タイトル:【VD】サロンを襲撃!マスター:水乃

シナリオ形態: ショート
難易度: やや易
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/02/26 13:56

●オープニング本文


 愛する者の為に、いつも美しくありたいと願う‥‥。
 そんな美を追求する女性達が集まるエステサロン。そこにはバレンタインデーを前に気合を入れる女性、日々自分磨きに励む女性、癒しを求めてやってくる女性‥‥と、様々な女性達が居た。
 普段は会員制のエステだがバレンタインデーという一大イベントを控え、現在そのサロンは広く一般にも開放されている。

 その慌しいサロン内で、女従業員達が暇を見つけては世間話に興じていた。

「知ってる? フィリピンの姉妹店が強化人間に襲われたらしいよ?」
「知ってる知ってる、超変態だったっていうじゃない」
「ソイツ倒した能力者さん達はほとんど現場に居合わせたお客様だったっていうけど、急な襲撃にも対応できるってすごいよねー」

 ねーっと顔を見合わせる若い女性従業員。
 しかし彼女らは、このエステサロンにも危険人物が迫っていることを知らなかった‥‥。


「ここがエステサロンか‥‥」
 サロンに現れた一人の人物‥‥顔は覆面で隠されていたが、その体格と声の低さから男だろうと思われた。
 手には銃のようなもの、背中にはタンク‥‥明らかに怪しい衣装である。
「お‥‥お客様? ここは女性専用‥‥きゃあ!?」
 堂々とサロンへ侵入した男は、受付の女性に銃口を向ける。
「何が女性専用だ! バレインタインを前に浮かれてこんな場所に通う女など、みな汚れてしまうがいい!」
 男はそう叫ぶと、受付の女性へ向けて銃撃を放った――!

べちゃっ

 女性の白い制服に、茶色の物体が付着する。
 銃口からびゅるっと発射された粘度の高い茶色の物体‥‥そう、銃の中に仕込まれていたものは、どろどろに溶けたチョコレートである!
「あっ! もう、なにするんですかー!」
 胸元にチョコレートの洗礼を浴び、流石に怒った受付嬢は男に向けて電話を投げる。
 しかし男は軽々と避け、女性客の集まるエステルームへと向かっていく――!

「ははははは! バレンタインデーなど滅びてしまえー!!」


 やがてUPC本部のモニターには、エステサロンを荒らす男の捕縛依頼が掲示された。
 注意点はこの覆面男がバグアの手先ではなく、『バレンタインデー中止のお知らせ』に共感し暴走を始めた、普段はごく普通の能力者かもしれない事である。

●参加者一覧

皇 千糸(ga0843
20歳・♀・JG
三島玲奈(ga3848
17歳・♀・SN
ミオ・リトマイネン(ga4310
14歳・♀・SN
メティス・ステンノー(ga8243
25歳・♀・EP
藤堂 紅葉(ga8964
20歳・♀・ST
佐倉・咲江(gb1946
15歳・♀・DG
月宮 空音(gb2693
15歳・♀・GP
郷田 信一郎(gb5079
31歳・♂・DG

●リプレイ本文


「はぁ‥‥気持ち良い‥‥」
 と、お色気アイドルミオ・リトマイネン(ga4310)はバスローブをはだけてエステ中だった‥‥バレンタインよりこのリラックスする時間が重要なのだ。
 そして受付では
「体が部分的にふくよかになるエステはありますか?」
 と、受付嬢に尋ねる皇 千糸(ga0843)。『部分痩せなら有りますけど』という返事をきいて肩を落とす‥‥ありませんか、そうですか。
 バスローブを受け取り、モデルのようなスレンダーな体にそれを纏う‥‥少し寂しい気持ちになるのは何故だろう。
「エステに来る人って‥‥大きい人が多いのかしら」
 ――主に胸の辺りが。
 つい目の端に映る、メロン級の女性達が気になる千糸だった。

 そして藤堂 紅葉(ga8964)は豊満な一人。
 例え配るのは義理チョコであれ準備は入念に。
「上手く貢がせたら一生遊んで暮せるじゃないか」
 美しさに磨きをかけ、相手に好感を持たせて倍返しを狙う策士である。

 ――と、このように平和? だったのだ。
 男の野太い声が響くまでは。


●変態、襲来。
『みな汚れてしまうがいい!』
 受付嬢にチョコレート液を放つ男‥‥こうして乙女と変態の戦いの火蓋は切って落とされた。

「ZZZZzz‥‥む、また騒がしい‥‥まさかまた変態さん?」
 微睡んでいた佐倉・咲江(gb1946)はこの騒動に覚えあり。
 タオルを巻きドアを開けると、目の前を飛び交うチョコ液‥‥危険な何かを感じ刹那に覚醒する。
「がぅ、今回は‥‥変態チョコ仮面?」
 怪しい覆面に目を向けると周囲には逃げる一般客の姿もあった。ここは自分が目立って気を引かなければ。

 ――又別の部屋では。
(「この機会に行ってみよう‥って思っただけなのに‥」)
 思わず深い溜息をつき、月宮 空音(gb2693)はタオルを結び男の声の方へ向かう。
「ついてないな、本当に‥」
 呟きつつも、このタオルだけは絶対死守! と、空音は個室のドアを開けた。
 そして廊下では、一般客に混じりメティス・ステンノー(ga8243)の姿。
「‥確か姉妹店でもこんな事があったわね」
 ぬるぬるの惨状が脳裏に蘇る。
「何か今年は変態に良く遭遇するわね‥‥考えたら頭痛がしてきたわ」
 と、肩を竦めるメティスだったが直ぐ避難誘導へ走り出す。


「落ち着いて、こっちはまだ大丈夫‥‥」
 騒ぎを知ったミオが女性客を安全な部屋へと避難させていく。
 すると、同じく避難客を誘導していたメティス、そして千糸とばったり。
「あなた達もエステに?」
「ええ、たまにはいいかな、なんて‥」
 思った結果がこれだよ! と、千糸は心の中でさめざめと泣く。
「今回の騒動だけど、バグアの仕業じゃないっぽいわ」
 従業員に傭兵だと明かし、情報を得たメティスが言う。
 そして耳には‥‥新たなる客の悲鳴と男の笑い声が届くのだった。


「ふははは‥‥ん?」
 不意に男の笑いが止む。
 廊下に、明らかに一般人ではないバスタオルの獣耳がいるのだ。
「ぬはぁ! けもみみ発見!!」
 男が銃口を向けた先には覚醒した咲江の姿――どうやらその獣耳が男の何かを直撃したらしい。
 咲江は覆面男と対峙した‥‥そこへ降り注ぐあっついチョコ液の洗礼!!
 チョコの飛沫は咲江の口中にも飛び込んだ。
「がぅっ。これはチョコ‥‥」
 そして胸元にもこびり付くチョコ液を掬いペロリと舐めると、「鬼さんこちら‥‥」と挑発する。
 すると覆面男は易々と挑発にのり咲江の動く方へ誘導されるではないか。
 その先で待ち構えていた人物は――高笑いと共にパイプ椅子を振り上げバスローブ姿で迎え撃つ紅葉!
「何処の変態かは知らないが、邪魔をしてくれた礼はたっぷりしないとねぇ!」
 サディスティックな心をメラメラと燃やし椅子を振り下ろすと『ごいーん』という快音が響く。
「女王様と呼んで、這い蹲って許しを請いな!」
 一撃でスイッチが入っちゃった紅葉さん、そのまま嗜虐的気分に任せて悪役レスラーの如く必要以上に覆面男を痛めつける!
「何の!」
 しかし覆面男は打たれたあと、その椅子を受け止め銃を発射した。
 バスローブが捲れ上がり、タオル地が胸の頂を擦り、アヤシイ気分になり始めた所だったのに――! 紅葉は唇をかむと、椅子を放しチョコを浴びた胸元をはだけた。
 そんな紅葉の横を一人の小柄な少女が走る。
「止まらない!?」
 激しい動きでタオルを気にする余り、うっかり床に落ちたチョコに足を掬われた空音。
 そのまま横滑り、バランスを崩すと体ごと覆面男にダイブする!
「ひゃっ‥! わぷっ!」
「飛んで火に入る夏の虫だ!」
 男は勢い余って体を押し付けた空音を後ろ手に拘束、まるで人質だと言わんばかりに高笑いする。
「やっ‥‥放してよ変態っ!」
 体を捩って逃れようとする空音だが、タオルが取れそうになり叶わない。


 このピンチな状況を打開したのは新たな能力者であった。
「何や番組のロケじゃなくマジ? 洒落ならんな」
 ブルマの上にセーラー服を引っ掛け、燃えるツッコミ三島玲奈(ga3848)が非常口からサロンに飛び込んだ。
 そしてもう一人
「一般人に迷惑をかける輩は許せんが‥‥まさか女性限定エステサロンだったとは!」
 焦る厳つい学ラン、郷田 信一郎(gb5079)である。しかし彼は外見とは裏腹に純情なのだ。
「本当に入って行っていいのか?」
 とりあえずAU−KVは装着したがとても不安げに呟く信一郎‥‥その背中を押して玲奈は突撃する。
 中は既に肌色だらけのチョコまみれで、信一郎は女性客から視線を逸らす余り派手に転倒しつつ進む‥‥すると先に、覆面男の姿が‥!
 そして、人質となる空音――!
「行くで! 汚れ芸に備えて中は水着や」
 玲奈は服を脱ぐ‥‥当初男を陽動するつもりであったが事態はかなり深刻化していた。
 まずは人質の解放を試みる。
 玲奈が手にするは『リネーアチョコ』、しかも隠し味は秘密Verだと男に言い、それをちらつかせ。
「人質を放しや!」
「ボインに興味無し!」
 覆面男は言い切った――! 説得、失敗。辺りの空気が凍りつく―!
「隙あり!」
 しかし、この一瞬に空音は覆面男の足を蹴った。
 男の悲鳴が上がり、拘束が緩んだ隙に逃げ出す空音。
 玲奈が巨大ピコハンを構え、信一郎がにじり寄る。
 状況を伺っていた紅葉と咲江も覆面男を狙って動き出す‥!
「5対1とは!」
 覆面男が叫んだ。
 その時――
「助けに来たぞ兄者!」
 銃を持つもう一人の覆面、手下Aが現れた!


●助っ人参上
 その頃店の奥では。
「「手助けに来たぞ兄者!」」
 変態がさらに増えていた。手下BとCである。同様に覆面で、銃を持った男共だ。

 ミオと千糸、そしてメティスは客を庇うように壁を作る。
 そして標的を自分へと移すため、ミオは挑発の姿勢をとった。
「‥この奥‥‥ぶちまけたいんでしょ?」
 妖艶な笑みを浮かべ、タオルの裾をチラリと捲って挑発するミオ‥‥
「ふはは! お前等の好きな白くて熱くてドロドロしたものをぶちまけてやろう!!」
 要はホワイトチョコなんですけどね。
 手下Bが白チョコをミオにびゅるっとぶちまける!
「甘い‥」
 そこでハラリとタオルを脱ぎ、チョコ液を絡めとるミオ。当然胸はポロリと落ちたが周りは女性ばかりだと気にも留めない。
 まさか自ら脱ぐとは‥‥と、手下Bが動揺する。
 そして手下Cは、メティスと千糸目掛けてとびきりあっついのをぶっかけていた!
「く‥今度は‥生!?」
 洗礼を受けメティスが叫ぶ。
「くはは! どうだ! 生の味は!」
「生はダメよ‥生は‥!」
 つまり生チョコなんですけどね。
 その生チョコ液は千糸の口内に見事命中。
「かはっ、こほっ!? うぁ‥‥すっごい喉に絡む‥‥」
 思わず飲み込んでしまい、咽る千糸。

「バレンタインなんて無くなれー!」
(「ん‥熱‥」)
 ミオは反撃に出た手下Bの白濁を浴びながらも、露になった胸を揺らしつつ男の動揺を誘う‥‥すると男の視線が揺れる巨乳に釘付けになった。
「ここがガラ空きよ!」
 隙を突き、肝臓辺りにボディーブローを喰らわせるメティス。
「正直バレンタインなんぞ興味ないのよ、私は‥‥」
 更に腹へと拳を叩きつけ、メティスは男を睨んだ。
「でもね‥‥私の至福の時間を邪魔するのだけは許さないわ!」
 徹底的に叩きのめす! と、男の顎を下から突き上げた。
 男の体が軽く宙に浮く。
 メティスのバストもたゆんと揺れる。
 そして‥‥千糸は揺らせる程胸が‥‥。
(「あ‥脚には自信あるわよ‥!」)
 千糸はちょっと涙目になりつつ手下Cの首根っこに回し蹴りを叩き込んだ。
「せりゃッ!」
 続いて顔面に、千糸自慢のスラリと伸びた美脚から蹴りが命中。鼻血を噴く男。
 そんなよろけた男の後ろを陣取ったメティスは、背中に豊満な胸を押し付けた。
 左手で頚動脈を絞め、右手で股間のモノを掴む――!
「私の楽しみを邪魔したんだからそれ相応の痛みを味わってもらうわよ」
 男の耳に注ぎ込まれる熱い息と死の宣言‥‥メティスの右手に力が篭る。
「可哀想だから一生使い物にならないなんて事にはしないわ、でもその一ミクロン手前までは追い込ませてもらうわよ」
 そして、圧縮が開始された。
「みぎゃあぁぁー!!」


 奥の部屋で手下BとCが倒れた頃。
 玲奈は隠密潜行で物陰を移動しつつ、裸の女性客にセーラー服を与えつつ、数々の奇策を持って手下Aを追い詰めていた。
 銃撃を見切り足元に滑り込むと、ピコハンで急所を急所突き。
 男が飛び上がったところに汚れたスカートを敷いて転倒させる。
 その後シグナルミラーで目潰しする事も忘れない!
 目が! 目が! とのたうち回る男。
「うぉぉ!」
 そこへハリセンを持った信一郎の巨体がダイブ!
 ‥実は肌色の紅葉が視界に入りうっかり転倒だった。
 当の紅葉は女性客を庇い、被虐スイッチが入る。男のチョコ液を浴びることに喜びを感じる紅葉‥‥びゅるっと飛び出る熱いソレはなかなか癖になりそうだ。
 ついに床に倒れる紅葉だったが、バスローブを肌蹴て敵を怯ませるのは忘れない。ついでに郷田君にも見せ付けちゃえ。
「自信、あるんだがね‥」
 布の隙間からのぞく桃色‥‥思わず飛び起きる信一郎! そのまま覆面に突撃するかと思いきや壁に激突した彼は、叫びながらガンガンと壁に頭を打ち付けた‥‥壁、壊れちゃう。
「ええい、埒があかん! 奥の手じゃ」
 玲奈が叫んだ。男の肘の関節を狙っていた攻撃を止め、チョコまみれを覚悟の上で男へと飛び掛る!
「必殺体当たり芸〜!」
 銃から迸る白濁の洗礼を浴びつつも、手下Aの捕縛に成功する玲奈だった。


「純情な乙女になんて事してくれたの!? 最低っ! この変態!!」
 一方荒ぶる純情乙女、空音は覆面男に反撃を繰り出す。
 頬を紅潮させ目尻に涙を溜めながら、トドメは急所突きだと決めていた。
 叩き込む場所? もちろん、『急所』です。 
 男は『ぼえぇー』という奇声を上げつつ飛び上がった‥‥瀕死状態である。
 そして獣耳、咲江はもうタオルなんか巻いちゃいない。
 しかし、張り付いた茶色いチョコ液が上手く隠していた。あらゆる場所を。
「動きを封じます‥。今‥!」
 足元を狙い、下から滑り込むように変態の足首を掴む―!
「捕まえた。もう離れません‥」
(「あ‥愛の告白!?」)
 ドッキーン! と覆面男の目から星が飛び出す。
 ‥しかしそんな訳がなく、捕縛された男は「縛り方はこれ一択‥」と言う咲江の手で亀甲縛りにされるのでした。


 こうして縛られた覆面男と手下3人は、集合した能力者の下一箇所に集められた。

「キミがモテない原因、私が調べてやるよ」
 このまま引き渡すのも勿体無いと、紅葉は手下達のカイボウを。ひょっとしてヅラじゃないか? と嗜虐心全開でムシりまくる。
 そして千糸は主犯の覆面男を尋問する。
「で、なんでこんなことしたの? 素直に話したらお触りOKよ? ‥‥そこの彼を」
 ‥と、信一郎に視線を送った。
「俺か!?」
 AU−KVは装備したままなのに、その巨体でバレバレである。

 ‥そして覆面男は語りだした。
 自分がこのサロンを襲った理由‥
 付き合っていた彼女の事‥
 忙しくすれ違う日々‥
 二人の馴れ初め、生い立ち‥
 ‥その話は原稿用紙20枚にも及んだが、この報告書では全て割愛しておく。

「最後に願いがある‥‥俺を『豚』と罵ってくれ‥‥」
 全てを話し終え、覆面男はケモミミ少女‥‥咲江に哀願するような視線を向けた。
 そして躊躇いなく放たれる言葉。
「‥豚」
 咲江の声を聞くと、男はぐっと親指をたて笑顔を浮かべたまま昇天するのだった‥。


 主犯:覆面男
 萌え属性:けもみみ&つるぺた
 弱点:上記少女にか弱い声で『豚』と罵られると昇天する

 共犯:手下A、B、C

 今回騒動を起こした覆面チョコ男らは、恥ずかしい報告と共に突き出されたのでした。



●戦いの後
 まだ固まらないチョコを手で掬うと、身体に広げる。
「これ‥癖になりそう‥」
 紅葉は『これは使える』と笑い、恋人が出来たらこれで虐めてもらおう‥と胸を高鳴らせた。

「キレイになるつもりが、随分と汚れちゃったなぁ。色んな意味で」
 千糸はメティスの体についた生チョコを指先で掬うと、艶のある唇を開きそれを含んだ。
「何事も程々が一番よね」
「全くだわ」
 メティスは鬱憤も晴らし、スッキリとした顔でエステの続きを受ける。

 咲江もエステを受けつつ
「エステのたびに変態に襲撃なんて嫌なジンクス‥ZZz‥」
 と言いながら、気持ちよさに熟睡してしまった。
「佐倉君。『二度ある事は三度ある』というが‥」
 同じくエステを再開した紅葉の言葉はもう届かない。

 べとべとのブルマとビキニ姿で肩を竦め、
「着替えて来ますわ。私もエステしたい」
 依頼の相棒? 信一郎に言うと、玲奈は更衣室に向かった。
 しかし、何故かバニー姿で‥‥衣装、持ちすぎです。
「べ、別にサービス違うからね、着替えが無いのよ」
 と、信一郎にツンデレっぷりを披露した玲奈は、そのままエステを受けるのだった。

「‥みんなドロドロですね‥ふぅ‥」
 改めて部屋を見渡し、ミオはため息をつくと
「請求書とエステ代はコイツに請求してくださいっ! ぼったくっちゃっていいですから!」
 全ての被害とエステ代を覆面達に押し付けようとしている、チョコまみれの空音が目に入った。
「落ち着いて下さい‥身体を拭いてからにしましょう」
「え」
 空音の肩に手を置き、そのまま身体を拭き始めるミオ。献身的な姿であったが、その手は時折り胸を触ったり揉んだりしている‥‥不可抗力です、とは本人の弁。
「甘い、ですね」
「ひゃっ‥」
 ちょっとだけ肌の上を這う舌の感触に、思わず身悶える空音だった。

 そんな中、AU−KVを脱ぎ女性達の組んず解れつな姿を目の当たりにした信一郎が、余りの刺激的な光景に鼻血噴きつつ卒倒した‥‥が、この状況の中ではとても些細なことに思えるのでした。