タイトル:俺に萌えるほどの恋をマスター:水貴透子

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/10/10 03:16

●オープニング本文


なぜだ?

なぜ俺に彼女が出来ぬのだ。

顔もそこそこ悪くない(はず)だし、

金銭面もそこそこ良い収入(なはず)なのに‥‥。

なぜ、世の中の女の子は俺に靡いてくれないんだよぅぅぅぅ!

あ、ちなみに俺の守備範囲は6歳〜12歳だからね?

※※※

「6歳〜12歳までの独身少女、カモオオオオオンンッ!」

本部の中に変態の声が響く。

彼の名前は『平 凡男(ヘイ ボンオ)』と言って、何をさせても人並みの平凡な男だ。

人並みの顔、人並みの収入、しかし人並みをケタ外れた変体度が彼を哀れにさせていた。

「あ、あのさ‥‥6歳〜12歳じゃまだ結婚してる女の子はいねぇんじゃねぇかなー?」

「じゃあなんで俺の球根に応じてくれないんだ!」

「字が間違ってるよ、球根じゃなくて求婚だろ。植えてどうすんだよ」

「そんなことは微々たる間違いだろう! もう俺21歳だよ? 適齢期だよ!?」

「うん、まだ21歳だから焦ることないんじゃね? つーか、21歳で適齢期ってなんだよ。
 もう5、6年待って今の12歳の子が成長するの待てよ」

もはや言い合いにもならないことで言い合いをしている平凡男だが「そうだ、俺の勇士を見せれば‥‥」と呟き始めた。

「は?」

「俺がばちこーんってキメラ退治すれば『きゃ♪ かっこいいわ! 嫁にして!』なんて子がいるかもしれないじゃないか! よおおし、待ってろよ! 俺の嫁ー!」

(そこは勇姿だろ、ってかもう好きにしろよ‥‥)

かけていく友人を見ながら男性能力者は心の中で盛大なため息を吐いたのだった。

●参加者一覧

フェリア(ga9011
10歳・♀・AA
美空・桃2(gb9509
11歳・♀・ER
兄・トリニティ(gc0520
24歳・♂・DF
ガル・ゼーガイア(gc1478
18歳・♂・HD
秋姫・フローズン(gc5849
16歳・♀・JG
ビリティス・カニンガム(gc6900
10歳・♀・AA
村雨 紫狼(gc7632
27歳・♂・AA
茅野・ヘルカディア(gc7810
12歳・♀・SN

●リプレイ本文

―― 幼女、それは俺の嫁 ――

「何か‥‥すんませんでしたぁぁぁぁぁぁぁ!」
 キメラ退治の任務で能力者が集まった早々、村雨 紫狼(gc7632)が全力で土下座をして謝り始める。それはもう額が擦れてしまう程の見事な土下座だった。
「何故いきなり謝るんだ? はっ、さては俺の嫁を奪ったのは貴様かぁぁぁぁ!」
 どんな昼ドラであろうか。平凡男はいきなり村雨に掴みかかるが、村雨は決して誰の嫁も奪っていないし、平凡男には嫁もいない。
「違うよ! 何かお前、俺がネタにされてるんかってくらいの男じゃん! はっ、でもそれで何で俺が謝ってんだ!? むしろお前が俺に謝るべきだろ!?」
 開始早々、既に何が何やらの状態である。
「まぁ、あの辺は放っておいて‥‥幼女キメラか、うちのマスターの場合、倒した後に墓作って涙流すんだろうなぁ‥‥」
 フェリア(ga9011)は小さな声でポツリと呟く。
「美空・桃2(gb9509)、11歳なのでありますよ」
 宜しくなのでありますよ、と言葉を付けたしながら美空が今回一緒に任務を行う能力者達に挨拶を行う。
「あたしはビリティス‥‥しっかし、この服――あたしにはちょっとキツいなぁ」
 ビリティス・カニンガム(gc6900)は胸元を開け、小悪魔的な視線を平凡男に向ける。
「おおおお‥‥こんなに幼女たっぷりの任務に参加できるとは、天は俺を見放してはいなかった! 今回の任務、実はキメラ退治じゃなくて俺の嫁探しなんじゃないのか!?」
「いや、キメラ退治だよ」
 平凡男の妄想発言にきっぱりとビリティスがツッコミを入れる。
「あの、これって普通の討伐任務‥‥ですよね?」
 何故か平凡男からジーッと見られ、狙われているような錯覚に陥りながら茅野・ヘルカディア(gc7810)が恐る恐る隣に立っていた世史元 兄(gc0520)に問いかける。
「うん、普通の討伐任務だよ」
 世史元の言葉にホッとした茅野だったが「‥‥多分」と付け足された言葉を彼女は聞いていなかった。
(軽いキメラ退治の筈だったんだが‥‥何でロリコンがついてくるんだよ! しかも2人! まぁ紫狼は筋が通ってるから大丈夫として‥‥)
 ガル・ゼーガイア(gc1478)は心の中で呟きながら平凡男をちらりと見る。
(問題はヘイボだな、嫉妬の気を感じるから勧誘しても良さそうだが‥‥んー、どうするかな)
「あぁ、俺は幸せだ!」
 満面の笑みを浮かべながら「あはは、えへへ」と浮かれる平凡男を見ながら「女の敵‥‥許しまじ‥‥です」と秋姫・フローズン(gc5849)が凍るような冷たい口調で呟いていた。
(くっ、何でこの前の褌にーさんと言い、なーんで公私の切り替えが出来ねーんだ! まぁ、戦力としては期待できないし‥‥俺達で何とかするしかないかー)
 村雨は心の中で呟き「幼女、萌えー」と叫んでいる平凡男を横目に見ながら、任務を遂行すべく他の能力者達と共に高速艇へと乗り込み、キメラが現れた場所へと出発していったのだった。


―― 静寂の町に潜むのは幼女キメラ ――

「‥‥小さい子供‥‥のキメラ‥‥複雑な気分‥‥です‥‥」
 小さくため息を吐きながら秋姫が呟くと「俺も心が痛いよ‥‥俺の嫁である幼女が敵になってしまうなんて‥‥」と平凡男が大げさに嘆いて見せる。
「‥‥こっちに‥‥抱きつかないで‥‥下さいね‥‥」
 秋姫が警戒しながら平凡男に言葉を投げかけると「あ、キミは俺にとって守備範囲外だからノーサンキュー」と殴りたくなるくらいに爽やかな笑顔で返されてしまう。
(‥‥安心するべきか‥‥怒るべきなのか‥‥複雑な感じがするのは‥‥気のせいでしょうか)
(人間型で子供‥‥やろうと思えば犠牲になった人たちの姿をしたキメラ、ソイツを複数投入できるって事だよ、な‥‥? インベーダーども、なんてモン造りやがるんだ!)
 拳を震わせながら村雨が心の中で叫ぶ――が。
「俺の心の癒しはキミのような幼女なんだよーぅ!」
 平凡男が叫びながらフェリアに抱き着こうとして、シリアスシーンが台無しである。
「にゃあ、恐いこわーいお兄さんの傍には寄れないのです!」
 フェリアは呟きながら秋姫の後ろに隠れてしまう。
「‥‥幼気な‥‥子供に、何を‥‥しているんですか‥‥」
 秋姫は拳を握りしめながら冷たい視線&声で平凡男に言葉を投げかけるのだが‥‥それで懲りるようならばここまで全開‥‥いや、全壊ロリコンではないだろう。
「さぁーて、早くキメラを見つけないとな!」
 ビリティスは大きく伸びをしながら呟く――が、伸びをした事で平凡男の平常心を奪ってしまいそうなチラリが起きてしまい「うおおおおお」と平凡男が地面を転がり始める。
「最近冷えてきたな‥‥皆、風邪には気を付けてね?」
 ある意味ではマイペースを貫く世史元はさらりと能力者達に声をかけ、呑気に自販機でホットココアを購入して飲んでいる。
「お、当たりだ♪ 今日はツイてるのかな」
「そうですか、良かったですね」
 当たりでもう1本ココアを買っている世史元を見て茅野が素直に言う。
「俺の癒しのキミー!」
「ひゃんっ!?」
 ぎゅー、と抱きしめられて思わず小銃・フリージアを平凡男の顔面に突き付けてしまう。
「おおおおい! 殺人は駄目駄目駄目! さすがに冗談じゃ済まされなくなるから! モブ男もロリコンならロリコンらしくロリコンの常識を守れ! ノータッチ!」
 村雨が茅野と平凡男を引き離しながら『YESロリータ、NOタッチ』の精神を教えるのだが――所詮、村雨とは違って筋金入りの変態な平凡男は人(特に幼女でもない男)の言う事など全く聞く耳を持たなかった。
「おい! とりあえずキメラ探すぞ! 何かキメラの存在が空気になってるような気がするんだけど!」
 ガルが叫ぶのだが「男の言う事など、この平凡男――聞く耳持たぬわ!」と開き直ってしまい、能力者達はイラッとした気持ちを抑えながらも平凡男を諌める為に行動をしていた。
「しかし、俺の心は今にもはち切れそうだよ‥‥こんなに可愛い幼女が沢山いて、しかも幼女が敵に回るなんて‥‥」
「凡さん、凡さん、たとえどんな姿をしていてもキメラはキメラなのであります。女の子にしか見えないかもしれませんけど、覚悟を決めて倒してほしいのですよ」
 美空が平凡男に言葉を投げかける。
「いや、しかし‥‥幼女の姿をしているなら悪い子じゃないと思うんだけど」
「キメラって時点で悪いんだよ。それより‥‥ちょっと耳貸しなよ」
 ビリティスは平凡男の耳元で「キメラとの戦い、頑張ってくれたらいいこと、してやるよ‥‥」と小さな声で囁く。常識のないロリコン、平凡男がそれに釣られない筈がない。
「うおおおおお、俺頑張れぇぇぇぇぇぇぇ!」
 1人燃える、いや萌える平凡男を見て世史元は「幼女に何を求めているんだろうね」と2本目のココアを飲みながら小さな声で呟いたのだった。
「ふぅ‥‥君達ロリコンは何時もそうだ。過剰なハイテンションで相手を引かせる。まったく、理解できない種族だよ」
 フェリアが盛大なため息を漏らしながら呟くが「ちょっと異議あり! ねぇ、それって俺も入ってんの!? ねぇ、俺も!?」と村雨が1人で抗議をするが誰も答える者はいなかった。
「‥‥問題の‥‥公園は‥‥この辺ですね‥‥」
 秋姫が公園の所でぴたりと足を止め、ポツリと呟く。住人が既に避難済みという事もあり、資料にあった公園に来るまで能力者達は誰とも出会う事はなかった。
「まぁ、戦う時は遊具を壊さないように気を付けてね」
 まるで他人事のように言う世史元に「はっ、まさか幼女を狙って‥‥!?」と平凡男が盛大な勘違いを見せてくるので「何でだよ」と思わずツッコミを入れてしまった。
「お前な‥‥最近の幼女は怖いんだぞ!? 下手に悪さすればデカい斧の柄で思いっきり叩かれるんだぞ!? フェリア達だってそうに決まってる!」
 何やらガルにはトラウマがあるのかガタガタと震えながら呟く。
「それはきっと殴られる理由があったのではないかと思うであります」
「私もそう思う。恐らく自分に理由があったのではないかと思う」
「何で俺だけが悪い事になってるんだよ! お、俺の話を聞いてくれたっていいじゃないか!」
 うわあん、と泣き真似をしながらガルが叫び、他の能力者達に助けを求めたが、ちょうどキメラが姿を現し、ガルを庇う所の話ではなくなったのだった。


―― 戦闘開始・幼女キメラ VS 能力者達 ――

 能力者達の前に現れたキメラ、それは可愛らしい少女の姿をしていて、資料で予めキメラだと分かっていても、戦う事に多少躊躇ってしまうかもしれない。
「も、もしかしたらあの子、改心するんじゃないかな? 俺、そういう気がするんだけど」
 平凡男が能力者達に言葉を投げかけるのだが、平凡男が改心しそうだと言っているキメラは遠慮無しに槍を構えて、此方へと向かって来ており、殺る気満々である。
「外見で敵を選ぶな! 貴方が男なら‥‥歯を食いしばって、大事な者の為に立ち向かえ!」
 フェリアが叱咤するのだが「‥‥フェリアたん、倒すべき相手が守るべき者だったらどうすればいいんですか‥‥!」と号泣していて(駄目だ、話にならない)とフェリアは冷たい視線を向けながら心の中で呟いたのだった。
「この役立たずが! 戦わないんなら、せめて大人しくしてやがれ!」
 ガルは平凡男に言葉を投げかけた後、キメラへと攻撃を行う。
「ヘイボの相手だけでも大変なのに‥‥ったくよ」
 ぶつぶつと文句を言いながら、ガルは再び攻撃を行う。
「‥‥一撃‥‥必中‥‥」
 秋姫は呟き、雷上動でキメラの手を狙いながら矢を放つ。秋姫が矢を放った後、ビリティスが靴に装着した爪でキメラを狙い蹴る。
 しかし、その攻撃の間、ぱんつが見えており、平凡男が悶絶寸前である――が、やはり幼女キメラも捨てがたいという態度を取っており、もはや節操など皆無である。
「お前、どの幼女に惚れるのも勝手だがビリたんだけは許さん。ビリたんは俺の嫁だから! 手ぇ出したら柊流二天一抜刀術の奥義で叩っ斬るからな‥‥半端な覚悟で女と一夜を共にしねぇんだよ、男はな!」
 村雨の言葉を受け「い、一夜!?」と平凡男が驚愕で目が落ちそうな程に見開いている。
(絵本を読み聞かせてもらってるってだけだけどな)
 ビリティスが心の中でツッコミを入れながら、キメラへと攻撃を仕掛ける。
「‥‥どんな姿でも結局は敵ですから、遠慮なく討ちます‥‥シュート」
 茅野は小さく呟きながら、スキルを使用してスナイパーライフルD−713でキメラを狙い撃つ。
「うん、見た目通りあのキメラ、本当に弱いな‥‥お前が無警戒なのも良い証拠だよ。しかしあのロリコンの邪魔のせいで、なかなか終わらね〜‥‥」
 世史元は公園をうろついていた猫に話しかけながら、平凡男が行う邪魔を見てため息を漏らす。
「っていうか、本当に幼女と付き合いたいなら、親御さんを納得できる資産を持てって話だよな」
 世史元は猫とじゃれつきながらのんびりと戦闘が終わるのを待っていた。
「私に出来る事は1つ‥‥一撃で、その魂を天へと返す事のみ‥‥安らかに眠れッ!」
 フェリアは呟きながら、スキルを使用してキメラへと攻撃を繰り出す。フェリアの攻撃に合わせて美空も攻撃を繰り出し、キメラに強力な一撃をお見舞いする。
「次に生まれてくる時は、退治されない者に生まれ変われるといいですね」
 茅野が小さく呟き射撃を行い、秋姫、ガル、村雨が連携して攻撃を行い、幼女キメラを無事に退治する事が出来たのだった。


―― 戦闘終了後、平凡男がいた意味とは‥‥ ――

「‥‥これでよし、と」
 キメラとの戦闘が終了した後、目立たない場所に墓を作ってフェリアは手を合わせていた。
「何という優しい心の持ち主‥‥やはり幼女最高! そこのキミでも俺の嫁、大歓迎だよ!」
 平凡男が美空に言葉を投げかけると「‥‥はぁ」とため息を吐きながら、美空は言葉を続ける。
「美空はお付き合いしている人がいるので、平さんのご期待には沿えないであります」
「な、なんだってー! ち、ちなみにお相手さんは‥‥!?」
「27歳でありますが、何か?」
 衝撃的な事実を聞かされ「やっぱり、俺でも幼女ゲットできるんじゃね?」とやる気を奮い立たせてしまっている事に美空は気が付いていない。
「そんなにロリが好きならしっと団に来ねえか? ショタな総帥が歓迎するぜ?」
「俺はロリが好きなのであってショタが好きなんじゃないんだ。ロリな総帥だったらバク転しながら今すぐ行くよ」
 そんな風に来られても怖ぇよ、とガルは苦笑しながら言葉を返した。
「てめぇもバカだな‥‥真面目にしてればイイコトって言ったのに‥‥折角あたしの体を自由にできたのによ‥‥」
 ビリティスはこれ以上ないくらいに蔑んだ視線を平凡男に向けて村雨の所へと向かう。残された平凡男は「過去の俺、何で真面目にしなかったんだ! 過去の俺!」と己の過去を心の底から悔いていた――が、果たして真面目にしていてビリティスの言う展開になっていたか、それは定かではない。
「キメラたん‥‥キミとはもっと違う出会い方をしたかったぜ‥‥次に会う時は、笑ってデートしようぜ」
 村雨は手を合わせながらキメラへと言葉を投げかけた。その様子を見ながら茅野は(お父さん、お母さん‥‥今日も生き残ったよ)と目を伏せながら心の中で呟いていた。
「‥‥平さん、もしこれが‥‥命にかかわる‥‥危険な依頼でしたら‥‥死人が出る可能性も‥‥あるんですよ?」
「で、でも今回はでなか「黙りなさい」‥‥はい」
 言葉を遮ろうと平凡男が言葉を紡ぐが、秋姫からぴしゃりと言い捨てられ、黙るしかない状況になっていた。
「‥‥罰として‥‥写経です‥‥」
 秋姫が写経する為の道具を平凡男に差し出す。平凡男は断ろうとしたが、秋姫の冷たい表情を見て、とても断れる雰囲気ではない事を悟る。

 その後、罰として写経をさせられた平凡男なのだが、半分以降は全て『萌え』と『幼女』という単語しか書かれておらず、秋姫の怒りボルテージを更に上昇させたのだとか‥‥。


END