タイトル:冴木の戦闘訓練マスター:左月一車

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/03/30 19:10

●オープニング本文


「バレンタイン中止のお知らせ」が発表され、ラストホープが騒然とした雰囲気に包まれる中、冴木 玲はいつもの日課をこなすべく地下の訓練場を訪れていた。
 普段は訓練に勤しむ能力者が大勢居り、お互いの技を切磋琢磨するその場も今は比較的閑散としている。
 一部、バレンタイン中止派が気勢を上げて、激しい訓練を繰り広げている区画もあるが、冴木はあえて見なかった事にした。
 
  非覚醒のまま一通りの型を終え、愛用の刀を鞘へと納める。
 覚醒さえすれば、基本的な武器の扱いは半ばエミタAIが自動的に制御してくれる。長期間の修練が必要な刀などの武装に限らず、武器を触った事の無い一般人でも簡単に武器を扱えるようになるのはこの為だ。
 とはいえ、非覚醒状態で鍛錬する事に意味が無いとは言えない。
 エミタAIのサポートはあくまで基礎的な部分、更に刀は無数の流派により様々な技が現代にも継承されている。それらの技は個人で習得するもので、そうした技にエミタAIのサポートは無いも同然だ。
 
「いつも精が出ますね」
 浮いた汗をタオルで拭い、シャワーでも浴びるかなと思ったその時、横手から声をかけられた。
 振り向くとそこには、顔見知りのUPC軍所属の士官が立っていた。
「貴方も訓練に?」
「そんな所です、今日は非番ですが‥‥まぁ訓練でもした方が生存率は少しでも上がりますからね。バレンタインとかは関係有りませんよ?」
「‥‥そうね」
 バレンタインの言葉に、一瞬冴木は硬直する。興味が無い風を装いながら、剣術一筋●●年=恋人いない暦の冴木にとっては、クリスマスとバレンタインは鬼門とも言うべき時期である。
「それよりも、最近は一人で訓練している事が多いようですが、良ければ新人向けの訓練の指導教官役をやりませんか?」
「新人向けというと、以前のKV訓練のようなものかしら?」
「今回は生身向けですよ、最近ではフェンサーという新クラスも丁度出た事ですしね」

●参加者一覧

九条・命(ga0148
22歳・♂・PN
鳴神 伊織(ga0421
22歳・♀・AA
須佐 武流(ga1461
20歳・♂・PN
井出 一真(ga6977
22歳・♂・AA
榊 刑部(ga7524
20歳・♂・AA
美崎 瑠璃(gb0339
16歳・♀・ER
楓姫(gb0349
16歳・♀・AA
沖田 神楽(gb4254
16歳・♀・FC

●リプレイ本文

●訓練開始
 訓練に参加する傭兵は、冴木 玲を含め総計9名。
 傭兵たちの提案により、チームを3つに分けて各チームによる対戦形式を採用する事となった。
 それなりの広さを備えた訓練場に向かい合う6名の傭兵。残り3名は壁際での見物だ。
 屋内の訓練場だが実戦を想定しているのか、所々に身を隠すような樹木を模したオブジェがあり、地面には土が敷き詰められている。
 見物と言ってもただ見ている訳ではない、見ているだけでも相手の技を盗み、ある程度は己の力を高める事はできるため視線は真剣だ。

●AチームvsBチーム
 Aチームのメンバーは、井出 一真(ga6977)、榊 刑部(ga7524)、須佐 武流(ga1461)。
 対するBチームは、鳴神 伊織(ga0421)、楓姫(gb0349)、九条・命(ga0148)。
「思い返せば一年半過ぎか‥‥そろそろ新人ではないな。だが今日は初心に帰ってだ、よろしく頼む」
「本当は‥‥軍曹と戦ってみたかったが、それだけでは訓練にならんからな。こちらこそ、よろしくだ」
 九条の挨拶に須佐は言葉を返す。
 Aチーム、Bチームともに戦術としては、豊富な実戦経験を持った須佐、鳴神を攻撃の基点として扱うものだ。もっとも、須佐が高い機動力をウリにしているのに対し、鳴神は一撃必殺を得意としている。
 両者共に傭兵の中では10指に入る程の実力を誇るベテランである。
 両チームの間に張り詰める緊張感、それを開放したのは冴木が上方に向けた銃から放たれる空砲の音だ。

「それでは参ります‥‥!」
 その音にいち早く反応し先手を取ったのは鳴神だ。藍色の衣を翻し、両の手に携えた刀をBチーム最大の敵である須佐へと振り下ろす。
 楓姫の方へ移動しようとしていた須佐は一瞬の虚を衝かれた形になる。
 刃引き、非SES搭載の訓練用の刀とはいえ、鳴神の放った一撃は重い。防具で吸収しきれなかったダメージが須佐を襲い、鳴神が振り切った刀が瞬時に切り返される。その動きに半ば無意識に反応した須佐の体が刀の描く軌跡に合わせるように、自身が手にした長大な刀を盾とし追撃を阻む。それを見越し、瞬時に手元に引き戻した刀を突き入れるのを体捌きで回避する。
「さて、新しい戦い方を試してみるか」
 須佐と鳴神の攻防を横に、片手爪と拳銃を手にした九条が榊へと片手の爪を振り下ろす。
 当初の策が崩れた事に軽く眉をしかめつつ、榊がその攻撃を刀で受け止める。単純な実戦経験の数で言えば、九条も相当な実力者だ。少なくともその攻撃から己より格上と感じた榊だが、簡単に攻撃を受け止める事が出来た事に不審を感じる。
 九条の攻撃は確かに鋭く、手加減をしている様子は無い。
 一方、井出と楓姫は双方決定打を欠く状態にあった。
「やりにくいな」
 楓姫は相手の武器を強打して体制を崩す事を狙っていたが、そうした渾身の一撃を井出は盾で軽く受け止め、逆に反撃として刀を振り下ろす。
 その斬撃を後方に跳躍して回避、逆の手に握ったソードオフショットガンのトリガーを引く。
 炸裂する散弾は回避こそ難しいものの、井出は急所を盾や防具を巧みに使い、致命傷と判定される事を防ぐ。
 ちなみに覚醒状態にある能力者にとって、非SESの銃から放たれる銃弾はちょっと痛い程度のものなので、散弾は本物を使用している。
 九条を相手に数度の応酬を続けるうちに榊は違和感の正体に気づく。
(「注意が私より、むしろ井出さんに向いている?」)
 攻撃を受け流しつつ観察すれば、左手の拳銃を向けられる事はあれど放たれる事は無い。そこで一計を案じる。
 相手に気づかれないよう注意深く、わざと井出と自身の位置を直線上になるように移動。
 刹那、九条が拳銃のトリガーにかけた指に力を込める。
 狙いは己ではなく射線上の井出だ。トリガーが完全に引かれるより早く、榊が手にした刀の柄で拳銃を打ち払う。衝撃に振れた銃があらぬ方向へと弾丸を放つ。
「‥‥読まれたか」
 苦笑しつつ、九条は榊に正面から挑む事とした。

 AチームとBチームの戦いは、結果的にBチームの勝利に終わる。
 原因は、ベテランである須佐と鳴神の戦闘において、鳴神が勝利した事だ。3vs3において1人倒れると言うことは1人がフリーになる事を示す。
 意識の外からの攻撃は対処が難しい。須佐に続き、榊が致命傷を受けたと言う判定を下される。
 井出は盾を巧みに使い何とか対抗を続けたが、やはり多勢に無勢だった。

●BチームvsCチーム
 続けて行われるのはBチーム対Cチームだ。
 Cチームは冴木を筆頭に、美崎 瑠璃(gb0339)、沖田 神楽(gb4254)の両名が参加している。二人とも実戦経験は少ないものの、それなりには戦える。
「この前初めてキメラとの実戦を体験したけど‥‥修行不足を少し痛感ー。ま、この前まで一般人だったから仕方ないかもしれないけど」
「楽しみだな‥‥強い人と戦うのって」
 単純に己の実力を高めようという美崎に対し、沖田は少しわくわくとしている。訓練である事は承知しているが、能力者になる前は本気で戦える相手にめぐり合えなかった為に、初めて本気を出せそうな事に対する楽しみの気持ちの方が大きい。
 対するBチームも冴木との対戦を楽しみに思っていた人間も多い。
 特に、冴木と訓練できる良い機会として参加した楓姫はその思いも強い。

 開始の合図が鳴ると同時、最初に動いたのは冴木だった。
 地を踏むと同時、一瞬で間合いを積める。
 彼女が狙ったのは鳴神だ。
 手にした刀を閃光の如く振り抜く。
 金属と金属がぶつかりあう甲高い音が響く、鳴神が半ば反射的にかざした刀と冴木の刀が噛み合う音だ。
 剣閃が連続して奔り、軽快な金属音と共にお互いの体がダンスのように揺れる。
 円を描くように振るう斬撃はターン、回避の動きはステップ。
 お互い一歩の譲り合いも見せず、決定打を得られない状態。
「凄い太刀筋だ‥‥流石にそれだけの修練をしてきただけのことはあるな」
 半ば呆気に取られたように呟く沖田。
 その彼女の足元で散弾が弾ける。
「スキ有りだ」
 慌てて回避する沖田の先に置く様に散弾で彼女の動きを封じ、楓姫が抜刀。
 その動きに沖田も反応する。楓姫の動きに合わせるように一歩を踏み込み、その脚を軸として大きく体を旋回させる。その旋回は遠心力という力となり、腕の先。自身の刀へと力を伝達する。
 楓姫もその動きを予測していたかのように、身を沈める事で回避。
 回避された事を視界に捉えつつ、沖田は更に身を回転させる事で2連続の斬撃を叩き込む。
「‥‥ちっ」
 軽く舌打ちを響かせ、楓姫が刀身に掌を沿え、その斬撃を受け止める。遠心力を加えた一撃に体が押し返される。
 その動きに逆らう事無く、楓姫は後ろに軽くステップ。
 それを追うように飛び込んだ沖田へ、楓姫は牽制の銃撃を叩き込む。
 沖田は散弾の雨を掻い潜り、一足飛びに間合いへと飛び込むと手にした刀を振るう。鋭く迫る銀光、それを己の刀で弾く。
 数合に渡る互いの斬撃の応酬。
「こういう喧嘩も‥‥悪くはない‥‥」
 沖田の斬撃を弾きながら、楓姫は手にしたソードオフショットガンを放りすてると、懐から機械剣を引き抜く。
 逆手に構えた柄から光刃が一閃し、沖田の体を捉える。

「負けて得るものもあるっ!」
 そう告げて、美崎は九条の懐へと思い切り良く飛び込む。
 手にした訓練用の剣を全力を持って振るう。
 その斬撃を片手のクローで受け流しつつ、九条は冴木の隙を伺う。九条と美崎では大きな実力差がある、ある程度気を逸らしても対応できる程度には。

 当初は互角の打ち合いを続ける冴木と鳴神だったが、徐々に鳴神の攻撃の回数が減り、逆に防御が増えつつある。
 押され始めているのだ。
 美崎の攻撃の一瞬の隙を突き、九条の手にした拳銃から弾丸が放たれる。
 銃弾は狙い過たず、鳴神との勝負を繰り広げる冴木を捉える。
「‥‥これはやられたわね」
 苦笑しながら冴木は手にした刀を鞘に収める。目前の戦闘に集中しすぎて周辺の気配りが遅れたせいだ。
 
 冴木が抜ければ、勝負がつくのは一瞬だ。
 一人奮闘する美崎も、目前の九条の一撃をいなすことが出来ず、戦闘不能の判定となる。
「負けちゃったわね。まだまだって事か」
「ごめん」
 うな垂れる美崎の頭を軽く撫で、冴木が苦笑する。

●AチームvsCチーム
「次は負けないっ」
「そうだな」
 気合を入れる美崎と沖田。

「集団戦の基本は、倒しやすい奴から倒すのがセオリー‥‥ってな」
 試合開始の合図と同時に、須佐がグラップラーの身上とも言えるスキル、瞬天速を発動。
 残像すら残す勢いで沖田に蹴りを入れる。
「わっ!?」
 グラップラーの動きを警戒していた沖田だが、予想を上回る速度に慌てて後方に跳躍して回避。
 須佐はその動きを見届けると同時に、次は美崎へと攻撃を繰り出す。戦場を縦横無尽に駆け一人で二人を足止めし、その間に冴木を二人で攻撃するという策である。
 二人のフォローに冴木が動こうとした瞬間、その動きを読んでいた榊が刀を手に疾駆。
 冴木が身構えると同時、隙を作り出そうと剣先で足元の小石を弾く。
「卑怯、卑劣、結構! 我が榊流は戦場武術! 故に禁忌は存在しない。勝って生き残る事が出来た者だけが兵を語る事が許されるのですから」
 榊の言葉に、冴木は行動を以って応じる。
 小石の軌跡は完全に意識の外、自身にダメージを負うようなものでない限り回避の必要は無い。踏み込みと同時に繰り出されるのは上段からの一閃。
 頭上に迫る銀閃に対し、半ば反射的に防御の構えを取る。
 先ほどのBチームとの戦いを見る限り、フェイントの可能性が榊の脳裏をよぎる。刹那、激しい金属音と衝撃に掌から刀が弾き飛ばされる。
 得物を失ったとて、徒手がある。
 瞬間的に格闘戦に以降しようとした矢先、腰を両断するように振り切られる冴木の斬撃。
「時間すら大して稼げないとは」
 回避が間に合わず、まともに直撃を受け榊は後退。
 榊に代わって足止めに回ったのは井出だ。
 剣と盾を構え、防御主体の戦い方を得意とする井出は相手の隙を伺う為に、ほとんど身動きを取らず対峙。
 緊張は一瞬。
 先に動いたのは冴木‥‥間合いを詰めると同時に、刀を振るう。その攻撃を冷静に井出が盾で弾く。
 弾いたと同時に剣を振るい迎撃。
 その斬撃を剣身に左手の手の甲を叩きつける事で軌道をずらし、冴木はその隙間に己の刀を捩じ込むように突き入れる。
「‥‥な!?」
 ここで冴木が踏み込むと想定していなかったのか、想定外の反撃に、井出の対応が一瞬遅れる。
 それなりの依頼をこなし、既にベテランの域に達しているといえども僅かな対応の遅れは命取りになりうる。
 その隙を冴木が見逃すはずも無い。
 斬撃を弾く事が出来ず、まともに肩口から袈裟懸けに振り下ろされる刀の直撃を受ける。

 一方、そんな戦況を横目で確認した須佐は僅かに焦っていた。
 凄まじい速度で繰り出される拳撃、蹴撃だが、決定打を与えられない。
 トドメとして一撃の威力のある技を使おうとすれば、格闘技という性質上、体のバネを使い、若干ながらも溜めを作る必要がある。
 また、基本的に円ではなく線の動きである格闘は、多人数を相手にするのには分が悪い。
 回し蹴りなど円を攻撃する技もあるものの、これも基本的に単体相手の大技だ。相手の攻撃を捌きカウンターを入れようとしてもフリーな片方から牽制の攻撃が入る。
「右からいくよっ!」
「わかった」
 言葉と共に、須佐の右側へと回りこんだ美崎が剣を振るう。
 須佐は僅かに体を逸らす事でこれを回避するが、左から沖田の振るう刀が迫る。
 沖田の斬撃を凌ぎ、反撃として繰り出したミドルキックに沖田の体が吹き飛ばされるが、直撃の寸前に体を後方に跳躍させることで衝撃を逃がし、大きなダメージには達していない。
 刹那、須佐の背後から強烈な斬撃が叩き込まれる。
 迫る威圧感に半ば反射的に体を前へと飛ばす、背後から叩き込まれたのはフリーとなった冴木の斬撃。
 3対1となった状況では勝ちは見えないが、須佐は体を旋回させると果敢に冴木へと攻撃を仕掛ける。
「軍曹‥‥あんたやっぱすげぇな!」
 自身の攻撃を簡単に裁かれ、防がれる事に須佐が賞賛交じりの声を上げる。
 須佐の注意は完全に冴木に向いていた。もっとも注意を向けなければ一瞬で倒される以上、向けざるを得ないというのが正直なところだ。
 その為どうしても周囲への注意が散漫になる。
 軽く冴木が須佐から間合いを取り、それに釣られるように飛び出した須佐に死角から美崎と沖田の振るう刃が直撃する。
「俺も‥‥まだまだ‥‥か」
 
●チーム対抗戦終了後
 チーム戦終了後、僅かに空いた時間にて沖田の買って来た羊羹を食べながら、各自反省会を行う。
「改めて経験の差を、思い知らされたなー‥‥私がこんなに悔しいと思うなんてさ」
 初めて全力を出したにも関わらず、1対1では簡単にあしらわれてしまう事に沖田は悔しさを滲ませる。最後に攻撃が成功したのも冴木が牽制に回り注意を向けさせた事、美崎との連携攻撃であるが故だ。

「一撃で構いませんので、本気で打ち合って貰えないでしょうか?」
「いいわよ」
 井出の言葉に冴木が応じる。
 彼はどうしても刃を届かせたい相手がいる。今の実力がいかほどか、確かめる意味を込めて、彼自身の全力をぶつけるつもりだ。
「行きますっ!」
 彼自身の持てる技術、スキル全てを込めた一撃。対する冴木はその斬撃を体を逸らす事で回避し、逸らせた反動そのままに体を旋回、井出に斬撃を叩き込む。
 首筋にピタリと突きつけた状態で静止した冴木の剣先に、井出は降参とばかりに手を上げる。
「‥‥あ、ありがとうございましたっ!」
 この僅かな応酬で何か掴んだものはあるのだろうか、井出は晴れやかに礼を述べる。

 井出同様、冴木に1対1の勝負を申し込む楓姫。
「やああっ!」
 気合の声と共に、楓姫は相手の武器を強打して狙う事で強引に隙を作り出す。
 戦い慣れしていない者なら2合、3合で剣を取り落とす事もあるかもしれない、1撃目で狙いを読んだ冴木は2撃目に受け止めると見せて力を抜く、片足を引く事で体を旋回。
 勢いのまま、楓姫は蹈鞴を踏むが、既にそれは致命的な隙。
 トンと首に刃を落とされては負けを認めざるを得ない、実戦なら明らかに命を落としている状況だ。

 1対1の訓練を続けるのは鳴神と美崎だ。互いの実力は大きく離れているため、1対1では美崎の刃が鳴神に届くことは無く簡単にあしらわれている。
「そこ‥‥隙が出来ていますよ」
 攻撃の瞬間、美崎の上体が僅かに泳いだ隙を見逃さず、鳴神が刀を当てる。
 そんな形で余計な言葉は出さず、美崎が隙を見せれば容赦なく鳴神は斬撃を叩き込んでいった。