タイトル:激闘? 与野七禍神衆マスター:凪池 シリル

シナリオ形態: イベント
難易度: 普通
参加人数: 27 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/12/17 09:39

●オープニング本文


「く‥‥増援か! 総員退避! 必要な情報は得た!」
「ひょほー! 雑兵どもがこの恵比寿を前に無駄無駄ひょほー!」

 えーっと。皆さんのひさしぶりっす。覚えてるでしょうか天の声っす。
 で、先述のバグアさんとかも覚えててくれると嬉しいんけど‥‥。えーっと。なんだっけ。

「まったく。人間ごとき一人で撃退できんで調子付きおって」
「ふふ‥‥まあ、恵比寿も頑張ってることだしいいじゃない」
「うむ。最近人間どもも身の程もわきまえずに付け上がっているようだからな‥‥奴程度を相手にして、油断しておればいい」
「くくく‥‥所詮奴は我らの中で一番の小物。我ら与野七禍神衆いる限り‥‥」
「この埼玉県さいたま市与野区が取戻せるなど泡沫の夢に過ぎぬ、というわけですな」
「ダイコクテーン」

 ‥‥あー、いたいた。与野七禍神衆。できればそのまま忘れてたほうがよかった気がするっすけど。
 その。なんだ。うん。あんたら七人(?)もそろってこんな、たかだか一角(※)を支配してなんでそんな。
 まあその辺りから一人ひとりの実力に関してはわりとお察しな気もするというか。
 や! ほら! ‥‥こんな時代だからこそ様式美って大事なんすよ! きっと!

 ※別にさいたま市与野区を馬鹿にする意図はありません。念のため。



「えっと。傭兵達との共同作戦も、暫くぶり‥‥かな」
 というわけであっしが出てきたってことでこちらもお久しぶり、今日の解説役は和歌山 茜(gz0402)さんです。
「大規模作戦お疲れ様。直後でこんな大掛かりに呼び寄せてまずいけど‥‥ちょっとややこしいことになっててね」
 言って茜さん、テーブルに地図をばさばさ広げます。
「前に、ULTの皆には、この地点を守護するバグアとの接触について報告してもらったわけだけど。その後、私たちのほうで調査、制圧を図ってたんだけど、これが上手くいかなくてね」
 説明しますと、なんかこの地、バグアさんが寄り集まってて攻めにくい、と。
「‥‥敵の拠点は、かつては与野七福神が祭られてた7つの神社、ね」
 茜さん、ここちょっと苦々しげに説明します。さいたま市のバグアは、司令官の趣味なのかこういう『文化の冒涜』をあえてやってるところがあるらしいっすね。神社が敵アジトにされてたりキメラプラントにされてたり‥‥って例が、いくつか報告されてるっす。
 まあそれはさておき。
「拠点がばらけてるけど近いもんだから、個別に調査や攻略をしようとしてもすぐ援軍が来て挟み撃ちになるの。だから、なるべく複数拠点いっぺんに攻めに行きたいわけ」
 そう前置きしてから、これまでUPC軍が調べて分かったことをてきぱきと説明していく茜さん。
 ‥‥本当この人、覚醒しなければまともなんすけどね。ほろり。

 というわけで敵戦力をまとめた結果は下記。

1)正円寺
 ボス:【福禄寿】を名乗るバグア。
 手にした扇で風を起こし攻撃してくる。切り裂く攻撃と共に転倒しないかの判定が必要(バッドステータス:移動不可扱い)。
 また周囲には鼬のキメラが6体。近接攻撃オンリーだが素早い動きで一撃離脱を仕掛けてくる。

2)一山神社
 ボス:【恵比寿】を名乗るバグア
 手にした釣竿を自在に操り攻撃してくる。見えにくい糸をトラップのように仕掛け攻撃してくることもある。またバッドステータス:捕縛を与える攻撃をしてくることもある。
 周囲には魚のキメラが6体。詳細はシナリオ「和歌山茜の帰郷」を参考。

3)天祖神社
 ボス:【寿老人】を名乗るバグア。
 瓢箪から毒霧を吹きかけて攻撃してくる。ダメージと共にバッドステータス:毒を与えてくる。
 周囲には牡鹿のキメラが6体。突撃して攻撃してくる。

4)円乗院
 ボス:【大黒天】ゴーレム
 木槌で攻撃してくるゴーレム。1体。ただし、神社が奇麗に残されているため、今回はまず生身での戦闘でとの要望が出ている。

5)円福寺
 ボス:【布袋】を名乗るバグア。
 担いだ袋から「堪忍袋光線」を発射して攻撃してくる。ダメージと共になんかよく分からないけどムカっとして行動が上手くいかなくなる(バッドステータス:混乱扱い)。
 周囲には兎のキメラが6体。兎というにはがっちりとした体格で可愛くない。凶暴。

6)鈴谷大堂
 ボス:【毘沙門天】を名乗るバグア
 手にした三叉戟で攻撃してくる。単純に攻撃力その他戦闘力が真っ当にそこそこある。
 周囲には弓を持った人型キメラが4体。

7)弘法尊院
 ボス:【弁財天】
 手にした琵琶で音波攻撃をしてくる。音波にはバッドステータス:洗脳の効果がある。効果は「傍にいるリア充をぶんなぐる。自分がそうなら自分を殴る。いないならしゃがみこんで拗ねる」。素手で殴ることになるため能力者同士ならばダメージはほぼない。但し片手を開ける必要があるため手に持った武器を一つ落とすことになる。
 周囲には炎を纏った小人キメラが6体。


 そんなワケまー要するに。
 こんな出落ち連中に、真面目にちまちま相手にしてらんないんで、なるべくここでまとめて薙ぎ倒せねえかとそういう話ですね、多分。

 皆さんの奮戦に期待っす。

●参加者一覧

/ メディウス・ボレアリス(ga0564) / 須佐 武流(ga1461) / 終夜・無月(ga3084) / 草壁 蛍(ga4708) / キョーコ・クルック(ga4770) / クラーク・エアハルト(ga4961) / アルヴァイム(ga5051) / 緋沼 京夜(ga6138) / クリス・ディータ(ga8189) / アルト・ハーニー(ga8228) / 月代・千沙夜(ga8259) / 百地・悠季(ga8270) / ユーリ・ヴェルトライゼン(ga8751) / 最上 憐 (gb0002) / 孫六 兼元(gb5331) / クレミア・ストレイカー(gb7450) / 宴 七段(gb8654) / ファリス(gb9339) / バーシャ(gc1406) / ユウ・ターナー(gc2715) / ヘイル(gc4085) / ドゥ・ヤフーリヴァ(gc4751) / エドワード・マイヤーズ(gc5162) / 片山 琢磨(gc5322) / クリスティン・ノール(gc6632) / クラフト・J・アルビス(gc7360) / テイ(gc8246

●リプレイ本文

 実況のの天の声です。お待たせいたしました。只今各地の情報が入ってきた模様です。順にお伝えいたします。


●ではまず、正円寺の様子です。

「埼玉の与野ね‥‥大宮の時といい、好き勝手してるな。奪い返させてもらうぞ」
 そうお怒りなのは緋沼 京夜(ga6138)さん。大宮の時とはまた大分好き勝手方面が違う気がするっすけど。
「ハーニーくん、頑張ろうね。しかし七福神を模した敵かぁ‥‥珍妙ナリ」
「久しぶりの依頼がネタっぽい敵というのもなんだが‥‥よく考えたらいつものことだったんだぞ、と」
 こちら、クリス・ディータ(ga8189)さんとアルト・ハーニー(ga8228)さん。いやいつものことっていうほどネタ敵ばかり溢れてるわけでもねえと思うんすけどね? あっしが見てる限り‥‥否定できなかった。まあそんなことより御二人さん、手を繋いでやってきていることに注目したいわけですよ。とりあえず二人で戦えれば何でもいいって風情じゃないですか。
 さてそんな感じで正円寺に到着した一行。まあ別に索敵とかするまでもなく堂々と参道に居座ってるわけですが。というわけで戦闘開始。一度待ち構える形を取った京夜さんたち一行に、福禄寿の突風が襲い掛かります。
「京夜おにーちゃんっ! と、飛ばされちゃいそーだよっ!!」
「凄い風ですのー! 飛ばされそうですのー!!」
 叫ぶユウ・ターナー(gc2715)さんとクリスティン・ノール(gc6632)さん。
「傍を離れるな。お前達は必ず護る」
 そんな二人に落ち着いた様子で京夜さん。対応も、冷静に扇の動きを見て、豪力発現の後に長剣を突き立てて転倒を防ぎます。そしてそんな京夜さんにしがみつく形で同じく転倒を免れるユウさんとクリスティンさん。何この漂うイケメンオーラ。くそっ。ここにはリア充しかいねえのか。
「後ろにいろ。左右を見張ってくれ。それと‥‥二人とも、チャンスを見逃すなよ」
 京夜さんの言葉に、まず反応したのはユウさん。
 風が止まった瞬間に飛び出すとSMGを掃射、まずは周辺の鼬キメラから蹴散らしにかかります。クリスティンさんも合わせてまずはソニックブームで向かい来るキメラを迎撃。そのまま、近寄ってきたキメラを流し切りで避けつつ横手から切り裂いていきます。
 三名がキメラの相手をする間、クリスさんとアルトさんがバグア【福禄寿】に向かっていきます。
「素早いけど‥‥牽制程度なら出来るはず」
 クリスさんが銃撃で牽制する中、アルトさんは大地を踏みしめて突風に耐えつつチャンスを待ちます。
 二人がかりの攻撃ですが相手も一応バグア。クリスさんの牽制にあわせてのアルトさんの攻撃にも対応しつつ反撃。削りあいの戦いとなります。
「きゃっ!?」
 ここでクリスさんが転倒。なんですがそのー。クリスさんの服装なんですがね。ぴっちりとしたボディラインの出るワンピースでして。その、スカートの丈が、かなりぎりぎりだったりしてですね。転ばれると、その。見えるわけですよ。清楚な女性の最終防具的なアレが。言わせんなよ恥ずかしい。あっしは清純派なんですよ?
 まあそのぴったりとした服がですね。これまでの攻防で当然傷ついてたりしてですね。慌てて体勢を立て直そうとした瞬間ピリ、とか不吉な音を立てたりしてですね。
「きゃあああ!? ‥‥い、いやあああ!!」
 まあパニックです。
「ふ、クリスの服を斬り裂くとはいい根性をしているな。だが‥‥クリスの身体を見ていいのは俺だけだ! 貴様らには見せないし傷を付けさせもしないんだぞ、と」
 怒りをあらわにアルトさん。喜びはちょっと見え隠れですよ、と。
「ほほ? これは心外。私がそのようなつまらぬ欲求で動くとでも」
 対する福禄寿、アルトさんの気勢を余裕の表情で受け流します。まあそっすね。これ別にそういう依頼でも敵でもねえっすからね。
「ほほ。ですがその反応はもう少し確認させていただきましょう。あくまで趣味ではなくじ人類文化に対する知的好奇心の一環として!?」
 そう言って爛々と目を輝かせると扇を掲げる福禄寿。ごめん、最悪でしたこいつ。
「切り裂きと突風‥‥エロキメラめ! 他の女ならまだしもクリスにはやらせないぜ、と。いや、俺だけなら見ていいがっ」
 ぉぃ。いや正直なところ、あんたはあんたで見せたくないのと見たいのと本音はどっちに傾いてるんすか。そこはっきりさせませんか。
「ほほほ。若さに任せた勢いだけで私が止められますかなー?」
 ‥‥まあ、ロクでもねー展開になってるっすけど、でも実際、クリスさんとアルトさんとの対峙に対しむしろ押してるのは寿老人側だったりで‥‥。
「ぶぉ!?」
 と、そこで入るイケメン、もとい京夜さんからのソニックブームの一撃。いつの間にかキメラの数も減らされてまして。そっちを相手にしている、しかも剣で遠距離はないと見せかけての不意打ち。今までフォロー中心で目だたなかったっすけど、きっちりこの中で最大火力っすからね。
 そのままソニックブーム連打。これは警戒した寿老人も対処するっすけど、その隙にユウさんとクリスティンさんが間合いを詰めます。

 と、一旦こんなところで、次いきましょう。


●続いて一山神社からお伝えします。

「まさに両手に花束ってやつだね〜?」
 女性二名の同行に、そう言いながら現れたのはエドワード・マイヤーズ(gc5162)さん。ちなみに同行者には他に男性も一名いらっしゃいますがこちらはさらっと無視のようっす。
「ひょほ? くっくっく。チャラい男ひょほね。この恵比寿の相手にしては不足だが、ちょっと遊んでやるひょほ〜」
 対するように登場いたしますは【恵比寿】。‥‥またテンプレートな負けセリフを。
 とはいえ。
(油断は禁物。外見に反し結構強敵で、機敏さが売りのペネトレーターにも当てて来る力がある)
 そんな恵比寿をしっかり見据えるのは最上 憐(gb0002)さん。どうやら過去の報告書を読んでしっかり研究してきた模様。頼りになりますね。はらぺ娘ばかりが強調されるいつもの彼女とは一味‥‥
「‥‥ん。あの。魚は。食べるのは。無理そうかな」
 違ってなかった。安定の憐さんでした。いやまあ、いつもどおりって大事だよ!
 まあほとんど機械化されているとは言えキメラ、探せば生体部分もあるやもしれませんがあからさまに見た目マズそうなんであっしは食えと言われればごめんこうむるッす。
「‥‥ん。突っ込む。援護を。お願い」
 まあなにはともあれ、先陣を切って行く憐さんに。
「ほな先人方、頑張ってや〜」
 後ろから声援を送るのは宴 七段(gb8654)さん。後方でお茶でも飲みながらのんびり援護‥‥って、抑えに回る前衛が少ない状況でそりゃ無理があるっす。呪歌の射程、1スクエアっすしね。そこ、敵の攻撃も届くっすからね。そんなわけで魚キメラが二匹ばかし七段さんに向かって行かれます。一匹は呪歌に縛られつつも、もう一匹の反撃がわりと容赦なく命中していきます。結構真面目にピンチっぽいぞこれ。
 とはいえ敵のメインの標的はやはり一人前に出た憐さん。バグアがプレッシャーをかける中、四匹のキメラに囲まれるという状況です。さすがにこれはきつ‥‥そうでもなかった。うん、だってね。確かにこのバグア、ペネトレーターにも命中させるほど、見た目に反して機敏なんすけどね。このお嬢さんの回避力、文字どおり桁が違うんですもん。キメラの突進攻撃に冷静に反応して、纏めて残像斬で反撃。‥‥ある意味憧れの光景っすよねー。そんな感じでさくさく魚を落としていく憐さん。
「ちょっと待った!」
 と、エドワードさん、ここで黙ってさぼっていたわけではねえっす。恵比寿の釣竿の厄介さは彼も研究済みのようっすね。探査の目を発動、常時糸による罠に目を光らせ、怪しい位置には警告を発します。出発時の軽い口調も、覚醒中はなりを潜めて真剣モード。
「あの釣竿をどうにかしないとね」
 とまあ、超機械で釣竿を狙おうとするのですが‥‥最初の一撃はともかく、次からは敵も警戒するんでただ狙うだけじゃ効果的に当てるのは難しいっすね。感電を狙ったらしいっすけど、超機械の電磁波は厳密には雷とはちげえんで‥‥効果はいま一つのようっす。
 とはいえ、憐さんのキメラ対処が援護も受けてじきに片が付くと、こちらも恵比寿に回り。エドワードさんの探索の援護があれば、前衛一人でもどうにかなりそうな感じっすね。

 他見てみましょう。


●では、続きましてこちら天祖神社。

「七福神‥‥縁起の良いイメージなんだけど‥‥こーゆーのだっけ?」
 うん。ユーリ・ヴェルトライゼン(ga8751)さん。七福神その他もろもろの名誉のために断言しとくっすけど、絶対ちげえっすから。
「あ、七『禍』神ね」
 あっしの声が通じたわけじゃねえだろうっすけど、とりあえずそこの違いだけでも押さえてくれるとありがたいです。
「神様に攻撃ってのもちょっとあれだけど、バグアだしねー」
 だから神様でも何でもねえっすよクラフト・J・アルビス(gc7360)さん。まあ、躊躇する気は皆無っぽいのでいいんすけど。
 とまあ、のんびり話している暇もなくこちらも戦闘開始です。
 ユーリさんが弓で接近前に鹿キメラに攻撃を与えつつ、クラフトさんが【寿老人】に突撃していきます。それを、バーシャ(gc1406)さんが各種スキル、および後方から全体の動きを見張ることでサポート。
 チームとしての動き方としてバランスは悪くねえんすけど、だからこそ人員の少なさがもろにきつくなる感じっすね。
「当たんなきゃいい! これこそがGPらしい戦い方だよねー」
 とはクラフトさん。足を止めずの攻撃は確かに相手に狙いを定めにくくさせて、回避に繋げてはいるんすけど。敵もさるもの、完全回避とは行かず。またこちらからのダメージもあまり大きくはなく、戦局は地道な削りあい。やや寿老人が押してるのを、バーシャさんの練成治療で均衡させてる状況っすね。どこかで強い一撃がはいらないと‥‥
「そういえば、寿老人って何の神様だったっけ?」
 と、戦いの合間をぬってクラフトさんが聞きます。
「ぬ? ふぉふぉふぉ、人類の癖に知らぬとは! よかろう、わが研究の成果とくとぶふぉっ!?」
 そして答えようとする寿老人に対し遠慮なく攻撃。あ、奇麗に入った。
「ずるくなんかないもんねー」
 これも作戦、と、地味な削りあいに一石を投じつつ、まだなんともいえない情勢です。さてどうなることやら。

 とりあえず、次見てみます。


●続きまして円乗院、現場の天の声でーす

「言いたいことがある!」
 【大黒天】ゴーレムを前に勇ましく声を張り上げるのは孫六 兼元(gb5331)さんです。
「大黒天とは本来、青黒い体に憤怒相で三面六臂の戦闘と破壊を司る神! 七福神でお馴染みの姿は、日本神話の大国主の姿だ! 大黒と大国が、ダイコク繋がりで混ざってしまったとの説が有るが、何にせよ貴様のその姿は大黒天では無い!!」
 なんか微妙に言うことずれてる気がしねえでもねっすけど、それでもあっしは今猛烈に感動しています。ええ、真面目に戦うのは重要っすよ? たとえネタにしか見えなくともキメラもワームもバグアの尖兵。一皮むけば恐るべき殺戮能力を持つ存在であることは間違いねえんすけど‥‥それでも、いつも思わないでもねえんです。『誰かツッコめよ』と。
『ダイコクテーン』
 惜しむらくは言った先がただの無人ゴーレムであることでしょうか。ええ、ここ今回の最大のツッコミどころですね。与野七禍神衆、七人いません。一体はただのゴーレムです。
 まあそんな事情はさておいて、ジャイアントキリングは浪漫ですよ、と立ちはだかるクラーク・エアハルト(ga4961)さんと静かにたたずむ終夜・無月(ga3084)さん。今回はこの三名でゴーレムチャレンジっす。
「デカブツが、調子に乗ってると足元をすくわれるぞ?」
 クラークさんが重機関砲で支援と破壊を同時に行いつつ、無月さんと兼元さんが前に出ます。ゴーレム、さすが慣性制御能力の高さがあってこう、でかいくせに滑らかに動くのを、KVでなく生身で見ると結構厳しいもんがあるんすけど。各自連携し、互いの攻撃が作った隙を縫って重い攻撃を当てていきます。
 兼元さんは「八双」、「右車」、「左車」といった古流剣術の構えを組み合わせ、重い一撃を狙っていきます。
 無月さんは、回避主体に動き回りながら。しかし好機には『闇裂く月牙』、両断剣・絶を乗せた一撃を当てていきます。
「ジハイドとゾディアックのリーダー達が口を揃えてましたね‥‥」
 あくまで油断は見せないまでも、静かに告げる無月さん。
「今度は此方が言いましょう‥‥貴方達の玩具はこの程度ですか‥‥?」
 格好良くきめるっすねえ。
『ダイコクテーン』
 惜しむらくは言った先がただの無人ゴーレムであることっすけど。
 クラークさんは背後に回りこめないか伺いつつ銃撃を重ねていきますが、意外とスムーズな動きを見せるゴーレムに無理は出来ないと判断。そのまま仲間と合わせた位置にダメージを重ねていくっす。
 やはり、でっけえ相手な分、関節とか駆動部を狙うのは普通の敵よりやりやすい面はあるようで。だんだん、ゴーレムの足首が目に見えて挙動を怪しくしてます。
 が、傭兵側にも懸念材料はあるっすね。回復役がいねえことっす。全員、防御も固めてるっすけど、それでも敵の一撃は重く。凌ぎきれねえダメージも時折出ます。
 潰れる前に潰せるか。その勝負になりそうっすね。

 と、いいところで次行くっす。


●さーて、円福寺のバグアさんはー?

「兎というよりは何だか、全く違う種ね‥‥」
 クレミア・ストレイカー(gb7450)さん、こちらバグアよりも先にキメラが突っ込まれます。まあ、三白眼に巨大な体躯、毛皮の下からも分かるマッシブな外観の白い何かを兎と呼びたくねえ気持ちはあっしもよく分かりますが。
「‥‥まずは数を減らそう。タイミングを合わせて仕掛けるぞ」
 ヘイル(gc4085)さんが声を抑えて告げます。こちらに向かった一行はまず正面からは行かずにそろーっと回り込みます。人数の少なさがあって、まずは奇襲を狙うみてえっす。初撃はヘイルさん。スキルを乗せての一撃がキメラのど頭を撃ち抜きます。その一撃で、駆け寄ってくるキメラをクレミアさんが制圧射撃で阻みつつ、殲滅を図りますが‥‥。
「くっ、いちいち面倒な。このまま穿たせてもらうぞ!」
 やはり参加人数の少なさが響くっす。削りきれないまま接近を許し、そのまま乱戦へ。【布袋】もそこに参加してきて‥‥前に出るヘイルさんが、AU−KVの防御力に頼って何とか耐え凌ぐ形になるっす。厄介なのはやはり布袋の持つ光線攻撃。むかつきも倍増です。
「一か八か‥‥!」
 状況の打破を狙ってか、布袋が袋を構えた瞬間、クレミアさんが閃光手榴弾を投げ入れますが‥‥いや、閃光手榴弾は光と音を撒き散らす補助兵器であって、その、一か八かのタイミングでいきなり投げるモンでも。
 ということで、気付いた布袋が慌てて袋を反らした拍子に手前に落ちた閃光手榴弾、一同のど真ん中で炸裂します。敵も味方も全巻き込み。敵も喰らってるんでイーブンっちゃそうっすけど。時間のかかる勝負に余計時間が重なった感じっすか。
「くくく‥‥さあ怒りに震えなさい! 愚かな様を我らによく見せるのです」
 以降も連携しながらまず袋の破壊を狙う一行っすけど、キメラを削りきれないうちはまだそれも難しい模様。
 しばらくは相手に余裕がある感じで、攻防が続きます。
「七福神、か。バグアの連中は何故わざわざこういったモノを模すのだろうな。単なる嫌がらせか、それとも自分達にそういった文化が無いからか」
 戦いの中、ヘイルさんが思わずといった感じで呟きます。
 何故か? 何故でしょう。

 答えは次の舞台で。


●一方そのころ、鈴谷大堂では

 さて【毘沙門天】待つ鈴谷大堂。こちらも低人数ですが、こちらは小細工なしに突入です。
 まずは片山 琢磨(gc5322)さんが突撃、弓持ちキメラの気を引く形で味方の突入タイミングを作ろうとします。弓の攻撃をかいくぐりつつ進む中、ドゥ・ヤフーリヴァ(gc4751)さんが続きます。弾幕射撃でキメラの動きを更に牽制、須佐 武流(ga1461)さんも弓を持ってまずはキメラから狙い撃っていきます。
 全体として、まずキメラから倒そうという動き。ただ毘沙門天もそれを黙って見てくれているわけではねえっすね。となると‥‥まず毘沙門天に主に狙われるのは、前に出た琢磨さん。ドゥさんがやはり射撃でフォローに入りますが、完全に捌くことは苦しいみたいっす。回復役がいないのがここでも響くっすね。瞬天足でで一度距離をとる琢磨さんに変わり、武流さんが前に出ます。主武器をスコルに変え、超機械での牽制を交えつつ毘沙門天に対峙。まだ弓キメラが倒し切れていないんで思ったよりは足止めされつつも、一撃離脱戦法をとりながらどうにか渡り合います。
「七禍神‥‥七福神に対をなす様名乗りでも上げた――つもりなんだろうけど一体そうしてまでしたかった事は何さ? 答えろ!」
 そして。戦いのさなか、ドゥさんが叫びました。銃を突きつけ問いかけるドゥさんに、対する毘沙門天は――
「えっ?」
 すごく。間の抜けた声を上げます。
「えっ?」
 思わずオウム返しをしちゃうドゥさん。うん、いやな予感しかしねえ。
「何って‥‥何がしたいって言われるとなあ。なんだっけ」
 と、他のバグアと連絡を取る毘沙門天。
『いやほら‥‥だって支配の為に‥‥人類文化がどうとか』
『ほほほ、上からの命令でせっかく調べましたしねえ?』
『誰だっけ、やろうって言い出したの』
『いやでも、見た人類は結構精神的ダメージ受けてたひょほ?』
『くくく‥‥そういえばここしばらく、意味など考えていませんでしたな』
『ダイコクテーン』
 ‥
 ‥‥
 ‥‥‥。
 うん、駄目だこいつら。
「そ‥‥それが答えかぁああ! アンタの持つ真実は!!??」
 怒りをにじませて‥‥多分、当初覚悟してた怒りとは別な方向に思うっすけど‥‥叫ぶドゥさん。いやまあ正直、こいつらに何を期待するかなーというか。なんていうか、あれだ。ネタにマジレス?
「どんな答えだろうとっ! 今の僕には戦う理由は沢山あるっ!」
 めげずに走り抜けるドゥさん。迅雷で走り抜け、敵の背後に回り十字砲火をして更にキメラを‥‥うん。ドゥさん以外にも皆まじめに戦ってるんすよね。ごめんね?
 ドゥさんとか京夜さんとか、はっきりと埼玉の為と意識して戦ってる人もいるのにね?
 一応お断りしておくっすけど、埼玉のバグアは皆こんなんじゃない。そこは信じてほしい。
 ‥‥何であっしがバグアのフォローするのかわかんねっすけど。

 そんなこんなで、ここも一旦視点切り替え。


●最後は? 弘法尊院!

 さてそんなしょうもない事実が判明する少し前に時を戻して弘法尊院。
「相手取るのが‥‥リア充憎しの行き遅れか」
 ツッコミといいますか身も蓋も容赦もない一言から始まるのは百地・悠季(ga8270)さん。長い休暇から本依頼が最前線復帰戦っすね。
「まあ、夫婦円満の愛娘育成真っ最中ならば、体現されたリア充そのものと自覚できるけど」
 自信満々、その傍らには当の旦那さんであるアルヴァイム(ga5051)がいるってのもその理由でしょうか。
「ファリス、頑張るの! 神様の名をかたる悪いキメラは、ファリスが退治するの!」
 茜さんが関わる依頼ではもうすっかりおなじみになったファリス(gb9339)さん、今回も気合十分っすね。ただ、フレイムバレットが同行しないんで今回は魔槍少女はお休みみてえっすけど。
 そして。
「お前達の相手は、こっちだよっ!」
 ここではキョーコ・クルック(ga4770)さんがまず仁王咆哮で全ての敵を引きつけることで展開を作ります。ツインブレイドを構え立ちふさがるように接敵するキョーコさん。他の面々も、各々に目標を定めて展開します。そして、悠季さんを庇うように布陣するキョーコさんに、弁財天の洗脳音波が襲い掛かる!
(百地は絶対に殴らない‥‥!)
 仲間の顔を思い浮かべ、耐えようとするキョーコさん。うぅ‥‥けなげな光景っす。
(アルヴァイムは‥‥しかたがない)
 あ、そっちは仕方ねえんすか。仕方ねえんじゃ仕方ねえっすね。そのようになりました。
 というわけで制圧射撃にてキメラの抑えに回っていたアルヴァイムさんにごすっと。
 ‥‥うん、アルヴァイムさんね。あっしなんかのつたない言葉じゃまとめられねえほど、きっちり準備してこの戦いに挑んでるわけっすよ。ただ制圧射撃するだけでなく、敵の布陣の変化やら味方の消耗率、いろんなところに気を使って細かく対応しているわけです。
 こんな敵にも真面目になってる以上に、キョーコさんと悠季さんにごっつごっつ殴られながらもこなす姿が輝いてるとあっし思うっすよ! 頑張れ!
 あ、ファリスさんは、洗脳を見越して、あえて味方に攻撃が届かない位置に布陣することで、ひとまず洗脳音波の対象となることを免れてます。キョーコさんも悠季さんも武器を考えていることで取り落としはしねえんすけど、やっぱり正気にかえるまで言って減らされるのが若干厄介。そんな中、淡々とキメラをファリスさんの槍が薙いで行きます。と、そこで。
(‥‥この角度なら!)
 後方でずっと好機をうかがっていたテイ(gc8246)さんがここで動きます。アルヴァイムさん、実はずっと彼との射線も気を使って立ち回っていたんです。
「その邪魔な琵琶壊させてもらうよ」
 狙うは弁財天の狙う琵琶。武器狙いってのも中々うまく行く芸当じゃねえっすけど、スナイパーが狙い澄まし、仲間の協力もあって虚をついた一撃、敵が持つ位置があまり動かない琵琶とあって、これは綺麗に命中!
 バグアの武器、さすがに一撃破壊とはいかねっすけど、この一撃で音波の精度が落ち、洗脳が効き辛くなってます。引き続きテイさんとアルヴァイムさんが協力して琵琶破壊を狙う中、他三名がキメラを順調に撃破していく流れが出来上がりっすね。




 以上っ! 天の声による突っ込みどころダイジェストでしたっ!(あれ

 ここからは、全体の動きを簡単に総括してお伝えします。

 一番最初に撃破を果たしたのは、人数もあり戦術も申し分なかった【弁財天】対応チーム。ついで【福禄寿】。他は暫く一進一退の削り合いの流れになります。その、消耗戦に勝利を果たしたのは憐さんの活躍目覚ましかった【恵比寿】のチーム。少ない人数ながら、キメラを纏めて対処できるスキルがあったのが大きかった形です。他は苦しい攻防を強いられるも、【弁財天】のチームが比較的近い【毘沙門天】の助太刀に入ったところでこれも撃破。続けて向かうも‥‥ここらで敵バグアにも、劣勢の報が伝わります。【布袋】【寿老人】のチームはあくまで撃破を目指して動いたため、逃亡の動きに対する対処はとれず、これを逃すこととなります。【大黒天】は無人ゴーレムのため撤退は取らず、しのぎ切った一向に次々と合流が到着して破壊に成功。

 結果、七体中五体撃破。UPC軍としては納得いく成果だと思うっす。

「終わったらお腹がすいちゃった‥‥」
 戦い終わって日が暮れて。アルトさんがきゅるる〜とお腹を鳴らしながら呟きます。
「帰ってメシにするか。何が食いたい?」
「クリスはラーメンがいいですの! ユウねーさまは何が食べたいですか? ですの」
 三人で食べたら何でもおいしい、と仲良く立ち去って行く一行。
 そんなこんなで、一同思い思いに立ち去って行きます。

「僕はこれからも日本で戦える。信頼し支え合える仲間達と共に――だから‥‥まだ思い出の幻影に惑わせて貰うね。鈴羽さんに‥‥順平」
 ドゥさんが、多分いろんな意味で遠い目をしながら呟きます。

 この地に、敵に。そして戦いに。
 駆ける想いはそれぞれと思うっすけど‥‥その。
 とりあえず、お疲れさんっした。いや本当。