タイトル:【BI】マフバの戦い1マスター:望月誠司

シナリオ形態: シリーズ
難易度: やや難
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2010/11/27 01:37

●オープニング本文


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 インドは広い。
 カーティヤワール半島の解放を目標に変更してから久しいバーブル師団であったが、未だその行程は半ばであった。
 カーティヤワール半島はインドがグジャラート州の南、カッチ湾とカンベイ湾を左右にアラビア海に突き出るようにある半島だ。広さは六万平方キロメートル。日本国の九州が約四万二千平方キロメートルである訳なので、およそ半島一つで1.5倍程度に勝る。しかも平原だらけの地形だ。一師団でカバーするには限度がある。バーブル師団は戦力の展開に苦心していた。もっともそれは敵方も似たような事情のようだったが。
 戦線はじりじりとUPC軍の優位で進んでおり、夏にバーオナガルを陥落せしめたその部隊の一部はカーティヤワール半島の沿岸部の都市マフバへと迫っていたのだった。


 マフバに迫った隊というのが、バーオナガルを陥落させた後の再編で少佐となったディアドラ=マクワリスが率いる大隊である。
 歩兵を主力に砲・戦車少々能力者それなり攻撃ヘリぼちぼち、そして空軍から航空支援のナイトフォーゲルが数機で兵力およそ千二百程度の規模。
 バグア側も能力者をキメラに、ナイトフォーゲルをヘルメットワームに置きかえ、キメラの数が圧倒的に多いのを除けばほぼ同じ規模である。最近は大規模兵力でのまとまっての激突よりも小規模で分散して当たる事が多くなっている。
 もっとも事を傭兵に置けば一人が相手にしなければならない敵の数はあまり変わっていなかったが。
 空でHWとKVが激突し、地上ではバグア式の砲と長距離砲が焔を吹き、歩兵達が散兵横隊で射撃する。
「きた、キメラ隊だ。傭兵隊、前へ」
 そんな中、飛び道具を持ったキメラの群れが前進し、それを迎え撃つべく各中隊の司令部より傭兵分隊へと命令が発せられ傭兵達が進み出る。
 陸の勝敗はワームが存在しなければ、キメラと能力者の優劣が勝敗に直結する。マハブの東の平原でこの戦いの明暗を分ける戦いが始まろうとしていた‥‥

●参加者一覧

ノエル・アレノア(ga0237
15歳・♂・PN
篠崎 公司(ga2413
36歳・♂・JG
篠崎 美影(ga2512
23歳・♀・ER
終夜・無月(ga3084
20歳・♂・AA
小鳥遊神楽(ga3319
22歳・♀・JG
アッシュ・リーゲン(ga3804
28歳・♂・JG
クラーク・エアハルト(ga4961
31歳・♂・JG
ラルス・フェルセン(ga5133
30歳・♂・PN
皐月・B・マイア(ga5514
20歳・♀・FC
ティリア=シルフィード(gb4903
17歳・♀・PN

●リプレイ本文

 インドの戦線。
「また数で押そうってか? 一度ダメだったってのに懲りねぇとはな‥‥」
 アッシュ・リーゲン(ga3804)は呟くと、しかしニヤリと口端を上げて笑った。
「まあ良い。ボーリングよろしく薙ぎ倒してやるぜ」
 彼方の大隊司令部の方を見やり、その司令官へと敬礼を贈る。
 少佐のディアドラ、昔の女が立っている位置はちょっと遠い。
「んじゃ行って来ますよ、少佐殿」
 男は緑色の小銃を肩に担ぎ前線へと向かう。
「やれやれ、今回も多いですね? アッシュさん」
 その隣に男がまた一人並んで言った。クラーク・エアハルト(ga4961)だ。
「まぁな。だが、蹴散らすだけだ」
「狙撃できない分、自分は乱戦で頑張らせてもらいますよ」
 男達は荒野へと向かう。彼方からはライフルを担いだ狼人の群れが整然と行進して来ていた。


 他方、皐月・B・マイア(ga5514)は言っていた。
「ハバネロで悶える以上に苦悶なのか? ディアドラ姉さんに会う事が」
「まだ会えない」
 青年が答えた。ヤマトだ。
「俺は何か、大きな事をやらなければならない」
「まったく、頑固だなお前は。いい加減納得してもいいじゃないか」
「勝つまでやる。それで死んだら、それまでだ。マイアこそいい加減、諦めたらどうだよ。もういい加減、放っておけば良いだろう。俺は良いんだよ。俺が決めた俺の生き方だ。その結果の俺の責任だ。でもマイア、君は違うだろ。現状まだまだ解決する見込みの無い誰かの問題にずっと心を砕いて、君は疲れてしまわないのか」
「私だって私が決めてる。お前は良くても姉さんが駄目だろ。でかい口叩くなら、目の前のやるべき事をやってから言え。お前のそれは顔出してからだって出来るだろう? ‥‥私はしつこいぞ。絶対諦めないからな」
「あー、もうっ!」
 ガリガリと頭を掻いてヤマトは言った、
「君はぁあれだな、最近、肝が据わってきたな? でも君、それでも鋼で出来てはいないだろ。それとも君はそんなに強くなったっていうのか? 俺には君が人間止めてるようには思えない。なんで、そう、あー、もう、どいつもこいつもっ」
 と、嘆息し言う。
「本当に諦めないんだろうなぁ、マイアは。解ったよ、負けたよ、会うよ」
「本当か」
「本当だ。この戦いが終わったら会いにいく。それで良いか」
「ん‥‥それで良い」
 エネガンを渡してマイア。
「これ借りるのも何度目かなぁ。いつもは返せてるけど、なんかそろそろ失敗しそうな気がするぜ」
「馬鹿な事を言ってるんじゃない。行くぞヤマト。死ぬなよ」
「あいよ。そっちもね」


「圧倒的多数な上に横一列とは、嫌な布陣ですね。迂闊に近づけは集中射撃を受ける」
 ラルス・フェルセン(ga5133)がおよそ百匹からなるライフル狼兵の戦列を見やり言った。
 鍵は、如何に敵の射撃を抑えるか、にあるようにラルスには思えた。
(「負ける訳にはいきませんからね‥‥少しずつでも、人類側に希望が見えているのですから」)
 そう思う。広大な大陸から見れば僅かであっても、確実に前へと進んではいるのだ。
「そういえば、お会いするのも久しぶりですね」
 ラルスはヤマト青年を見やって言った。
 ヤマトは一礼すると、
「もう一年以上前になりますか、御無沙汰してます」
「辞められたんですね、軍隊」
「‥‥ええ」
「此処を片付けたら一杯どうです?」
「えぇと、その、終わったらディアドラの所に顔を出してゆくので‥‥そうだ、ラルスさんも良かったら一緒にどうでしょう?」
「大――ではなく、少佐とですか?」
 藪からスティックな話である。
「はぁ、お邪魔でなければ構いませんが」
「有難うございます」
「良いですけど、その前に力尽きる事は許しませんよ?」
「ええ、まだ、死ぬつもりはないです。簡単には死にませんよ、俺は」
 歩兵用のメットを被りつつ、青年はラルスの言葉にそう頷いたのだった。


「この渇いた空気、しばらくぶりな気がする」
 緑髪の少年――ノエル・アレノア(ga0237)は荒野に立ち、ぽつりと独白した。
「この前のバーオナガルでの戦いの時に比べれば敵の総数は少ないけれど‥‥」
 その呟きを拾ってティリア=シルフィード(gb4903)が言う。
「それでも、ボクたちの隊として請け負う敵の数は前とほとんど変わりはなさそう、かな‥‥?」
「そうですね。敵は飛び道具だし‥‥敵陣形を崩すような『穴』を開けることは、射撃が得意方に頼ることになりそうですね」
 その分、僕は目の前の敵を撃破することに集中しないと、と思いつつノエル。
「かな。白兵はボク達だけみたいだし、敵が乱れたら端から一緒に入らない?」
「了解です。ティリアさんが一緒なら心強いです」
「うん、ボクもノエルさんが一緒なら心強いよ」
 頷いてティリア。共に戦場で肩を並べた回数は多い。連携は慣れたものだ。
(「それに‥‥近くで戦った方が何だか力が出る気がするし、安心かな」)
 そんな事を思うノエルである。こちらの二人は恋人同士であった。
「突入前に閃光手榴弾を投げるから注意して」
「了解です」
 かくて二人は細々とした所を打ち合わせてゆくのだった。


「エレクトロリンカーの篠崎美影です」
「篠崎公司、イェーガーです。妻共々宜しくお願いします」
 篠崎 美影(ga2512)と篠崎 公司(ga2413)の夫妻はそう挨拶した。渋い壮年と美人妻の組み合わせである。
 終夜・無月(ga3084)もまた名乗ると、
「宜しくですよ‥‥」
 と挨拶をした。各員もまた挨拶をかわし、手早く作戦を打ち合わせる。
「必要になったら声を掛けてくださいね」
 微笑して美影が言った。治療や強化はお手の物である。作戦を立てると分隊傭兵十一人がキメラの群れを迎え撃たんと荒野に立った。
「けして倒せない相手じゃないけど、これだけ数が多いと正直うんざりするわね」
 小鳥遊神楽(ga3319)が言った。
「一個は弱いですが、数が集まると厄介になる手合いですね‥‥上手く切り崩せれば良いのですが‥‥」
 と終夜はそう敵を分析する。
「そうね‥‥ベストを尽くすわ」
 頷いてSMGを取り出し小鳥遊。
 距離が詰まる。相対距離三〇〇。1m程度の間隔を空け横一線でライフルを構え狼人型のキメラが駆け出した。傭兵達も速度を合わせて前進する。
 美影は周囲と速度を合わせて前進しつつ右手のグローブを翳すと練成強化を発動、夫の公司の弓へと淡い光を宿す。同様にクラーク、アッシュ、小鳥遊の銃へも光を灯す。
 距離が詰まる。相対距離一二〇。
「まずは先制と参りましょうか。援護しますので、その間に接近を」
 ラルスは直進すると弾頭矢を番えた魔創の弓を構え中央へと狙いをつけた。矢継ぎ早にはっしと放って三連射。
「貴方達に狼としての格の違いを訓えましょう‥‥」
 終夜もまた魔創の弓で弾頭矢を放ち、再び矢を番えて連射してゆく。
 ラルスが放った弾頭矢が中央の狼人に突き刺さって三連の爆裂と共に三匹を吹き飛ばし、爆風と破片を撒き散らして四体を傷つけ二体を倒した。終夜の弾頭矢が右方の一匹を吹き飛ばし二体を爆風と破片で傷つけ三本の矢が三匹を射抜く。ノエルとティリアは敵陣が崩れるまで待機中。
 アッシュは大盾を構えると先頭を切って走ってゆく。その後方に公司、ヤマトとぴったりと付いて続く。相対距離一〇〇に踏み込むと次々にウルフ達は小銃を発砲した。ライフル弾が嵐の如く降り注ぎアッシュが身を隠す大盾を直撃してゆく。
「これなら‥‥届く!」
 一方、マイア、狙撃眼を発動。
「敵が多くて厄介だな。まずは露払いか!」
 大口径ガトリング砲を腰溜めに構え、相対一〇〇で射撃を開始。激震と共に焔と光が瞬き、猛烈な勢いで弾丸が吐き出されてゆく。掃射。一五〇発の弾丸が十m程度の幅を三度薙ぎ払う。十匹あまりのウルフが血飛沫を吹き上げバタバタと倒れてゆく。
 傭兵達は左端に寄っている。ウルフ達は傭兵達から見て左端――右翼――を支点に旋回するような動きで前進し、接近するアッシュへと射撃を加えてゆく。
 その動きを見たクラーク・エアハルトは練力を解放、ふっと姿を掻き消すと自軍右翼へと加速した。瞬天速だ。飛び出したクラークへと中央より左翼側のウルフ達が標的を移し猛射。
 クラークは荒野を駆けながら襲い来る九十二発のライフル弾のうち五十五発を回避し三十七発に直撃を受ける。ガリガリと削られ負傷二割八分。撃たれつつも敵左翼の頭を抑えこむべく端から狙ってケルベロス拳銃で四連射。二体のウルフが血飛沫を噴出して倒れた。青年は拳銃をホルスターに納め片手で閃光手榴弾を取り出し、ピンを口に咥え引き抜く。
(「一、二」)
 ライフル弾の嵐の中を駆け抜けつつ、カウント2で投擲。放たれた手榴弾は、違わず敵の左翼端まで巻き込む地点へと転がり、次の瞬間轟音と共に閃光を撒き散らした。およそ三十体あまりのウルフ達が悲鳴をあげながら動きを止めてゆく。
「敵の銃火の前に立っても恐れなくなったというのは場数を積んで強くなったのかしら?」
 他方。小鳥遊、弾丸が飛び交う荒野の真っ直中、アッシュに続いて光輝くSMGを構え突撃していた。
「それともただ単に感情が麻痺しただけかしらね?」
 呟きつつ相対距離六〇、SMGを構える。彼方に見える狼の兵達。銃口を向けフルオートに入れる。
(「どちらにしても本来のあたしじゃないわね‥‥」)
 掃射。四度薙ぎ払って六〇発の弾丸を撒き散らす。弾雨が荒れ狂い血飛沫を吹き上げ倒れゆく狼達を彼方に眺め、女はそんな感慨を抱いた。五体撃破。
 アッシュ、次に制圧射撃を繰り出す為に相対距離四〇まで突進せんとしている。一八一発のライフル弾が大盾に激震を与えその表面を猛烈な勢いで削り取ってゆく。
「射程で負けているのが痛いですね。何時もの事とは言え‥‥」
 篠崎公司はヤマトと共にアッシュの背後につき弾雨の中を前進している。今の所損害無し。
「ではここで分断しておきましょうか」
 相対距離五〇、公司は足を止めると弾頭矢を番えた和弓を構えた。敵を左端から数えて十一番目あたりから右へと一つ間を空け弾頭矢で連射。二本の矢が二体のウルフに命中して爆裂を巻き起こして二体をふっ飛ばし、爆風と破片が三匹を傷つけ一体を倒した。三体撃破。
 アッシュ、強弾撃を発動、盾の影から連射する。連続で眉間を撃ち抜いてウルフの二体を撃破。リロードする。ヤマト、腕を輝かせ突撃銃をフルオートに入れて二十連射しリロード。一体が蜂の巣にされて倒れた。
 美影はノエルとティリアへと練成強化を発動させ、また、ウルフの射程内へと思いきって踏み込むとクラークへと練成治療を施した。男の身から痛みが消えてゆく。
「突撃を開始します!」
 ノエルが無線に言った。ティリアと共に敵戦列に向かって走り出す。
「数は多くとも無限ではありませんからね」
 ラルスは両腕に眩い白光を宿すと魔創の弓で右端、敵の左翼に居た敵から射抜いてゆく。鏃が回転して空を切り裂いて飛び、狼の身に突き刺さって次々に吹っ飛ばしてゆく。痛烈な破壊力だ。三体撃破。
 終夜は弓を背に納め盾とルナ小銃を取り出して構えつつ堅実な前進を開始する。
 公司はさらに弾頭矢を放って爆裂を起こし三体の狼人を吹っ飛ばし、五体を爆風と破片で傷つけ三体を倒した。六体撃破。
 小鳥遊、とかく今は面制圧が優先される。フルオートで掃射、掃射、掃射、掃射、サブマシンガンで薙ぎ払う。七匹のウルフが血飛沫を吹き上げバタバタと倒れてゆく。
 マイアもまたガトリング砲をリロードして掃射。二回薙ぎ払って十匹あまりのウルフ達が血飛沫を吹き上げたが倒れない。ウルフ達は標的をマイアにうつして猛射。マイアは射撃しつつ素早く駆けて二十五発のライフル弾を回避し五発を受ける。負傷率九分。
 クラーク、健在なウルフと目が眩んでいるウルフ達の猛射を横に駆けながら回避しつつ拳銃で反撃して端の二匹を撃ち殺す。
 ライフル弾の嵐を盾で受け止めている。アッシュ・リーゲン、大盾の影から銃を向けると制圧射撃を発動、
「大人しくしていろ! 有象無象共が!!」
 吼え声と共に次々に銃撃を叩きこむ。弾丸が唸りをあげて飛び、十六体のウルフ達の動きを封じ込めた。
 美影は公司へと寄って練成強化をかけ直すと後退してマイアに練成治療を施した。
「フラッシュバン!」
 ティリアが言って閃光手榴弾を投擲する。ピンを抜いてから三秒後、敵陣右翼端手前に転がった手榴弾は激しい閃光と共に轟音を撒き散らした。光と音にウルフ達が悲鳴をあげ動きが乱れる。直後、瞬天速で加速したノエルは狼の列へと突っ込むと、右のクローを繰り出して狼人の顔面をぶち抜き、左の金属筒から光の刃を発生させて縦に断裂した。狼が血飛沫をあげ灼き斬られて倒れる。ノエルに続いてその背後を守るように迅雷で突入したティリアも左右に構えた小太刀を振るってウルフの一匹を斬り倒す。
 終夜、相対距離四〇まで詰めた。練力を全開にブリットストームを発動。小銃ルナを用いて怒涛の早撃ち。一〇発の弾丸が次々に飛び出し、一〇匹のライフルウルフの顔面へと次々に突き刺さって血飛沫を吹き上げながら倒れて行く。一〇体撃破。ラルスが腕を輝かせながら三体をまた弓で射抜き、クラークがリロードしながら拳銃を連射して二体を倒す。
「少しだが頭を抑える、その間に行け」
 アッシュは制圧射撃と援護射撃を繰り出してノエルとティリアの前衛組を援護し、小鳥遊もまた制圧射撃を発動してSMGでウルフ達を薙ぎ払いその動きを抑える。ノエルは狼人の身を別の狼人からの盾にするよう射線を切りつつ機動して爪と光剣を振るって斬り倒し、ティリアもまたそれをカバーするように二刀を振るって四連剣閃を巻き起こして血飛沫と共に二体のライフルウルフを斬り倒す。
 一方、終夜、猛射を受けるライフル弾の嵐の中、冷静にその軌道を見きってかわし、あるいは盾でガードしつつ再度練力を全開に解き放つ。男が持つ金狼の瞳がぎらりと輝いた。世界史は言う、機関砲の前で密集してはいけませんと。ブリットストーム、ブリットストーム、ブリットストーム、機動しながらの怒涛の十連早撃ち三段、機関砲ではないが似たようなものだ。血風が吹き荒れ、三十体ものウルフが片っ端から急所を撃ち抜かれてバタバタと倒れてゆく。凄まじいまでの制圧力。最後に一発放って三十一体撃破。
 公司は駄目押しに弾頭矢を炸裂させてウルフ達の戦列に穴を空け、マイアと小鳥遊はフルオートで弾幕を張って残りのウルフ達を薙ぎ払う。ヤマトは突っ込んでエネルギーガンを連射して掃討にかかった。ラルスの弓が射抜き、最後にもう一度終夜のブリットストームが唸って、最後の一匹も撃ち抜かれ、百匹ものライフルウルフは一兵残らず荒野に沈んだのだった。

 かくて第一分隊は敵を撃破し、全体もまた勝利を収めた。
 戦いの後、マイア等はディアドラの元へと赴き色々話をしたという。

 了