タイトル:【極北】チューレへの道マスター:村井朋靖

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/03/13 23:32

●オープニング本文


 チューレ攻略、という案件が表に出たときから、ウォルター・マクスウェル准将は強化人間絡みで一部の生徒の間に感情的な意見が出ることは予想していた。彼らは若いし、まだ軍人ではないのだ。
「あらゆる事に準備はしておくべきだろう。こういう折、若者は忙しく働くべきだな」
 こつこつ、と机を叩きながら彼は言う。グリーンランド方面では敵味方が交錯しており、明確な戦線が有るわけではない。海上、丘などにある基地の幾つかを襲撃する事はさほど不自然には見えないだろう。それぞれの繋がりが見えぬよう留意しつつ、彼は一連の作戦目標を選定し、指示を出した。

 バグアはチューレ基地までの道に、いくつものレーダー基地や監視中継基地を擁している。今回の任務はそのひとつを破壊することにあった。
 UPCからの依頼を受け、傭兵の杉森・あずさ(gz0330)が事前に情報を聞く。しかし、どこか気まずい。ULTのオペレーターが、ずっと険しい表情を浮かべていたからだ。
「今回は監視中継基地の破壊です。UPC軍からも念を押されてるんで、ホントよろしくお願いしますよ?」
 さっきからあまりにもしつこい注意に、あずさは苛立ちを隠しつつも「わかってるよ」と言い放った。
「こっちも報酬もらってるんだから、ちゃんと仕事するって‥‥」
 このまま話し込んだら、間違いなくケンカになってしまう。あずさは軍の車両を申請すると、資料を持ってさっさと退散した。

 廊下を出ると、あずさは大きく深呼吸。少し落ち着いたところで、ひとり考えを巡らせる。
「監視の中継をしてるってことは‥‥バグアへの連絡を受け持つ管理人がいて、さらにキメラの統率をしてる敵がいるってことだろうね」
 手渡された資料によると、目標となる建物はさほど大きくない。少しでも周辺の土地に紛れるよう、目立たない形状になっているそうだ。
 外に配された出入口はキメラ専用‥‥つまり建物の外周は、彼らの住処と考えるのが自然だ。そうなると、内部もしくは地下に通信機器が配置されており、そこから情報を発信していると考えられる。キメラの統率するとなれば、強化人間が少なくともひとりはいるだろう。
「今の状態だと、用心棒のワームがいてもおかしくないかもね」
 今までになく戦いにくい形をしたワームが出現していることは、あずさの耳にも入っている。いても小型だろうが、後味の悪さは変わらない。彼女は「そういう敵が出る」と決めつけ、現地で動揺しないよう心がけた。
「できるだけ早く無力化するのが理想かな?」
 オペレーターに愚痴を言わせぬためにも、ここはバッチリ決めたい。あずさは髪を束ね、気合を入れた。

●参加者一覧

水無月 魔諭邏(ga4928
20歳・♀・AA
ドリル(gb2538
23歳・♀・DG
翡焔・東雲(gb2615
19歳・♀・AA
メシア・ローザリア(gb6467
20歳・♀・GD
柳凪 蓮夢(gb8883
21歳・♂・EP
ラサ・ジェネシス(gc2273
16歳・♀・JG
沙玖(gc4538
18歳・♂・AA
トゥリム(gc6022
13歳・♀・JG
ジェーン・ジェリア(gc6575
14歳・♀・AA
ローザ・D・フォイエル(gc6887
32歳・♀・FC

●リプレイ本文

●襲撃の前に
 背丈の低い監視中継基地の南側に陣取った傭兵たち。囮班として凶暴な敵と戦う翡焔・東雲(gb2615)は同じ作戦に携わるメンバーをジーザリオに導き、その中で武器の準備をするよう促した。
「すまん、最初だけちょっと手荒い運転になるぞ」
 傭兵なら一度は体験する、無茶なシチュエーションのひとつともいえよう。それを聞いた水無月 魔諭邏(ga4928)は「大丈夫ですわよ」と微笑んだ。
「皆様、あくまでも基地の無力化が目的ということをお忘れなきように」
 監視中継基地の機能さえ破壊すれば、敵を無視して逃げても構わない‥‥彼女はそう念を押した。
 その説明に納得し、白銀の髪の少女・トゥリム(gc6022)がこくんと頷く。無益な殺生は望むところではない、ということか。少女はラサ・ジェネシス(gc2273)の元に駆け寄り、目の前でちょこんとお辞儀。そして、たどたどしく感謝の意を述べる。
「あの、服、ありがとうです」
 どうやらトゥリムは、ラサに防寒具をもらったらしい。ラサは少し照れながら「いいヨいいヨ」と笑いながら、続けて今回の意気込みを口にした。
「ココはビシッと決めて、信頼回復したいネ」
 それを聞いた沙玖(gc4538)が「気を抜くなよ?」と言いながら、忍刀を抜いて準備を整える。彼は施設の管理を行っているであろう強化人間を倒すため、囮班とは逆方向‥‥つまり北側から潜入を図る。
 同じチームの女性陣もすっかりやる気だが、そのベクトルはまったく別物。ローザ・D・フォイエル(gc6887)は復讐にも似た感情を隠さず、ジェーン・ジェリア(gc6575)は底抜けに明るく振る舞う。
「えっと、あれを壊してー、強化人間やっつけてー、勝ち名乗りをあげればいいんだよね? あ! 旗も掲げよう、旗も!」
 ジェーンは炎剣「ゼフォン」の他に長物を持っているから、誰もがとっておきの武器だと思っていた。ところがそれが旗だとわかると、シリアスなローザでさえ微笑みを浮かべる。まったく、このムードメーカーには勝てそうにない。
 ドリル(gb2538)もリンドヴルムに乗って東雲の車に追従する準備を整えたところで、柳凪 蓮夢(gb8883)が通信機を使って西側に陣取るメシア・ローザリア(gb6467)に連絡を入れる。
「こちら蓮夢。車の準備はできましたか?」
「もちろんですわ。南側の騒ぎに連動して、ジーザリオを発進させますわ」
 これを聞いたラサも東側に用意した車両へと移動。メシアと同じ手段で撹乱を行う。それに杉森・あずさ(gz0330)を加えた3人が施設の破壊を担当。同じく北側から潜入の運びだ。
「じゃあ、始めようか」
 東雲の合図で、メンバーは各自の持ち場へと移動した。

●華やかな戦いぶり
 まずは南側、囮班の突撃で戦いの幕が開く。
 東雲は宣言通りの運転を披露し、出入口のシャッターに向かって派手に激突。すぐさま基地内外に警報が鳴り響く。
 それを確認し、東雲はバックして車を横付け。メンバーに「いいぞ!」と合図を送る。
「水無月魔諭邏、参ります!」
 覚醒して表情の引き締まった魔諭邏は、愛刀を片手にジーザリオから飛び出す。騒ぎを受けて出現したキメラに向かって、まずは挨拶代わりの一太刀を食らわせた。
 すべての出入口が開かれ、いよいよ囮班のお仕事は忙しくなる。
 トゥリムは前線で戦う魔諭邏に援護射撃でフォロー。敵が集まってきたところを、ガトリング砲で弾をばら撒く。キメラが怯んだところに、AU−KVを装着したドリルが登場。竜の鱗を使って防御力の底上げをしてから、とにかく刀で斬っていく。
「今日は打撃しか披露できないけど、我慢してほしいな」
 攻撃の合間にニールキックを放つなど、得意のプロレス技もフェイントに織り込んでの戦闘術を披露した。
 東雲は車を背にして、二刀小太刀からの流し斬りを駆使してキメラに対抗。こちらは足を狙っての攻撃を徹底する。
「これからさ、パーティーは」
 ダイヤモンドダストのようにきらめく4人の乙女。これほど華のある囮も珍しい。

 徐々に南側は騒がしくなってきた。メシアはラサとタイミングを合わせて、ジーザリオに仕掛けを施す。車両のアクセルに重石を乗せ、自動的に突っ込むように細工したのだ。そしてエンジンをかけると同時に、ふたりは大急ぎで北側へと急行する。
 解き放たれた暴れ馬は東西の出入口に向けて突進し、キメラをも巻き込んで激突した!
「ドドォォーーーーーン!!」
 北側でうろちょろしていたキメラも、さすがに慌てて動き出した。このまま待てばもっと敵の数が減るかもしれないが、囮班の負担が増えてもいけない。
 メシアとラサが北側に到着したのを確認し、ジェーンは拳を振り上げて「ゴーゴー!」と無言でアピール。ローザも「そろそろか」と呟く。さらに、あずさも「行けるよ」と同調。それを聞いていた沙玖は、思わず無表情のままで「おー、怖っ」と素直な感想を述べる。
「そんな頼もしい皆さんを敵に回したくありませんので、そろそろ参りましょうか」
 蓮夢の言葉に呼応するかのように、まずはラサが飛び出した。そして貫通弾を装填した状態で、ブリットストームをキメラたちに向かって放つ。
 続いて、あずさが刀を抜いて敵の目を惹く。その背後からメシアがライスナーで牽制を仕掛け、沙玖が忍刀で一閃してキメラの命を散らした。
 蓮夢は隠密潜行を発揮し、ゆっくりと進軍。静かに出入口へと迫る。それを覆い隠すふたつの影が、乗りに乗ってるジェーンと戦いに燃えるローザだ。ゼフォンと蛍火が牙を剥いたかと思えば、背後に潜む蓮夢が天槍「ガブリエル」で音もなく仕留めていくという絶妙の連携を見せた。

 万全の作戦で難なく潜入を果たした7人は、それぞれの任務を果たすべく2班に分かれた。
 メシア、ラサ、あずさの3人は、方位磁石を頼りに通信施設を探す。磁場の強い方に設備があるだろうというのが、メシアの推理だ。
「このアイデアがどうあれ、とにかく何かを発見すればいいのですわ」
 そう言いながら広い廊下を走っていると、さっそく警戒中のキメラが行く手を阻んだ。あっという間に接近されるが、メシアとあずさは慌てずに前へ出てこれを防ぐ。
「跪きなさい、下衆め」
 キメラの足を脚甲「イキシア」で払い、言葉通りの状態にさせる。その隙にあずさが後ろに回って刀で斬った。しかし敵も反撃し、メシアに手傷を負わせる。
 この騒ぎを聞きつけ、さらに兵士たちが出現した。ラサはこのタイミングで制圧射撃を使って隙を作り、ふたりに排除を願い出る。
「今でス!」
 こうして再び、お嬢様のバトルショーが開演。無礼者のキメラには急所突きの効果を付与したライスナーの一撃を頭に食らわせ、速攻で黙らせる。
 あずさが武器を構えなおして兵士ににじり寄るところで、ラサが口を開いた。
「手を頭の後ろで組んで、うつ伏せになってくだサイ。抵抗しなければ、命は保障しマス」
 美しき刺客がキメラを倒した以上、抵抗しても無駄。兵士たちはラサの呼びかけに応じ、武器を捨てて降伏する。
「あなたたちが左側から出て来た、ということは‥‥」
 メシアはそう呟くと、方位磁石の変化を見ながら「左に参りましょう」と答える。ふたりは再び移動を開始した。

●探索、そして合流
 基地で司令を担当する強化人間の撃破を目指し、沙玖たちは基地の中枢へと急ぐ。
 複数の兵士と出会えば、蓮夢が迅雷を駆使して天井を駆け抜け、あっという間に挟み撃ちの構図を作り出す。
「悪いが、今しばらくお付き合い願うよ」
 人間は不利な状況を機敏に察知してくれるので、攻め方を変えるだけで優位に立てる。沙玖とジェーンは当て身を食らわせ、兵士を気絶させた。その隙に、蓮夢は再び隠密潜行を発動。直感を研ぎ澄ませる。
 捜索ではキメラとの遭遇が厄介だったが、ローザが迅雷を駆使して一気に目前まで迫り、問答無用の一撃で先手を取った。
「容赦はしないわ」
 両腕から炎のオーラを放つローザの一閃は顔を穿つ。続いて沙玖が躍り出て、流し斬りを放った。
「この剣、受け切れるか?」
 自信に満ちた一刀で敵の悲鳴を引き出すと、すっかり興が乗ったジェーンは「あたしもあたしもー!」と、同じく流し斬りで攻撃。隙を逃さぬ徹底した攻めで押しまくり、蓮夢がトドメを刺す。
「出会ったことが最大の不幸、でしたか」
 キメラが地面に倒れるのを見届けず、蓮夢は再び走り出した。

 彼らは行く先々で扉を見つけるが、どれもキメラが通り抜けできる大きさはある。狙いは強化人間だが、通信機器の破壊も同じくらい重要な任務だ。部屋の中にキメラがご在室の可能性もあるが、ここは丁寧に調べていくことを優先。蓮夢が扉を開け、さっと中を確認する。
「ここは違いますね」
 この一角は兵士の待機部屋が連なっており、目的の場所ではない。その後も沙玖と交代で部屋を確認するうちに、今までの中でもひときわ大きな扉にぶつかった。
「ここだけポツンと、ひとつだけ扉があるってことは〜?」
 そう疑問を投げかけるジェーンだが、ちょっと嬉しそうな表情をしている。誰もが「ここが本命」と判断し、改めて戦闘の準備を整えた。
 そして各自が目配せで合図を送ると、蓮夢が身を潜めたまま扉を開ける。すぐさまローザと沙玖が飛び込み、部屋の両翼に陣取った。
「なっ! 貴様らが侵入者か!」
 室内は今まで以上の音量で警報が鳴っており、敵の声も聞き取りづらい。しかし部屋中に設置された画面やマイクなどの設備を見れば、名乗ってもらわずとも何者かはわかる。能力者を見て平然としていられる人間は、だいたい強化人間と相場が決まっているからだ。
 ローザは怨敵を発見するや、乱暴な口調で罵る。
「あんたなんか生かしておいていい理由、どこを探してもないわ。さっさと通信機器の場所を吐いて死んでちょうだい」
「その様子では通信設備を破壊しに来たらしいが‥‥お望みのものは見つかっていないようだな。安心したよ」
 強化人間は不敵に笑いながら、ゆっくりと剣を抜く。その様子をじっと見ていた蓮夢は、ここでまた隠密潜行を発揮。ゆっくりと部屋に入り、敵にガブリエルを突き出す。
「どうせ、最後にはわかる。何も問題はないさ」
 その言葉に続いて、ジェーンがアラスカで強化人間の胸を撃つ。これが戦闘の号砲となった。
 沙玖は二度斬った後に、側面に回りこんでの流し斬り。ローザも円閃を大振りで決め、続けざまに細かいリズムで斬っていく。
「隙を見せた時が、生の最後だと思え!!」
「あー! あたしもやるやるー!」
 カッコよく攻撃を決めたふたりを見て、ジェーンも大好きな接近戦に参加。バカ正直に真正面へ突っ込むも、なんと初手は流し斬り。思わぬ形で強化人間の虚を突く。
「グアァァァッ! な、なんだ! い、一番バカっぽいのに!」
 これこそまさに「好きこそものの上手なれ」であろう。彼女の影から、蓮夢がお得意の戦法を使って突きを放つ。
 だが、敵も司令の任を授かる実力者だ。そう簡単には倒れてくれない。さらにアホの子やローザ、沙玖に凶刃を振るい、確実にダメージを与えた。

 ちょうどその時、メシアとラサが同じ部屋に突入した。
 即座にラサは制圧射撃で強化人間の行動を抑制し、部位狙いで頭に大きなダメージを与えた。メシアも一気に接近し、踊るように蹴撃を放つ。最後に放った回し蹴りは急所突きを発揮した一撃で、大いに敵を悶絶させた。
「ぐもぉっ!」
「バグアが侵略をするなら、わたくしは排除するまでですわ」
 その間、あずさが周囲を見て回るが、なぜか通信に使う装置が見当たらない。そんな彼女に、蓮夢がアドバイスを送った。
「強化人間から見て右手に、おそらく隠し扉があるはずです。そこをたどれば、通信施設が見つかるはずです」
 さすがの強化人間も、目が点になった。さっきは倒して吐かせると言ってたのに‥‥呆然と立ち尽くす敵に、蓮夢が説明する。
「さっきローザに返事しただろう? 言葉ではなく、目で。お前はまだ通信装置の場所を突き止められていないと安心し、思わず大切な場所を見てしまった。私は、それを見逃さない」
 つまり三度目の隠密潜行は、隠し扉の場所を知るためだったというわけだ。ただちにあずさが怪しい場所を足で蹴りまくり、ようやく隠し扉を発見。すぐさまメシアとラサが動き出した。
 強化人間はそれを阻もうとするが、時すでに遅し。沙玖の流し斬り、ローザの円閃を食らうと、もはや虫の息。
 最後はジェーンが体を低くした状態で、スマッシュと両断剣の効果を発揮。足の腱と関節を狙った横薙ぎでトドメを刺す。
「えーーーいっ!」
 強化人間は大の字になって地面に倒れると、一瞬にして爆発してしまう。これで指揮系統は潰した。

●任務完了、撤退!
 秘密の扉を開いた先には、通信機器が所狭しと並んでいた。
 ラサは今後に活かせる資料がないかを懸命に探したが、メシアが無線機で囮班からの救援をキャッチ。もはや選んでいる暇はないと知ると、ラサとあずさは資料を持てるだけ持って、メシアに通信機器の破壊を任せた。
「あとはお任せなさい」
 メシアは銃弾をばら撒き、機器をひとつ残らず破壊。急いで救援に向かう。

 南側の出入口では激戦が続いていた。例の人間を素体にしたワームが2匹も出現し、いろんな意味で苦戦を強いられる。
 魔諭邏は片方に的を絞り、二度に分けて急所突きで応戦。東雲は同じ目標に流し斬りを決めると、すぐさま剣劇で何度も斬りかかる。
 ドリルは竜の爪と竜の息を駆使して、もう1匹を銃で牽制。トゥリムは魔諭邏と東雲に援護射撃の効果を付与して、なんとか戦線を維持する。
「ヒトを撃つことになるなんて‥‥」
 幼いトゥリムにはなんとも厳しい敵だったが、その苦しみもすぐに終わった。潜入班が東西にぶつけたジーザリオを回収して、南側へと到着。ラサが車中から躍り出て制圧射撃を行う。
「もう我輩は甘くない‥‥多くの人命がかかっテル」
 敵がどんな姿であれ、絶対に戦ってみせる。ラサは強い意思で大地に立った。その隙にジェーンもお手製の旗を立てて、基地制圧を強烈にアピール。ちなみに旗には自分の似顔絵が書いてある。
 沙玖は車の窓から顔を出し、東雲に車を戻るよう指示。彼女も「了解!」と返答し、二刀小太刀を納めてジーザリオへと走る。同じく魔諭邏もトゥリムとともに車に乗り込んだ。そしてドリルがAU−KVをバイクに変形させれば、脱出の準備はすべて完了する。
 最後は不気味に蠢くだけのワームに向かって、運転席のメシアが炸裂寸前の閃光手榴弾を2匹の目の前に投げ込む。
「あとはUPC軍にお任せしますわ」
 目映い閃光が敵を包む頃、メンバーは無事に戦場を去った。その後、ドリルとトゥリムが救急セットを使い、メンバーの傷を癒した。