タイトル:【PN】CS・HyperSonic!マスター:望月誠司

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/05/25 19:28

●オープニング本文


 地上でもっとも辛い戦いの一つ、それは撤退戦だ。
 指揮車両の中で地面の凹凸に揺られながらノエルはそんな事を思った。ノエル=N=ジャコヴァン中佐、フランス人の才媛だ。
 後ろからの攻撃に脅えながら逃げ、振り向きながら戦い、一部が喰われている間に逃げる、最悪だ。
 ラポヴォ要塞の攻防戦、頼りにしていた司令官は地中からの奇襲によってあっさりと逝った。
 優秀な司令官のあっけない死は、軍団の士気を恐ろしく低下させた。指揮系統も乱れた。
 堅牢であった筈の要塞も、守る者達が混乱していては十全の力を発揮する事はできず、バグア軍の速攻の前にあっという間に破壊された。
 万を数えていた軍団員も今では数千単位にまで落ち込んでいる。これは既に軍団と呼べる数ではない。壊滅状態だ。負傷兵が溢れ、隊の編成は乱れ、士気はどん底。どの程度の戦闘能力が残っているのだろう、ノエルには解らなかった。
「ベオグラードはまだですか‥‥」
 ノエルは呟いた。ベオグラードまでいけば味方が居る、そこまで行けば生き延びられる、その筈だった。
「中佐ーッ! 後方より飛行キメラ群が接近中! 数およそ五百! 約十分で接敵します!」
 敵の追撃は執拗極まりなかった――ベオグラードが、遠い。

●ベオグラード駐屯軍
 緊急発進司令だ。
 現在ラポヴォの要塞軍がE75を南から北上し、ここベオグラードに向けて撤退中だが、その後背より飛行キメラの大軍が迫っている、との報を受けた。
 当地の戦力も厳しいが、友軍を見捨てる訳にもいかない。
 防空部隊は至急出撃し敵を迎え撃て。
 敵は数が多い、足を止めると呑み込まれる。駆け抜けながら焼き払え。
 なお敵キメラ群の中にはヘルメットワームが多数、紛れ込んでいる可能性がある、注意せよ。

●参加者一覧

白鐘剣一郎(ga0184
24歳・♂・AA
天上院・ロンド(ga0185
20歳・♂・SN
煉条トヲイ(ga0236
21歳・♂・AA
叢雲(ga2494
25歳・♂・JG
雑賀 幸輔(ga6073
27歳・♂・JG
ダニエル・A・スミス(ga6406
28歳・♂・FT
不知火真琴(ga7201
24歳・♀・GP
レイアーティ(ga7618
26歳・♂・EL
飯島 修司(ga7951
36歳・♂・PN
斑鳩・八雲(ga8672
19歳・♂・AA

●リプレイ本文

「ほんの少し前にラポヴォ要塞に立ち寄ったときは随分強固な要塞に思えたものですが‥‥」
 南へと飛ぶ二三〇機の飛行団の中央、アローヘッド隊のレイアーティ(ga7618)はコクピットの中で呟いた。
 迂闊だった、と男は思う。キメラがゲリラ作戦を展開している時点で本陣への奇襲の可能性に思い当たるべきだったと。しかしこうなってしまっては振り返っても詮無き事か。
「こうなってしまった以上、考えるべきは‥‥一人でも損害を減らして戦力の消耗を避ける事、ですね」
 あの時ラヴォポやブジャノヴァクで知り合った人達が無事だと良い、とレイアーティは思う。
 レイアーティと同じくディアブロに搭乗する飯島 修司(ga7951)が頷いた。
「この撤退戦、一人でも多く生還させる事が、私達の勝利に繋がるものと信じております」
 恐らく、地球を巡る戦いはまだまだ続くだろう。一人を助ける事が、後にも続いていく。男はそう思う。
「そうですね。なんとか一人でも多く‥‥」
 EF‐006ワイバーンのコクピットの中で天上院・ロンド(ga0185)もまた呟く。
「しかし、敵は五百ですか。数の暴力とはよく言ったものです‥‥それでも、私達がやるしかないのですが」
「数ある戦いの中でも撤退戦は最も難易度が高い上、余力のある内にしか行えない。時間は無いな」
 ここでなんとかしなければならない、とアローヘッド隊後衛班リーダー、煉条トヲイ(ga0236)が述べる。
「だが逆を言えば、俺たちの働き如何で友軍の被害をより少なく抑える事が出来る筈だ」
 総勢二三〇機の飛行団、その中央先頭を務めるアローヘッド隊前衛班リーダー、白鐘剣一郎(ga0184)が言った。さしもの白鐘もこれほどの規模の戦いの先頭に立つというのは、あまり経験がない。プレッシャーと恐怖が腹の底から湧きあがってくる。
「責任重大だが、必ずやり遂げよう」
 だがそれを抑え込んで言う。恐怖を感じているのは皆同じだ。白鐘の言葉に中央隊の一同は頷く。
「敵は大群、乱戦は必至。ですが、味方を見捨てる訳にはいきません。無事役目を果たせるよう、頑張ります」
 岩竜にて全体のジャミング中和に務める不知火真琴(ga7201)が言う。緊張気味なのか、少々口調が硬い。二三〇機の飛行団の中で岩竜は彼女ただ一機。一応軍の戦闘機の中にもジャミング中和を搭載したものはあったが、あまり性能は高くない。不知火機が潰れるとレーダーも通信もままならなくなる、地味だが責任は重かった。 
「ペガサス小隊の戦歴に泥を塗る真似は、したくないですねぇ」
 ベストを尽くしますよ、と言うのは斑鳩・八雲(ga8672)だ。今回はペガサス小隊として戦う訳ではないが、その一員の他所での働きは隊の評価にも繋がるだろう。ディアブロに乗り換えてから二度目の実戦、使いこなせるかどうか不安はあるが、やり遂げなくてはならない。
「オーケーオーケー、レッドデビルだか、ファームライドだかよりはイージーな相手だぜ」
 ワイバーンを駆るダニエル・A・スミス(ga6406)がHAHAHAと豪快に笑って言う。褐色の巨漢は陽気かつ豪胆だった。
「比べる相手が間違ってるような気もしますけど‥‥でも確かに、噂に聞く悪魔に比べればなんとかなりそうですね」
 くすりと笑って不知火が答えた。
「その意気だな。ただし厳しい状況であることに変わりはない。各機、奮闘を請う」
「了解」
 白銀の言葉に一同は頷くと南の空へと飛んだ。

●接敵
「前方にキメラの群れを確認」
 ディアブロのコクピット、レーダーに光点を発見して叢雲(ga2494)が言った。無線が交錯する。やがて正規軍の指揮官機から各機交戦を許可する、との報が入った。その間にも回転する線の反射を受けレーダーは断続的に光点を示した。それは瞬く間に膨大な数まで膨れ上がる。
「中々壮観ですが‥‥」
 五大湖を巡る戦いに比べれば――あの空に比べれば、まだなんとかなる筈、叢雲はそう胸中で呟く。
「敵陣を貫く一本の矢アローヘッド。この一矢が必ず、俺たちの絶望を突き破るはずだ」
 アローヘッド隊の最後尾を固める雑賀 幸輔(ga6073)がディスタンのコクピットの中、空の彼方の敵影を見据えて言う。
「殿は俺の十八番。この矢筈まで、必ず通して見せる」
「背中は頼むぞ」
 煉条が言った。
「任せてください」
 雑賀は答えた。
 膨大な数の敵軍が見る見るうちに迫ってくる。二百を越える鋼鉄の翼が蒼空を背に轟音をあげ音速波を巻き起こして飛ぶ。五百を数えるキメラの群れが爆裂する咆哮をあげ迫る。
「アローヘッド全機へ」
 先頭を飛ぶ白鐘剣一郎が言った。
「攻撃開始、吶喊する!!」
 東欧の空で地球人類の翼と異星人によって生み出された者どもが激突した。

●音速を超えて
 射程内に入った。先頭を飛ぶクリームイェローの白鐘機から電撃の嵐が解き放たれ、斜め後方左右を固める叢雲、斑鳩の両機から誘導弾が飛び、その更に後方を飛ぶ飯島機とレイアーティ機からもまたAAMが飛んだ。
 キメラの壁の中央で電撃が迸り、爆発の華が乱れ咲く。数匹の蝙蝠が電撃に焼き払われて落ちてゆき、大蜻蛉が爆発に呑まれ消し飛ぶ。真紅のディアブロ五機の破壊力は凄まじい。前衛組は壁に穴を抉じ開けて楔型の隊形で矢の如く斬り込んでゆく。
 空に漂うキメラの壁。突きぬけた。思っていたよりも――薄い? 肯定であり否、彼方にまた新たな壁が見えた。キメラの壁は柵のように何枚にも渡って展開していた。
 一枚目を突き破ったアローヘッドの前衛組に向けて猛烈な数の反撃が飛ぶ。まさに雨の如く――雷撃が荒れ狂い、火球が解き放たれ、冷気の渦が逆巻き、礫が音速を超えて飛ぶ。四方八方から猛攻が加えられる。
「なるほど、確かに送り狼だけあって数が多い!」
 先頭、もっとも危険なポジションだ。視界を埋め尽くす程の攻撃を白鐘機は白黄の機体をロールさせ回転しながら次々に回避し潜りぬけてゆく。かわしざま、反撃の雷撃をまき散らしキメラの群れを焼き払った。
 続く叢雲機も猛攻を受けている。妖精が放つ氷刃の渦を回避し損ねディアブロが呑み込まれる。が、所詮は小型だ。重ねて喰らうとさすがに不味いが一撃では致命的なダメージではない。相手にせずに突き抜ける。HWと大型種を探す、見当たらない。前方から視線を外した一瞬の間、鳥型のキメラの姿がコクピットの視界一杯に広がっていた。機首を下げる。間一髪、風防をかすめながら激突を回避する。
「私達の前に立ったのが不運ですね」
 飯島機は猛火の中、長距離バルカンを猛射しながら突き進む。真紅の機体から放たれるそれは破壊の嵐だ。小型キメラ相手に弾幕兵器は素晴らしい効果を現した。弾丸の嵐を巻き起こして薙ぎ払い、蝙蝠や鳥を次々に蜂の巣にして撃ち落としてゆく。
「揃えた数だけは立派ですが‥‥道は開けてもらいますよ!」
 ブーストを発動させているレイアーティ機は素晴らしい運動性で猛攻を悉く回避する。十五連のポッドミサイルを連射し宙へと撒き散らす。爆発の嵐を巻き起こった。音速で抜ける。
「前進あるのみ! 立ち塞がる敵は薙ぎ払え! 何が何でも突き進むぞ!!」
 後衛五機、煉条機を先頭に鋒矢の形でキメラの群れへ飛び込む。左右につけるのはダニエル機と天上院機、中心に岩竜の不知火機を置き最後尾を雑賀機が守る。
「開けた希望は閉じさせねぇよ‥‥おとなしく、口開けて待ってろ!」
 雑賀が叫ぶ。一団は前衛が穿った穴が閉じる前に火器を解き放ちつつ突入する。煉条機がレーザー砲を放ち、ダニエル機が嵐の如くガトリング砲をまき散らす。
「この依頼が俺のワイバーンの初陣‥‥S‐01とは勝手が違うが、新たな翼、使いこなしてみせる!」
 天上院機はバルカンとレーザーを織り交ぜて撒き散らしてキメラの壁を突き抜ける。優れた火器管制システムで精密に狙い、キメラを次々に蜂の巣にして落してゆく。岩竜に搭乗する不知火はジャミング中和を行いつつ周囲の状況の把握に努め、味方についてゆく事に専念する。雑賀機もまた後方を守る事に専念し不知火機に追従してゆく。
 前衛組、無数のキメラの群れの間から白鐘機へ向けて淡紅色の光砲が襲いかかった。ディアブロを爆光の嵐が包み込み、装甲が次々と吹き飛ばされてゆく。白鐘機は急降下して閃光から脱出する。
 淡紅色の光線、HWの砲撃だ。何処から撃ってきた? 装甲の四割を持っていかれた。レーダーには敵だらけだ。解らない。足を止めると不味い。AAMをまき散らし、キメラを爆炎に叩き込みながら飛ぶ。進行方向に黄金の竜の姿が見えた。爆雷が吐き出される。機体を滑らせ一直線に伸びる光を掻い潜る。ドラゴンへと突っ込み、AFを発動させソードウイングでかすめ斬る。
「十時方向、HW、数一!」
 叢雲が上方のキメラ群の中にHWの姿を捉える。報告を入れながら上昇しロックサイトに捉えAAMを撃ち放つ。四方八方から電撃が飛んでくる。急旋回する。電撃がディアブロに次々に直撃し、装甲を焼いてゆく。ミサイルは当たったか? 解らない。ミサイルはレーダーからは消えている。何かには当たった。
 斑鳩機、HWを探る。
 十時方向――叢雲機から見て十時方向、レーダーを確認、視線を走らせる、高度は、確認が間に合わない。通り過ぎた。白鐘機を追う。首から血を噴き出している竜が見えた。ジェットノズル噴射核を調節し機体を横滑りさせガンサイトに収める。強烈なGに歯を食いしばりつつ操縦桿のボタンを押し込む。
「AH4、FOX‐3!」
 ガトリング砲が焔を噴き、弾丸の嵐がドラゴンへと次々に襲いかかりその身を穿ってゆく。黄金の巨体が見る見ると迫る。ドラゴンの鱗が弾け飛ぶのが見えた。機体をロールさせ、巨竜の脇を音速ですり抜ける。
「虎の子の一撃、中てて見せますよ‥‥!」
 飯島、小型HWを視認した。AFを発動させて機体を翻し、爆炎の中のワームへと狙いをつける。解き放つ。迸る閃光が群がるキメラを薙ぎ払いつつ小型へと伸びる。捉えた。猛烈な破壊力を秘めた雷撃がワームの装甲を撃つ。ローリングしながらキメラの間を縫って味方を追う。
 レイアーティ機は雷撃に打たれたHWへと肉薄すると機体をロールさせながらソードウイングを唸らせ突っ込んだ。鋼の翼がワームの装甲を削り取る。音速で抜ける。後方に残したHWから爆発が巻き起こった。
 だがレーダーからは消えてない。しぶとい。
 後衛、不知火、戦況の把握に努める。周囲では爆炎が巻き起こり、レーダーでは断続的に明滅する光点が無数に輝いている。状況把握、その瞬間は捉えられるが、口に出している間に目まぐるしく状況は変わってゆく。音速での殺し合い、一秒以下を争う世界。敵は数百、情報の量は膨大だ。これを捌くのは至難の至難。パニックになりかける。全てを把握するのは無理だ。
「HW十時、二時、三時、AH隊全機健在、敵多数、正規軍およそ十秒後に接敵――」
 それでも無線に状況を告げる。とりあえず、生き残ってさえいればジャミングは中和出来る。各機の目を保てれば上々、下手に手は出さず状況把握と回避に専念し味方についてゆく。時折爆炎が直撃するが、まだまだ行ける。
 隊を率い後衛の先頭を飛ぶ煉条機、二時の上空からHWが接近しているのに気づく。中型だ、デカイ。機首を翻す。空戦スタビライザーを発動させ、リロードしつつリニア砲を連射する。中型は一発目の砲弾を翻ってかわし、二発目、避けきれずに砲弾に装甲をぶち破られる。威力がでかい。中型から爆光の嵐が解き放たれた。淡紅色の光線砲が煉条機を包み込み装甲を吹き飛ばしてゆく。激震がコクピットを襲った。損傷率三割五分。煉条機、バイパーだが非物理に対してもかなり硬い造りだ。
 天上院も素早く反応し煉条機へ追従した。彼の本分は狙撃だが、この数が相手ではそれに拘ってもいられない。ジェットノズル噴射核を調節し、機体を急激に滑らせるとHWをロックサイトに捉えんとする。空気が逆巻く音が聞こえた気がした。圧倒的なGに血管が破裂しそうな感覚が身を包み込む。意識を振り絞って耐える。照準、捉えた。赤く変わる。ボタンを押し込んで火器を解き放つ。
「AH8、FOX‐2!」
 ダニエル機もまた急激なGの中、機首を回してHWへと狙いをつけんとしていた。世界が目まぐるしく流れてゆく。捉えられるか? 凄まじい圧力の中、歯を喰いしばり、頭脳を忙しく回転さる。機動を予測。先を読む。捉えた。ボタンを叩きつけるように押し込む。
「Ogre、FOX‐2!」
 AAMが発射される。天上院機、ダニエル機、二機のワイバーンから合わせて四連の誘導弾が放たれた。ミサイルは煙を噴き上げながら音速を超えて飛び、急上昇する中型を追尾し、喰らいつき、突き破った。爆発が巻き起こる。紅蓮の空を後衛の四機が翔け抜けてゆく。
 最後尾を固める雑賀機はブーストを発動させ急機動を行う。荒れ狂う火炎や冷気の渦を優れた運動性で回避する。意識が飛びそうなほどの凄まじいGを耐えしのぎ未だ健在な中型へと照準を合わせる――ロックした。
「AH10、FOX‐2! FOX‐2!」
 二連のAAMが解き放たれる。すぐさま急降下しブースト機動で隊の後を追う。ミサイルの光点がレーダーから消え、紅の光がコクピットに差し込んだ。
 中型もさるもの、レーダーからは消えていない。健在だ。中型を背後に置き去りアローヘッド隊はキメラの海を切り裂いて飛ぶ。
「CS1よりAHへ」
 正規軍の隊長機から無線が入った。
「これより攻撃を開始する」
 雑賀はコクピット内で首をまわして後方を一瞥する。空一面に爆裂の華が咲いていた。

●中央突破
 中央より突入したアローヘッド隊はキメラの群れを真っ二つに切り裂き、三段の壁を突き破ってその後方へと抜けた。攻撃よりも侵攻を優先させた結果だろう。矢の如く飛びこんできたアローヘッド隊によりバグア軍の統制は乱れた。
 そこへ正規軍の中央七十機が一斉に攻撃を仕掛けた。しかし相手はバグア軍だ。一揉みに殲滅、とはいかない。
「AH1よりCSへ、援護に入る。もう少し持ち堪えてくれ」
 後方へ突き抜けたアローヘッド隊は反転し攻勢に出る。キメラが薙ぎ払われ炎に巻かれて落ちてゆく。SES戦闘機がプロトン砲を浴びて爆散する。戦いはやはり乱戦となった。
 しかしベオグラードの防空部隊は激闘の末、中央のキメラの群れを粉砕する。確かな勝利であった。乱戦中の正規軍の奮闘やアローヘッド隊の活躍も勝因の一つだが、開幕に突破を成功させ敵を乱れさせたのが主な勝因であろう。
 全戦域を通してキメラの群れは全滅するまで戦い。その隙にHWが離脱に走った。その数八機、炎を噴き上げている中型機の存在も見えた。
 ともあれ、地球側の航空戦力はバグア軍を打ち破った。空からの追撃を免れた要塞軍は撤退を成功させ、なんとかベオグラードへと辿り着いたのだった。