タイトル:バニーなおっさんマスター:左月一車

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/07/07 15:00

●オープニング本文


 某所にあるキメラプラント。
 そこでは新型キメラを開発、あるいは量産する為に、バグアの研究者が数多く詰めている。
 その中の一室で、新型キメラに関しての議論が繰り広げられていた。

「やはり、キメラの外観は人類の恐怖心に訴えかけるような威圧的なものが良いでしょうな」
「しかし神話だの何だのを研究するよりは、肉食動物を参考とした方が良いのでは?」
「人類は地球上の食物連鎖の頂点に位置している以上、肉食動物に恐怖を覚えるとは思えないな」

 喧々囂々。
 人類にとってバグアの精神構造が理解不能であるのに対し、バグアにとっても人類の精神構造は未だ研究段階にある。
 幾つかの研究データはあるものの、人類が本能的に恐怖を感じる対象を作りだす事は未だ出来ずに居た。
 
「そういえば、あいつが人間をヨリシロにしたと聞いたが、その記憶から恐ろしいと思うモノをデザインするというのはどうだろうか?」
「特定個人のトラウマ的な恐怖を利用するという訳ですか‥‥確かゴキブリと呼ばれる生物を素体にしたキメラもそういった類のものでしたね」

 そうして、1人の人間の記憶から新たなキメラが生み出され、その試作キメラは街に放たれた。


 ソレを目にした街の住人は表情を恐怖に染めながら、慌てて荷物を担ぎ逃げ出していく。
 迎撃に現れたUPC軍も、一様の表情を浮かべ、応戦する。
「あんなのに殺されたくは無いな」
「ああ、絶対に」
 そう言葉を交わしながら応戦するUPC軍。
 戦意が非常に低いのか大きな被害を受ける前に後退し、人員の損失はゼロであった。

 街に放った偵察ユニットから情報を受け取ったキメラプラントの研究員は効果を有する事を確認し、量産手続きに入る。
「しかし、何故人類はこれほどまでにおびえる、あるいは戦意が低いのでしょうか?」
「おそらくだが宗教上の理由、あるいは文化的な理由が考えられる。‥‥それは今後の研究課題だな」


 そんな会話が繰り返され、試作段階を経て量産されたキメラの群れが街を襲撃する事となる。
 そのキメラは身長3mという巨体を除けば、頭から上はごく普通のおっさんであった。
 しかし、ハイレグでエナメル質な光を宿す胸元を大きく開いた衣服。すね毛を覆う網タイツ。極め付けに頭にうさみみ。
 そう、俗に言うバニーの格好をした巨人‥‥メタボおっさん10体が街を襲撃したのだ。
 すぐさまULTへと傭兵派遣の要請が出される事となったが、報告を受けたオペレーターは「バグアは何を考えてるんだ」と思いつつ、あくまで事務的に依頼書を作成に取り掛かった。

●参加者一覧

クラリッサ・メディスン(ga0853
27歳・♀・ER
時任 絃也(ga0983
27歳・♂・FC
ウォンサマー淳平(ga4736
23歳・♂・BM
時枝・悠(ga8810
19歳・♀・AA
蓮角(ga9810
21歳・♂・AA
ジングルス・メル(gb1062
31歳・♂・GP
鳳覚羅(gb3095
20歳・♂・AA
夢姫(gb5094
19歳・♀・PN

●リプレイ本文

「うさうさ」
「うさうさ」
「ばにー!」
 依頼を受けた能力者が目にした光景とは概ねこのようなものであった。
 身長3m近いバーコードヘッドのバニー服に身を包んだおっさん10人が目に付く物は敵とばかりにその拳とピンヒールキックで破壊していく光景。
 しかもおっさんズは何故か爽やかな笑顔。

「‥‥実際目の当たりにすると、何かこう、言葉では表現できない感情が湧き上がってきますね」
 蓮角(ga9810)が遠目に目標のキメラを視認して呟く。その顔は半ば引きつっていた。
「バニガは可愛いおにゃのこがするもんだ!」
「お姉さんバニー‥‥それはそれで困るな」
 ジングルス・メル(gb1062)の言葉に、脳内にお姉さんなバニーを想像したウォンサマー淳平(ga4736)が頭を振る。
「‥‥やはり、バグアとは相容れないようだ。いろんな意味で」
 全長3.2mにも及ぶ巨大な斧を携えた時枝・悠(ga8810)が、バニーおっさんを直視しつつ呟く。
「相手が何者であれ‥‥過小評価はしない‥‥が、ごめん帰っていい?」
 彼女と同様、巨大な斧を構える鳳覚羅(gb3095)。戦闘時常に笑みを浮かべる彼も、その笑顔が若干引きつっている。
「しかし敵は何をどう解釈してアレを作ったんだ? 理解に苦しむ」
 時任 絃也(ga0983)が首を振る。
「正直に言って、あのようなキメラは存在することすら、とびっきりの罪悪であり、犯罪と公害ですわ。速やかに片付けないといけませんわね」
 白衣を纏うクラリッサ・メディスン(ga0853)は汚いものでも見るかのような視線を向けている。
 まぁ、外見からしてアレな為、正しいといえば正しい反応ではある。
 戦慄を隠せない能力者達の中で、唯一平然とした顔をしている者が一名居た。
 その名は夢姫(gb5094)。
「しょっちゅう変態キメラに出くわすから‥‥変態キメラが現れても、慣れちゃってる自分が怖いなぁ」
 そんな事を呟く彼女。変態に出くわすのはそういう依頼を受けているからだという突っ込みはあえてしない方がいいだろう。

 目視できる範囲にいるおっさんは10体。
 総数10体である以上、この地区に全て居るようだ。破壊活動の効率から見れば、一撃一撃の威力は相当なモノだ。
 外見こそアレではあるが、単純な戦闘力は並のキメラを上回っている。
 傭兵達の取った戦術は、8人を二班に分けての挟み撃ちである。前後からの挟撃により、殲滅を図るオーソドックスなものだ。 
「叩いて潰す。こんなモノは存在すべきじゃない」
 そう言って、時枝がベオウルフを構え、おっさんの一人に向けソニックブームを放つ。
 地を奔る衝撃波がおっさんに迫るが、軽く側面にステップを踏み、その攻撃を事も無げにかわす。
「うさうさ」
「とりあえず鳴くな、猫獣人の俺だってそんなことしないから」
 覚醒による変化で紺の毛並みを持つ猫獣人の姿となった淳平が、回避したおっさんに対し巨大な紅の刃を持つ槍斧を側面から叩き込む。 
 ステップ直後で反応が遅れたのか、その刃がおっさんのメタボリックな脂肪を斬り裂く。
「ばーにー」
 その淳平に残るおっさん9体が反応、手近な位置にいたおっさんが脂肪を揺らしながら跳躍。ビルの壁面を蹴りつけ、その反動で淳平に向けピンヒールキックを叩き込んだ。
 いわゆる三角飛びを応用した攻撃である。
 奇襲に等しい攻撃。
 咄嗟に防御を試みる淳平だが、間に合わない事を悟り、獣の皮膚を発動。
 強い衝撃。ピンヒールが肉に食い込み、血がしぶき、彼の紺色の毛を朱に染める。
 更におっさんの追撃が行われようとした瞬間、光が奔った。
 エネルギーガンから放たれた光弾がおっさんの肉を焼く。攻撃を放ったのはクラリッサだ。
 同時に彼女と同じ班に所属する絃也が、走りダメージを負った一体の死角にステップで回り込むと爪による一撃を叩き込む。
 ニ方向からの強襲に、おっさん達が僅かに混乱する。表情そのものは爽やかな笑顔ゆえ分かりにくいが、動きに僅かな停滞が生じた為だ。
 戦いなれた能力者であるからこそ分かる好機。
 その隙を突き、肉薄した鳳がベオウルフを下方から逆袈裟に振り上げた。斬撃の軌道は脚の肉を切り飛ばし、返す刀が肩口から袈裟に食い込む。
 だが、その攻撃は同時に能力者側へ甚大な被害をもらたした。主に精神的な面で。

 ぽろり

 そうした擬音が相応しいだろうか。
 袈裟に振るわれた斬撃はおっさんが身に着けるバニー服をも両断していた。
 その結果がどうなるかというと、前面部がたらりと下がり、そしてその重量に負けて後部がすとんと落ちる。
 全てが白日の下にさらされる結果となったのだ。
 まぁ、うさみみと編みタイツ、ハイヒールは無事だが、よりハイグレートなおっさんへと進化した形だ。

 その瞬間を目にした傭兵達に衝撃が走る。
「見苦しいものなど見せないで下さいまし!」
 クラリッサが反射的にエネルギーガンを股間狙って発射。
 だが、おっさんはその攻撃を見切る。回避の為のステップをそのまま攻撃の予備動作として、蓮角に回し蹴りを放った。
 剣客としてそれなりに名を馳せる蓮角はその攻撃をバックステップで回避するが、反動でペンデュラムの如く振り回されるソレが視界一杯に広がる。
「ぐあっ!?」
 肉体的ダメージではなく精神面のダメージに悲鳴を上げる蓮角。
「‥‥うげ。タバコ、マズくなりそ」
 咥えていたタバコをポロリと落とし、ジングルスが最も危険なグレートおっさんに対し、瞬天足で迫り純白の爪。エーデルワイスを背後から叩き込む。
 ちなみにエーデルワイスは「尊い思い出」の花言葉を持つが、この戦いは「忘れたい思い出」になるだろうか。
 爪を振るうと同時におっさんの前面へ流れるように移動、揺れる振り子を狙い、爪とは逆の手に携えたトリガーを引く。
 放たれた弾丸はおっさんの振り子を貫く。
 その光景に男性陣は一様に顔をしかめるが、おっさんは何事もないかのように行動を続ける。振り子の脅威は消えたが、ダメージそのものはたいした物ではないようだ。
 夢姫は集中攻撃で満身創痍となったグレートおっさんを狙い機械剣「莫邪宝剣」を振るう。
 柄から伸びたレーザー刃がおっさんを貫いた。
「うさ‥‥う‥‥さ」
 断末魔の声をあげ、グレートおっさんはその動きを止める。  

 しかし、おっさんはようやく1体を仕留めただけだ。
 基本的に1体への集中攻撃により仕留める方針を採っているが、おっさんの方が数が多い。挟撃で混乱しているとはいえ、目に付く相手を狙った攻撃は一撃一撃が重く、まともに食らうとかなりのダメージを受ける。
 おまけにメタボリックな脂肪は衝撃吸収力、ダメージ吸収力に優れ耐久性も尋常ではない。
「攻撃は慎重にやらないといけないな」
 振り子アタックを思い出し、慌ててその光景を脳内から消し去った時枝が呟く。
 下手ば攻撃グレートな姿にクラスチェンジする事を意味するからだ。特に危険なのは斬撃系。
 おっさん1体を相手に時枝は攻撃の機会をうかがう。当初は胴体を狙っていたが、先の攻撃で危険な事が判明している。
 一瞬の隙を突き時枝が流し斬りを発動。
 おっさんの側面へ流れるように移動し、ベオウルフの斬撃を頭部に叩き込む。
 頭部は生物にとって重要な器官が多数揃い、弱点と呼べる部位である。それはキメラも同様でスライムなど不定形生物や植物系キメラなど特殊な例外を除き、大抵のキメラは頭部に脳という最重要な器官を備えている。
 それはこのおっさんも同じ事だった。
 全身全霊の力をこめた一撃はおっさんの頭部を捉え、フォースフィールドをたやすく貫通した斬撃はおっさんの頭蓋を砕く。
 詳しく描写するとスプラッタになるので割愛するが、時枝は素早く後方にステップし、噴出した返り血を浴びる事無く次の目標へと向かう。

 精神ダメージから立ち直った蓮角が風火輪を用いた蹴撃をおっさんのパンチを回避ざまに放つ。
 彼は同時に3体の相手をしていた。別段そうしようと思った訳ではなく、気づいたら3体から攻撃を受けていただけなのだが。
 繰り返される攻撃の僅かな隙を見切っての攻撃は、確実なダメージになってはいるが、一撃一撃が軽い。
「こんな間違った物はさっさと倒すっ!」
「ばにーっ!?」
 蓮角を攻撃するおっさんの背後から、淳平がインサージェントの斧刃を叩き込む。紅蓮衝撃を発動したその一撃はおっさんの背骨を叩き折った。
 背骨も動物にとっては急所になる。
 それはキメラというかおっさんも一緒だった。淳平の一撃に断末魔をあげくずおれるおっさん。 
「‥‥あの鳴き声はきっついですねぇ」
 苦笑する蓮角。
 そう言いながらも蛍火の鯉口を切り、抜刀。
「はぁっ!」
 気合の声と共に豪破斬撃を発動、振った刀は慣れぬものには軌跡すら見切る事かなわず、一拍遅れておっさんの体から血が飛沫く。
 更に絃也が追撃としてペルシュロンによる蹴りを放つ。
 片手を軸に体を旋回。遠心力で威力を増した踵がおっさんの太股に肉を激しく打ち付ける衝撃音を立てながら炸裂。足という部位は脂肪が付きにくい。
 衝撃を吸収しきれない肉が弾け、ペルシュロンを朱に染める。
 脚という体重を支える部位に大ダメージを受けたおっさんは僅かに姿勢を崩す。その隙を見逃さず、絃也は立ち上がる勢いをそのまま利用し、爪を振るった。
 おっさんは体勢を崩しながらもその攻撃を身を沈める事で辛くもかわし、反撃を行う。
 空気を裂いて迫る拳。
 絃也はそれを両手をクロスさせる事で受け止めると同時に後方への跳躍を行う事で衝撃を逃がす。しかし、衝撃に体が大きく弾き飛ばされる。
 壁面に叩きつけられる前に、足を大地へと接する事でブレーキとする。コンクリートに靴底のゴムが溶けた黒い跡が残る。
「さすがに強敵の様だ、全力で相手をせねばやられるかねんな」
 更に、一体を撃破した時枝が戦線に加わる。

「これで1体っ!」
 跳躍したジングルスがおっさんの額に銃口を定め引き金を引く。
 火薬の炸裂音とほぼ同時に額を貫いた銃弾がおっさんの後頭部から飛び出す。くずおれるオッサンの頭を踏み台にジングルスは更に跳躍し、次の相手に狙いを定める。
 そのジングルスに向け、一体のおっさんが砲弾の如き勢いで跳躍。
 空中で拳を振るい、ジングルスの体を弾き飛ばす。
「うおっ!?」
 手近な街灯を片手で掴み、慣性を街灯を軸とした円運動で逆に肉薄する勢いへと変えたジングルスは自身を攻撃したオッサンにむけて、その爪を振るう。
 それを両手でガードするおっさん。
 勢いそのままにその場を離れるジングルスを追撃しようとしたおっさんに対し、クラリッサがエネルギーガンを発射する。
 援護に回るクラリッサは時に味方の傷を癒し、時に味方の武器の威力を引き上げ、更に援護射撃による支援を飛ばしている。
「治療は?」
「いらねぇ!」
 クラリッサの問いかけに手早く応えるジングルス。その合間に走りこんだ鳳がベオウルフを振るった。
 鉄塊の如き大斧はその威圧感にふさわしい破壊力を備えている。余りに重く重量も凄まじいモノがあるが。
「‥‥見苦しすぎる‥‥仕事とはいえ‥‥余り近づきたくないんだけど」
 苦笑しつつ振るった大斧は適確におっさんの体を捉えその肉を弾き飛ばしていく。
 振るった斧の勢いを利用して旋回し、遠心力で威力を増した一撃を叩き込む。先ほどの失敗を考慮して服を破損しないよう狙いは慎重にだが。
 頭部を狙った一撃を身をかがめる事でかわしたおっさんは素早く鳳に接近し、拳打を打ち込む。
 素早く繰り出される拳打は一撃の威力を重視したものではないが、高速で連続して繰り出される。
 それを腕で捌く鳳だが、一撃を貰い体勢を崩す。
「‥‥くっ!?」
 おっさんがその瞬間大きく背を回し、腰の回転を利用した拳を放とうとする。教科書に載っているようなストレートパンチ。
 人間であれば長年の修練を要するような動きもキメラなら本能としてプログラミングする事が可能だ。
 それはエミタAIによる戦闘補助を受ける覚醒中の能力者にも同じ事が言えるのだが。
 おっさんのストレートパンチが放たれようとした瞬間、その腕が宙を舞った。背後に迫った夢姫の光剣の一撃だ。
「大丈夫ですか?」
「ああ、感謝するよ」
 鳳の窮地を救った夢姫はそのままおっさんに立ち向かう。
 片腕となったおっさんだが、レーザーによる斬撃は傷口を焼く事になるため、腕を失った事による大量の失血は生じていない。
 だが、腕を失った為かバランスを上手く取れないでいるようで、動きに先ほどまでのキレがなくなっていた。
 夢姫を狙った一撃を、ザフキエルの盾で難なく受け流し、ニ連撃を放った。
 素早く振るわれた二度の斬撃は常人の目で捉える事は難しいだろう。一度目に振るわれた斬撃はおっさんの脚に食い込み、二度目に振るわれた刃が逆の脚を斬り裂く。
 両の脚に受けたダメージに倒れるおっさんに対し、夢姫はその首筋に向けてトドメとなる攻撃を行う。
 素早く振るわれた光剣の軌跡が倒れるおっさんの首に吸い込まれる。
 爽やかな笑顔が宙を舞っていった。

 能力者とバニーおっさんキメラの壮絶なる死闘は能力者の勝利で幕を閉じた。
 しかし、影でその光景を偵察していた小型の機械の存在に能力者は気づく事は無かった。
 その機械は一通りの撮影とデータ採取を終えると、宙に浮き急加速し、誰に気づかれる事もなく去っていった。

「ふむ‥‥戦闘能力そのものは量産型でも問題は無いか、相手にベテランが多かったようだからさしたる戦果は上げられなかったが」
「記録映像を見る限りでは、この瞬間に傭兵達に顕著な反応が生じています」
 異形の研究員が映像記録を1点で止める。
 それは、衣服を切り裂かれペンデュラムの存在が露にされた瞬間であった。
「ふむ、これは防護服にダメージを負った瞬間ですね‥‥服装そのものも信仰上の問題なのかどうかはまだ研究段階ではあり、影響の度合いは不明ですが、この形態の方がより脅威度は高いと見ていいでしょうな」
「しかし、この形態では防御能力に問題が出るな」
 机を囲み、記録映像を見ながら討議を続けるバグアのキメラ研究者達。
「少なくとも、人型キメラとしては成功の部類に属すると認定して問題ないでしょうね」
「そうだな、対人類兵器としての評価は高いものと考えていいだろう。能力者相手でも充分に通用するようだしな、本格的な量産体勢を上層部に打診するとしよう」
「これを更に巨大化し、対KV用を試作してみるというのはどうでしょうか?」
「‥‥対KVキメラか、あれも数が少ないからな。人型であれば武装を施す事も可能か、検討してみる価値は充分にあるだろう」