タイトル:南の島の鳥人間マスター:望月誠司

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/06/05 12:18

●オープニング本文


「依頼です」
 まだ若いオペレーターが言った。
「概要は物資の輸送、となります。依頼主はジェイコブ=ハーディン。東南アジアにあるマドラガンという港町にある運送会社の社長です。
 皆さんは、港に降ろされた積み荷をコンテナ式のトラックに積み込み、南へ二日程いった場所にある街のA工場の倉庫へと運び込んでください」
 緑髪、緑瞳の少女は平坦な声で説明する。
「トラックは三台。運転手は三名、町から出るそうです。同行者の代表はエステル=ハーディン。
 皆さんの足としましては、オフロードに強いバイクを最大で人数分貸与可能だそうです。バイクに乗らない場合はトラックの助手席か、コンテナの中となります。
 マドラガン周辺ではここ最近はキメラの討伐も進んでおり、道中での危険は過去に比べれば低くなっています。
 しかし陸上の脅威は取り除かれつつあるのですが、空からの脅威は依然として健在です。
 飛行キメラに対しては十分な注意を払ってください。海岸沿いの街道では主に羽を生やした鳥人間型のキメラが出現するとの報告を受けています。
 空から急降下し足の鉤爪と手持ちの槍で攻撃を仕掛けてくる、との事です。飛び道具の類は持ち合わせていないという報告ですが、私見を申し上げますと、槍は投げられるものですので、敵が撤退に移る時等いざという時は投擲する事も考えられます。一応注意を払ってください」
 ラナライエルは言う。
「一度に出てくる数は三から六匹といったところ、と報告を受けています。熟練の傭兵ならば、さほど強敵とは思えませんが、油断は最大の敵ということはお忘れなく。
 この依頼を希望される方はこちらの用紙にサインの後、オペレーターまで提出をお願いします。当依頼の提出期限は――」

●参加者一覧

小鳥遊神楽(ga3319
22歳・♀・JG
緋沼 京夜(ga6138
33歳・♂・AA
藍紗・バーウェン(ga6141
12歳・♀・HD
草壁 賢之(ga7033
22歳・♂・GP
ヴァシュカ(ga7064
20歳・♀・EL
レイ・アゼル(ga7679
18歳・♀・SN
M2(ga8024
20歳・♂・AA
リオン=ヴァルツァー(ga8388
12歳・♂・EP
玖珂・円(ga9340
16歳・♀・ST
使人風棄(ga9514
20歳・♂・GP

●リプレイ本文

「このご時世、届け物をするのも楽じゃないのね」
 マドラガンの港、荷物を抱え嘆息して玖珂・円(ga9340)が言った。
「天才のあたしが何でこんなことをしなきゃいけないのか納得いかないけど、やるからには完璧を目指すわよ」
 言って赤髪の少女はテキパキとトラックに重い荷物を積み込んでゆく。
「こういう地味な依頼こそ大切にしないとね。あたしたちだけで戦争をしている訳じゃないんだから」
 と言うのは小鳥遊神楽(ga3319)だ。戦時中においても経済活動というのは大事なものである。
「エンジンチェック‥‥油圧チェック‥‥おやつのキャンディチェック‥‥っと」
 軽口を叩きながらバイクの調子を見ているのは草壁 賢之(ga7033)である。特に異常はいないようだ。
「ラナさんも頑張ってるし、ボクも負けてられないな。しっかり荷物を届けないとね」
 よっこらしょと荷物を積み込みつつヴァシュカ(ga7064)が言う。ラナライエル――ULTのオペレーターとは友人らしい。
「ええ、この物資を待っている人が居るんですから、無事に届けないと」
 荷物を抱えレイ・アゼル(ga7679)が言う。
 一通りの積み込みを終えると藍紗・T・ディートリヒ(ga6141)は運転手達と地図を片手に相談をした。
「ふむ、夜は街のホテルに泊まるのか?」
「ええ、さすがに野宿っていうのもね」
 と答えるのはエステル=ハーディン。タオルを頭に巻いてツナギを着た女性だ。今回の輸送行の責任者である。
 傭兵達は警備の仕方等を打ち合わせると、南の町へと向けて出発した。


 東南アジアの海岸沿いの道。三台の大型トラックとそれを護衛するバイクの集団が南へと向かっている。
 左手を見やればエメラルドグリーンの海が陽の光を受けて輝いている。海よりの風が強く、潮の匂いが一同の鼻腔をくすぐった。
 バイクで先頭を走る草壁はリオン=ヴァルツァー(ga8388)を背に乗せ、風を受けながら上機嫌に歌をうたっている。出発前に「ラストホープで乗れない分、思いっきり乗りまわしてやる」と語っていただけにバイクを飛ばすのは気分が良いのだろう。
 トラックを中央にその右手、先頭をゆく草壁、リオン組と同様に、その後方を走るM2(ga8024)とレイ・アゼル(ga7679)も二人乗りでバイクに乗っていた。M2がバイクを運転しアゼルがその後ろだ。少女は腕を回してしっかりとしがみつく。冷たい風の中、男の背から体温が感じられた。
 単車に乗っているのは他に藍紗、緋沼 京夜(ga6138)、小鳥遊の三名だ。藍紗が左側の先頭を走り、緋沼がその後方を守る。小鳥遊は中央を走り、最後尾のトラックの後ろ、殿を固めた。
 藍紗は、さすがに138cmの身体では、全長1.8mの和弓を持つにせよ背負うにせよ、所持してのバイクの運転は難しいと思われたので弓と巨大ハリセンは共に一号車のヴァシュカに預けた。剣等と違い弦を張った弓はかさばる。M2のルーネも同様に玖珂に預けた。一人乗りならば無理すればやれそうでもあったが、後ろに人を乗せている。トラックの助手席、一号車にはヴァシュカが、二号者には玖珂、三号者には使人風棄(ga9514)が乗り込み有事に備えた。
 そのような態勢で一団は進む。一日目の午前中は特に何事もなく過ぎ去っていった。
 正午を回ったところで道の脇にトラックとバイクを止め、それぞれ昼食を取る。玖珂はゼリー状の飲料で簡単に済ませた。
「えと、よろしければ食べます?」
 アゼルがサンドウィッチの入った包みを広げて一同に勧めてる。
「ああ、固形のパサパサバランス栄養食とコーヒーしか持ってなかったんで助かります」
 草壁他、幾人かが相伴に預かる。小鳥遊もまたハムやツナ、卵に野菜などを挟んだミックスサンドを持ってきたようだ。
「見てくれは悪いけど、結構美味しいのよ、これ」
 と言いつつもぐもぐと咀嚼する。
「キャンプみたいだな」
 と呟くM2は弁当を持参だ。チーズ乗せチキンカツのベーグルサンド、ホウレン草とまぐろフレークの春巻き、きんぴらのかき揚げ。梅酢のレンコン。水筒にはカフェオレが入ってる。豪華だ。
 藍紗は握飯を作ってきたようだった。緋沼と共にそれを食べている。
「京夜‥‥味はどうじゃ?」
 少女は恋人を窺うようにきらきらとした目で見やって問う。
「ん、美味いぞ。やっぱ手料理は最高だ」
 にこりと笑い緋沼。
「ただ‥‥」
 少し言葉を濁して手に持つそれへと視線を落とす。
「‥‥ちょっと、大きくないか?」
「沢山食べると思ってのぅ」
 緋沼が持つお握りはサッカーボール程に巨大だった。


 一同は昼食を取り終えると再び南へと向かって出発する。
 相変わらず日差しは強く、風は強く、緑の海は輝いて唸りをあげている。潮風を切って一同はアスファルトの道を走る。
 小一時間ほど走っただろうか、一団の後方の上空に黒い点が六つ程出現した。高い位置から追ってきている。翼を持つだけあってかなりの速度だ。
 バックミラーには真後ろはともかく上は映らない。相手は翼を持つ。重点的に警戒すべきは上だ。狩猟動物は視界を避ける。ただの獣ですらそれをやる。槍を持つ鳥人、武装する程に知能があるキメラ、相手の視界を避けるくらいは当然やる。六羽の鳥人達が上空、後方からぐんぐんと距離を詰める。うちの三匹がある程度まで接近したところで上空から急降下し加速する。
 バイクは風の音がうるさい。さらに今日は風が強い。羽音が風に紛れる。槍を光らせ小鳥遊の背に鳥人達が迫る。
 しかしそれでも小鳥遊、違和感を感じて後方上へと振り返る。三羽の鳥人が槍を構え己に向かって突っ込んでくるのが見えた。距離は五メートルほどか、知覚した次の瞬間には眼前まで迫っている。速い。
「っ!」
 一匹目、槍を振り下ろす。小鳥遊は咄嗟に覚醒しバイクを左に倒して回避運動を取る。間一髪、かわした。二匹目、読んでる。左右どちらに逃げてもそれぞれ一匹づついた。鳥人から逃走経路を塞ぐように槍が振り下ろされる。小鳥遊、身を低くしてバイクを流し掻い潜らんとする。抜けられるか。刃が迫る。避けきれない。鳥人の槍が小鳥遊の背を叩き斬った。鮮血が吹きあがり、衝撃でバイクが倒れ、火花を散らしてアスファルトの道路を滑ってゆく。女の身が宙へと踊りアスファルトに叩きつけられる。凄まじい衝撃が全身を貫いてゆく。息が詰まった。天地が激しく入れ替わる。女はアスファルトの上を転がっていった。
 バックミラーに鳥の姿を見て、またはバイクが転倒した音を聞いて残りの一同が襲撃に気づく。
「敵だ、止まって!」
 覚醒しリオンが無線に向かって言う。ブレーキの音がけたたましく鳴り響いた。
 車とバイクが停止をかけている間にもM2とアゼルに向かって二匹、緋沼へと向かって一匹が急降下し迫る。激しい制動がかかっている単車上でアゼルは振り返る。
(「二匹‥‥っ!」)
 両方止めるのは無理そうだ。ブラッディローズの銃口を宙へと向ける。既に覚醒している。練力を全開にして解き放つ。銃声が重く轟いた。撒き散らされた散弾が鳥人の一匹へと飛び、その身を次々と抉ってゆく。肉片が飛び散り、鮮血が噴き上がり、鳥人が鳴き声をあげて失速し、足からアスファルトに墜ちた。
 二匹目、墜落した仲間の脇をすり抜けてアゼルに迫り槍を突き出す。鋭い切っ先が唸りをあげて伸びてくる――避けるとM2に当たる。どうする? 小銃で払う。態勢が悪い、押し負けた。滑空の勢いの乗った槍が少女の脇下に命中し防具をぶち破る。猛烈な熱さが体内に刺しこまれ、肋骨が嫌な音をあげた。衝撃に押され、バイクから転がり落ちる。バイクが転倒した。
 緋沼、バイクのブレーキをかけている。背後から鳥人が迫る。横っ飛びにとんだ。バイクが転倒し火花を散らして滑ってゆく。先ほどまで緋沼の頭があった箇所を槍の穂先が薙いだ。男の身がアスファルトに叩きつけられる。受け身をとって、二転、三転、転がってゆく。
 藍紗はバイクを停止させる。立ててる暇はないと判断し倒し置く。
「勘弁してくれ‥っ!」
 草壁は想定外の事態にぼやきを洩らしつつバイクを停止させる。センサーはちょいと全方位は無理だ。
 リオンは草壁の背から飛び降りると、M2とアゼルのバイクを倒した鳥人へと銃口を向ける。鳥人は突き刺した槍を手放していた。狙いを定めS‐01の引き金をひく。三連射。弾丸が音速を超えて飛び鳥人の身に突き刺さる。羽毛が舞い、鮮血がとんだ。
 藍紗は振り返る。緋沼を抜けた鳥人が迫って来ていた。小太刀を抜き放ち、構える。草壁はバイクを止めて倒し置く。背からアサルトライフルを抜きつつ振り向いた。リオンの銃弾で血を噴き出している鳥人の翼へと狙いを定めると、強弾撃と影撃ちを発動させ発砲。突撃銃から威力を増した弾丸が飛びだし、鳥人を次々に射抜く。
 制動中のトラックのドアがそれぞれ開く、使人、ヴァシュカ、玖珂の三人が道路へと踊り出た。爪をつけたまま車の扉は開けられないので使人は外していたファングを両手に装着しつつ駆けだし、ヴァシュカはエルギーガンを引き抜くと藍紗へと飛ぶ鳥人に銃口を向ける。
「そう簡単にはやらせはしません」
 閃光が宙を焼き凶悪な破壊力が荒れ狂った。光弾が鳥人の片翼へと突き刺さり爆ぜさせる。鳥人は態勢を崩しアスファルトの道に墜ちた。
 玖珂はトラックの外へと出ると、跳躍し、運転席とコンテナの間をとっかかりに素早く二号車の上へと登る。
 道路の西面、転がっていたM2は体を捌いて膝立ちになると、草壁の射撃を受けている鳥人へとスナイパーライフルを向ける。狙いを定め発砲。回転する弾丸が鳥人の身へ突き刺さり、羽毛を舞わせてその身を穿つ。三人の傭兵から銃弾の嵐を受けた鳥人は全身を真っ赤に染め上げて倒れる。
 道路の東面、受け身を取っていた緋沼は回転の勢いを利用して起き上がると両手を交差させ素早く腰のホルスターから二丁の拳銃を引き抜く。ヴァシュカのエネルギーガンを受け地に落ちた鳥人へと振り向きざま発砲。連射された弾丸が鳥人の身を次々に射抜いてゆく。血を噴き出しよろめいている鳥人へと藍紗が間合いを詰めた。小太刀の刃が鳥の喉笛へと伸びる。突き破った。刃を捻り、掻きまわして引き抜く。喉笛から血を滝のように流しながら鳥人が倒れた。
 一団の最後尾、横転する小鳥遊は血塗れになりつつもなんとか勢いを殺して止まると、膝立ちになり腰のホルスターからS‐01を引き抜く。女に一撃を当てた鳥人は再び宙へと跳びあがっていた。羽をはばたかせると槍を構え、急降下して迫る。
 S‐01が焔を吹いた。二連の弾丸が鳥人の身へと突き刺さり血を噴出させる。宙に赤い線を引きながら鳥人が迫る。けたたましく鳴き声をあげ槍を突き降ろす。小鳥遊は横っ飛びに転がって避けた。アスファルトを槍の穂先が打ち砕き、破片をまき散らす。
 後方の三匹のうちの一匹、バイクに乗っていた小鳥遊に初撃をかわされた鳥人はそのまま抜け、上昇へと移ろうとしていた。そこへ使人風棄が瞬天速で加速し突っ込んだ。地へと引きずり降ろさんと、爪をふりかざして跳躍する。鳥人が迎え撃つべく槍を構える。空中戦だ。
 使人は速いが武器は爪だ。鳥の持つ槍は短槍だが槍だ。二メートル以上ある。使人は跳んだ、直線の動き。爪の間合いよりも槍の間合いの方が長い。
 鳥人が後の先を取った。薙ぎ払うように穂先を繰り出す。使人は体を捻る。宙では取れる回避動作に限界がある。唸りと共に振るわれた刃が男の身を斬り裂き、赤い色を撒き散らさせながら大地に叩き落とす。
 その激突で勢いを殺された鳥人も地に着地する。使人は噴き出る血に構わず、再度弾丸のように突っ込んだ。鳥人が槍を突き出す。斜め下方に身を沈めて踏み込む。風の音が聞こえた。槍の穂先がこめかみの皮を切裂き、通りぬけてゆく。掻い潜った。至近まで踏み込み、伸びあがるようにして鳥人の腹へと爪を叩き込む。右腕に伝わる鈍く重い手応え。肉を貫き、内臓を突き破る。突き刺した爪を押し込みつつ捻る。
「良い声で哭きますね〜」
 使人が笑う。鳥人が口から鮮血を吐き出した。
 緋沼は銃を団の後方へと向けると小鳥遊へと突きかかった鳥人へと向けて四連射する。弾丸が鳥人を撃ち抜いた。
 西面、草壁は撃っていた鳥人が倒れたのを見て取るとターゲットを道路上の鳥人へと変更する。先にアゼルが攻撃した相手だ。アサルトライフルが焔を吹き弾丸が荒れ狂う。
 玖珂はトラックの上から弾丸を受けている鳥人へと狙いをつけ、エネルギーガンの引き金を絞る。爆光の華が咲いた。連射された光弾が鳥人の身を撃ち抜き、爆ぜ飛ばし、絶命させる。
「‥藍紗さん!」
 ヴァシュカは藍紗へと向かって駆けるとその隣へと弓を置くように宙へと放る。藍紗は振り向き愛弓を掴み取った。小太刀を倒れた鳥人の上へと放ると、矢筒から矢を引き抜き弓へと番える。
 緋沼の銃弾を浴びている鳥人へとヴァシュカの銃から閃光が飛び藍紗の弓から矢が放たれた。爆光に焼かれ矢に貫かれて鳥人が倒れる。
 西面、アゼルは突き刺さった槍を引き抜くと後方から詰めてくる鳥人へと向けてS‐01を連射する。リオンとM2もまたS‐01とライフルで猛射する。弾丸の嵐を鳥人は蜂の巣にされて絶命し地に落ちる。
 使人と格闘する最後の鳥人、槍は間合いが近すぎて使えない。脚の鉤爪も不可。右手を槍から手放すと肘を男の頭部に打ち付けんとする。使人は爪を引き抜き後退する。間合いが開く、鳥人は跳躍すると竜巻の如く足の鉤爪を振るった。使人はスウェーして回避する。羽をはばたかせてホバリングし、身を捻って槍を袈裟斬りに振り下ろす。飛び退いて回避。遅れた。男の肩口から鮮血が噴き上がる。
 が、鳥人の足掻きもそこまでだった。使人から反撃の爪を喰らい、さらに他の傭兵達からも総攻撃を受けて、ついに最後の鳥人も倒れる。
「ハトがアサルトライフル喰らったような顔してやがら‥‥」
 倒れている鳥人をみやって草壁がそんな事を言った。


「待ってろ、今治療するからな」
 怪我人が多い。緋沼は救急セットを駆使して小鳥遊、アゼル、使人の傷の手当てをしてゆく。
「どうでしょう?」
 工具セットを手にヴァシュカが問いかける。
「んー‥‥大丈夫、なんとか走れますよ」
 各員のバイクを点検しつつ草壁が答える。
 数時間後、態勢を立て直した一行は南の町へと向かう。
 二日目、途中の町で一泊し、体力を回復させた一行は再出発する。二日目はキメラの襲撃はなかった。
 工場へ積み荷を届け終えると、リオンを除く一同は高速艇に乗りLHへと帰還した。
 リオンは途中、マドラガンの町の役場で町長へと挨拶してから帰還したのだった。