タイトル:ミラーハウスの悪夢マスター:水貴透子

シナリオ形態: ショート
難易度: やや難
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2007/12/13 03:06

●オープニング本文


たかが鏡、されど鏡――まさかこんなに厄介とは思わなかった‥‥

※※※

「はぁー‥‥何でこんなに厄介な場所に現れるのかねぇ‥‥」

一人の能力者が依頼内容を見て、盛大なため息を吐いた。

今回現れたキメラはラット系が3匹、倒すのに苦労はしなさそう―‥‥なのだが、問題はキメラが現れたという場所だ。

場所は遊園地、そしてキメラが現れた場所は巨大なミラーハウス、その大きさは普通のスーパー2つ分くらいの広さだ。

「何でよりによってミラーハウスなんかに現れるんだよ‥‥ナルシストの極みか? このキメラは‥‥」

能力者がため息を吐く気持ちが分からない事もない。

ミラーハウス内という事は激しい攻撃ができないという事、もしそれを無視して攻撃すればミラーハウス内の鏡が割れて此方にまで怪我が及ぶ――‥‥。

「下手すれば普通の攻撃すらマトモにできないよ、これ‥‥」

場所はミラーハウス、敵はラット系のキメラ3匹――悪状況の中で能力者たちはどう戦う?

●参加者一覧

リディス(ga0022
28歳・♀・PN
クレイフェル(ga0435
29歳・♂・PN
ナレイン・フェルド(ga0506
26歳・♂・GP
ミア・エルミナール(ga0741
20歳・♀・FT
ベル(ga0924
18歳・♂・JG
高村・綺羅(ga2052
18歳・♀・GP
二階堂 審(ga2237
23歳・♂・ST
ホアキン・デ・ラ・ロサ(ga2416
20歳・♂・FT

●リプレイ本文

「任務で会うのは初めてですね‥‥よろしくお願いします」
 ナレイン・フェルド(ga0506)に向かって丁寧に頭を下げるのはベル(ga0924)だった。
「そうね、此方こそ宜しくね♪」
 ナレインはにっこりと笑顔でベルに言葉を返す。
「それにしても‥‥ミラーハウスにキメララットですか‥‥。何とも似合わない組み合わせで。こういう所は楽しむ為にあって、襲われる為にはないでしょうに‥‥」
 ため息混じりに呟いたのはリディス(ga0022)だった。
「相手は鼠やし、キメラキャットを放つ‥‥とか楽しそうやけど、よう考えたら後で猫を退治せなあかんわけで‥‥しんどいな」
 唸りながら呟くのはクレイフェル(ga0435)だった。確かに猫を放り投げれば楽しいかもしれない――猫が言う事を聞いてくれればであるが。
「でもミラーハウスなんて何年ぶりだろ、随分迷ったような覚えがある」
 目の前の巨大ミラーハウスを見て話すのはミア・エルミナール(ga0741)だった。
「ほぅ、此処がミラーハウス‥‥遊園地か」
 周りを見渡しながら呟くのはホアキン・デ・ラ・ロサ(ga2416)だった。彼は遊園地に来た事も見た事もないようで、不謹慎とは思いつつも今回の仕事を密かに楽しみにしていた。
「ミラーハウスの中‥‥きっと銃は使えないだろうからナイフで戦うね」
 アーミーナイフを取り出して呟くのは高村・綺羅(ga2052)だった。
「まぁ‥‥やるだけやるか」
 二階堂 審(ga2237)が呟き、能力者達はミラーハウスの中へと足を踏み入れたのだった。


●作戦開始! 動き回るキメララットを追い込み、退治せよ!

 今回、ミラーハウスの中には3匹のキメラが存在している。
 だから能力者達は『追い込み班』と『待ち伏せ班』に分かれ、二人一組になって行動する事になった。
 追い込み班
 A班:高村・リディス
 B班:ナレイン・クレイフェル
 待ち伏せ班
 A班:ミア・ベル
 B班:ホアキン・二階堂
「予定通り、誘い込みポイント以外の非常用通路は閉鎖しましたし、追い込み班の皆さん、頑張ってください」
 そう、今回の作戦は追い込み班が待ち伏せ班の所までキメラを連れてこなければ、待ち伏せ班は何も出来ないのだ。
 高村・リディス組がミア・ベルの所まで、ナレイン・クレイフェルがホアキン・二階堂の所までキメラを誘導する。
「通信機は借りられましたし、キメラを其方に誘導する際には連絡をしますね」
 リディスがなんとか貸し出してくれた旧式の通信機を手にミア達に話しかける。
「暗視スコープを持ってるリディスさんにキメラの発見は任せる形になるけど‥‥頑張ろうね」
 高村がリディスに向けて話しかけると「はい、お互い頑張りましょう」とにっこりと笑って言葉を返した。
「さぁ、出発しよか」
 クレイフェルは呟き、ナレインと共に巨大なミラーハウス内に潜むキメラを捜索しに歩き始めた‥‥。


●小さいキメラは嫌いです。

 べしべしべしべしべしべしべしべし‥‥
「ちょっとク〜ちゃん‥‥? 何をしてるの?」
 不自然に巨大ハリセンでミラーハウスの鏡を叩くクレイフェルにナレインが問いかける。
「や、音をたてたらキメラ出て来ないかな〜なんてな――ってナレインこそ何しとるん?」
 鏡で一生懸命化粧直しをしているナレインに今度はクレイフェルが問い返す。
「だってぇ〜‥‥メイクが崩れてるんですもの‥‥それにこんなに鏡が一杯だとポーズ取りたくならない?」
 そう言って手を頭と腰に置いてポーズを取るナレインに「‥‥せやな」とクレイフェルが短い言葉を返す。
「ふふ、心配しなくてもちゃんとお仕事はしてるわ」
 ほら、と言いながら後ろを指差す。すると歩いてきた方向には塗料を含ませた餌が捲かれていた。
「とりあえず‥‥敵さん現れよったみたいやで」
 クレイフェルが巨大ハリセンを背中に背負い、姿を見せたキメラを見た。それと同時に二人は、逃げ出すキメラを追いかける。
「ラットちゃんと追いかけっこね♪」
 ナレインは楽しそうに呟き、クレイフェルも「鬼さんこちら〜ってな」と楽しそうだ。
 それに上手い具合にキメラの進行方向は誘い込みポイントの方向。
「行ったで!」
 クレイフェルが叫ぶと、待ち伏せ班のホアキン・二階堂はキメラが非常用通路に入ってきて、追い込み班の二人も入ってきた事を確認すると、扉を閉めて退路を断った。
 そして所詮は鼠。ホアキンが非常用通路のある一角に鳥もちを仕掛け、夜光塗料の塗られたチーズを置いてある。
 タイミングよくいったのもナレインがキメラを追いかけながら待ち伏せ班と上手く連絡を取り合っていたからである。
「不思議な鏡の迷宮は、貴様ら鼠の棲家に相応しくない。幼い夢を汚した報いをくれてやる」
 ホアキンが低く呟き、逃げ場を失ったキメラを仕留める為に四人はそれぞれの武器を構える。
「まさに袋の鼠――ですね」
 二階堂は呟きながら超機械を両手で持つ。
「私の蹴りは痛いわよ」
 妖艶な笑みを浮かべ、ナレインが呟いた。
「でも‥思いっきり戦ったらミラーハウス壊れてしまうさかい、多少加減せぇへんと」
 そう、これが外での戦いならフルボコ状態なのだろうが、自分の力を上手く加減しないと味方まで割れた鏡で怪我してしまう虞がある。
 それから四人はキメラを仕留める為にある程度力を加減しながら戦っていたが、素早い為に中々攻撃が当たらない。
 しかし。
「つっかまーえた!」
 ナレインがキメラの尻尾を足で踏み、キメラはばたばたともがくが「離さないわよ」とナレインの言葉通り、暴れることは出来ても逃げ出す事は出来なくなった。
「そのまま押さえててくれ!」
 ホアキンが叫ぶと、ソードでキメラの体を貫き、1匹目のキメラを見事撃破したのだった。


 そのころ、もう一つの班はといえば‥‥。
「あら、二匹一緒に行動しているわ、このまま誘い込めば結構楽に終わりそうね」
 暗視スコープでキメラを確認すると、一緒に行動‥‥というよりは偶々近くに2匹がいると言った方が正しいだろうか。
「自分の姿がいっぱい‥‥何だか気持ち悪い‥‥」
 何処を見渡しても自分の姿だらけで、高村は少し具合を悪くしていた。
「此方B班、残りの2匹は此方で対処可能。これより誘導に入ります」
 高村は通信機でA班の4人に連絡を入れると、リディスと話し合い、それぞれが別々のキメラを誘導する事になった。
「大丈夫?」
 リディスが問いかけると高村は首を縦に振る。
「1匹に集中して、もう1匹に逃げられても困るから‥‥」
 高村の言葉にリディスは「分かったわ」と呟くと、自分が担当するキメラを見やる。
 最初に走り出したのは高村、リディスは暗視スコープを持っているため、キメラを見失うことはほぼないだろう。
 しかし、高村は見失ったらまた探す所からの始まりになる。
「速い‥‥でも速さなら負けない!」
 高村は呟き、走るスピードをあげていく。ミラーハウスなので走りにくい事には変わりないのだが、前を走るキメラを見失わなければ問題はない。
 真っ直ぐに走ろうとするキメラを、高村はアーミーナイフを投げ、左へと誘導する。
「いらっしゃいませ〜」
 左へ行ったすぐは誘い込みポイントで、ミアが入ってくるキメラと高村に営業スマイルで挨拶をした。
「もう1匹が来ないと扉は閉められませんね」
 ちらり、とベルはキメラを見る。仕掛けた鳥もちによって動けないのか、暫くはこのままでも逃げる事はないだろう。

「了解しました、此方もすぐに其方に着きます」
 通信機で高村がキメラを誘い込んだと連絡を受けたリディスは、目の前のキメラを追いかける。
「お前達のような鼠には眩しい此処はつらいだろう。きっちりと闇の中へ送り届けてやるから安心しろ」
 クッと笑みを浮かべ、リディスが呟き、そのまま誘い込みポイントへと到着した。
「リディスさん、お疲れ様です」
 ポイントに到着すると同時にベルが扉を閉め、リディスに話しかける。
「此処からが本番! 逃がしませんことよー!」
 ミアはバトルアクスを構えて楽しげに叫ぶ。
「‥‥流石にこれは鏡、割れるよね――アーミーナイフに持ち替えます」
 少し残念そうにミアは呟き、武器をアーミーナイフに持ち替えた。
「大人しくしててよ〜? 頼むからさぁ」
「大丈夫だと思います。1匹は鳥もちで動けませんから‥‥俺は此方を担当しますので、素早く逃げる其方はお任せします」
 ベルは動き回るキメラを見ながら仲間に話す。銃を武器に扱う自分では撃ち損じた時に鏡が割れ、怪我人が出るかもしれないと考えたのだろう。
「私はいい加減、煙草を吸いたいので早く終わらせましょう」
 リディスがキメラを撹乱、そして先ほどのナレインがしたように足ででも踏みつけ、動きを止めれば幸いと考えていた。
「捕まえたら、あたしと高村で仕留めるよ」
 ミアはアーミーナイフを構え、リディスがキメラを捕まえるのを待つ。
 そして、意外にもその時は早くやってきた。走りすぎてキメラにも疲れが出たのだろうか、動きが鈍くなってきて、そこをリディスによって踏みつけられた。
 そこをミアと高村が攻撃し、キメラを仕留めた。同じ頃、ベルもスコーピオンでキメラを撃破していた―――。


●さて、遊びの時間がやってきましたよ?

「はー‥‥」
 リディスはミラーハウスから出ると、遊園地内の喫煙所で煙草を吸い始めた。依頼主に仕事が終わったと連絡をすると、関係者の人間が近くの寮にいるから、自由に遊んでいって欲しいという事で――現在は遊園地大満喫中だった。
「くそぅ、なんでやねんなんでやねん!」
 遊園地内のゲームセンターに設置されていたもぐら叩きでクレイフェルが機械にツッコミを入れながらばしばしと叩いていた。
 そして、ナレイン――『彼女』は遊園地内のショーハウスにてチャイナ服を着てはしゃいでいた。
「これが遊園地――奥が深すぎる」
 色々な乗り物を見て、何に乗ろうかと迷うホアキン。凄く楽しそうである。
「‥‥‥その程度の脅かしで客が驚くと思うんですか? もっとしっかり脅かしてください」
 二階堂はお化け屋敷に入り、お化け役をしているバイト君に脅かしが何たるかを説いていた。
「いぃやっほーーーっ!!」
 ミア、高村はジェットコースターに乗り、一番前で騒がしくしていた。
 そしてベルはといえば‥‥メルヘンな音楽が流れるコーヒーカップでぐるぐると回っていたのだった‥‥。


 皆さん、お疲れ様!


END