タイトル:もやしが泣いた日マスター:水貴透子

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 2 人
リプレイ完成日時:
2009/10/14 02:47

●オープニング本文


鬼の目にも涙?

その場合の『鬼』って誰の事を言うのかしらね。

もし私の事言ってるんだったら、百万回生まれ変わって私に詫びなさいよね。

※※※

「痛い‥‥なんでこんな事になってるんだろ‥‥」

キルメリア・シュプール(gz0278)は空を見上げながら小さく呟いた。

空からはざぁざぁと雨が降っており、折角お気に入りの洋服も泥まみれで無残なものとなっている。

キリーは何でこんな目にあったのかを少し曖昧な記憶を手繰り寄せながら考え始めた。


朝一番でキリーは仲間(という名前の獲物)と一緒にキリーの母親が居る場所へと向かっていった。

此処までは別に何も変わりはなかったし、母親も重傷を負ってはいるけれど命に別状はないと電話で聞いてキリーも少しだけは安心していた。

母親が居る病院へと行く為には山を越えなければならない過酷なものだった。キリーの母親が仲間と一緒に赴いたのは住人の数が数十人という小さな村。

そこへ現れたキメラを退治して帰ろうとしたとき、キメラに仲間がいたのか母親を含む数名の能力者達は重傷を負う事になったのだ。

幸いにもキメラは山の方へ追い返す事が出来たのだが、いつ村に再びやってくるかわからない状況だ。

「‥‥はぁ」

高速艇は山向こうにしか停まる場所がなく、キリーや能力者達は山越えをして村まで行くしか方法はなかった。

普段なら村の方に連絡をすれば迎えの車が来るのだが、現在山の中にはキメラが存在しており、迎えに来る途中で襲われる可能性もある為に、迎えは勘弁して欲しいと住人の方から要望があったのだ。

「普通に行けば半日もあれば抜けられるかな」

そう言ったのは誰だっただろうか、考えるけれどキリーは思い出せず大きなため息を吐いて「さっさと行くわよ、ヘタレども」といつもの毒舌で能力者達に上から目線で言葉を吐き捨てた。

しかし歩き始めて数時間が経過した頃、山に潜んでいたキメラがキリーを狙って攻撃してきたのだ。

「きゃあああああっ!!」

崖から落ちていくキリーに能力者達は手を伸ばしたけれど、手が届かず、キリーは甲高い悲鳴と共に落ちていた。


「そうだ‥‥私ったら崖から落ちたんだ‥‥よくあの高さから落ちて生きてたわね、私」

見上げながら呟き、立ち上がろうとしたけれど足が動かず、べしゃ、とぬかるんだ地面へとこけてしまった。

「痛い‥‥足、動かない。捻った‥‥じゃなくて折れたのかなぁ‥‥」

痛い、もう一度呟きながらキリーは雨なのか涙なのかわからない水を乱暴に拭い、能力者達が探しに来てくれると信じて木に背中を預けたのだった。

●参加者一覧

土方伊織(ga4771
13歳・♂・BM
白虎(ga9191
10歳・♂・BM
神撫(gb0167
27歳・♂・AA
仮染 勇輝(gb1239
17歳・♂・PN
八葉 白雪(gb2228
20歳・♀・AA
今給黎 伽織(gb5215
32歳・♂・JG
神咲 刹那(gb5472
17歳・♂・GD
諌山詠(gb7651
20歳・♂・FT

●リプレイ本文

―― 落ちたもやしを救え ――

 これは簡単な任務の筈だった‥‥キメラに襲撃さえされなければ。襲撃され、キルメリア・シュプール(gz0278)は崖から落下して生死不明という最悪の状況。
「僕は行くにゃ!」
 ざぁざぁと降り続ける雨の中で白虎(ga9191)が『ぐっ』と拳を強く握り締めて崖から飛び降りようとする。それを見た能力者達は慌てて彼を止めようと行動に出た。
「はわわ、白虎さん、ちょ、ちょっと待つですよ。そ、それは無茶なのですよー。飛び降りるのはすっごいでんじゃらすですよー!」
 土方伊織(ga4771)が慌てて止めるけど、既に白虎の意思は固まっているらしく静止の言葉を聞く耳を持っていない。
 そんな中で白虎と同じくキリーに好意を持っている仮染 勇輝(gb1239)はキリーが落ちていった崖を呆然と見ながら「‥‥そんな」と呟いていた。
「無事よ‥‥同じような事、二度も繰り返させて堪るものですか」
 白雪(gb2228)、いや彼女の中に眠るもう一つの人格・真白は崖の下を見つめながら呟く。それは仮染に対して言った言葉ではなく、身の内に眠る白雪に対して返した言葉なのだろう。
「皆、とりあえず落ち着いて。三手に分かれて行動しよう」
 今給黎 伽織(gb5215)がやや冷静さを失いつつある仲間達に対して言葉を掛ける。彼はキリーを心配していないとかではなく、年長者である彼までもが冷静さを失ったら駄目だと心の中で自分を奮い立たせ、あえて平気な振りをして見せていた。
「止めても無駄にゃ! 僕は行くにゃ!」
 山という場所が幸いしたのか、ロープは予め持ってきている。
「皆! 後は任せた!」
 白虎は木にロープを括りつけ、そのまま下へと向かう。
「これを持っていけ」
 アレイ・シュナイダーはレインコートを白虎に渡して危険な道を行こうとする白虎を見送った。
「ちょ‥‥白虎君、お前まで落ち‥‥って行ってしまった。要救助者2名に増加、か」
 神撫(gb0167)が肩を竦めながら呟く。
「白虎くーん! 雨で滑りやすいし、崖もぬかるんでる。くれぐれも気をつけてー!」
 今給黎が崖を降りていく白虎に話しかけると「分かったにゃー!」という声が雨の音に紛れて聞こえてくる。
「キリーさん‥‥」
「仮染君、きっとキリーは悪運が強いから無事だよ、気をしっかり持って」
 青白い顔で呟く仮染に今給黎が軽く肩を叩きながら話しかけると、仮染は言葉は返さず、その代わり首を縦に振った。
「そうそう、憎まれっ子世に憚る‥‥とまでは言いませんが彼女はきっと無事ですよ」
 諌山詠(gb7651)も仮染に言葉を掛ける。
「‥‥白虎くん‥‥キリーを頼むよ」
 神咲 刹那(gb5472)が小さな声で呟き、上に残った能力者達はキリー捜索、そして攻撃した後にすぐ姿を隠したキメラを退治する為に行動を開始したのだった。
 なるべく早めにキリーを探し当て、キメラを退治する為に能力者達は班を三つに分けて行動するように決めた。
 1班・白雪、諌山、仮染。
 2班・神撫、土方、冴木美雲。
 3班・今給黎、神咲、アレイ。
 そしてこの三つの班とは別に白虎が崖を降りてキリーが落ちた場所へと行く、実質的に4つの班で行動する事になった。

※1班※
「雨が酷くなってきたわね‥‥早く見つけないと体が冷えて大変だわ」
 真白はどんよりとした空を見上げながらため息混じりに呟く。
「現在地は‥‥この辺か」
 仮染は出発前に本部で渡された地図を見ながら呟く。
(「まさかこんな形で使うことになるとは‥‥」)
 仮染が心の中で呟き、荷物の中のラッピングされた物を見る。これは母親の所に到着した後、皆でキリーの誕生日を祝い、その時に渡そうと考えていた物。
「物音でキメラを見つけるのは無理そうですね、これだけざぁざぁと雨が煩ければ多少の物音なんか分からないですよ」
 諌山がため息混じりに呟く。
「キメラ、何処に逃げたのかしら。楽には死なせないわよ」
 真白が呟くと「当然だ、彼女に手を出した事、後悔させてやる」と仮染が冷たい口調で言葉を返した。
「他の班は‥‥まだ何も見つかってないみたいですね」
 諌山はトランシーバーで他の班に連絡を取るが、まだ何も成果はつかめていない。
「早く、見つけましょう」
 諌山は呟き、三人は再び捜索を開始したのだった。

※2班※
 それぞれトランシーバーで連絡が取れる距離を保ちつつ、キリーとキメラを捜索していた。
「はわわ‥‥キリーさんと白虎さんを救出する為に、迂回して下に下りるのですよ」
 土方は地図と方位磁石を見て確認しながら呟く。雨によって視界は悪い、探している此方が迷子になったら洒落にならないからだ。
「‥‥キリーさん、大丈夫でしょうか」
 冴木が表情を曇らせながら呟く。
「あの高さから考えて無傷は考えにくいな‥‥雨露が防げそうな所を注意して見て行こう」
 神撫の言葉に冴木や土方は余計に心配の表情が濃くなる。無傷じゃない、それは彼らも分かっていたが、あまり考えたくない事だったからだろう。
「嘆いても仕方ない、キリーを心配するなら早く見つけてあげよう」
 神撫は落ち込む二人を慰め、捜索を再開したのだった。

※3班※
「此処を右、と」
 今給黎は自分達が迷わないように方位磁石を見ながら進み、分かれ道などでは木の枝を折るなどして目印をつけて捜索をしていた。
「キリー? 何処にいる?」
 少し大きめの声で叫びながら捜索するが、未だに彼女からの返事は返ってこない。
「白虎くんはキリーを見つけられたかな?」
 神咲が呟き、トランシーバーで白虎に聞こうかと思ったが崖を降りるという危険策を行っているため、足を踏み外したりしたらいけないと思い、手にしたトランシーバーを元の場所に戻した。
「おい‥‥あれは‥‥人影?」
 アレイが人影を見つけ、駆け寄ろうとしたのだが「ちょっと待って」と今給黎に止められ、足を止める。
「アレはキリーじゃないよ、むしろ‥‥キリーをあんな目にあわせた張本人かな」
 今給黎の言葉に二人の表情が険しくなる。
「此方3班だ、キメラ発見の為、至急討伐に切り替える」
 アレイは他の班にトランシーバーで伝え、自分も戦闘態勢を取った。
「久しぶりに‥‥本気を出せそうだよ」
 神咲は静かな怒りをたたえ、武器を手にしてキメラへと攻撃を仕掛けたのだった。


―― 戦闘開始 ――

 3班からの通信を受け、1班や2班も合流してキメラとの戦闘を開始する。トランシーバーの電波が届く範囲にいたおかげか、あまり合流に時間は掛からなかった。
「これほど憎く思ったのは親父以来だ‥‥お前には八熱巡りすら生温い」
 仮染は『雲隠』の切っ先をキメラへと向けながら忌々しそうに呟く。
「邪魔だ、お前に構ってる暇はないんだよ」
 神撫も眉を顰めながらキメラを睨みつけた。
「そうね、口の悪い可愛い子が待ってるもの。君と悠長に遊んでる暇なんて無いわ」
 真白も呟くと同時に攻撃を仕掛ける。その際にスキルを使用して両腕を落とす予定だったが、予想以上の地面のぬかるみに足を取られて滑ってしまう。
「雨も激しくなって、足場の悪さに拍車がかかったね。でも‥‥安心できると思わない方がいいね」
 今給黎は『真デヴァステイター』を構え、スキルを使用しながらキメラを撃ちぬく。
「ほら、首のガードがお留守だよ」
 今給黎の攻撃でよろけた所を神咲がスキルを使用しながら攻撃を仕掛ける、首を狙って攻撃したけれど紙一重でキメラに避けられてしまい、首を落とすまでには至らなかった。
「後にはキリーさん捜索が待ってるんで、此処で一気に仕留めたいです、ねッと!!」
 キメラが大勢の能力者に囲まれて逃げようとした時、諌山が退路を断ちながら攻撃を仕掛ける。
「ふふふ、まおーさまをあんな目にあわせる奴には、禁断のとんふぁーきっくですよ」
 土方は『旋棍 砕天』を構え、スキルを使用しながらキメラへと攻撃を仕掛ける。連続で繰り出される攻撃にキメラは防御する事も出来ずに、攻撃をまともに受けてしまう。
「邪魔、さっきも言っただろう。さっさと倒れてくれよ、これ以上俺たちの手を煩わせないでくれ」
 神撫が呟き、背後からキメラへと攻撃を仕掛ける。
「キリーは絶対死なせない。お前のような奴の手にかかって死ぬような子じゃない。だけど目障りだ、さっさと消えろ」
 彼にしては珍しく冷酷な瞳でキメラを見ながら仮染が攻撃を仕掛けると同時に呟く。
「‥‥その弱さ、百万と一回生まれ変わって詫びるがいい」
 真白は怒りさえも感じる口調で呟きながらスキルを駆使して攻撃を仕掛ける。
「‥‥探し物の邪魔なんだよ、さっさと消えろ」
 神咲は立ち上がろうとするキメラの背後から攻撃を仕掛ける。キメラが立つ、それだけでも彼の怒りを奮い立たせるには十分な材料だったのだろう。
「とりあえず、皆の怒りを駆り立てるだけみたいなんで、さっさと倒れてくださいね‥‥ッと!」
 諌山が呟き、背中を攻撃して立ち上がろうとしていたキメラを再び地面へと沈める。その後、立ち上がる事も出来ずに能力者達の攻撃を受けて息絶えて、能力者達はキリー捜索を再開し始めたのだった。


―― キリー発見、雨塗れの少女 ――

 3班とは別に行動をしていた白虎、彼は崖を慎重に下りながらキリーの安否を心配していた。途中まではロープで降下していたが、下まで届く筈もなく、ロープの長さが足りなくなった所からアーミーナイフを利用して下へと降りていた。
「予想以上に滑るにゃ‥‥」
 崖を一直線に降りるということは想像以上に体力を使用して、気を抜けばそのまま真っ逆さまに落ちてしまいそうな程だった。
「にゃっ!」
 僅かに気を抜いた時、アーミーナイフを握っていた手が滑り、そのまま下へと落ちてしまう。手が擦り切れながらも『アンバーシールド』をスノーボードのようにして斜面を滑走する。怪我はしたけれど、最悪の傷までは受けずに済んで、白虎は地面に転がり落ちた。
「にゃっ」
 ごろごろと地面に落ち、泥まみれ、傷まみれ状態でよろよろと立ち上がる。
「キリーお姉ちゃん! 返事してにゃー!」
 着地を上手く出来なかったせいか、白虎は足を捻りながらもキリーを必死に探し始める。
「うるさい!」
 少し離れた場所から聞こえた聞きなれた声に白虎が視線を其方へと向けるとキリーが木に凭れながら白虎を見ていた。
「お姉ちゃんっ!」
 白虎はすぐに駆け寄り、アレイから渡されたレインコートをキリーにかけて、エマージェンシーキットに入っている防寒シートに二人で入り、他の能力者達にトランシーバーで連絡して居場所を伝える。
「大丈夫にゃ、皆すぐに来るにゃ♪」
「つーか、あんたの方が酷そうなんだけど‥‥これ使いなさいよ‥‥」
 キリーが取り出したのは救急セット、自分でも使おうとしたらしいが足が完璧に折れていそうなので使わなかったのだとキリーは言葉を付け足した。
 他の能力者達が来る間、白虎は傷の痛みを押さえて呼笛を鳴らし続けて自分達の位置を教えていたのだった。


―― キリー救助、病院へ ――

「キリーさん! 頑張ったね‥‥寒かったでしょ? もう大丈夫ですよ?」
 冴木がキリーに話しかけると「遅いのよ、馬鹿、へたれ」と相変わらずの毒舌を発揮したけれど、雨に長時間打たれ続けて高熱が出ており、いつものような鋭さが無い。
「やれやれ‥‥心配させやがって‥‥」
 アレイが呟くと「頼んじゃ‥‥いないわよ」とふらふらと焦点の合わない瞳で言葉を返す。
「キリーさん、無事でよかったのですよー」
 土方がキリーに駆け寄ると「あんた、犬失格ね、犬ならもっと早く見つけなさいよ」と心配したのに何故か怒られる羽目になった。
「痛む所はある? ちょっと見せて「変態、何私のスカート捲ろうとしてるのよ、ロリコン」‥‥元気だね、うん、元気だ」
 足の傷を見ようとしたら一蹴されて神撫は苦笑する。
「一時はどうなるかと‥‥今はゆっくり休むといい」
 仮染がキリーに話しかけると「ありがと」と言って瞳を閉じた。安心して緊張の糸が切れたのだろう。
「おばちゃん参上‥‥って眠っちゃったのね、でもいい友達が沢山出来たわね、安心したわ‥‥まぁそんなに心配いらないのかもしれないけど」
 個人的にね、真白は言葉を付け足しながら眠るキリーの髪を撫でたのだった。
「とりあえず、恋の戦線とは無関係の僕が彼女を運んだほうがいいのかな?」
 今給黎は苦笑気味に呟く。仮染はキリーを運べなくはないけれど、白虎はどちらかといえば運ばれる側だ。
「病院に着くまでの我慢だよ‥‥そこまでは‥‥頑張れ‥‥キリー」
 神咲が小さく呟き、前衛へと移動する。キメラが先ほどの1体だけとは限らないので病院に着くまでは警戒を続けるつもりで彼は前へと移動した。
「早くキリーさんを病院に運ぼうか」
 諌山が呟き、土砂降りの雨の中、能力者達はキリーの母親が入院している病院へと向かったのだった。


「キリー!?」
 病院に運ばれると、ちょうど一階の談話室でキリーの母親が他の入院患者たちと話をしているところだった。
 仮染が手続きなどを済ませて、キリーを医師に預けて診察をお願いする。
「あなた達はキリーの命の恩人ね、本当にありがとう」
 何度もお礼を言いながらキリーの母親は能力者達に頭を下げる。
「キリーお姉ちゃんが無事でよかったのにゃー」
 白虎も治療を受けながらキリーが無事でよかったと母親に告げる。
「本当はあの子の誕生日までには帰るつもりだったんだけど‥‥そうだわ、今度キリーのお誕生パーティーをしようと考えてるの、良かったら貴方達も来てくださいね」
 キリーの母親はそれだけ能力者達に告げるとキリーが診察されている診察室へと入っていったのだった。
 それから数日後、キリーの病室では相変わらずの毒舌が繰り広げられていた。
「そうだ、お誕生日おめでとう」
 仮染が渡したのは『ふわふわ耳あて』と『ローズリング』だった。
「あ、かわいい。ありがとう、勇輝」
 貰ったものを母親に見せながら「貰った♪」とにっこりと天使の笑顔で話した。
「今度パーティーするからまた誕生日プレゼント用意して持ってきなさいよね」
 キリーはプレゼントを二重取りしようとたくらんだのだが、すぐ後ろの母親から拳骨で殴られて「気にしないで下さいね、こんな子のいうことなんてスルーしていただいて結構ですから!」と母親がフォローしたのだとか。
「キリー、あんまり動くと変な方に骨がくっついちゃうよ。変に繋がったら困るだろうし‥‥正しい位置にする為にはかなり痛いしね」
 苦笑しながら神咲が呟くと、キリーは「痛いのはいやよ」と暴れていたけれど大人しくし始める。どんな魔王ぶりでも痛いのは嫌らしい。
 そんなこんなでキリー救出作戦は能力者達の苦労によって大成功となったのだった。


END