タイトル:初夏×水場×触手マスター:MOB

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/06/27 06:06

●オープニング本文


 私は今、基地のベッドで寝ております。お恥ずかしながら着任早々怪我を負ってしまいました。軍医の方が言うには、救出が早かったおかげで骨に少しヒビが入っているだけだそうで、もう2、3日もすればオペレーティング業務ならば問題なくこなせるだろう‥‥とのことです。基地の方が言っておりましたが、『近く基地の戦力をかなり動員した作戦がありそうだ』とのことですので、それに復帰が間に合うのは嬉しいことです。
 そうそう、それで私が負傷した経緯なのですが、基地の人員に交代で臨時休暇が与えられることになったため(基地の方々曰く、こうして休みが入るということは、大体この後にかなり働かされることになる。多分大掛かりな作戦でも予定されているんだろう‥‥とのこと)、少し遠出をして湖畔のある街へ基地の皆さんと向かったのです。しかし、そこの湖畔にはキメラが忍びこんでいて‥‥私は、私は‥‥!

 気づいた時には、もう逃げられない程の距離までそのグロテスクな生き物はこちらに這い寄ってきていた。イカをベースにしたのであろうその生き物は、生やした10本の足は光を反射してテラテラと輝いている。おそらく、地上でも身体が乾燥しないように表面を薄く粘液濡らしているのだろう。
「あ‥‥ああ‥‥」
 足が動かない。
 でも、恐怖ですくんでしまっているわけじゃない。白く濁った粘液の塊が足と地面を結び付けていて、動かそうにも動かせないのだ。ここまでくると、液体やゲル状ではなくて固体に近いかもしれない。目の前で鎌首をもたげているその足はよく見ると先端に穴が開いている、この粘塊はここから吐き出されたものだろう。
 私が逃げることが出来ない事を悟ったのか、まだ少しだけ距離を置いていた相手はついにその10本の足をこちらに伸ばしてきた。一本、また一本と身体に巻きついてくる。怖気のするその感覚に私は身を震わせましたが、悲劇はまだ始まっていません。ここまで来たら私も少しはこの先を予感していました。悔しいけれど、もう逃れられないんだって。でも‥‥
「ぐぅ‥‥あっ!?」
 痛い。痛い痛い痛い。その痛みは、逃避していた私の意識を現実に引き戻すのに十分でした。

 その後、同行していた能力者の方が攻撃すると、すぐさま相手は退いていきました。捕食の為に湖畔より出てきた相手にとって、自分を傷つける一撃は想定外だったらしく、大慌てで水中へと逃げていったそうです。でも、あと少し早く、我侭かもしれないけれどもう少し早く助けて欲しかった。
 基地の方々は、『腕は大丈夫か?』『実際にキメラを見たのは初めてか?』『腰でも抜けたのか?』などと温かい言葉をかけて下さいました。本気で心配している目だったので、あの時に私が考えていたことは勘付かれてはいないでしょうが、それでも『もし』を考えると不安で不安で堪らなくなります。でも、少しだけ‥‥ああ、そういえば今の時間帯、軍医の方は食堂で昼食を‥‥この部屋には私以外だれも‥‥。

***

「‥‥以上が補給線上にある街に潜り込んだキメラの特徴になる。これの排除が今回の任務だ」
 何故だか知らないが、ヤケにガッカリした表情の傭兵達が目前に並んでいる。その理由は、説明したUPCの士官も大体予想がついている。
「質問があります! 4番目の項目は何かの間違いではないのですか!」

1)イカ型のキメラが3体。
2)足の部位が非常に長く、ヌメヌメしている。
3)足の先端に穴が開いていて、そこから捕獲用の粘塊を飛ばしてくる。
4)ガチで殺しにくる。

「気持ちはなんとなくわかるが事実だ」
 途端に騒がしくなるミーティングルーム。空気読めないキメラだとか、ガッカリキメラだとか、色々聞こえてくる。
「ともかく! 遭遇時に能力者が一名居たおかげで被害は負傷者一名だけで済んでいる。被害が広がる前に排除して、補給線の確保を行わねばならん」
 少しだけヤケになった士官からの言葉を受けて、傭兵達は渋々高速移動艇へと向かったのだった。

***

(「‥‥ふぅ。あのキメラは期待外れだった」)
 そして、医務室のベッドに横たわりながら、桃乃木・杏(gz0240)はそんなことを考えていた。

●参加者一覧

鷹司 小雛(ga1008
18歳・♀・AA
夜十字・信人(ga8235
25歳・♂・GD
加賀 弓(ga8749
31歳・♀・AA
紅月・焔(gb1386
27歳・♂・ER
セレスタ・レネンティア(gb1731
23歳・♀・AA
彩倉 能主(gb3618
16歳・♀・DG
桃ノ宮 遊(gb5984
25歳・♀・GP
鬼灯 沙綾(gb6794
13歳・♀・DG

●リプレイ本文

●入念なる事前準備
「お待たせしましたです。前回の遭遇時、キメラを撃退した能力者に情報を貰ってきたです」
 彩倉 能主(gb3618)が出発前の準備を行なっている仲間達の下へと合流してきた。ラストホープでキメラの情報を貰っていたが、やはり間近に見た者が感じた手応えや相手の速度を知っておきたい。
「助かる、今回のキメラはありありと分かるほどの殺意を持って襲ってくるらしいからな」
 キメラが地球側の生命体を殺害することは至極当然の事、その為にキメラは生み出されている。『ガチで殺しにくる』など、どうしてわざわざ説明したのだろうか。夜十字・信人(ga8235)にはイマイチその理由が理解できなかったが、高速移動艇での移動中に、それほど凶暴性のある相手なのだと思い直していた。
「ジーザス‥‥何と言うことだ‥‥! これだけの‥‥最高の条件が揃っておきながら‥‥よりによってガチだと‥‥?」
「お前が何を問題にしているのか、さっぱりわからん」
 隣で、なんか凄く憂いている紅月・焔(gb1386)にも、そう冷静に返す。
「殺しに来ないキメラなんていませ‥‥あー、いえ。偶にいますね、そういうキメラも」
 加賀 弓(ga8749)にも焔が何を問題にしているのか分からなかったが、途中でバグアが何を考えて作ったのか分からないキメラの存在を思い出した溜息をつく。それに、よくよく考えれば、湖にイカというのも変な話だ。
「そんな事より、問題になるのは相手の臆病さだろうです」
「なん‥‥だと‥‥?」
 能主が、問題となるのは一撃受けただけで逃げた相手の性質だと主張する。そのおかげで桃乃木・杏(gz0240)は助かったのだが、自分達はその相手を逃がさずに倒さねばならないのだ。それにしても今の焔は、『アイスマン』と自称するほど冷静沈着な覚醒中の人物とは、とても同一に思えないほどにうろたえていた。
(「な、なんか想像していたのとあまりに空気が違うのですっ!?」)
 初めての依頼で素敵なお姉さんがいっぱいでホクホク‥‥と考えていた鬼灯 沙綾(gb6794)だったが、どういうわけか硬くなっている空気に面食らっていた。だが、そんな彼女にとって有難いことに、徐々に徐々にこの空気は柔らかくなっていくのだ。
「‥‥武器、忘れていこうかな」
 解っている人は、解っているのだから。

 場面は少し変わって、女性用の更衣室。
「み、水着‥‥本当に着なければ‥‥?」
「湖畔だからな」
 それらしくするため、ということで出された囮役の水着着用。囮役でないにも係わらず、桃ノ宮 遊(gb5984)は水着姿になっていた。理由についてはさっき彼女がいった通り、湖畔だから。正規の囮役である鷹司 小雛(ga1008)に至っては、水着どころかサラシにふんどし姿だ。まあ二人とも、流石に現地までは上着を羽織っていくが。
「で、では、出来るだけシックな水着を‥‥」
「着物が肌蹴ることも考えられますし、いっそそちらの方が良いかもしれませんね」
 そんな先駆者達の雰囲気に押されてセレスタ・レネンティア(gb1731)は、服に下に競泳水着を着込んで出発の準備を終える。まだ泳ぐには早い季節と思い留まっていた弓も、『つけてない』の着物よりも安心できると自分に言い聞かせて、同じく競泳水着を下に着込んだ。競泳水着、これまたマニアックなチョイスである。
(「やっぱりこの依頼に参加して良かったのですっ」)
 そして、そんな一部始終を、沙綾が覗き見ていた。


●這い寄る大烏賊、その殺意
 補給線上にある街、そしてそこに存在する湖。その畔で、3人の女性が下着や水着で寛いでいた。
「やはり、まだ肌寒いですね」
 今の季節はまだ少し寒い。弓は水着の上に軍服を羽織っていて、普段は和服の下に隠れてしまっているプロポーションを見れる絶好の機会は失われた。スラリと伸びた脚から如何ほどの物か想像できるだけに非常に惜しまれる。
「この格好は‥‥小雛さんは寒くないのですか?」
 セレスタも同じくケブラー・ジャケットを上に着ている。しかし、普段から軍服でクールな雰囲気のあるセレスタの場合、これはこれでアリな着合わせと言わざるを得ないし、少し恥じらいのある仕草も加点対象である。
「全く、皆様触手の‥‥え、あ、そうですわね。少しの辛抱でしょうし、大丈夫ですわ」
 得物を刀剣袋に隠して抱えた小雛は、先述のようにサラシにふんどし。あまり見られぬその下着は、艶のある黒髪を靡かせる彼女を一層引き立たせており、実にお見事である。これが和の心というものだろうか。
「‥‥任務って、良いなぁ」
「しまった!? おい信人、監視代われ!」
 そんな彼女達の様子を、抜け目なく双眼鏡を用意して監視を行なっていた信人と、その双眼鏡をひったくる様にして監視を交代した焔がじっくり観察していた。
 イカ型キメラが、3匹連れ立って湖の中から這い出てきたのはそれから程なくしての事。大漁だ。後はもう少し湖から引き離したところで、退路を塞いでしまえばいい。信人は、囮役を挟んで反対側に待機している遊ら3人に通信を行い、互いに目標を確認したことを伝え合った。

「現れました‥‥!」
 小声で、仲間だけに聞こえるように呟く。囮役で一番最初にキメラの姿を捉えたのは、もっとも湖側を見る事が多かったセレスタ。
「片腕を入れて首を守れば、耐えれられるはずですわ」
 これから攻撃班が包囲するまで、彼女達は耐えなければならない。首を締めあげられなければ、能力者ならその間十分耐えられると踏んでいる小雛は2人にそうアドバイスすると、伸びてくる触手をさほど抵抗せずに受け入れ、身に巻き付かせた。
「くぅ‥‥」
 その責め苦に、思わず呻き声が漏れる。思っていたとおりだ、痛みはあるが骨を折られるまではいかない。左腕を差しこんでいるため、首も守られている。しかし、相手が耐えている事が分かったのか、締め付けは徐々にキツくなっていく。耐えるために力を込めた四肢は震え、瞳は潤んでいく。
「‥‥っはぁ!」
 空気を求めた小雛の口が大きく開く。しかし、首筋に巻き付いた触手が自由に息をすることを許さない。なんとか吸えてはいるものの、途切れ途切れにしかできないゆえに荒くなり、身体の震えは一層激しいものになってゆく。
「こんな触手に絡まれたら‥‥ああっ!?」
 小雛が捕えられたため、遠くへ逃げれば彼女一人に3体のイカ型キメラが襲いかかることになる。それを防ぐために、なんとかその場で迫る触手を払い続けていた弓とセレスタだったがついには捕えられ、揃って責めを受けることになる。
(「そんな、2本でなんて‥‥」)
 水着に、白濁した粘液が染み込んでゆく。小雛が締め付けに耐えていることを知った相手は、弓の目の前で見せつけるかのように2本の触手をより合わせ、その身に巻き付かせた。
「ぐ‥‥ぁ、ああ‥‥」
 純粋に2倍ではないが、強靭になったその締め付けに弓の顔が歪む。普段の覚醒時なら風にたなびくその御髪も、白濁に濡れた今では力なく垂れ下がって背に貼りついていた。
(「‥‥!! ‥‥口の中に!?」)
 セレスタの顔が白濁に染まる。締め付けでは中々相手が倒れない事を見てとったイカ型キメラが、次の攻撃手段に移ったのだ。粘度の高い粘液にて相手の吸気口を覆い、窒息死させようというのである。丁度息継ぎをしていたセレスタは、口の中にまで粘液が入ってしまっていた。
(「息が‥‥!」)
 力を振り絞って口元についた粘液を拭いとるが、口の中に入った分までは拭きとれない。首元に巻きつかれているため下を向けず、吐き出す事もできない。
「‥‥んぐ、‥‥ぷはぁ!」
 セレスタと同じ状態に陥っていた小雛は、早々に口の中の粘液を飲み干して大きく息を吸った。しかし、彼女にはそれほどの決心はつかない。だがこのままでは‥‥と、必死でどちらを選ぶか迷っていると、不意にキメラが触手の拘束を解いた。


●湖畔ノ死闘、敵ニ退路ナシ
「行くわ」
 両肩と右頬に星を浮かび上がらせ、遊が障害物の陰から飛び出した。続けて、能主と沙綾も得物である槍を構えて駆け出した。
「我慢の時は終わったのですっ、囮役の皆さん今助けるですっ」
 彼女達の姿に気付いたイカ型キメラ達は、すぐさま弓達3人を放して湖の方向へと移動を開始する。
「やはりか」
 だが、湖に逃げ込むことは叶わない。スキルにて一瞬にして相手の逃走方向に回り込んだ彼女達は、及び腰で繰り出してきた触手を軽々と退け、その本体に攻撃を叩き込んでいく。沙綾が迫りくる触手を槍で薙ぎ払い、遊が鎌切で相手の目を突くと、能主が突き飛ばして陸側へと押し戻す。
 そこへ男性陣と、それまで自衛に徹していた囮役が戦闘に加わる。
「くすっ、これまでのお返しですよ。烏賊刺しにしてあげます」
「剣は得意ではないが‥‥!」
「唐突だが、此処で活性化ターイム!!」
「流し斬りでなます切りにして差し上げますわ」
 もう戦況は一方的だった。先程まで耐えるしかなかった事の鬱憤を晴らすかのように、弓が鬼蛍とラジエル、実剣と光剣にて次々とキメラを切り刻み、信人が活性化タイムに入る。扱いが得意ではないと言ったセレスタも、受けた辱めを恨みに変えて軍用剣に込め、敵を叩き斬った。そして、焔の的確な銃撃による援護の下、信人が活性化タイムに入り、小雛の流し斬りが完全に入ったのに‥‥イカ型キメラはまだ倒れなかった。

 窮鼠猫を噛む。窮烏賊能力者を襲う。相手を倒さねば到底逃げることはできないと悟ったイカ型キメラは、それまでの逃げることを第一にした動きを止めて、最も近くにいた傭兵へと襲い掛かった。
「わわわっ!?」
 一度に何本もの触手に襲われては風天の槍で薙ぎ払いきることができず、沙綾の四肢に触手が絡み付いていく。まずはその得物を持った腕に巻きつき、有効な抵抗ができないようにされる。そして、それを引き離そうとした逆の腕にも別の足が巻きついてきて、無理矢理腕を広げさせられる。
「沙綾さん! ‥‥うっ!?」
 彼女を助けにいこうとした能主の足元に、白濁した粘塊が撃ち込まれる。動きを制限された彼女だったが、続いて遅い来る触手をセリアティスで薙ぎ払う。しかし、背後より襲い来るもう一体のイカ型キメラからの触手には抵抗することができず、沙綾と同じように腕を広げさせられた。
「やめろ‥‥」
 能主は覚醒の影響で、痛覚と同時に快感を覚える体になってしまっていた。それでも行動に異常性は無かったが、今は状況が状況だ、何かもう一つ覚醒してしまう事になりかねない。
「おイタが過ぎるイカさんは、後でお仕置きですよっ!?」
 彼女の視線の先には沙綾がいた。彼女は精一杯に虚勢を張るが、イカ型キメラはその触手を全身に這わせて全身に粘液を塗り込ませた後、意を決したように胸へと伸ばしていった。能主の方も同様だ。全身を舐め回した触手は、ついに彼女達の胸部へと襲いかかり、4つの螺旋を描か‥‥なかった。
 AU−KV、鉄壁の守り。
 先程までの様子も全てそのリンドブルムとミカエルの装甲の上での出来事だし、触手が全員を這ったのも装甲で覆われた身体の中で、締め上げが効果的な部位が無いか探していただけに過ぎないのだ。
「ふざけるなぁーーーッ! こんな事が‥‥こんな事が許されるっていうのか!?」
 この俄かには信じられない事態に、信人は吼えながらクルシフィクスで地面を激しく叩き、
「AU−KV‥‥男の夢を後一歩の所で砕いた罪は重いぞ‥‥」
 焔は冷静ながらも正しく、そして何処か間違った恨み言を呟いた。
「お前等、後で拳一発ずつな」
 そして、そんな男二人には、戦闘後に遊から一発ずつ鉄拳制裁が下されることになりました。

 あ、イカ型キメラはこれが風前の灯が最後に一際燃え上がるとかそういった感じだったらしく、後は10秒も持たずに3匹揃って仲良く撃破されました。


●撃破報告、任務完了
「キャスト・オフ、なのです。うー‥‥これを着てると胸が苦しいのです‥‥」
 窮屈なAU−KV内部から解き放たれた果実が、大きく揺れ動く。本当に、彼女がドラグーンで無かったらと、悔まれてならない。
「やっぱ食べられないかな、コレ?」
 しゃがみこんでキメラの死骸を見つめる遊は、イケそうならチャレンジするつもりだったのだが、足に纏わりついている粘液が思っていた以上に粘っこく、相当頑張らないと無理そうなので諦めることにした。
「わたくしの様子、いかがでしたでしょうか?」
 そして、その近くではまだ白濁した粘液まみれのままの姿で、小雛が自分が触手に責められていた時の感想を仲間に聞いていた。これはもう逆セクハラの域である。いの一に向かったセレスタや、髪に纏わりついた粘液と格闘している弓と同様、まずはシャワーでも浴びてきて欲しいものだが‥‥
「そうだな‥‥うむ、今再び活性化ターイム!!」
 残った練力を絞り出すようにして活性化を使用する信人。‥‥すごい漢だ。

 なお、基地に帰還して任務完了報告をした後、沙綾とセレスタが今回の最初の被害者となった杏を見舞いにいったのだが‥‥。
「あれはヒドいものでした‥‥」
「でも、キメラさんはちゃんと退治してきましたよっ」
 そんな、戦闘の様子と結果を語る彼女達に対して杏は
「私も能力者だったら耐え‥‥自力で逃げる事もできたかもしれませんね」
 と、返したとか。
(「今、言い直した気が‥‥」)
(「耐え‥‥耐える? 耐えるって??」)
 そして、その返答に彼女達はどう返せばいいか困るのだった。