タイトル:傭兵戦隊 さよならへ‥マスター:水貴透子

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/01/27 01:51

●オープニング本文


長らくのご愛顧ありがとうございました。

傭兵戦隊は次回で閉幕!

今回はその前哨戦だぜ!

※※※

「チホ! 突然だけど傭兵戦隊は今回合わせて後二回で終わりよ」

クイーンズ記者・土浦 真里が突然企画書を書きながら呟く。

(「本当に突然だ事‥‥」)

チホは心の中でため息を吐きながら、心の中で呟く。

「でも何でいきなり終わらせるの? そんなに評判悪かったかしら?」

チホが問いかけると「新しい企画を思いついちゃったから! きっと傭兵戦隊より楽しいよ♪」と妖しげな笑みを浮かべて言葉を返してくる。

チホの長年の勘が彼女に訴えてくる――きっとろくでもない事を考えていると。

「シナリオは? キメラは?」

「ご安心なされい! シナリオは皆に考えてもらう♪ キメラは相撲取りみたいなの見つけたから、それでGO!」

(「‥‥何で相撲取り? 暑苦しそう‥‥むさそう‥‥」)


※※※

傭兵戦隊の諸君!

あくのそしきの者だ!

長年に渡る戦いにケチャップをつけようではないか!

今回、お前らへの刺客は『どすこい君』だ!

これを打ち負かして我が居城までやってくるがいい!

あくのそしき・だいかんぶ。

※※※

悪の組織について説明

・悪の組織は基本的にお馬鹿さんが多い。
・今回の決闘状も『決着』と『ケチャップ』を間違えている。
・今回は決して料理対決などではない。
・だいかんぶはきっと、今まで以上にお馬鹿さんのような気がする。
・悪の組織は意外と放っておいても害がないかもしれない。


●参加者一覧

天・明星(ga2984
13歳・♂・PN
玖堂 鷹秀(ga5346
27歳・♂・ER
リュウセイ(ga8181
24歳・♂・PN
シュブニグラス(ga9903
28歳・♀・ER
米本 剛(gb0843
29歳・♂・GD
嵐 一人(gb1968
18歳・♂・HD
幻堂 響太(gb3712
19歳・♂・BM
平野 等(gb4090
20歳・♂・PN

●リプレイ本文

―― 最終回の近い傭兵戦隊 ――

「どもっ! 今回も集まってくれてありがとネ♪」
 すちゃっと手を挙げて挨拶するのはクイーンズ記者・土浦 真里(gz0004)だった。
「こんにちは、前回のPマンに参加させて頂きました天・明星(ga2984)です」
 天は初対面となる能力者達に挨拶をしながら現場へとやってくる。彼はPマンの時に参加しており『傭兵戦隊』の終了を残念に思ってくれている一人だった。
「ついに傭兵戦隊も終焉の時を迎えるのですね‥‥残念ですが確りと役割を果たさせて頂きましょう」
 玖堂 鷹秀(ga5346)も最終回が決まったとの連絡を受けて残念に思っていたが『始まりがあれば終わりもある』と考えて、今回の撮影へとやってきた。初回から参加している彼が名残惜しいと思ってくれるのはマリにとって凄く嬉しい事でもあった。
「傭兵戦隊には初参加だが、ノリは十分に理解しているつもりだぜ! 今回は宜しくな!」
 リュウセイ(ga8181)がびしっと親指を立てて挨拶をすると「此方こそ宜しくぅっ!」とマリも彼と同じように親指をびしっと立てて言葉を返す。
「次回で終わりだなんて‥‥本当に唐突ねぇ」
 まぁ、真里ちゃんだから‥‥とシュブニグラス(ga9903)が苦笑気味に呟く。
「正直慣れていませんがなぁ‥‥しかし全力は尽くさせて頂きますよぉ」
 子供に夢を与えるのも良いと考えて傭兵戦隊に参加したヨネモトタケシ(gb0843)が呟くと「そぉ? 何となく子供慣れしてそうな雰囲気あるよ?」とマリが首を傾げながら言葉を返した。
 そんな中、一人だけ呆然として明後日の方向を見る少年が居た。彼はマリから『あらしん』と呼ばれている青年で何故かまた傭兵戦隊に参加してしまったと遠くの空を見ていた。
「‥‥もういいや‥‥まぁ受けちゃった以上、やらないとな‥‥」
「あーらしーんっ! 元気ないぞおっ!」
 後ろからどかーんとタックル(と言う名のラリアット)を食らわしながらマリが嵐 一人(gb1968)に話しかける。普段の彼ならば「あらしんって言うな!」とか反論してくるのだが「‥‥もういいよ‥‥」と諦めたように言葉を返してくる。
「何の因果か知らないが、受けた以上はきちんとやらなきゃな!」
 嵐は立ち上がって拳を強く握り締める、その辺りからして彼のノリ気な部分が見えるのだが、きっとこれを言ってしまえば彼は否定するだろうからマリは口から出す事はしなかった。
「傭兵戦隊シリーズ、一区切りなんだね。盛り上げれるように頑張ろう」
 幻堂 響太(gb3712)は独り言のように呟くが、何処からか視線を感じてきょろきょろと周りを見渡す。
 すると‥‥自分を凝視しながら口パクで「もふもふもふ」と呟くマリの姿が見えて、ある意味キメラより恐ろしい物を見た。
(「‥‥打ち上げの時は逃げよう‥‥逃げられるかな?」)
 幻堂は心の中で呟くが、地の果てまでも追いかけてきそうなマリの姿を思い浮かべ『無理かも』とため息混じりに心の中で呟いた。
「平野 等(gb4090)ですっ! 土浦さん、いい写真撮って下さいねーっ」
 他の能力者に挨拶をし終えて、マリの元へやってくると元気よく握手をしながら挨拶をしている。
「元気だねー、青少年っ! 今日は宜しくねっ」
 マリも元気に挨拶をし終えて、最後から二番目の傭兵戦隊の撮影へと取り掛かったのだった。


―― 傭兵戦隊・撮影開始! 今回はお相撲さん ――

「戦闘場所は海、砂浜ですか‥‥冬の海は冷たくて寒いですよ?」
 これは現地へ向かう高速艇の中で天が呟いた言葉、今日はいつもより気温も低く寒さも普段より少しばかり強く感じられた。
「さむっ!」
 高速艇から降りてシュブニグラスは風の冷たさに思わず少し大きな声で叫ぶ。
「寒いですから早く撮影を終えて暖かい物でも飲みましょう」
 玖堂が呟くと「終わったら打ち上げで中華料理を作るぜ」とリュウセイが持参してきた『【OR】中華なべセット』を見せながら呟く。
「‥‥‥‥相撲キメラを食べるの?」
 マリがやや引きながら問いかけると「いやいや、食べないから」とリュウセイは慌てて言葉を返す。
「だよね。流石にお相撲さんは食べないよね。えぇと今回の役割を確認しとくね」
 マリはメモを見ながら今回の役割を発表していく。
 傭兵戦隊・天、リュウセイ、シュブニグラス、ヨネモト、嵐、平野の六人。
 悪の組織・玖堂、幻堂の二人。
「んじゃ、マリちゃんは撮影してるんで頑張ってアイツを退治してね♪」
 マリは手を振りながら『傭兵戦隊』と『悪の組織』として戦いに向かう能力者達を見送ったのだった。

「明らかに暑苦しくてムサ苦しいですね‥‥出来れば相手にしたくないキメラですが、倒さないといけないと言うのが何とも‥‥嫌でも倒さなくてはなりません、傭兵として」
 天は拳を強く握り締めながら呟く。
「寒風の中如何お過ごしかな、傭兵戦隊の諸君! 今日は寒かろうと思ってピッタリの奴を連れてきてやったぞ? 存分に暖を取ると良かろう!」
 玖堂演じるコマンダー・ホークが軍服姿に赤マントを靡かせ、今回のキメラであるどすこい君を紹介する。
「冬だと言うのに力士姿、見たくもない金の褌で闊歩する悪党を俺は許さない。人それ【正義】と言う」
 リュウセイがバッと勢いよく玖堂の前に姿を現しながら叫ぶ。
「ふふ、礼儀を知らぬ若造め。名前くらい名乗ってはどうだ?」
 玖堂が含み笑いをしながら呟くと「名前? 貴様らに名乗る名はない!」と言葉を返す。
「ふふふ‥‥貴様のような若造にどすこい君が倒せるものか!」
 くくく、と玖堂が呟くと「仲間が集まれば倒せるのさ」と傭兵戦隊を演じる面々が叫びながら次々に集まっていく。
「野望を蹴散らす白銀の嵐! ストームシルバー、参上!」
 嵐が入り「竜・装!」と掛け声を上げながらAU−KVを装着していく。
「そして中華の国からやってきた正義の味方、炎の拳法使いチャイナドラゴン参上!」
 天がリュウセイ、嵐に並ぶようにポーズを取りながら玖堂と相撲キメラの前へと登場する。雑誌部分ではカットされるが、この間に玖堂が相撲キメラの攻撃を必死に避けている姿が裏話としてあった。
「また今回も凄い人が揃ったものねぇ‥‥なんだかんだ言ってノリノリだし」
 くす、とシュブニグラスは呟きながらキメラから少し離れた所で呟きながら登場する。
「そのような姿で登場して‥‥子供達が相撲嫌いになったらどうするんですかなぁ」
 ヨネモトは『刹那』を両手に持ちながら登場する、普段は穏やかなその表情もキメラを前にして少しばかり厳しいものへと変わっている。
「ふふん、何人集まろうと俺達に勝てるはずないよ」
 幻堂は前回、傭兵戦隊側で出演していたが、悪役が少ないという事で『悪の組織に捕まって洗脳された』という設定で動く事になっていた。
「おお、ぷよぷよしてる‥‥」
 幻堂は『風天の槍』で相撲キメラのお腹をツンツンしてるが、程よい弾力で直に触ったら意外と気持ち良さそうだと思ってしまう。
「敵が何人いようと無駄無駄ぁっ! 子供の夢の為に頑張るカッコイイお兄さん――ストームオリエンタルブルーが登場するんだからな!」
 平野がコートを靡かせ、輝く剣『機械剣α』を携え、爽やかスマイルに白い歯を輝かせながら登場する。
「ふん、今日の取り組みはこの俺が行司をしてやろう。何、公平さと正直に関しては組織内で定評があるのだぞ?」
 いつの間にか登場した土俵で玖堂が軍配団扇をかざしながら土俵入りしている。
「俺達は相撲をする為に来てるんじゃねぇよっ!」
 リュウセイは『【OR】プラズマウェイブ』を構えて「リュゥゥゥゥセェェェウェェェイブ!!」と叫びながら相撲キメラに攻撃を仕掛ける。
 リュウセイの攻撃を受け、相撲キメラはどすこいパンチを繰り出してくるが「此方は燃える拳だ!」と天が『二段撃』を使用して攻撃を仕掛ける。
「相撲取りなら相撲取りらしく塩を撒いてから攻撃だろうがぁっ!」と平野は用意してきた塩を相撲キメラの顔面目掛けて投げつける。彼が投げた塩は相撲キメラの目に入り、相撲キメラは顔を押さえて苦しそうに暴れまわる。
「さて、私は戦えないから頑張って頂戴ね」
 シュブニグラスは『練成強化』を使用しながら呟き、仲間達の援護を行う。
「流石に今までの野菜シリーズと強さは違うな、だが――お前の白星も此処までだ!」
 嵐は『竜の翼』を使用しながら『試作型機械剣』を振り上げて「レーザーブレード!」と叫びながら攻撃を仕掛ける。
「数人掛かりで相撲とは卑怯な! ならば此方だって‥‥」
 玖堂は軍配団扇をへし折りそうな程に強い力で握り締めながら「子供が転がったボールを追いかけて!?」と嘘を吐き始める。最初は傭兵戦隊も騙されがちだったが、後からは騙される事もなくなる。
「傭兵戦隊、流れる星のような期待の新人! 激熱! リュウセェェェフィンガァァァ!」
 リュウセイは叫びながら『激熱』で殴りつける。リュウセイによって殴られ、隙が出来た所を天が『疾風脚』を使用した『ドラゴンキック』で攻撃を仕掛けた。
 ヨネモトは相撲キメラを攻撃しかけたが幻堂がそれを阻むように前に立つ。外見も相撲キメラを真似たようなまわし姿であり、洗脳されたように見せるために演出をしていた。
 しかし覚醒をしている為にリスの尻尾などが見えており、後ろからは撮影をしているマリが飛びつこうと狙っている姿も見受けられた。
「キミはこれでも食べて大人しくしていなさい」
 シュブニグラスは持っていたお菓子を幻堂に渡して餌付けを行う。悪の組織に洗脳されたとは言ってもお菓子に釣られて裏切る程に簡単な洗脳だったらしい。
「お菓子くれたから大人しくしてるよ、それともどすこい君をツンツンした方がいい?」
 お菓子を食べながら『風天の槍』を手に持つ。シュブニグラスは幻堂を仲間に引き入れ、戦いがどうなるかを見守る。
「うおらああっ! ドラグーン・ハーレー!」
 嵐は叫びながら『竜の角』を使用して、X字に斬り裂く。続いて天が撹乱する為に『瞬天速』を使用する。
「皆さん、今がチャンスです! ジェットストリームでトドメを刺してください!」
 天が叫ぶと縦一列に並んでいた三人が首を縦に振り、それぞれ攻撃を仕掛ける。
「いざ‥‥渾身の双撃を受けていただく」
 ヨネモトはキリッと相撲キメラを睨みつけ『両断剣』『スマッシュ』『二段撃』を使用しながら攻撃を仕掛ける。
「いっくぜーぃっ!」
 ヨネモトの斬撃に合わせて『急所突き』を使用して平野は攻撃を仕掛ける、連携に入る前に関節部分を攻撃していた事もあり、相撲キメラは避ける動作が僅かに遅れる。
 その僅かな動作の遅れが致命的となり相撲キメラはヨネモト、そして平野の攻撃をまともに受けてしまう。
 ヨネモトと平野が攻撃を仕掛けている間に玖堂がリュウセイに『練成超強化』を使用しておき、準備が整ったら「とどめの! いちげきぃぃぃっ!」とリュウセイは『瞬即撃』と『紅蓮衝撃』を使用して相撲キメラに攻撃を仕掛ける。
 相撲キメラは大きな悲鳴のような唸り声を上げながら地面へと倒れ、そのまま絶命していき、傭兵戦隊は見事相撲キメラを退治したのだった。
「くっ!? 居城にて貴様等を待つ! 次はコマンダー・ホークの名にかけて勝負だ!」
 ばさり、と玖堂はマントを翻してそのまま何処かへと立ち去るふりをして、傭兵戦隊の撮影を終えたのだった。


―― 撮影終了・クイーンズ編集室にて打ち上げ ――

 能力者達は相撲キメラを倒した後、本部に報告して相撲キメラの後処理を頼み、そのまま打ち上げを行う為にクイーンズ編集室へと向かった。
「そういえば最後の敵はどうしよう‥‥」
 むぅ、とマリは頭を掻きながら次の企画を考え始めていた。
「あれ? 企画者のマリさんが最後の――むぐ」
 天が呟きかけたところでシュブニグラスが天の口を慌てて塞ぐ。
「駄目よ、チホちゃん達と相談して逆ドッキリにする予定なんだから」
 ひそひそとシュブニグラスが小さな声で天に話しかける。
「それにしても美味しいね〜♪ うん」
 リュウセイが作った中華料理を食べながらマリが呟く。
「料理なら任せろ、俺に不可能は‥‥ない!」
 お菓子好きな幻堂に作った杏仁豆腐を渡しながら言葉を返す。
「あ〜! 私も食べたいっ! 私にも杏仁豆腐っ!」
 マリが手を挙げながら「はいはいはーい!」と大きな声で叫ぶと「ちゃんと余分に作ってあるから」とリュウセイは苦笑気味に言葉を返した。
 そんなマリを見て嵐が料理を食べながら「しかし何の企画だ?」と小さな声で話しかける。
「‥‥何が〜?」
「新企画だよ‥‥またロクでもない企画なんじゃないだろうな‥‥?」
 嵐が問いかけると『にや〜〜』と不気味な笑みを浮かべて「教えてあげないよ」と言葉を返した。
「あ! もふもふっ!」
 そろりと帰ろうとしている幻堂の姿を見つけ「もふらせろーーー!」と鬼の形相で追いかけてくる。
「うわ」
 慌てて逃げようと幻堂は編集室内を走るがシュブニグラスに捕まり、簡単にマリの元へと連れて行かれる。
 そして強制的に覚醒させられてシュブニグラスとマリの二人にもふられていた。
「あ、そっちの料理も貰っていいですか?」
 クイーンズ記者のチホに『マリがお馬鹿な大幹部』をするという内容を伝え、平野はテーブルにずらりと並べられた料理や飲み物を飲み食いしていたのだった。


―― 傭兵戦隊・新刊発売 ――

 こんにちは、クイーンズ記者の土浦 真里です。
 今回も能力者の皆さんのご協力の下、傭兵戦隊の雑誌を刊行する為にキメラ退治を行っていただきました。
 残念ながら次回で傭兵戦隊は終わりとさせていただきますが、不定期に『傭兵戦隊』として雑誌を出して行きたいと考えています。
 次回で傭兵戦隊は暫定的に最終回、どうぞ最後まで皆様お付き合い下さいませ。

※出演者
 ・天・明星
 ・玖堂 鷹秀
 ・リュウセイ
 ・シュブニグラス
 ・ヨネモトタケシ
 ・嵐 一人
 ・幻堂 響太
 ・平野 等

※撮影・監修
 ・土浦 真里


END