タイトル:【埼玉】キメラ増大中マスター:凪池 シリル

シナリオ形態: ショート
難易度: やや難
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/03/05 05:58

●オープニング本文


「ふぉふぉふぉ。すばらしい。こいつさえ完成すれば与野の奪還も造作もないというもの」
「くくく‥‥なるほど、さいたま内部でもこれを任されるのは我らしかいますまい‥‥存分に人類に地獄を見せてあげるとしましょう‥‥」

 はいどーも。天の声です。現在大宮にあるキメラプラントにて、駄目そうな二人組を眺めてるところっす。
 誰だか分かるッすか。ちなみにあっしはかろうじて与野七禍神衆の二人だということは覚えてましたが、七福神のうちどれとどれだったかは完璧忘れたっす。おそらく大半の人がそうかと思われます。あえて書かねえのですぐ知りたい君は昔の報告書見てね。
 そんなわけでキメラプラントの奥で、何かぐねんぐねんと成長してます。
 なんか明らかにプラント限界稼働してて、ヤバそうな雰囲気だけは漂ってるっす。
 どうやらこの二人はこの直護衛を任されてるみてえっす。
 なんか二人は強力なキメラの使役を任されたと思ってるみてえっすけど、多分実態は成長しきるまで時間が稼げればそれでいいって感じじゃねえっすかね。

 ――そんな悲しい現実は、残念ながらあっしはお伝えできないし他に誰もいねえので、とりあえずここはさておきましょう。



「大宮のキメラプラントに稼働が確認されたわ。調査の結果ちょっと捨ておけない状況と‥‥あと。前に与野に出たおかしなバグアがいるみたいだから、貴女と傭兵にお願いすることにしたわ」
 そんなわけで埼玉付近に展開するUPC軍より、中尉の姉さん、なんかむしろ後半が大事とばかりな態度で和歌山 茜(gz0402)さんにぽいっと資料を渡します。
 直接文句は言わないもののちょっと困り顔の茜さん。
「‥‥『自分が色ものだからってネタバグアは自分に回せばいいと思ってないか』とか思ってる?」
「え、あ、いえ‥‥」
「思ってるわよ」
「‥‥!?」
「貴女の前の上官がどういう態度だったか知らないけど。あたしは勝利の為なら有効活用できるものはすべきだと思ってんの。イカれてるバグアに対して、割り切れずに気を削がれる兵士は少なくない、そういった意味で貴女の覚醒後の状態は猪突とはいえ相手によってぶれない。そこは使えるところだわ」
 しれっと言われた言葉に、茜さん、絶句。ただし先ほどとは違う顔で。あれですね、「その発想は無かった」ってやつですねこれは。
「それで、改めて何か文句ある? 繰り返しあけどあたしは勝利のために考える。やる気ないなら他を当たるわ」
「‥‥。いえ。ですがこの状況で『私の覚醒後』の状態が適切かというと、難しい気もします」
 なんだかんだで資料を読みこんでいた茜さん、不満は無いのですが不安げに申告します。
「そうね。それは傭兵たちの動き次第でもあると思うわ。ひとまず貴女が、傭兵の窓口となって状況を説明して。参加するかはそれで決めたらいいわ」
「了解しました。‥‥ありがとう、ございます」
「礼を言われる覚えは無いけど。うまくやってちょうだい」
 そう言って、急げ、と促す中尉さんに、足早に駆けていく茜さんでしたとさ。



「そんなわけで、大宮にあるキメラプラントを襲撃することになったわ。‥‥これは、単純な攻防戦にはならないと思う。詳しくは資料を見てほしいんだけど‥‥」
 そんなわけで集まった傭兵にさっそく説明を始める茜さん。
 大宮にて確認されたキメラプラントは、異常稼働して大型キメラを生成中。時間をかければかけるほど強力なキメラが誕生してしまうが、敵ももちろん、それを利用して時間稼ぎの戦闘をしてくるだろうと予想されると。なんで、正面突撃して馬鹿正直に戦うより、一部人員を先にプラントまでもぐりこませて、先にキメラプラントの停止を目論めないかと、そんな感じっすけど。
 まあ茜さんの言うとおり、詳しくは解説にて、です。
「最大の問題なんだけど。あたし多分、ほっといたら正面突撃しようとするのよね‥‥」
 そして目を逸らしながらいう茜さん。つまり‥‥この人どうするかも問題の一部みたいっす‥‥。
 さぁー、皆で考えよー?

●参加者一覧

ドクター・ウェスト(ga0241
40歳・♂・ER
百地・悠季(ga8270
20歳・♀・ER
ハミル・ジャウザール(gb4773
22歳・♂・HG
アルジェ(gb4812
12歳・♀・FC
御法川 沙雪華(gb5322
19歳・♀・JG
ファリス(gb9339
11歳・♀・PN
御剣雷光(gc0335
22歳・♀・PN
獅堂 梓(gc2346
18歳・♀・PN
空言 凛(gc4106
20歳・♀・AA
蒼唯 雛菊(gc4693
15歳・♀・AA

●リプレイ本文

「ふむふむ、猪突が二人いるわけだね?」
 説明を聞き終えて口を開いたのは獅堂 梓(gc2346)さん。どういうことですか。
「和歌山さんと雛のことだよ?」
 視線を向けた先には蒼唯 雛菊(gc4693)さん。
「猪突って‥‥言い返せないですの‥‥」
 言い返せないんかい。大丈夫かこの人たち。
「けっひゃっひゃっ、我が輩はドクター・ウェスト(ga0241)だ〜」
 ‥‥うん、さっきの人たちは大丈夫な気がしてきた。
「魔弾少女か〜。『魔法と少女と肉体言語』に似合いそうなキャラだね〜」
 興味深そうな視線を向けるウェスト博士。タイトルは好きな対戦格闘ゲームだそうっす。
 が、そんな元オタク気質が垣間見えたのも一瞬のこと。
「我輩は、いや我々能力者にはソレ以上にやらねばならないことがある〜」
 理性で感情を抑え込むともうその目には対バグアへの意思しかない様子。
「どの道最低限協力はするけども、バクアも『能力者』も皆大っ嫌いだから好きに暴れさせて貰うわよ」
 ウェスト博士に対し、乾いた笑いと共に言ったのは、前回の与野戦にも参加していた百地・悠季(ga8270)さん‥‥なんですけども。いや、なんか、茶化したらまずいんじゃないかなーという空気っすね。
「ももちー、お久しぶり」
 と思いきや、さらっと流して彼女に声をかける人がいます。アルジェ(gb4812)さん。流石。
「アルはただのSPだ、「能力者」としての力は任務を遂行する為の手段に過ぎない」
 能力者、を強調した悠季さんさんに対し、淡々と述べると、悠季さんは「‥‥っ!」と、はっきりと声を詰まらせました。
「‥‥そ、その通りよね。力なんて手段に過ぎないのよね」
 もごもごと迷うような口調の後、目を逸らした丁度その時、ファリス(gb9339)さんが茜さんに声かけてました。
「茜姉様、お久しぶりなの。ファリスも姉様と一緒に戦うから宜しくお願いしますの」
「うん。いつもありがとう。今回もよろしくね」
 をう? なんか柔らかく笑って頭撫でたりしてますよ茜さん。随分丸くなったもんだ。
 ファリスさんの前では必要以上に凹むのはやめた感じですね。長い付き合いと純粋な素直さの勝利。
「‥‥」
 で、その純粋さの前に、逃げるように大きく顔の向きを変える悠季さん。
「‥‥能力者は、地球の武器としてバグアを滅する、ただそれだけだね〜」
 その時再びウェスト博士が零したのは、偶々ですが。
 迷うのも割り切るのも、色々あってのことなんでしょうけど。それはそれとして任務のお時間。茜さんが出撃を促します。
 かくして一行、それぞれに出撃準備です。



「私としては強いキメラと戦ってみてぇけど、ま、しゃーねぇか。さぁ、楽しもうぜ!」
 キメラプラントをドーンと見据えましておっしゃるのは、空言 凛(gc4106)さんです。打ち合わせによって、彼女をはじめとした複数の傭兵、および茜さんはプラントの真正面に立ちはだかってます。
 突入の合図のように、覚醒。
「魔弾少女隊、マジカル☆リボルバー! さぁじぇんと・ぷりずむ♪」
「闇に覆われしこの世界を貫く、正義の光の一閃! 光に導かれ、魔槍少女ファリス、ここに参上なの! 立ち塞がる敵はこの槍で一撃必滅なの!」
 そんなわけではいはいお約束お約束。今回の変身シーンは短いカットでお届けします。
「たのもー、道場破りにきたぜ! なんつってな!」
 この班の目的は陽動。凛さんが叫びます。まあ先ほどの変身シーンの段階で十分騒がしかったんで思い切り正門から敵、でてきてますけどね。
「さっさとかかって来い! 全部切り捨ててやるよ!」
 雛菊さんも大剣【氷牙】を振り回してヤる気十分。全員、真っ向から力づくでぶつかる気です。
 というわけで殺到してくる敵影に対しまずファリスさんのエアスマッシュが叩き込まれます。足並み崩れ、前に出てきた一体に向かって凛さんが突撃。
「カネッチ! 援護頼むぜ」
 鉄拳を一体に叩き込むと同時に呼び掛けます‥‥が、カネッチというのはもしかして。
「ふ‥‥今の私は魔弾軍曹! フレイムバレットと呼んでもらおう!」
 ‥‥茜さんっすよね。そして今はこれっすよね。
 んで、後ろからの援護射撃をしてもらおうとそういう意図だったみてえっすけど、残念ながら今のこの人に声をかけるだけでそれは期待しすぎです。同じように前に出て、並ぶ敵に銃弾を叩き込むだけっす。
「ファリスが敵の動きを抑えるから、思う存分戦うの!」
 そんなわけで、慣れた調子でフォローに入る魔槍少女。
「断罪の嵐!(シュトゥルム・デア・リュヒテン)」
 側面から回りこもうとする敵に、円閃の一撃が叩き込まれます。
 雛菊さんは、大剣を振り回しつつ、錬力を温存気味に回避に注力。キメラ相手にはわりと余裕なのですが――。
「くっ‥‥このっ!」
 キメラの攻撃とタイミングをずらしてちょっかいをかけてくる強化人間。反撃の大剣を振るう雛菊さんですが、強化人間が逃れるのはちょうどキメラが邪魔になる位置。いまいち届きません。
 全体的に、皆さんキメラ相手には圧倒できる実力なんすけど、目立つことが主眼になってるため作戦にちょいと穴がある模様。キメラと強化人間の対処の差や敵の連携についての警戒が薄い分、強化人間が大分フリーです。苦戦ってほどでもねえんすけど、すぐに押し切れるほどでもない。
 と、そこにさらに奥から敵が現れる気配――

「そろそろですかね‥‥」
 別口に回った御法川 沙雪華(gb5322)さんが呟きます。待機するのは正面から見て左手、若干奥からは遠い位置にある入口です。
 あの通り正面班は敵を引きつけまくってますので、スタートはわりと早く行けそうな感じっすね。沙雪華さんの言葉の直後、悠季さんが不機嫌全開で扉を蹴破りました。
 こちらの皆さんが内部に突入したのは、プラント内部左手に詰めていた敵兵が正面の騒ぎに動きはじめたその直後。
 前進するキメラの横面を叩く形で、悠季さんの持つ錫杖から電磁波が放たれます。レイ・エンチャントでも強化された一撃。けっこうキメラの表面を焦げさせます。
 梓さんがその横で隠密潜行を発動、静かに移動して正面班のフォローも可能な位置を取ると、ガトリング砲がばーっと火を吹き援護射撃。
「さて‥‥久しぶりに全力でぶっ放す。さっさと片付けるぜぃ!」
 梓さん、先ほどまでの女の子らしい様子はなりを潜め、思いっきり口調が攻撃的になってます。まあ茜さんの周りではよくあることな気がします。
 弾幕に敵の動きが鈍ったところに、悠季さんが電磁波で弱らせた敵を更に蹴り潰し。
「‥‥やはり正面は囮か」
 と、ここで、強化人間の人が比較的落ち着いた声で向き直りました。まあ、正面、騒ぎすぎですよね。別働隊の存在は相手も予想するところだったようで、特に動揺することなく相手も立て直します。
「‥‥! ここは通してもらいますっ!」
 沙雪華さんが図星をつかれたように答えて、弓を構えます。
 ちらりと、視線をやるのは正面右側、奥の方に存在する敵兵詰め所。その付近にあるカメラを弾頭矢で狙い撃って‥‥。
 と、これは先に進む、すなわちこちらの班が本命であると更に敵に思いこませる作戦。さらに、正面右側の入り口に近い監視カメラを破壊することで――。

「‥‥付近の敵が‥‥動いた‥‥みたいです‥‥」
 抑えた声で言うのはハミル・ジャウザール(gb4773)さん。探査の目で状況を監視していた彼が合図し、ここで正面から見て右手、プラントにもっとも近い入口に待機していたメンツが行動開始します。
 ひとまずはプラント目指して全力ダッシュ。近くに敵の詰め所もあったのですが、二段構えの陽動と、監視カメラが潰されたことによって反応が遅れたこともあり、ウェスト博士が筆頭に振り切ることに成功します。ちなみにウェスト博士の行動を主に加速しているのは伊達眼鏡。どういう理屈なんすかこれ。すごいぞエミタAI。
 というわけでばばーんとプラントが稼働している空間に一番乗りのウェスト博士。
「ぬぬぅ? くくく‥‥そうか。突破されたか。やれやれ、役立たずの連中よ‥‥」
「ふぉふぉふぉ。しかし、すぐに後悔させてあげましょう。表の連中にやられていればよかったとねえ」
 与野七禍神の二人はまだここで待機してました。しかしこいつら、前回逃げ帰ってる癖に無駄に自信過剰っすね。まあ今のところ乗りこんできたのがウェスト博士一人だったからでしょうか。うん、行動値に差がつきすぎてるんだ。
「色々調べてみたいが‥‥、どうやら止める事が先のようだね〜!」
 絶賛稼働中のプラントを見て、エネルギーガンを構えるウェスト博士。狙うはプラント電源ですが、そうは問屋がおろさないとばかりに距離を詰めてくる布袋と寿老人。近寄る前に二、三度は電源装置に一撃が入りますが、ここで布袋、反撃の堪忍袋光線。イラッとさせて混乱効果をもたらす特殊攻撃。
「バグアが‥‥邪魔してくれるね〜」
 避けられなかったウェスト博士、苛立ちを抑えられずに標的を変更するっす。
 が。
「‥‥ん。任務、遂行する」
 電源装置には実はアルジェさんが迅雷で追い付いていました。ウェスト博士から別の方面から忍び寄ると、手にした剣を電源装置に向けて投げ放ちます。
 なのですが、残念ながらSES兵器ってやつは遠距離攻撃用に作った奴じゃないと手放した瞬間エミタによる増幅が受けられなくなるんすね。曲がりなりにもバグア製品。投げた剣はカーンとはじき返ります。とはいえキャットウォークの利用はいい目の付けどころ。ウェスト博士が七禍神を引きつけたのもあって、電源装置の接近には成功します。
 ここでハミルさんと御剣雷光(gc0335)さんが合流を果たしました。
「変わったバグアですが‥‥油断禁物、ですね‥‥」
 ハミルさんの言葉に。
「冥奴長としてゴミは綺麗に取り除くだけです」
 雷光さんは淡々と言い。そして淡々とチェインウィップを振りかぶります。大きく弧を描いて勢いの乗せられた鎖がとりあえず目の前に居た寿老人を叩きます。
「ふぉふぉふぉ、その程度‥‥ぶっ!」
 一撃に、余裕気味の寿老人でしたが淡々とぶちこまれる二撃目。
 布袋に対してはハミルさんが剣を構え対応。ウェスト博士の妨害を計る袋を狙って攻撃。これが、いい感じに布袋の動きを制します。
「ソイツらを頼むよ〜!」
 かくして混乱から立ち直ったウェスト博士、再び電源装置の破壊に集中することが可能に。今度は先見の目で周囲の状況を抑えながらの移動、エネルギーガンの一撃が、電波増強までのって電源に突き刺さってきます。そこにアルジェさんの追加打撃。いい感じに火を吹いてきました。
「もう‥‥すこし‥‥ですね」
 ハミルさん。台詞に【‥‥】が多いのは普段からですが、今は結構劣勢で息が上がってるのもあります。これまた、曲がりなりにもバグアに一対一っすからね。
「ふっふっふ。さあ、逝くがいい」
 雷光さんはあぶねぇ声を上げながらチェインウィップ振り回してます。ええ振り回してます周りを見ずに。‥‥余裕なんじゃなくって、混乱してるっすね。
 さあ、電源を壊すのが先か、それともこの二人が倒れ、与野七禍神衆に再び妨害されてしまうのか!?
 まあ結論から言うと、電源が先なんすけど。
 早い? もうちょい引っ張れ? んなこと言ったって実際あっさり壊れる攻撃力が来たんだからしょうがないだろ!
 そのなんだ。電源装置が壊れたことによって働く緊急装置があったらしくて、ポッドがかぱーっと開いてでろんとキメラが出てきたりしてます。目覚めたてのわりには元気よくびたんびたんと触手を振り回して‥‥あ、アルジェさんこけた。あの。スカートが。
「‥‥パンツじゃないから恥ずかしくない」
 下はレオタードでした。いや、それでいいのか。そんなこと言ってるとむき出しになった脚に更に触手が絡んでいって、 柔らかな太ももにまで這い上がり――
「んっ‥‥食い‥‥込む」
 やわ肌を痛々しく触手が締め上げていきます。まるで歓喜するかのように脈打つグロテスクな緑。わさわさという感触に、淡々としたアルジェさんの表情が僅かに不快そうにひそめられ‥‥
 ――と、まあ、前回も言った気がしますがこういうのはこういうのが得意な報告官にやっていただくのがいい気がします。はいサービスシーン終了ー。っていうか。
「‥‥破壊、終わったのね。あとは敵を倒すだけねえ」
 悠季さんたちが、とりあえず目の前の敵を蹴散らし終えて合流に来てました。描写うんぬんの前に、彼女のキュアによってアルジェさんが捕縛から解放されたのでどの道これまでです。
「七福神のバグアと聞いて‥‥福福しい御老人を想像していたのですが‥‥」
 これは沙雪華さん。残念ですがこいつらは残念です。っていうか七福神ではないですしね。まあ気を取り直していきましょう。沙雪華さんは援護射撃を交えつつ、ハミルさんと共に、布袋の袋を狙っています。
 一方で敵2グループを引きつけてた正面からの戦いも佳境に入ってました。キメラに紛れつつ前衛を苦しめていた強化人間ですが、じわじわとキメラが倒されていけば劣勢に立たされます。
「断罪の雷!(ブリッツ・デア・リュヒテン)」
 もはやおなじみとなった必殺技を叫びつつファリスさんが斬り込んでいき。
「秘技! 瞬蒼襲牙【一閃】!!」
 強化人間が避けた先、好機と見て雛菊さんが惜しんでいた必殺技をここで繰り出します。
「ぐっ、こ、ここまでかっ‥‥」
 よろつき、必死の形相でくらいついてくる強化人間を。
「心中すんなら自分のペットとしな!」
 凛さんが蹴り戻して下がらせます。はい、敵は強化人間、自爆対策はきっちりと〜。
「こっちも片付いたな‥‥プラントも停止!? ならあとは、撃ち滅ぼすのみ!」
 こちらの援護に残っていた梓さんが、声をかけ、これで全員、グリーンキメラとバグアに向かうのみ。
 と、なりますとまあ、なんだかんだで比較的早い段階で電源が破壊出来ていたのもあって。

「ば、馬鹿な。我らエリートたる――」
 まあ今回は。戦闘よりも侵入が大事な依頼でしたから。
 与野七禍神衆生き残りの最後と断末魔については、それほど目新しい台詞でも無かったんで省略(酷。
「――さて、片付けは完了です」
 要するに、雷光さんがそう宣言しウィップを片付けるまで、それほど時間はかかりませんでしたとさ。ちなみに彼女がいつの間に正気に戻っていたのかはよく分かりません。‥‥元々、はた目にドン引きする様な戦い方してたからなあ‥‥いやまあ、なんだかんだで結構寿老人をぶちのめしてたんで、早い段階で戻ってたと思いますよ、うん。
 あ。怪我に関してはウェスト博士が豊富な錬力でかっちり回復してくれましたとさ。

 そんなわけで、今回も無事任務完了です。
 埼玉もこれで順調に開放が進んでいくと‥‥いいんすけどねえ。