タイトル:遊園地と魔法少(?)女マスター:凪池 シリル

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/01/30 10:53

●オープニング本文


 どうも、天の声っす。
 今日は郊外にあるさびれた遊園地に来てまーす。
 まあさびれてるんで。あちこちに描かれてたり飾られてたりするのは、可愛いんだけどやっつけ感漂うファンシーな動物たちとかで。どうもこう、キャラクターで推す気はないというか、考えられる人がいなかったんですね、的空気が大人の汚れた心だとさっせちゃいますね、とかそんな感じところを想像してください。
 とはいえ、んなところでもこのご時世ですから貴重な娯楽。土日にはそれなりに親子連れでにぎわってたりするもんですが。
 そんなお子様の一人が、突如「あ」とか言ってなんか指さします。
 みると中空、大人の目線のちょっと上くらいっすかね。その辺に何かふよふよと。漂ってます。何と言えばいいのかこう。とんがり帽子をかぶった風船に手足が生えたような。見ようによっちゃ可愛いかもしれませんね。少なくともやっつけアニマルズよりは新鮮かもしれません。
 そんなわけで子供がとてちてとそれに駆け寄っていきます。子供が近付くと風船みたいのがどうやったのか知りませんがぽう、とシャボン玉みたいのを出してきました。
 わあ、と言って手を伸ばすお子様。
 弾けるシャボン玉。
 その途端、ぶっ倒れるお子様。
 お母さん悲鳴。
 駆け寄るお母さんにもシャボン玉が命中して、二の舞。
 そんな光景があっちゃこっちゃで散見され、この風船みたいのがどうやらやばいぞと人々が気付くや否や、阿鼻叫喚です。
「キメラだーーーーー!」
 はい。そーみたいですね。



「というわけで和歌山君。非常事態だ」
「‥‥分かりました。私が意識引いてる間に市民の避難、しかないですよね」
「ああうん。そうだけど‥‥やけに素直だね、今回」
「そりゃ、見るからに非常事態ですし‥‥ちょっと、思うところもありますから。今回も、ULTに援軍は頼むんですよね?」
「うん、まあそりゃあ、ね」
「じゃあ、ちょっと傭兵にこれ、言付かってもらっていいですか」
「ぬ‥‥わかった。伝えておこう」
「それじゃ。急ぎみたいだし出撃しましょうか」
「ああそうだね。頼むよ和歌山軍曹」
「‥‥軍曹って呼ばないでください! さっきまで和歌山君だったじゃないですかっ!!」
「‥‥そこはまだ、割り切ってないのか」


「‥‥まあ、ともかく。あんたは本当に、何者なのかしらねフレイム・バレット。今まではずっと目を逸らしてたけど‥‥記憶が残ってるんだから。覚醒中も向き合えるかも、しれないわよね? ――闘うわよ、この街の為に。あんたが私なら‥‥応えて」



 てなわけで。
「悪い子は地獄という名の反省室にご案内だ☆ フレイム・バレット、根性叩き直しショットー!」
 いろんな状況やら思惑やらが交差して、今こんな状態です。
 風船キメラ、何体かは茜さん? フレイム・バレット? 軍曹って呼べばいいかとりあえず。が、叩き落としてますね。距離を離して攻撃しているせいか、いい感じにシャボン玉の影響からも逃れてるみたいですが、数が集まってくるとそうもいかなそうです。
 余談ですが、風船キメラ。風船に見えますがキメラですんで。実態は肉塊です。撃たれると血とかナニカとかまきちらしながらグシャア! と落下します。見た目がファンシーなだけにギャップ萌えならぬギャップグロテスクな感じです。
 そんなわけで、傭兵の皆さん助けてー!
 茜さんもだけど、遊園地にキメラ、助けに来たのはこんなのってことで、子供の夢がすごい勢いで粉砕されてそうなのが心配だ!

●参加者一覧

石動 小夜子(ga0121
20歳・♀・PN
新条 拓那(ga1294
27歳・♂・PN
潮彩 ろまん(ga3425
14歳・♀・GP
キョーコ・クルック(ga4770
23歳・♀・GD
真白(gb1648
16歳・♀・SN
ファリス(gb9339
11歳・♀・PN
セラ(gc2672
10歳・♀・GD
ヘイル(gc4085
24歳・♂・HD
沙玖(gc4538
18歳・♂・AA
片山 琢磨(gc5322
28歳・♂・GP

●リプレイ本文

 というわけで、UPCの皆さんも努力しつつも混乱収まりきらぬ遊園地に到着の傭兵御一行。
 キメラの殲滅と行方不明者の捜索、そして茜さんの援護へと役割を決めると複数のグループに分かれます。その中で沙玖(gc4538)さんは全体の指示役に。遊園地の管制室に向かうと、監視カメラや園内放送なんかを使って皆さんを誘導します。

「まずは一般人の安全を確保しないといけませんね!」
 そう言って駆け出したのは真白(gb1648)さん。共に行くのは同じくキメラ処理班として動く片山 琢磨(gc5322)さんです。
 沙玖さんの指示のもと、キメラの集まる位置に向かっては攻撃を開始。
「銃器は苦手だ‥‥」
 シャボン玉を避けるために、距離を取って戦っているのですが、本来は近接格闘を得意とする琢磨さんはちょっとご不満な模様です。
「大丈夫! 援護します!」
 逆に銃は得意な真白さんが、フォローするように射線を合わせていきます。それでも数が多いために近寄られてしまうこともあるわけですが、
「仕掛ける」
 それは琢磨さんが叩くだけの話。無口ながらも必要な時は最低限の声かけもしてますし、即興コンビですが前衛後衛のバランスはきちんと取れている模様。
「ささっと倒して、魔法少女に会いに行きますよー!」
 真白さんの言葉に、琢磨さんは何も言わずに柔らかい笑みを浮かべていました。
「彼女のことは(見ていて楽しいから)好きだな‥‥」
 以前も茜さんと会ったことのある琢磨さん、そんなことを呟きます。口数少ないからなのか、()の中は内心の為音声としては省略されています。
 ‥‥この場にいないからいいものの、『微妙な年齢を略して妙齢と書く』年ごろの女性にんなこと聞かれたら、変なフラグがたっても知りませんよー?



「メイド・ゴールド推参! バグアの好きにはさせないよ!」
「みんなの笑顔を守るため! みんなの笑顔を取り戻すため! ナイトになって参上です!」
 えー。そんでもって。こちらはテンション高い方々がペアになりました。前も見かけたキョーコ・クルック(ga4770)さんと、夢でお会いして以来のセラ(gc2672)さんです。
 お二方の動きは捜索中心。キメラ撃破よりも行方不明者の探索を意識して動きます。
「ここは楽しい魔法の国なんだから、悲しい魔法なんていらないんだよ!」
 そうやって声をかけながら、セラさんは逃げ遅れた人を救助しつつ、詳しい話を聞いて回ります。
 キョーコさんは風船キメラの動きを見ることで探そうとしてるみたいですね。出所を見出すことで、敵の本拠地を探そうって目算でしょうか。得られた情報は沙玖を始め皆さんときっちり共有。捜索範囲を狭めていきます。
 とはいえもちろん、キメラを無視できるわけではなく。二人を見るや風船どももきっちり襲ってくるわけですが。
「そんなシャボン玉くらいでっ!」
 キメラの泡が危険と聞いているキョーコさん、まずはスローイングナイフで叩き割ってから接近。その後もツインブレイドの剣圧で風を起こし流そうとします。
 それでも対処しきれない分はセラさんが、盾を掲げ前に出ることでカバー。エミタのサポートで抵抗力を上げると、壁となってキョーコさんをサポートします。
 こっちも順調のようですね。次行きましょう。



「もう大丈夫です。落ち着いて? 今、俺達の仲間も皆さんを助けるためにがんばってますから、安心してください」
 新条 拓那(ga1294)さんも、石動 小夜子(ga0121)さんと共に園内の捜索、救助です。
 キメラがいれば撃破、動けない方がいれば手を貸し、UPC軍に搬送をお願いします。
「小夜ちゃん、こっち手を貸してくれる?」
「はい‥‥拓那さん‥‥」
 声をかけあい、たがいに慣れた様子で手を貸し合い‥‥って、いうか‥‥
「大丈夫だった? 小夜ちゃん」
「はい‥‥拓那さんがいると心強いです‥‥」
 うん何非常時にこの空気。おめぇらあっしの前でラヴを持ち込むとはいい度胸だ。よぅしじっくり実況してやるから覚悟しやがれ。
 ってまあそれはさておき、行方不明になった人たちですが。敵の兵器も見当たらない、連れ出された様子もない、ならばどこかの遊具施設に閉じ込められているのでは、と小夜子さんが示唆します。うん、と頷いて拓那さんが沙玖さんに連絡を取ります。広い屋内型の遊具施設を中心に沙玖さんが監視カメラの映像を確かめると、浮かび上がるのは探検アドベンチャー。程よく広く暗いそんなところに、何かを運び込んでる影が見つかったとの報告が入ります。
 さすが小夜ちゃんだね。いえいえそんな。とかそんな会話が視線だけでかわされた。気がしました。気のせいと思っておきます。
 そんなこんなで踏み込んでいくお二方。正解であることはすぐに示されます。
 ‥‥行方不明者ではなく、首謀者とはち合わせるという形ですがー。
 人型ですが手足の長い、背中を丸めた異形。それが気絶してる人を小脇に抱え二人のいる施設へと入りこんできます。明らかに外のキメラどもとは趣も気配も違ってますね。
 強化人間ではないですが、結構高度のキメラです。機敏性を特化された性質は常人には捕えられぬスピードで動き人間の回収を担当。その速さは、攻撃においても脅威。勢いを乗せた一撃はその姿に似合わず重く、並みの実力では攻撃を当てることは難しいでしょう!
 早期解決の為に手分けしたはいいがそんなところに二人で乗り込んで! どうなる、大丈夫なのか!
 ‥‥と。本来はそういう話なんでしょうが。
 今回このキメラを発見した班が。よりにもよって高レベルペネトレーター二人のコンビとか。
 さっき「機敏性を特化された」とか一応言ったけどうん、正直この二人の前でそれ言うとか気の毒な気持ちになってたり。

 そんなわけでなんか強そうキメラ、ぼっこぼこに殴られてますよ。ええ。

 あ、逃げた。



「みんな、こっちだよ。大丈夫、轟く銃声の元に、フレイム・バレットは居るもん!」
 そんなこんなで、最後に書きますのは茜さんと合流、援護に向かったチーム。潮彩 ろまん(ga3425)さん。
 ろまんさんのほかにはファリス(gb9339)さん、ヘイル(gc4085)さんになります。
 最後に書きましたが実際このチームが目的果たすのは一番楽といえば楽ですね。ろまんさんが言うとおり、銃声が響きまくってる方に向かえばいいんですから。
「助けに来たよ、フレイム・バレット。さぁ、ファリスちゃん、ヘイルさん、ボク達も変身だっ!」
 宣言すると同時に、覚醒を開始する一同。
「みんなが楽しむ夢の国、それを荒らすなんて許せない‥‥魔剣少女マジカルろまんA、光りと共に只今参上!」
 髪の毛がしゅるんと伸びて三つ編みになってリボンで留めて。びしっと決めポーズで登場です。
「闇に覆われしこの世界を貫く、正義の光の一閃! 正義の光に導かれ、魔槍少女ファリス、ここに参上なの!」
 ファリスさんも同時に覚醒です。光に包まれると同時にその背に現れる天使の翼。槍を掲げて叫びます。
 そしてトリを務めますはさらっとろまんさんに頭数に入れられたヘイルさん。「えっ」という顔をしていますがいやいやこれで。実は変身ヒーローとしての資質はこの人が一番あると言えましょう。何せクラス:ハイドラグーン。AU−KV使いです。出撃申請書類にも全身装備はリンドブルムと承っておりますゆえ当然装着するのでしょう。では張り切ってどうぞ!
「‥‥‥‥‥」
 無言です。無言の変身でした。いいんですそれがきっと彼のジャスティスなんです。そういうことにしましょう。
「フレイム・バレット! ファリスが突っ込むから、後ろから銃で援護して欲しいの!」
 ファリスさんが叫び、槍を構えて前に出ます。だが残念! フレイム・バレット、援護射撃なんて言う器用なスキルは持ち合わせちゃいないのです。「OK魔槍少女!」とノリノリで言いかえしたりはしてますが、やることは相変わらず、適当に撃ちまくっているだけですね。
 援護が期待できないと見るや今度はファリスさん、茜さんの射撃に合わせて攻撃するよう切り替えます。なんだかんだで伝言は意識されている模様。うぅ‥‥ええ子や‥‥。
「ボクだって、Aになってパワーアップしたんだもん‥‥マジカルAマシンガン、風船クラッシュ!」
 ろまんさんはそう言いながらSMGでシャボン玉を砕いていきます。パワーアップと言ってどう見てもドローム社製SMG持ってきただけに見えますけどね。魔剣どこいった。
 そんな中ヘイルさんは静かにフォローに回っていました。死角の敵を落としたり、視界に入るように誘導したり。茜さんが効率よく叩けるように動いています。
「‥‥『フレイム・バレット』も『軍曹』も、全て『和歌山 茜』と言う存在の一部でしかない。
 力に振り回されるな。貴女は貴女の『意志』に拠って立て。
 倒すべき敵、護るべき人々がここには居る。貴女も『能力者』だろう。やるべきことをやって見せろ!」
 始めはゆっくりと、最後は力強く、後ろから向けられた言葉に、フレイム・バレットが一度視線を向けました。
『フ‥‥フレイムバっ‥‥』
 続いて聞こえてきた声は、園内放送から。沙玖さんですね。まあ、言いかけて恥ずかしくてやめた感じですけど。
『おい、フレイムバレット! この俺を覚えているか? この孤高の黒鷲と呼ばれる俺のことをっ!』
 そんなふうに呼ばれているところはついぞ把握しておりませんが。沙玖さんがこういう言い回しになるってことはあれですね。この人も覚醒しましたね。まあ確かにこれなら恥ずかしくないんでしょうが。今は。
『まぁ分からないのならそれでもいい、だが魔法少女! ヒーローというものには必ず頼れる仲間がいるものだ。仲間との連携、そして最後に決める渾身の一撃、それで倒れる暗黒の手先(キメラのこと)、これこそあるべき姿だ。なぁ、そうだろうフレイム、いや‥‥和歌山茜っ!』
 ちなみに管制室には、この後覚醒が解けて項垂れる沙玖さんの姿がありましたが。うん。いいのかなー園内放送でいっちゃって。もうほとんど終わっているとはいえ、ばっちり響き渡って避難中の市民やUPCの方にも聞こえちゃってる気がするけど。
 まあでも。
 いいタイミングでは、あったみたいですよ?

「魔弾少女隊フルール・ネージュ参上です!」

 フルールネージュは仏語で雪花のことですね。名乗ったのは真白さん。担当地区の掃討を終え、真白さんと琢磨さん、こっちの応援に到着です。

「戦場ヶ原の戦友としてフレイム・バレットに一言あいさつがしたかったが間に合ったようだね。――いや何、私も魔奏少女を名乗る身なのでね」

 セラさん‥‥いやアイリスさん‥‥じゃなくて魔奏少女マジカル☆リリック? もうややこしいよ。っていうかただでさえ魔奏少女と魔槍少女がややこしいよ! どっかで変換ミスがあったらわざとだよ!? ついだよ!
 ‥‥というわけでえーと、セラさん、でいいやもう、とキョーコさんもやってきました。

 そんで。

「さあ追い込んだぞ! 小夜ちゃんに手を出したんだ、相応の覚悟はしてもらわないとね」
 はいはいごちそうさまごちそうさま。ここで、なんか強そうキメラを逃がした、と見せかけて沙玖さんと協力して仲間の元へと追いつめていた小夜子さんと拓那さんも登場です。
 こうなりゃあ残った風船キメラとなんか強そうキメラの対処も時間の問題ですね。
「いまだフレイムバレット、あのキメラのの中心核(注:特にそんなもんは見当たりません)を狙って! ‥‥それから、背中借りるねっ」
 ろまんさんが茜さんとの連携を試みようとして叫んでから、茜さんの背中を踏み台にしてジャンプ!

「波斬剣‥‥マジカルフレイム大ジャンプ!」

 ‥‥言っておきますと、グラップラーの身のこなしと瞬天足があってどうにか出来る技です。あと、めっちゃ大振りになるから外すと危ない。良い子は迂闊に挑戦しないでね。
 まあ今回は。槍やら盾やらツインブレイドやら銃やらが援護してますから。
 というわけで。悪のキメラ、正義の刃で真っ二つ! これにて一件落着!

 えーと。

 ※このシナリオは【初夢】シナリオじゃありません。実際のCtSの世界観で起きた事件です。

 すいません。なんか断らなきゃいけないような気がしてきたんです。



「先ほどはノリで茜さんと同じ魔弾少女隊を名乗っちゃいましたが、私でも入隊できますか? 銃を愛用してますし、戦えますし、どうでしょう?」
 きらきらとした目で茜さんに迫る真白さん。
「ふっ‥‥引き金を引く覚悟があるのなら、貴様も勇気ある戦場ヶ原の戦天使の一人だ! このマジカル軍曹について来いっ! ‥‥って何言ってんのーこれ何言ってるのー」
 あーぎりぎり覚醒解けてなかったんですねー。
「これからよろしくお願いしますね! 茜先輩!」
「あー‥‥うー‥‥」
 超笑顔で言われて、しゃがみこんでしどろもどろの茜さん。とりあえずその辺の茂みから軍服のジャケットを取り出すと、フレイムバレットの服装の上から強引にはおります。
「まあ‥‥なんだ。得るものはあったか?」
 ヘイルさんが苦笑しながら話しかけます。茜さんはじっと自分の手を見ました。
「分からない‥‥かな。最後にろまんちゃんが飛んだ時、あれじゃ危ない、っておぼろげに思った記憶は、あるんだけど」
 実際、ちゃんと動けたかな。役にたったのかな。不安げに茜さんが呟くと。
「安心しろ(ギャグ要員として)役に立っている」
 琢磨さんが言いました。相変わらず()内は声に出してません。
「そう‥‥かなあ?」
「あんたにも、とりえはある(ネタ的な意味で)」
 うんそろそろわざと認定していいなこれは。まあでも、黙っててもわりとそういうのって伝わるもんですよ? ってなわけで茜さんの反応としてはまだ自信なさげですね。
「お疲れ様〜この前はすまなかったね〜てっきりレイヤーだと思っちゃって」
 次いで話しかけるのはキョーコさん。
「だけど案外、変身願望みたいのの表れじゃないのかな? 魔法少女じゃなくてわかりやすい正義の味方みたいなのへの。あたしのこれも憧れみたいなものだし」
「正義の味方、ねえ」
「俺が言えたことではないが、覚醒状態は変化することもあるし、長い目で付き合っていけばいいんじゃないか?」
 おっと、ここで沙玖さんも管制室から出てきて合流です。彼の姿を見ると、茜さんはようやっとあはは、と笑いかけました。
「あんたも大変そうねー。でもうん、そうね。お互い頑張ろうか」
 そう言って、茜さんはぱんぱんとスカートの裾をはたいて立ち上がり。
「何にしても、今回も。UPC軍として傭兵の助力に感謝するわ」
 告げて、びしっと敬礼。

 ぐだぐだだけど、あれ? 茜さんが終わった後にちゃんと傭兵の皆さんに向き合って挨拶出来たのって、これが初めてじゃないかな。