タイトル:【LP】疾風の追撃戦マスター:望月誠司

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/01/24 20:48

●オープニング本文


『飛ばせ飛ばせ! 死ぬ気で飛ばせ! ただし離れ過ぎるなよッ!!』
 ユーラシア大陸が上空、数機のKVが音速を超えて西へと向かって飛行していた。彼等が追っていたのはインド方面へと退路を取ったとある中国のバグア軍の残党であった。
 その生き残りのバグアと強化人間達は数日を国境付近の街に潜伏して過ごしてから、大胆にも軍のヘリのうち三機を奪い、西へと向かって飛行しているのである。
『ここで奴等を逃せば必ず逆襲の牙を研いで我々の前に還って来る! インドの友軍に襲いかかるッ!! 連中がインドのバグア軍に合流する前に必ず撃墜して抹殺するんだ!!』
 KV達のコクピットに軍の管制機よりの無線が流れて来る。曰く、なんとしてでも撃墜して抹殺しろとの事。
 バグアは一人一人が強力である、ここで逃がした場合、必ず後の災厄になる、と士官は言う。それは事実と思われたし、基地の機体を奪われて逃走を許し友軍を危機に陥らせたら、このヘリを奪われた某基地司令及びその指揮下の軍人達の面子はまる潰れの上からさらに潰されるようなものである。当然、稼働可能な全総力をあげて追撃に移っていた。三機のヘリのうち操縦技量の差か、やや遅れた二機は軍のKVが追いすがって撃墜し搭乗していた強化人間達を既に殲滅したとの報告があがっている。
 しかし肝心のバグアと二人の強化人間が乗ったヘリが未だ撃墜出来ていなかった。下は既に山林地帯と化していてKVでは容易に立ち入れないが撃墜さえすれば、軍の特殊部隊が急行して殲滅してくれる手筈となっていた。この森の中で何処までやれるかは不明であるが。
 しかし、
『しめたエンジントラブルかっ』
 急にヘリの移動速度が落ちた。管制員が歓喜の声をあげる。しかしインドの国境はもうすぐそこまで近付いていた。
 ヘリが逃げ込むのが先か、傭兵達が操るKV各機がヘリを捉えるのが先か。しかしその時、レーダーに無数の光点が出現した。対空砲を備えた敵地上ワームの大部隊である。逃走しているヘリを迎えに来たのだ。さらに飛行戦力もあり、八機のHWが先行して傭兵各機へと迫って来ていた。
『くそっ、HWの体当たりに気をつけろ! あれの直撃を受けると飛行を妨害されて吹き飛ばされしまう! 決して足を止めるなよ! なんとしてもかわしてヘリに肉薄し対空砲群の射程外から攻撃して撃墜するんだ!』

●参加者一覧

花=シルエイト(ga0053
17歳・♀・PN
周防 誠(ga7131
28歳・♂・JG
ユーリ・ヴェルトライゼン(ga8751
19歳・♂・ER
タルト・ローズレッド(gb1537
12歳・♀・ER
アンジェラ・D.S.(gb3967
39歳・♀・JG
奏歌 アルブレヒト(gb9003
17歳・♀・ER
夢守 ルキア(gb9436
15歳・♀・SF
アルテミス(gc6467
17歳・♂・JG

●リプレイ本文

 青い空。
 風が唸り鋼鉄の翼が軋みをあげ、景色が高速で流れてゆく。音速を超えて飛行する八機のKVが西へと逃げるヘリを追いかけていた。中にはバグアと強化人間が乗っている。
「うっわ、対空砲来てる。あそこに突っ込まずに撃ち落とせ‥‥って難しい注文だな」
 追走するKVの一機、R‐01改‐ディースを駆るユーリ・ヴェルトライゼン(ga8751)が苦笑しつつ言った。彼方の大地に見える対空車両群、あれの射程内には踏み込めないだろう。手の届かないところへゆかれると不味い。加えて空よりは傭兵達を足止めすべく八機のKVが迫り来ていた。
「いーね、そうじゃなきゃ、ツマンナイ」
 H‐223B‐イクシオンで飛ぶ夢守 ルキア(gb9436)が微笑した。不調な機体、迫ってくる対空砲、切羽詰まっている状況だ。しかし、
「戦わなきゃ傭兵なんてやってないでしょ?」
 そんな事を言う。
「そういうものかな」
 とユーリ。
「バグア相手に鬼ごっこ負けられないね!」
 月森 花(ga0053)は愛機PM‐J8‐Schwertleiteが語りかけながらそう応えた。
「こちら『DameAngel』、逃亡バグア兵を追討して速やかに撃墜を達成し援護してくる敵勢の砲火を極力回避するわよ」
 アンジェラ・D.S.(gb3967)が無線に言った。乗機はDRM‐1‐アルテミス。
「強化人間か‥‥被害を増やさない為にも、逃がすわけにはいかんな」
 GSF−2200‐スカーレット・ノヴァのコクピット内、彼方を見据えつつタルト・ローズレッド(gb1537)。
「お仕事お仕事♪ 敵を狙い撃つよ」
 アルテミス(gc6467)は機嫌が良さそうである。駆っているのはKM‐m3‐薔薇様だ。KV戦での初白星を挙げたい所。
 一方、
「やはり調整不足ですかね‥‥挙動が鈍い」
 周防 誠(ga7131)はEF−006‐ゲイルIIのコクピット内で顔を顰めていた。十分速い、とツッコミを入れたい所だが普段はこれの倍速い。
(‥‥KVの中でも‥‥トップクラスの機動力を持つこの二機なら‥‥HWとて振り切れる筈です)
 胸中で呟く奏歌 アルブレヒト(gb9003)だ。こちらの乗機GSF‐2200‐Schwalbe・Schnellだ、これもまた速い。機体スキルとブーストを併発すればかなりの機動力を発揮出来る。
 速度ならば恐ろしい事にこの状況でも足止め隊の特殊強化HWにすら勝っているようだ。問題は交差する瞬間に足止め部隊をかわせるかどうか。
 傭兵達は迫り来るバグアの迎撃隊と逃げるヘリに対し諜報部の情報を元に素早く作戦を立てると役割ごとに三班に別れた。A班が突出してHWを引き付け、次いでB班、C班と時間差をつけて突撃してヘリ撃墜を狙う、という手筈だ。A班は月森、周防、ユーリ、アンジェラ、アルテミスの五機。B班はアルブレヒトの一機。C班はルキアとタルトの二機だ。なお周防は動き的にはB班的な動きな予定。言い間違ったか?
 ヘリとの相対距離が四〇〇〇まで詰まり、対空砲の射程も同距離、HW八機との距離が一〇〇〇まで迫る。
(敵の射程で戦うのはどうにも不利だよね‥‥)
 左翼の端を飛ぶ月森は胸中でそう呟いていた。なるべく懐付近へ迫って重たい一撃を叩き込みたいところ。その為にも敵の隙を突く為に、ロッテを組んで二対一での戦闘へ持ち込む事を狙う。
 月森機はブーストを発動、真っ直ぐに加速して先行した。アンジェラ機がそれに追随する。
 右翼の端ではユーリ機が先行しアルテミス機がそれを追う形で続いている。 
 周防機、アルブレヒト機、ルキア機、タルト機は上昇する形で距離を稼ぎ、前方への進行度を遅らせている。平面で見れば両翼が前に出て中央は後方につける形になった。
 しかし、
「全機、狙われてる」
 ルキアが短く注意を飛ばした。前方の空に展開し広がるHW八機、一機づつ別れて各KVへと真っ直ぐに向かって来る。
 ヘリから最も近いKVを狙い、かつそれぞれ一機づつバラバラに対象を定める。詰まる所は狙いを近い方から順番にスライドさせて埋めてゆく。諜報部の情報はそういう意味だったらしい。確かに、どちらの別の意味に取れそうな説明だ。そして傭兵達はそちらの意味で認識したようだ。
 だが敵に対して先頭だけを止めて後続に対しては横を素通しさせるような足止め部隊はこの空域ではあんまりいない。
 諜報部士官は更迭決定ものだが、現場の事態は容赦などしてくれる訳も無し。これは、どうなるんだ。
 HWはそれぞれ一機のKVを攻撃対象に定めると、真紅に輝いて猛加速した。言葉が終わるのが速いか遅いか一瞬で至近まで迫ってくる。
「目標捕捉‥‥まずは一匹‥‥」
 極超音速で翔ける月森機、HWを真っ向から捉えヘッドオン。SESエンハンサーを発動して、UK‐11AAEMを撃ち放つ。HWは反応してスライド。月森は間髪入れずに機動先へと主兵装の砲口を回す、トリガーレバーを引いた。爆音と共に蒼い光弾の嵐が猛烈な勢いで飛び出した。オメガレイだ。十二連のレーザー光線がHWへと一瞬で空間を灼きながら襲いかかり、HWを偏差で捉える。クリーンヒット。猛烈な光線がHWの装甲を融解させてゆく。さらに誘導弾が追尾して喰らいつき炸裂、エネルギー爆発を巻き起こした。月森は即座に機体を旋回させ距離を離しにかかる。
 アンジェラ機もすかさず狙いを合わせていた。リンクス・スナイプを発動しロックオン、発射ボタンを勢いよく押し込む。
「DameAngel、FOX‐2!」
 二連射。誘導弾は煙を噴出して極超音速で飛び出し、HWへ次々に炸裂して爆裂を巻き起こしてゆく。リンクスS、良い威力だ。だがまだまだ落ちない。HWが焔を突き破って飛び出して来る。
 他方、右翼のユーリ機、HWを正面に機関砲で猛射しつつ突っ込んでゆく。HWは横滑りして徹甲弾をかわさんとするが鋭い射撃を避けきれず装甲を穿たれてゆく。
 アルテミス機、ブースト、ファルコンスナイプを発動、恐らく早期決戦になると予想、最初から全力でゆく。薔薇様に迫るHWへと照準を合わせトリガーを引く。電撃が空を切り裂いて飛びHWに直撃して装甲を灼き増大された破壊力を叩きつけてゆく。連射。直撃、直撃、全弾命中。外す気はしない。
 周防、アルブレヒト、想定と状況がかなり違う。どうする? 周防機とアルブレヒト機はそれぞれブースト及びマイクロブースト、バレットファストを発動、ヘリへと向かって猛加速して駆けてゆく。周防機、進路上中央のHWへと誘導弾を三連射して爆裂を巻き起こし、一方のアルブレヒト機もまた周防機が撃ったHWへとターゲットを合わせUK‐AAEMで追撃の三連射を放っている。誘導弾が煙を噴出して空を飛び、態勢を崩しているHWを次々に捉えて炸裂し、連続してエネルギー爆発を巻き起こした。
 ルキア機はさらに両機が撃ったHWへとターゲットを合わせた。爆裂の中のHWへとキャノンを二連射、砲弾が勢い良く飛びHWに炸裂してその装甲を砕いてゆく。ルキア、すぐに旋回に入りHWから距離を取らんとする。
 タルト機がさらにルキア機が撃ったそれへと狙いを合わせている。真紅に輝いて突っ込んで来るHWへと十式バルカンを猛射し、八連装ランチャーからロケット弾を十六連射する。徹甲弾がHWを蜂の巣にし、煙を噴出しながらロケット弾の嵐が襲いかかる。HW、避けられない。全弾直撃。ジャミング中和が効いている。連続して爆裂が巻き起こり、さらに一際巨大な爆発がHWを中心に巻き起こった。HWが四散し虚空へと散ってゆく、撃破。
 HW七機、猛烈に赤く輝き、爆炎を裂き弾幕を突き破ってそれぞれ標的へと迫る。
 月森機VSHW。HWはブーストで飛ぶ月森機の後背より迫る。HWの方が速い。みるみるうちに距離が詰まってゆく。HWは追いつくと横に出てから、慣性制御で直角に曲がった。体当たり。月森は素早く機体を急降下させ避けんとする。しかし翼の端がHWと激突、強烈な衝撃が炸裂し弾き飛ばされた。PM‐J8がくるくると回転しながら吹っ飛んでゆく。HWは直角に切り替えして猛追するとさらに二度、三度と体をぶち当てて吹き飛ばしてゆく。
 アンジェラ機、こちらも突撃されないように注意を払って機動しているが機動力に差が有り過ぎる。間合いが一瞬で詰まる。機首を回し重機関砲でカウンターの弾幕を張る。HWの装甲が穿たれ強烈に削られてゆく、しかしHWはそのまま突っ込んだ。猛烈な衝撃が炸裂。破片を撒き散らしながらアンジェラ機が吹っ飛んでゆく。HWは鋭角を描いて追尾すると回転しているアンジェラ機へと連続突撃をぶちかます。アルテミス機、タルト機も同様に三連打の突撃を全撃喰らい吹っ飛ばされている。ルキア機も距離を取ろうとしていたが追いつかれて同様に猛打を受けた。
 周防機、突っ込んで来る敵に合わせてこちらも敢えてぶつけてゆく――と見せかけて操縦桿を切る、バレルロールだ。同時にマイクロブーストを発動、偏向ノズルが焔を吹きワイバーンが猛加速して勢い良く螺旋に回転して横に逸れてゆく。HWが周防機のすぐ傍を突き抜けてゆく。かわした。避けられるものらしい。技量、機体性能共に高く、ジャミング中和の援護を受け、ブースト、機体特殊能力、マニューバを一度に全て駆使する。鬼である。HWは赤く輝いて管制制御で急機動し連続で直角して切り替えし周防機を追う。距離が詰ま――らない、離れてゆく。奴は風だ。
 他方、ユーリ・ヴェルトライゼン、真紅の光を纏って突っ込んで来るHWへとアグレッシヴ・ファングを発動、避けずに真に突っ込んでゆく。剣翼のカウンター。HWのコントロール系を狙う――何処だ? ジェームス・ブレストが昔広報で何かを言っていた気がする。その辺りか? 勘で狙いをつけて突っ込む。
 超音速よりもさらに速く、極超音速でHWが迫り、爆風を巻き起こしてユーリ機が突撃する。ヘッドオンでの超高速戦闘、激突の瞬間、ユーリ機、ベクタードスラスト、ローリングしながら位置を下方へ沈ませる。
「黙って飛ばされる気は無い!」
 裂帛の咆哮と共に交差。激突。切れ味と装甲と耐久力の勝負。
 R‐01の鋼の翼がHWの腹を縦に切り裂いて抜けてゆく。次の瞬間、爆裂が巻き起こった。突き抜けたユーリ機の後方、HWが爆炎を撒き散らしながら落下してゆく。必殺の一撃。HWはやがて大地に激突し超爆発を巻き起こして四散した。撃破。
 彼方、フリーで突撃したアルブレヒト機とHWをかわした周防機がヘリへと迫っている。
 周防機、離脱せんと飛んでいるヘリへとサイトに納めつつ一瞬で四〇〇〇m以上を前進し三七〇〇m程度の相対距離を詰める。移動距離が長いのは真っ直ぐに詰めずに上に出たからだ。敵の対空砲で万一にも邪魔されぬように上から撃ち降ろす。
「Wind2‐FOX‐2!」
「Wind6‐FOX‐2」
 真っ直ぐに飛んだアルブレヒト機もまた誘導弾を撃ち放った。二機より誘導弾が発射されて煙を噴出して飛び――交差するようにヘリに突き刺さって大爆発を巻き起こした。木端に散ったヘリの欠片が森の中に落ちてゆく。撃墜。周防機はそのまま上昇して宙返りし、アルブレヒト機は旋回する。
 直後、HW、ヘリの撃墜を認識したのだろう。その動きを変化させ淡紅色の極大の光を集め撃ち放ち始めた。ユーリ機、翼を翻すとアルテミス機へと猛射しているHWへと重機関砲を猛射しながら突っ込む。
「狩りは焦らずじっくり狙いを定めて──」
 アルテミス機はHWからの猛射を受け装甲を吹っ飛ばされつつもブースト&スナイプを継続発動、荷電粒子砲にエネルギーを集めてゆく。
 ユーリ機は徹甲弾でHWを蜂の巣にしながらアグレッシヴファングを発動、剣翼で交差ざまに叩き斬る。ユーリ機が突き抜けHWが衝撃に揺らぐ、アルテミス機、ガンサイト、狙い澄ましてトリガーレバーを引いた。爆音と共に猛烈な光の波動が飛び出しHWへと突き刺さった。次の瞬間、大爆発を巻き起こす。連射。三連の猛射を受けHWの装甲の大半が吹っ飛んでゆく、後一押し。
「ボクの綺麗な『白』に傷を‥‥空におまえの花を盛大に咲かせてやる」
 月森、感情の籠らない声音で淡々と呟き、自機へとメガプロトン砲を叩きつけているHWを睨み据えた。されど相方のアンジェラ機も猛射を受けている。妨害を優先した方が良いか? 考える。損傷の多大な敵から潰した方が良いと判断。ブースト機動で翻りエンハンサーを発動、先に仕掛けたHWを再度ロックし誘導弾を撃ち放つ。すかさずオメガ・レイを猛射。アンジェラ機もその辺りは了解している。後背よりプロトン砲の直撃を受け装甲を吹っ飛ばされつつも、スナイプを継続発動、レーザー光線で灼かれているHWへと誘導弾を撃ち放ち、ロケット弾を猛射する。HWがレーザーに灼かれて穿たれ、誘導弾とロケット弾が炸裂して大爆発が巻き起こった。HWは黒煙を吹き上げ砕けながら落下してゆく。撃墜。
 周防機、自機を追って来たHWのプロトン砲を回避しざま誘導弾を連射しバルカンで猛射、アルブレヒト機もまた爆炎の中蜂の巣にされてゆくHWの後方へ捻り込むとマシンガンで猛射、四十八発の銃弾を叩き込んで装甲を削り飛ばしてゆく。
「対空砲の射程は今の所大丈夫!」
 ルキア機、HWからの三連猛射に装甲を吹っ飛ばされつつも無線に状況を報告、アンジェラ機へと攻撃を仕掛けているHWの上方より接近、キャノンをリロードしつつ狙いをつけて発射、砲弾が勢い良く飛び出し炸裂してHWの装甲が砕け散った。タルト機もまた淡紅色光線砲の嵐に装甲を爆砕されつつも、ルキア機と合わせHWへバルカンを猛射し八連装ランチャーでロケット弾を十六連射する。HWの装甲に穴があき、爆裂の嵐が巻き起こってその装甲を砕かれてゆく。
 ユーリ機とアルテミス機は徹甲弾とレーザーをHWへと併せて叩き込んで爆砕し一機を撃墜する。周防機とアルブレヒト機もまた猛射してHWの一機を粉砕した。残存の三機は勝機無しと見たか撤退に入る。しかし月森、アンジェラ、ルキア、タルトの四機は、アンジェラ機を狙っていたHWが射程外へ逃れるよりも速く、火線を合わせて猛射しこれを粉砕した。
 生き残りのHW二機は快速で脱出し、周防機とアルブレヒト機が追撃を入れたがそれだけでは落ちず、やがて対空砲が近づいた為に傭兵達は機首を返して撤退に移ったのだった。



 かくて、傭兵達はヘリを撃墜しHWを六機撃破し二機を撤退させた。空の作戦は成功したと言って良いだろう。またUPCからの話によれば特殊部隊の方も首尾よく任務を果たす事に成功したらしい。
 傭兵達とUPCの連携によりバグアと強化人間達は葬られ、この一連の事件によるインドへの敵勢力の増強は防がれたのだった。



 了