タイトル:型破りな小動物達マスター:水乃

シナリオ形態: ショート
難易度: やや易
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/10/17 00:54

●オープニング本文


 草木生い茂る森の中へ、少女は秋の味覚‥‥こと、木の実を取りに出かけていた。

「うふふ、おはよう小鳥さんたち」

 と、空を見ては小鳥に声をかける‥‥どうやら、この少女は動物にも声をかけてしまう癖があるようだ。

 少女の衣装は、ワンピースに、手には木の実を入れる為のバスケット。
 キメラの出没が不安視される今日この頃だが、自分の身の回りに出現するはずはない‥‥そう信じているが為の無防備さだった。

「まあ、リスさんまでいるのね、こんにちは、リスさん」

 森の中で木の実を拾いつつ、目の前で木の実に噛り付いているリスにも挨拶する少女。

 そしてその直後、悲劇は起こった―――

 小動物の可愛らしさを演出していたそのリスは、突如その動きを獰猛なものへと変えて少女へ襲い掛かる―――!!

「えっ? ‥‥きゃあ! 痛っ――!!」
 
 リスは少女の脚の上に飛び乗り、その鋭い牙を‥‥剥き出すことはなく、何故かスカートの裾から少女の服の下へ潜り込んでいった。
 リスの足爪が少女の繊細な肌を引っ掻き、小さな痛みがはしる‥‥が、それよりも。

「きゃっ、やだ、‥‥あははっ」

 リスのモコモコとした尻尾が体の上でちょこまかと動きまわり、くすぐったい事この上ない。
 そして、チクチクして痛いのに、弱い部分をふわふわの毛で擦られると体を捩って笑いを堪えるしかなかった。

(「いた‥‥でも、ちょっとくすぐったい‥‥あぅ、ちょっと気持ちいいかも‥‥」)

 少女が何かに目覚めかけていると、少女の服の下で暴れていたリスは再び動きを変える。
 リスはようやくその鋭い牙を剥き出し、少女の服の布地に噛み付くと勢いをつけてビリッと引き裂いた。

「いやああぁぁ〜!! お気に入りのワンピースがぁ!!」

 リスは切り裂いた場所から外へ飛び出すと、そのまま素早い動きで逃げ去っていく。
 
 その後森には、寝転んで笑いまくった所為で落ち葉と土まみれになった少女が一人。
 お気に入りのワンピースの胸元辺りを大きく切り裂かれ、さめざめと泣いていた。



 ボロボロの姿で家に帰った少女は、そのリスの正体はキラーロリスではないかと教えられる。
 命があっただけでも、運が良かったのかもしれないが‥‥
 少女は破られたワンピースの恨みとばかりに、キラーロリスの討伐を依頼するのだった。

●参加者一覧

藤田あやこ(ga0204
21歳・♀・ST
漸 王零(ga2930
20歳・♂・AA
煉威(ga7589
20歳・♂・SN
香坂・光(ga8414
14歳・♀・DF
真白(gb1648
16歳・♀・SN
イレーヌ・キュヴィエ(gb2882
18歳・♀・ST
マヘル・ハシバス(gb3207
26歳・♀・ER
鳳(gb3210
19歳・♂・HD

●リプレイ本文

●ピクニック
 少女がキメラに襲撃されたという森へ、能力者達は到着した。
 ある者は白いワンピースを着て、またある者はセーラー服を着て‥‥キメラの討伐というよりは、まるでピクニックでもするような衣装。しかし、それも作戦の内である。
「服を狙ってくるロリスのキメラ‥‥ある意味、面倒な依頼になるな」
 漸 王零(ga2930)は隙の無い装備で現れた。いくら男であれ、男女無差別に服を破るというリスには細心の注意を払う。
「まったく! 女の子の服を破るなんて最低です! そんな悪いリスは退治しちゃいますよ〜っ」
 セーラー服姿の真白(gb1648)は怒りも露に言う。彼女はロリスを誘き出す為の囮役を買って出た。手にしたバスケットには手作りの弁当とお茶まで用意されており、ピクニックの準備も抜かりない。
 そして、チャイナドレスに身を包んだ鳳(gb3210)も又、茶道具を持参してピクニックへ。可憐な容姿をしているが彼は『男の子』である、勘違い無きよう。
「よし! 俺が仇とったるで!」
 と、こちらもまた仇討ちに力が入っている。
「これならリスさんも入りやすいかな♪」
 香坂・光(ga8414)は囮役として、ワンピースでの参加だった。
「んー‥‥スカートって久しぶりだね。ちょっと慣れないかも」
 ついズボン感覚で走り回ってしまう。ひらひらと揺れるスカートの裾から伸びる、小麦色の足が魅力的だ。
「真白さんも、光さんも、よくお似合いです」
 二人とは違い、フライトジャケットを装備したマヘル・ハシバス(gb3207)は、その服にある仕掛けをしている。
(「男性陣サービスはしないようにしておかないと‥‥念のため、ですけど」)
 服に仕込んだ銅線、スパークマシン、ゴム製の水着‥‥万が一服に入られた時の為キメラを感電させようという、サイエンティストの彼女らしい細工だ。

 こうして、囮役と迎撃役の5人はピクニックを装い、光差し込む森へと入っていった。
 見事、キメラを誘き出すことが出来れば良いのだが‥‥。


「全く、こんなことばかり続くとリスの株がさがるなあ〜」
 迷彩服に身を包んだイレーヌ・キュヴィエ(gb2882)は、ここ最近のリス型キメラ出没状況にうんざりしながら言い放つ。
「ここまであちこちにでてくると、リスキメラって季節労働者なのかしらと思うわね」
「本当に面倒なリスですね。‥‥私は怒ったわよ!服は縫えば良いけど、痛んだ女心は縫えないの」
 と、セーラー服にフライトジャケット姿の藤田あやこ(ga0204)もキラーロリスの行為にはお怒りのよう。
「痛んだ女心は縫えない‥‥そうね。依頼が終わったら、女の子に何かしてあげれたらいいわね」
「お気に入りの服を選んであげましょうか♪」
 その為にも、早くキメラを殲滅しなければ。
 彼女らは狙撃班。可能であれば、囮に近づく前にロリスを殲滅したいところだ。

 二人は迅速に覚醒を遂げると、囮役の者達を囲むように距離を置いて潜伏する。
 キラーロリスがこの辺りに潜んでいないか注意を払い、連絡用の無線機の準備も万全だ。


●誘き出せ!
「んふふ、ピクニック♪ ピクニック〜♪ リスさんおいで〜☆」
 楽しそうに隊列の先頭を走る光。やがて一行は、木も茂みもない少し開けた場所へと出る。
「この辺りがいいかな」
 真白はマットを敷くと、その上に手作り弁当を乗せた。弁当箱は何段にも積み重なり、丁度人数分用意されている。
「なんや、嬢ちゃんの手作りなん?」
「ふふふ、そうですよー今朝早起きして作ってみたんです」
「楽しみやなぁ。俺も中国茶用意してん」
 と、鳳も茶道具をマットの上に。
「早く倒して、ゆっくりピクニックできるといいですね」
「そうだね。あたしは早速餌付けでもしようかな」
 マヘルの言葉に頷き、光は持参したナッツを取り出した。

―――カサッ

 その時、傍らの草叢が小さな音を立て、5人に緊張がはしる。そこから顔を出した小動物が、リスだったから尚更の事。
『寄ってくるものが全てキメラなのかは分からないから、どんぐりでもなげてみない?弾かれればキメラってことよね』
 イレーヌの提案を思い出す。このリスが野生のリスならば、無闇に命を搾取することだけは避けたい。
「ほら、餌だよ」
 光の投げたナッツは、フワリと宙を飛びリスの頭へ落下した―――フォースフィールドは発生しない。
「普通のリスさんみたいですね、よかった‥‥」
 マヘルが緊張を解く。「だが、その分厄介だな」と、王零が言った。
「ですね、リスを見つけてもこちらから先に手を出せない事になりますから」
 真白も少し困ったように眉根をよせ、ピクニックの真似事を再開するのだった。

(「見つけたリスを片っ端から狙撃するのは‥‥難しいかも」)
 頑丈そうな木に登り、双眼鏡を覗きながら5人の様子を眺めていたあやこは溜息をついた。狙撃を行うならば、囮を狙うリスだけを正確に見極めなければならない。乱戦になれば、接近戦に持ち込むしかないだろう。
 超機械を手にしたイレーヌも又、囮に近づく怪しいふさふさを注視していたが‥‥普通のリスが居ることを知ると、キメラが誘いに乗るまでは動かぬ事を決めた。


●大惨事!?
「これも、普通のリスさんだね」
「ふふ、あんなに頬張って」
 囮役の光と真白は、すっかり野生のリスに心を許し和んでしまっている。
――その一瞬の隙だった。
 光が餌付けしていたリスたちが、急に一目散に逃げ出したのだ。
「え、何?」
「‥‥もしかして」
 そして逃げた野性のリスに代わり、草叢から飛び出したのは―――!
「「キラーロリス!?」」
 声が重なった。
 二匹のキラーロリスはそれぞれ真白と光の側面の茂みから飛び出し、襲い掛かる――!
 身に迫る危機に、二人はエミタのAIにより瞬時覚醒を果たした。
「来たね‥‥今だ!」
 ロリスを捕まえようと、光は咄嗟に手を伸ばす――が、その手が届くよりロリスの行動の方が早い。
「って、あれ?しまった!?」
 ロリスは素早く光の脚の上にピョコンと乗り上げると、そのままワンピースの裾から服内部への進入を果たした。ふさふさの尻尾がさわさわと、光の健康的な肌を撫でながら動く。
 光は思わず身を屈め、「にゃははは! くすぐったい!!」と声を上げて笑い転げた。傍から見れば愉快そうに見えるが、キメラに襲われているのだ、助けなければ‥‥!
「光さん、今追い出します‥‥!」
 すぐ側にいた真白が手を差し伸べる――しかしそれは阻まれた。もう一匹のロリスが、真白の服を虎視眈々と狙っていたのだ。助けるどころか服の中に入られ、同じように擽られる真白。
「え? ‥‥やっ、くすぐったいってば!」
 ロリスは真白の腕を伝いセーラー服の半袖部分から器用に進入し、もこもこの尻尾で脇の下辺りを擽る。真白は思わず背筋を震わせた。
「ふわぁっ、ちょ、そこは‥‥っ」
 誰もが弱い部分への刺激に、ガクリと体の力が抜けてしまう。くすぐったいだけならば良いのだが、そのくすぐったさが別の何かに変わりそうだ‥‥。
「やぁ‥‥ん‥‥その下は‥‥ダメですっ! ‥‥ダメですってばっ‥‥」
 真白の語尾は消え入りそうだ。服の上からロリスを捕まえようと試みるが、このロリス、敏感な部分を心得ておりなかなか上手くいかない。
 服を破りたいのか、擽りたいのか、はたまたその両方か。殲滅するだけならば容易いこのキメラも、服の中に入るとなれば厄介な事この上なかった。

 二人がキラーロリスに襲われたのと同時に。
「あかん! 今助けたるで!」
 鳳はすぐさま覚醒し、茂みに隠していたリンドヴルムを装備しようと素早く移動を開始。その鳳の動きを遮るよう、迎撃班を狙うロリスが二匹、更に姿を現す。
「‥‥わっ、何や! 俺の服破いても誰も喜ばへんで!!」
 飛び掛るロリスの攻撃がチャイナドレスを掠り、鳳は慌てて叫んだ。これは自分の身も守らないと、助けるどころでは無さそうだ。
 その状況で、狙撃班のあやこは持参した赤いブルマを持ち「ブルマに足を通し戦闘準備、見えてもOK!」‥‥と、接近戦へ移行。鳳に纏わりつくロリスの目の前に現れ『見えてもOK』を体現するかの如く、少し屈んではスカートの裾を広げ、注目させる。
 案の定、ちらちらと見える太腿より赤い布地に目をつけたロリスは、そちらに食いついた。
「おおきに! たすかるわ」
 あやこの方にロリスが向かった刹那に、鳳はリンドヴルムを纏う。
 その後もあやこは腰までの髪を覆い被さる様に振り乱し、「服は切っても髪を切る習性は無いでしょ」と言いつつフェイントで怯んだ隙に攻撃。実に個性的としか言い様が無い。

「‥‥闇よ。我が意に従い我が求める形をなせ‥‥形成『狂王の仮面』」
 覚醒を遂げた王零は、ショットガン20を撃ち放つ。飛び掛からんとするロリスの足止めには充分だ。
 そこへ、動きがあった事を察したイレーヌも駆けつける。
「やっと姿をあらわしたわね!」
 イレーヌは『練成弱体』を使用し、足止めされたロリスの防御力を削った。怯んだ隙に王零は月詠に手を携え、二刀流状態でロリスに攻撃を繰り出す――!
 その鋭い一閃は尻尾を切り落とし、ロリスが力無く地面に落ちる。そこを狙ったイレーヌの超機械から放たれた電撃は、ロリスを貫いた。
 ロリスの体が浮き上がり、そこへ
「全て我が貰い受ける‥‥流派奥義『無明』‥‥我に断てぬモノなし!!」
 『豪破斬撃』と『豪力発現』を発動した王零が、掛け声と共に『流し斬り』を放つ――その強力な一撃に、小さなキラーロリスの体は四散した。

 マヘルは手にした超機械で、あやこが引きつけているキラーロリスに狙いを定める。
「‥‥全長約15〜20‥‥難しそう‥‥」
 覚醒の影響なのか、思ったことを口に出しながら行動するマヘル。
「‥‥当たらなくてもいい‥‥動きが止まってさえくれれば‥‥」
 足止めが目的の攻撃は見事に命中し、ロリスは一瞬動きを止めた。その隙に、あやこは小銃「S−01」での射撃に転じる。
「Hなのは逝くべきだと思います」
 そう言い放ち、彼女は躊躇い無く小銃を乱射した。

 ―――そして。リンドヴルムを纏った鳳が、囮の二人を助けようと駆けつけた。
「嬢ちゃんら怪我あらへんかっ!」
「‥‥あ、鳳さんっ」
 真白のセーラー服は不自然に盛り上がり、そこでロリスが蠢いている。さらには小さな穴が無数に空き、紺色の布地が見えていた。
 目を潤ませ息を切らしかけている真白は、熱い吐息と共に途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
「‥‥ん、私は、大丈夫‥ですから‥‥光さんを‥‥」
 あまり大丈夫には見えないのだが。
 隣で「きゃぁ!? この、破るなー!?」という光の悲鳴が響いた‥‥これはマズイ。鳳は彼女を信じ、光を襲うキメラへと向かった。

 程なくビリッ―と布の裂かれる音が響く‥‥ロリスは真白のセーラー服を破り、満足そうに外へと飛び出したのだ。しかし――
「ふふふっ甘いですよ! こんな事もあろうかと、中には水着を着用済みなのです!」
 スクール水着を纏い、勝ち誇った笑みを浮かべる真白。胸元は破かれたが「もぅお嫁にいけな〜い!」な恥ずかしい状況は見事回避した。
 擽られても武器だけは手放していない、今こそが攻撃のチャンス!
 自動小銃での射撃を開始した真白の元へ、イレーヌと王零も加勢する。
「また破るなんて‥‥! 許さないわよ!」
 イレーヌが怒気を含んだ声を発した。その怒涛の如き攻撃に、キメラが倒れるのも時間の問題だった。

 一方光は、ワンピースのスカート部分に際どいスリットが2本も出来てる。動くと太腿が丸出しになる上、ロリスは胸元を破って出てきた‥‥もう服はボロボロだ。
 助けに来た鳳に向かって「だ‥‥男性は見るの禁止ー!!」と、光が叫ぶ。
「なるべく見いへんから‥‥! 光の分も仇とったるなっ!」
 鳳はナックルを装備し、光に声をかけるとロリス目掛けて一撃を繰り出す。後方に弾き飛ぶロリスの体。鳳は地面を蹴り、更に追撃を行う。
「光さん、怪我は‥‥?」
 そこへマヘルが駆けつけ、小さなかすり傷を作る光に練成治療を施した。
 あやこも持参した水筒を持って駆けてくる‥‥何に使うのだろう。光とマヘルが疑問に思うと、あやこはその水筒の水をバシャっと光に掛け始める――!
「水着だから恥かしくないもん♪ ね?」
 ‥‥これはあやこ流の心遣い?光は明らかに花柄のインナーを露出させていたが、強引に水着にしようというのだ。
「み‥‥水着なら恥ずかしくないよね!」
 こうなれば光もヤケクソである。コレは水着、水着‥‥と言い聞かせながら菖蒲を握った。鳳に叩き落とされたロリスに『流し切り』を叩き込む。
 見事な連携攻撃を加える鳳と光――この攻撃の雨は、暫く止みそうになかった。
 
 ピンチを切り抜け、能力者達は全てのキメラを殲滅する。
「万魂淨葬刃軌導闇‥‥我に業を奪われし無垢なる魂よ‥‥その穢れた躯を棄て迷わず聖闇へと還れ‥‥」
 戦いの終幕を告げる王零の言葉が、静かに響いた。


●戦い終わって
「ラスト・ホープにも自然はありますけど、こうゆう森はやっぱり気分がいいですね‥‥」
 高速艇が到着するまでの平穏なひと時。
「ほう、これは中国茶か」
「せや、『双龍戯珠』いうねん。ほんまは菓子も用意したかったんやけど、小遣いピンチやねん‥‥堪忍な」
「美味しいお茶です。私も何かお菓子を用意できたら良かったのですが」
 王零と鳳、そしてマヘルはお茶を飲みながらまったり和みモード。
「大変だったねぇ」
「でも犠牲になったのが服だけで良かったですよ」
 光は寒いのか鳳から毛布を借りて包まっていた。真白も別のワンピースに身を包み、お茶を飲みながら温まる。

「お弁当、美味しかったわ。後は‥‥どうする? 女の子の服、買いに行く?」
 イレーヌは女の子へと木の実を拾い、それを渡すためにも一度会いたいと皆に尋ねた。イレーヌの言葉に、あやこはニッコリ笑って答える。
「行きましょう、きっと喜んでくれます」


 女性陣が率先して、少女宅へのサプライズ訪問は行われた。
「お気に入りを一杯買いに行きましょうね〜♪」
 突然の訪問に、少女は目を丸くする‥‥しかしすぐさま首を縦に振った。
 一行は商店街へ向かいそれぞれ服を見立て、少女は綺麗に包装された服の包みを大切そうに抱える。
「みなさん、有難う‥‥キメラも倒してくれたし、服も‥‥こんなにいいのかな。前のお気に入りよりも、ずっとずっとお気に入りにするよ」
 キメラに襲われて以来、笑顔の絶えていた少女が能力者達に見せたものは‥‥とても幸せそうな、満面の笑顔だった。