タイトル:大佐のお料理コンテストマスター:聞多 薫

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/05/05 20:31

●オープニング本文


 ラストポープの一角、その小島に広大な敷地を有する学園がある。
 バグアと戦う為にエミタを埋め込んだ適合者達には若者や少年少女が多く、義務教育を終了していない者も少なくない現状に際し、UPCが彼等の為の軍事士官学校創設を表向きに訴え、その実、洗練された能力者の部隊結成を理由として誕生した学園で、名をカンパネラと云う。
 一般のハイスクールに近しい自由校風で知られるが、軍事士官学校であるが故に、カリキュラムには軍事演習が可也の割合を占める。
 その指導員の中に、齢は四十五と三カ月、幼少の頃より軍属として幾多の戦場を渡り歩き、正式に軍人となった後は戦功を積み上げ、組織との軋轢から退役した経歴と、『デス・ハーケン』の異名を持つ、英雄的な傭兵が一人いた。
──通称、ハーケン大佐と云う。

「俺がお前ら雌豚共の教官を務めるハーケン大佐だ。いいか! お前らは等しく価値がない。選ばれた能力者? そんな糞みたいなプライドは、今すぐその場で小便と共に垂れ流せ。 もう一度言う、お前らは戦場ではウジ虫以下だ。糞を拭く紙の方がまだ値打ちがある! 俺がお前ら糞共を人間にしてやろう! 戦場で戦士として死ねるようにな!」
 聞くに堪えない下品な口調で生徒達を罵り、一括し、震え上がらせ、スパルタ式に指導するその姿勢は、学生達の間で多少の話題となっていた。
 怖いもの見たさや度胸試しでカリキュラムを選択する学生、一部で好意的な学生がいるものの、基本は毛虫の如く嫌われている。
 そんな彼に、学生との交流イベント出席の依頼が舞い込んできたのは、偶然であろうか。

「大佐」
「なによ?」
 今日も生徒に泣かれ、避けられ、しょんぼりと講師室に戻る彼を、女性副官が呼び止める。
「学園から新たな依頼です」
 オナカイタイ、と頭を押さえ、弱弱しく拒絶する40代のおっさん。
「料理コンテストの審査員を行って欲しいとの事だったのですが、お断りしておきますね」
「フッ‥‥誰が断ると云った?」
 なんかよく知らないけど、飯を食べてお金が貰える!
 そんな三歳児並の理解力で大佐はイベント参加を容認したのだ。
「まったくガキのお守りばっかりさせやがって、仕方ないな、今回だけだぞ?」
「大佐暇そうにしてますし、今後も似たような依頼が舞い込むと予想されますが」
 暇じゃないもん、と拗ねる彼を尻目に、副官は告知ページを作成する。


─────────
 学園料理コンテスト開催!
 優勝者には学園お料理マイスターの称号と、それなりの賞金、所属部活への助成金付き。
 外部聴講生でも参加可能。
 審査員は欲望だけは人一倍、食欲だけは人二倍。ドッグフードも喜んで食す奇人、下品で知られるハーケン大佐です。料理に自信がない貴方も、一服盛りたい貴方も、冷やかし目的の貴方も、参加をお待ちしております。
─────────

「‥‥なんかこの告知酷くない?」
「妥当と思われます。大佐不人気の煽りを受けて、参加者0なんてならないといいですね」

●参加者一覧

フェブ・ル・アール(ga0655
26歳・♀・FT
植松・カルマ(ga8288
19歳・♂・AA
赤崎羽矢子(gb2140
28歳・♀・PN
ミスティ・K・ブランド(gb2310
20歳・♀・DG
ファーリア・黒金(gb4059
16歳・♀・DG
フローネ・バルクホルン(gb4744
18歳・♀・ER
卯月 桂(gb5303
16歳・♀・DG
フェイト・グラスベル(gb5417
10歳・♀・HD

●リプレイ本文

 横断幕の下、タキシードで入場した大佐は開会の辞を述べる。
「俺がお前ら雌豚共の審査員を頼まれたハーケン大佐だ。食は戦場での生命線、それはお前達糞以下のヒヨっ子でも変わらん。今回は軍事演習ではないが‥‥」
「長くなりそうなので初めて下さい」
 副官はチーンとベルを鳴らした。

 舞台に上った参加者八名。
 学生服に三角巾エプロン姿のフェイト・グラスベル(gb5417)、卯月 桂(gb5303)、ミスティ・K・ブランド(gb2310)。
 割烹着と三角巾姿の赤崎羽矢子(gb2140)。
 タンクトップ&エプロンのフェブ・ル・アール(ga0655)。
 指や腕に輝くシルバーアクセがイヤに眩しい植松・カルマ(ga8288)。
 胸元ぱっつん。軍服姿が目を引くフローネ・バルクホルン(gb4744
 ブルマ姿にエプロンのファーリア・黒金(gb4059)。
 後に行けば行くほど怪しすぎる構成である。

「チョリッス」
 査定に来た大佐へ、植松はウォレットチェーンをチャラチャラさせながらチャライ返事を返す。
「チェリー、中々殊勝な心がけだな!」
 重々しく頷き、俺の為に料理を作りに来たか、とご満悦。
 植松の顔を見ると吹き出しそうになってしまう副官だが、冷静に視線が装飾品に向いている。領収書リストを見れば、『上様名義のお品代』。
 悪行を見抜かれたと悟り、頭痛が痛いとお腹を押さえる彼の肩を叩き、彼女は囁く。
「せめて手は洗って下さいね」

「恥女」
 大佐はニックネームで赤崎を呼ぶ。
「あ、副官さんお久しぶりー」
 昭和のお母さん状態の彼女、先に副官に挨拶した後、手際が良く味噌汁を作りながら、片手間感丸出しの会釈を大佐へ返す。
 トントントンと軽快な音を立てて、またお玉で味見。
「んー、少し塩味が足りないかな?」
「恥女。それで男は騙せんぞ。どれ、俺がアドバイスをくれてやろう」
 手を出すも完全に無視され、大佐は構って欲しげに彼女の周囲をうろつく。
「邪魔」
 叱られてしょんぼり次へ。

「ポーク! 今日も肥えてるじゃないか」
「‥‥誰がポークだと?」
 ダイナマイトボディを制服とエプロンで包んでいたミスティは、あーん? 上官に口答えか? と詰め寄って来たおっさんの足を踏む。
 大佐、器用に踏まれた足を踏んでる足を踏む。
「どうしたポーク? 養豚場から解雇処分でも受けたか?」
「どっちが上か、決めておかないとねぇ」
 ミスティ、更に器用に足を踏む。末期のジェンガの様にグラグラする両名。野生の猿は尻乗りで序列を決めると云うが‥‥・。
「そんなものか。俺はまだ半分も力を込めてないぞ」
「私なんてただ乗ってるだけだがな」
 副官は彼等の首根っこを掴み、一度寄せるようにグッと力を込め。
「仲が宜しいですね。キスでもしますか‥‥?」
 ピョン、と離れた二人だった。

 次なる標的はフローネ。
 軍服からこぼれそうな胸を、ナニコレ? と遠巻きに見つめる視線に気付き、彼女は大佐に敬礼を返す。
「審査員が軍人と聞いたので‥‥やりすぎだったか?」
 やりすぎです。
「気温も考えると、少し量を減らすか」
 調味料、焼き時間等をグラム単位、秒単位で調整し、食材等の斬り方も機械のような精密さである。調理に集中し、話しかけるなオーラを漂わす彼女を離れ、どっこいしょ、と審査席に戻った大佐は書類を覗き込む。
「あそこのプロのねーちゃんみたいな奴。名前なんだっけ?」
 突如包丁が飛来し、大佐の首筋数センチの椅子の背に突き刺さった。
「何か言ったか‥‥?」
 冷笑を浮かべているフローネに対し、大佐はあの人怖いんですけど、と指をさし副官に泣きつく。
 下品なこと言うからでしょ、と彼女は刃を引き抜き、フローネの元へ赴くと、優しく包丁を握らせた。
「以後、危険行為は慎むように」

 癒しを求め、大佐は懸命に調理に打ち込んでいる桂の元へ。
「ほう、これはなんだ? 答えてみろ」
 あだ名に隠語を思い浮かべたが泣かれそうなのでやめておく。
 近寄って来た危なそうなおっさんに、怯えを顔に出す女生徒。
「大佐はお肉が好きそうですし‥‥」
「何? 貴様よくそれが分かったな」
「は、はう、ごめんなさい、生まれてきてごめんなさい」
 普通に話してるつもりの大佐だが、桂は財布を差し出しそうな勢い。おじさん少し傷付いた。
「‥‥一緒に野菜も取れるような料理にしてみました。傭兵さんは体が資本、バランス良く栄養を取るのは大事な事かと‥‥」
 緊張のあまりまくしたてる桂に、大佐は無言のまま歩み寄る。
「いいじゃない」
 その肩を叩くと次へ。桂はヘナヘナと崩れ落ちた。

「またお前か! ビッチ!」
「お久し振りです、サー!」
 そこはかとなくピンクなオーラを出しているフェブ。
 キラキラした瞳の輝きに、好意を読み取ってテンション上げるおっさん。なにつくんの? と覗きこむ。
 恥じらい秘密を貫く彼女。それを見れば知りたくなるのが人情。大佐食い下がる。
「ほほう、この材料袋の中身はなんだ? 見せてみろビッチ!」
「ああん大佐殿! それは秘密であります!」
 ニヤリと笑い袋に手を伸ばす大佐の腹を、いけませんわ♪ とクネった尻で痛打。
 大佐下腹部打撲。
 勢いそのままヨロヨロと数歩進み、何かを掴む。
 顔をあげればそこには頬を紅潮させたフローネの姿。
 ほあちゃあ! と某格闘ゲーム並に空中に浮かしてからのコンボが決まる。みるみる減っていく大佐の生命ゲージが見えるようであった。
「人の胸に触っておいて、この程度で済むことを幸運に思うが良い‥‥」

 次なる標的はブルマエプロンのファーリア。
 何度見ても圧倒されるのはそのタワワに実った果実。
 ある意味で学園ならではの佇まいだが‥‥。
「けしからんっスね」
 隣で彼女をガン見する植松の言に、うんうんと頷いた後、副官を呼びつける大佐。やってきた彼女、植松君の首根っこ摘まんで猫の子の様に搬送。
 大佐、改めて黒金の顔を見る。うん、子供子供。
 そして身体を見る。何このド迫力。二度見してもそれは変わらず。
 並んでみると変態趣味のおっさんが、幼妻に着用を命じた様に見えなくもない。
「ち、ちがうぞ! 何を勘違いしている、この雌豚めが!」
 幻聴が聞こえ、突如として否定を始める大佐。ビク! と怯える黒金。
「あー、チミ。なぜこのコンテストに出た?」
 咳払いしつつ面接を開始。
「‥‥えーと、なんででしょう?」
 自主性のない回答にピクピク来ちゃう大佐。
 ばかもーん! 貴様はこの場に立つ資格はない! 今すぐここを去れ! ‥‥と怒鳴ろうとした大佐だったが、漂ってきたイタリアンの香りが美味しそうだったので、がんばってね、に変更した。因みにこの子のあだ名はパンツになった。

 そのまま隣のフェイトへ。
 ブルマさんとこの子、アイドル集団(?)の一員らしいのだが、大佐にはどう見ても子供にしかみえない。世の中どうなっておるのか。
「兎も角料理は愛情、愛情込めて一生懸命作ります♪」
 戦地より舞い戻った父の為に、幼い娘がその手を懸命に動かしキッチンに立つ。
『パパ、今日は私が晩御飯つくるからね!』
「ふっ‥‥まあありっちゃありだな」
 妄想に耽る大佐に、犯罪ですよと釘を刺す副官。
「ば、ばかもんっ! 俺の好みはそうだな、あの‥‥」
 客席を見渡し、大人の色香を漂わせた女性を示す。
 そこへ米も研がずに炊飯器にIN。お湯はポットの電源ON。あー僕がんばった、と調理を済ませナンパを開始する植松が滑るようにカットイン。
「君どっから来てるンすか? キメラとかバグアと戦ったことある? 俺の武勇伝パネェッスよ!」
「チェリーが意気がるなど百年早いわ。子供はあっちでポークでも食ってろ!」
 割り込んで張り合いだす大佐。指名されたミスティ、包丁を握りしめてぷるぷると震えてる。
 全然オッケーッス! 言われるがままミスティへ近寄った彼、八当たりの鉄拳を貰う。
「俺何もしてねーのにぃいい!」


「できたー」
 トップバッターは赤崎。
「羽矢子作の『猫まんま・鰯の尾頭付き』の完成で〜す♪」
 審査席、副官に赤ちゃん風涎かけを付けてもらって待つ大佐の前に、鰯の身を大胆にそぎ落とし、炊き上がったご飯に鰯の骨を頭と尻尾ごと突き刺して味噌汁をどばっ! っとかけた漢料理が出現。
「ささ、熱いうちにどーぞどーぞ。副官殿には諸事情により普通の味噌汁とご飯になってしまいましたが。あ、ご希望なら鰯の塩焼きも作りましょうか?」
 美味しいです、と試食を勧める副官の隣。猫まんまもぐもぐする大佐。美味しいよ、美味しいけど、なぜだろう、心が寒くなる料理に目が潤む。酷いよお母さん。

 二番手はミスティ。
 ニンジンと豆のミートローフ、オリジナルドレッシンググリーンサラダ、自家製パンにアップルパイ。
 え? これ本当にポークが作ったの? と失礼にも三度確認してから喜んで食す。
 いつの間にか審査席で一緒に試食する赤崎も、副官と一緒に美味しいと盛り上がる。
「所属していた部隊に料理の旨い狙撃兵がいてね。そいつが戦争ばかりじゃダメだ、と言って仕込んでくれたのさ」
「ポーク‥‥」
 今は亡き戦友を寂しげに語る姿へ、珍しく真面目な顔を向ける大佐。
「このパイ、甘すぎ。こんなの食ってるから雌豚に‥‥」
 ちょっと良い言葉を期待してたミスティのビンタが火を噴いた。

 三番手は植松。
「残業で疲れたオトーサンに心の篭ったお茶漬けッス! 梅干付で栄養バランスも取ってみました! 俺ってば料理てんで駄目なもんで‥‥こんなものしか‥‥ウッ」
 明らかに手抜き。泣かせる台詞で懸命にごまかす。この子の将来が心配。
「チェリー、貴様の事だからゲテモノ料理でも出てくると思ったが」
やはり出来の悪い生徒ほど可愛い。どれどれ、と茶碗に浮かぶ赤い変なのを啄む。 
「すっぱー!」
 大佐、東洋の神秘梅干しを射出。それは嘘泣きをしていた植松君の口に飛び込んだ。
「うげええええ!」
 そこはかとなく天罰。

 四番手、ファーリア。
 胸を弾ませたブルマ姿の女子が、香り良いサルシッチャと、ハーブのパニーノとシーフードマリネを運んでくる。
「ほう‥‥これはなかなか‥‥」
 作品の完成度は非常に高い。追い出さないで良かった、と頬張る大佐。
「祖母から教わった、イタリアンなんです‥‥」
「おれ昔からイタリア人になりたかったんスよ」
 好評ムードに照れるファーリアの胸を凝視しつつプロポーズする植松。
 次いってみよー。

 五番手、卯月。
 着物姿で再登場した彼女、その料理は、彼女に作って貰いたい料理No1、肉じゃが。
『なんと云うことでしょう。まさかのお色直し! 猫まんま出しただけの私って一体!?』
 羽矢子さん、ついに実況まで始めてしまいました。
 肉汁と野菜の旨味が凝縮された優しい口当たり。箸を落とすリアクションで旨さを表現する大佐。それを拒絶と勘違いし、桂は眼を潤ませる。
「食べて頂けませんか、美味しくなかったですか?」
「子供は六人欲しいっスね」
 桂の手を雄々しく握る植松。プロポーズを超え、具体的な家族設計を語りだした彼を誰か止めてください。

 六番手、フローネ。
 テューリンゲン風ザワークラウト、スープと豚ヒレ肉のポテトピザで勝負!
「レシピは何とか覚えていた。問題はないだろう。出来立てを召し上がれ」
 味は良し! だが目を合わせないように試食する大佐。
 植松君も大人しい。
 二人で美味しいね、ソッスネ、とワザとらしく発言しあってから次を呼ぶ。
 
 七番手、フェブ。
 愛弟子の料理を楽しみに待っていた大佐の前に出されたのは‥‥何でもおいしく食べれちゃう魔法の食材。カレー粉。
 ちょいちょい、と指先にカレー粉付けて舐める大佐。指を銜えたまま涙が滲む。
「ジョーク! 傭兵ジョークです!」
 捨てられちった。と悲壮感を漂わせたおじさんに慌て、彼女は真のメニューを差し出した。
「ガラムでマサラな激辛傭兵カレー。私フェブが作れる唯一にして至高の戦場メニュー‥‥インドラの雷であります!」
 ネーミングはどう聞いても大量殺戮兵器。お皿を前に座ってるだけでなぜか眼が痛い。
「不器用な私ではありますが! 大佐の為に愛情を込めて作りました!」
 敬礼してキャーっとなるフェブ。
「あーん♪」
『こ、ここでまさかの奥儀! あーんして♪ が!』
 矢継ぎ早に繰り出されるスプーン。
 しかし大佐は男の子。己のプライドの為、そして部下の愛に答える為に大量に発汗しつつ豪快に食す! あとちょっと嬉しかったのは秘密。
「ふっ‥‥この程度。幾多の戦場料理を食べ、時には蛆も食べた俺に‥‥おぶっ!」
『あ、鼻から噴出。リバース大佐は今日も健在だねー』

 ラストはフェイト。
 キリッと待ち受ける大佐だが、唇が倍くらいに腫れあがっていた。
 鰻のひつまぶし、だし汁を掛けてお茶漬け風、大根と山芋を掛けたとろろ豆腐、鶏挽肉ロールキャベツ、鶏団子とブロッコリーや人参を入れたコンソメスープ。
 食べ易さを考慮したメニューが並ぶ。最後の彩りに相応しい。
「ラベンダーとローズマリーのアロマオイルを用意するので、良ければ使ってみて欲しいのです。リラックスや消化促進の効果があるのですよ〜♪」
 フェイトは給仕しつつ、家族以外に手料理を食べさせるのは初めてなんです、とプレミアを強調しておく事も忘れない。これは高ポイント!
「うむ。お子ちゃまにしてはなかなかやるな」
 こうして全ての試食は完了した。上位五品の味は甲乙付け難く、大佐は苦心の末、様々な減点を取り入れて採点をする。
 そして運命の結果発表。

「水泳部の皆の為にも頑張りました!」
 学園料理クイーンとなった桂がインタビューに答え、見事賞金を獲得した。
「やれやれ‥‥ガキのお守も楽じゃないぜ」
 八人もの参加者が来た事に満足し、帰路につこうとした彼の行く手を阻む人影。
「俺はロリコンじゃないからマイナスってなに‥‥?」
 僅差で敗れたフェイト、龍斬斧を手に笑顔で大佐に挨拶に行く。その隣にはペティナイフを研ぐフローネ。
「まあ優勝出来るとは思っていなかったがな‥‥」
 副官の背中に隠れ、大佐はなんだよー、なんだよーと抵抗。しかし彼女に見放され、必死の逃走を図るも、そこに立ち塞がる新たな人影。
「マイナスポイントの、ブルマがけしからんってなんですか‥‥」
「私も、ポークだからマイナスって部分の説明をしてもらいたいねぇ‥‥」
 お家に帰りたいからどいてほしーんだけどと、おやじ狩にあったリーマン風に脇を抜けようとするもがしっ! と腕を掴まれる。
「な、何をする貴様らー!」
 四人の女に集られ、埋もれていく中年男性。
「大佐殿! ご助勢致します!」
 唯一大佐派として修羅場に飛び込んでいくフェブ。
 女子の作った料理の残りをタッパーに詰め、いそいそと姿を消す植松。
「楽しそうだし、元気づけてあげれたよね!」
 赤崎は惨状を満足そうに見つめ、目標は達成されたと引き上げるのであった。