昔‥色々あった人‥‥ホント‥色々‥‥」
 美雲が何かトラウマでも思い出したかのような、とてつもなく嫌そうな表情で答える。
「色々って?」
「(ピー)とか(バキューン)とか(パオーン)だよ」
「うわぁ〜‥‥」
 石榴の言葉にみくもんが顔を赤らめる。
「諌山さんが心の奥に秘めていた願望を私が叶えてあげたんだよ」
「違います! アレはぜーーんぶ石榴さんの願望で、私は単なる被害者です!」
 美雲が怒鳴ると石榴のシュテルン型KV少女『愛子』も相槌を打つ。
「なんで愛子ちゃんまで頷いてるの?」
「私も被害者の一人だからよ」
「えぇー愛子ちゃんも喜んでたじゃない」
「1mmも喜んでないわよ!!」
「愛子ちゃんって相変わらずツンデレだね」
「誰がツンデレよ。私はホントに‥」
「ともかく!!」
 美雲が大声を上げて話を遮る。
「飛んで火に入る夏の虫です。積年の恨みも込めて叩きのめしてあげます!」
「えーー止めようよ。私、両方助かる方法考えちゃったんだ。諌山さんもその子が消えるのを見たくないでしょ?」
「問答無用です! やっちゃえみくもん!」
「うん!」
 美雲は石榴の提案を蹴り、みくもんがスナイパーレーザーを放つ。
「仕方ない。愛子ちゃん、あの子を足止めして」
「私もできれば向こうに加勢したいんだけど‥‥」
「ひどっ! そんなこと言わずに協力してよー!」
「こら! 抱きつくんじゃないわよ」
「協力してくんないと脱がしちゃうよー」
「分かったわよ! 足止めすればいいのね」
「うん、兎に角時間稼ぎをお願い」
「はぁ‥‥」
 愛子はグレネードランチャーをみくもんの周囲に放って土煙を巻き上げ、更にH−01煙幕銃で煙幕も張る。
「見えなくったて気配を探れば‥‥」
 みくもんが周囲に意識を集中する。
「そこだー!」
 そして捉えた気配にプラズマリボルバーを連射。
「キャーー!! みくもんストップ! 私よ私!!」
「え、美雲なの? もー危ないじゃない」
「それはこっちセリフよ‥‥」
 危うくみくもんの天然ドジっ娘で殺されかける美雲だった。
 2人が煙に翻弄されている隙に石榴が美雲に迫る。
 だが、煙の中にはみくもんしかいない。
「あれ?」
「覚悟ー!」
 煙を逆利用して石榴の後ろに回り込んだ美雲が知覚刀の乙女桜を振りかざして迫る。
 しかし煙に紛れていた瓦礫で脛を殴打。
「アウチッー!」
 涙が滲む程の痛みで絶叫し、バランスを崩した美雲の体が前方にダイブ。
「わわわっ!」
 倒れまいと必死に何かにしがみついたが、その何かは美雲の体重を支えきれずにズルリと下がり、美雲は顔面を地面にぶつけた。
「いたた‥‥」
 身を起こすと、その手には何故かホットパンツが‥‥。
「え?」
「諌山さんって大胆だね。ぽっ」
 パンツ丸出しにした石榴がわざとらしく頬を染める。
「わーー!! 違うんです! これは単なる事故で! 全ては私のドジっ娘のなせる業というか‥‥」
 美雲が顔を真っ赤にして慌てふためく。
「隙ありー!」
 その隙に石榴が美雲が襲い掛かった。
「しまった!」
「ククク‥女の子は絶対私の寝技からは逃げられない!」
 自信満々にダメダメな事を誇る石榴が押さえ込みに入る。
「ま、負けません!」
 だが美雲もくすぐり技で対抗。
「あはははっ! そ、そっちがその気なら」
「え? ぁ‥そこ‥ダメです。そこは敏感で‥‥」
「フフフ‥諌山さんの弱い所は全部知ってるもんねー♪」
 弱点(?)を突かれて力の抜けた美雲は石榴に崩れ上四方固めで押さえ込まれた。
「さぁ! 降参して自分からぱんつを脱がないと、ご主人様が素敵な地雷の犠牲者になっちゃうぞ」
「じ、地雷‥‥」
「えぇーー!?」
「最低だわ、この人‥‥」
 美雲とみくもんが顔を赤らめ、愛子が思いっきり呆れる。
「じゃあ、美雲も脱ぐなら脱ぐ」
「えぇーー!! なんでっ!?」
「だって私だけ脱ぐのは不公平だもん」
「それじゃ地雷踏むのと変わモガッ」
 石榴が自身のバストで美雲の口を押さえ込む。
「OKOK♪ じゃ、脱がせるねー♪」
(イヤーァーーー!!!)
 そして美雲のパンツが奪われた。

「スースーする‥‥」
「うぅ‥‥まさかこんな方法でパンツ狙いに来るとは‥‥。相手が石榴さんだって事を忘れてた‥‥」
 美雲とみくもんは居心地が悪そうだ。
「じゃ、今から四人でハンバーガー食べに行こう! KV二人はのーぱんでね!」
「なんで私まで脱がなきゃいけないのよ!」
 愛子はもちろん突っぱねたが、ハンバーガーは4人で美味しくいただき、ここでの戦闘は平和的(?)に終了した。