タイトル:傭兵戦隊 VS Pマンマスター:水貴透子

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/12/02 01:17

●オープニング本文


今回のキメラは人参同様にちびっ子が嫌いなナンバー3に入るピーマン型キメラ!

素直に退治するもよし、退治した後に食べるもよし!

能力者の皆、頑張って『特撮っぽく』キメラを退治してね♪

※※※

「ちょっと、いい加減停滞している『傭兵戦隊』の企画は考えたの?」

自分の机に肘をつきながらペンで紙に落書きばかりをしているクイーンズ記者・土浦 真里に、同じく記者であるチホがため息混じりに問いかける。

「うん、そこにあるよ」

視線は動かさずにマリはペンで企画書を指す。確かにそこには『傭兵戦隊』と書かれた企画書が置いてある。

マリは少し前に出張に行った北海道で、バグア側の少女と出会った事をキッカケに指名手配されているバグア側の一員などを調べていた。

「‥‥私は全然バグアのことなんて知らなかったんだなぁ‥‥」

その中には確りと出会った少女もリストに入っていて、この前の事が夢ではないという事を思い知らされた。

「あのさ、何がそんなにショックだったの?」

チホが問いかけると「‥‥今までは会話するキメラと会った事なかったもん」とマリは俯きながら言葉を返す。

つまり、自分と何ら変わらないように見えた少女が敵だと言う事実にショックを受けたのだろう。

「‥‥‥‥あの、さ。キメラまでは許すけど、その指名手配されてる人を探そうとか思わないでね。命が幾つあっても足りないわよ」

チホの言葉にマリは言葉を返すことなく、自分で書いた企画書の確認を行い始めたのだった。


―――

傭兵戦隊たちよ!

今度こそ、今度こそ、お前達を根絶やしにする下僕を連れてきたぞ!

その名もPマン!

ちびっこの嫌いな食べ物の一つでもあり、巨大な身体はお前達を押しつぶすだろう!

ははははは、今度こそお前達も終わりだ!


あくのそしきかんぶより。
――

●参加者一覧

天・明星(ga2984
13歳・♂・PN
玖堂 鷹秀(ga5346
27歳・♂・ER
桜塚杜 菊花(ga8970
26歳・♀・EL
美空(gb1906
13歳・♀・HD
ヨグ=ニグラス(gb1949
15歳・♂・HD
嵐 一人(gb1968
18歳・♂・HD
姫咲 翼(gb2014
19歳・♂・DG
幻堂 響太(gb3712
19歳・♂・BM

●リプレイ本文

〜Pマンを倒す為に集まった傭兵戦隊〜

「ども! 今回は宜しくね」
 クイーンズ記者・土浦 真里(gz0004)が軽く手を挙げながら『傭兵戦隊』として集まってくれた能力者達に挨拶をする。
「巨大なピーマンキメラというものもいるんですね! 好き嫌いはいけません、僕が美味しく調理します!」
 料理人としての腕が疼くのか天・明星(ga2984)は拳を強く握り締めながら呟いた。
「今回も食材キメラか、食べ物を何だと思っているのかしらね!」
 桜塚杜 菊花(ga8970)がキメラ情報が書かれている資料を見ながらため息混じりに呟く。
「僕は村人Aで行くです、感情篭ってない台詞を言うのです」
 プリンを食べながらヨグ=ニグラス(gb1949)が呟き、隣でどんよりと膝をつきながら落ち込んでいる二人に気がついた。
「ど‥‥どうして俺はまたこの仕事を受けちまっているんだ‥‥!? しかも今回はやけに顔見知り多いし‥‥」
 嵐 一人(gb1968)は周りの能力者達を見ながらため息混じりに呟く。
「お前は自分で来たんだろ? まだいいじゃないか‥‥俺なんて何故か『傭兵戦隊』のキャストに名前が載っていたんだぜ?」
 姫咲 翼(gb2014)も嵐と同じように肩を落としながら呟く。
「またあの呼び方をされるの――「あらしん、お久しぶり♪」――はぁ」
 嵐は『あの呼び方』で呼ばれ、再びため息を吐く。
「今回の相手はピーマンかぁ、肉詰め大好き。でも大量のお肉必要だな〜」
 少し残念そうに幻堂 響太(gb3712)が呟く。
「美空(gb1906)の大好物はピーマン抜きのチンジャオロース♪」
 美空の言葉に「それじゃ意味がないんじゃ‥‥」と玖堂 鷹秀(ga5346)がさりげなくツッコミを入れるが「それは言いっこなし」と美空は言葉を返した。
「そんじゃ、傭兵戦隊出発〜」
 マリが手を挙げながら叫ぶと、彼女と同じようにノリ気な者、生ける屍と化しながら「ぉー‥‥」と生気のない声で答えるものと様々だった。


〜手足の生えたPマン、これって本当に野菜なの? 〜

 今回のPマンは外見こそふざけた格好だが、潜んでいる場所が町の中という事もあり、戦闘を行う際には何処か広い場所に誘導しなければならなかった。
 そこでヨグが『村人A』という配役に付き、Pマンに追いかけられる善良な一般人を装い、Pマンを広い場所に誘導する事になったのだ。
「あたし達はいつも通り『あくのそしきかんぶ』を演じるわね」
 桜塚杜の言葉に「そうですね」と玖堂も言葉を返す。桜塚杜はマスター・李、玖堂はコマンダー・ホークというPマンをけしかけた悪者側を演じる。
「確か、この先に空き地があった筈だから、そこに誘導すればいいんじゃないかな?」
 マリが地図を見ながらヨグに話しかけると「了解なのです」とヨグは言葉を返した。
「そんじゃ、私は頑張って撮影するから、皆も頑張ってPマン倒してね♪」
 マリが呟き、Pマン撲滅大作戦は開始し始めたのだった‥‥。

※作戦開始・現れた『あくのそしきかんぶ』※
「嫌いなものをそのまま出すから偏食は直らんと思うのだ、例えばハンバーグなら細かく刻んで出す、カレーならすり下ろして混ぜる等なるべく感じさせないよう工夫すべきであろう!」
 玖堂演じるコマンダー・ホークはPマンを見ながら不敵に笑みながら言葉を続ける。
「しかし! このPマンの持つ苦みは小細工でどうなるものでは無い! 大人とはいえ相当きついぞ!」
 けたたましく笑いながら「フフフ‥‥今度こそ傭兵戦隊の最後を拝めそうね」と桜塚杜演じるマスター・李も不敵に笑んだ。
「アーPマンだーにげろー」
 果てしなく棒読みでヨグはPマンに気づかれる程に大きな声で叫び「にげろー」とぎこちなく逃げていく。
「はははははっ! 早速ちびっ子の野菜嫌いを促進させて栄養を偏らせてくれるわ!」
 玖堂は「行けぃ、Pマン!」と命令するかのようにヨグを指差すが、いくら可笑しい外見でもキメラなのだから言う事を聞いてくれる筈もなく、くるりと玖堂と桜塚杜の方を向き、二人に襲い掛かろうとした。
「なっ、馬鹿者! コッチに来るな! あっちに行け!」
「な‥‥何でコッチに来るのよ! 何とかしなさいよ! アンタが見つけてきたんでしょ!」
 キメラに襲われる状況下の中でも『あくのそしきかんぶ』として動いてくれる二人に「おぉ‥‥」とマリは尊敬の眼差しを送っていた。
 しかし万が一の時の為に隠れていた能力者達のおかげで、Pマンは予定通りヨグを追いかける事となった。

※空き地にて、傭兵戦隊出陣※
「わーわーきゃーきゃー、たーすーけーてー」
 ヨグの果てしない棒読み悲鳴が空き地に響き渡り「待て!」と嵐演じるストームシルバーがヨグとPマンの間に入る。
「出やがったなP「わー! カッコイイのです!」これ以上お「早く倒してください!」‥‥ちょっと待てよ?」
 Pマンに『待て』の合図をしながら「俺に喋らせろ!」と騒ぐヨグに注意を促した後に「出やがったなPマン!」と最初から台詞を言い始めた。
「これ以上お前の好きにはさせないぜ!」
 彼が喋っている間に他の傭兵戦隊も到着した。
「炎の料理人! チャイナ・ドラゴン参上!」
 天が叫ぶと「Pマンの邪魔はさせないわよ」と天の前に桜塚杜が鞭を構えて立ちはだかる。
「マスター・李‥‥勝負だ!」
 天は『ディガイア』を構え、桜塚杜との戦闘に入る。
「往生せいやー、ベイビーなのでありますよ〜」
 セーラースカイブルー役の美空は自分の身の丈以上の武器『大口径ガトリング砲』をPマンに向けながら叫ぶ。
 ちなみにこの武器は(傭兵戦隊の設定的に)全員の力を合わせないと機動しないというものだった。
「くくく‥‥私たちも甘く見られたものだ! 最近は失敗が多いけど! 失敗ばかりで上司に怒られてるけど! これでも『かんぶ』の一人なのでな――邪魔はさせんぞ」
 玖堂が『カプロイア伯爵のマント』を翻しながら能力者達改め傭兵戦隊の前に立ちはだかる。
「ふん、それならば俺も参上してやろう」
「誰だ!」
 玖堂が叫ぶと姫咲演じるライト・ダークネスが現れる。
「俺の名はライト・ダークネス。傭兵戦隊、助太刀してやる、ありがたく思え、そしてその気持ちをチョコレートの量にして俺に献上しろ」
 最初はカッコイイ台詞だったのだが、来年のチョコを心配している辺りが謎だらけである。
「さて、Pマンなんて俺がツンツンしてやるもんね」
 幻堂演じるクリアは『風天の槍』をPマンに向けながら呟く。
 こうして、傭兵戦隊VSあくのそしきかんぶ&Pマンの戦闘は始まった。

※チャイナ・ドラゴンVSマスター・李※
「ふはははははっ! 今度こそ貴様等に引導を渡してくれるわ!」
 桜塚杜は鞭を振るいながら天に攻撃を仕掛けるが『瞬天速』を使用して攻撃を避ける。そして隙を見て攻撃を仕掛けようとするが、中々攻撃に至らない。
 もちろん彼女は『仲間』であるので本当に攻撃を行う事はしないけれど。
「この後、Pマンの調理という仕事が残ってましてね、そろそろ貴女には退場願います」
 天は呟くと、桜塚杜に攻撃(するふり)を行い、マスター・李との戦闘を終えたのだった。

※傭兵戦隊 VS Pマン&コマンダー・ホーク※
「どどーん! すばしゃー! あうちっ!」
 ヨグは口で効果音を入れながら傭兵戦隊の戦いを見ていた。しかしここで彼に突っ込んではいけない。これは雑誌になるのだから効果音は無意味だという事を。
「竜・装!」
 嵐はポーズを決めながらAU−KVを装着して、Pマンに攻撃を仕掛ける。
「貴様のような輩に俺が倒せると思うか? 思わないだろう?」
 姫咲は『蛍火』と『夜刀神』を構え、攻撃を行いながら呟く。
「せぇーのっ!」
 幻堂も『ディガイア』でツンツンするべく、攻撃を行う。その際に『獣の皮膚』を使用して攻撃を受けても良いように防御力を強化する。
 しかし彼は『Pマンをツンツン』と言っていたが、現在の様子を見るとツンツンではなくブスブスかグサグサにしか見えないのが不思議なところである。
「うわっ!」
 幻堂は演出的にPマンの攻撃を受けた後に『瞬速縮地』を使用してPマンを翻弄するかのように動き回り『真音獣斬』を使用してPマンを派手に飛ばす。
 そこへマスター・李との戦闘を終えた天が合流して「良い子の皆に食べてもらう為に倒します、覚悟!」とPマンに向かって叫んだ。
「ピーマンは調理次第では美味しい食べ物なんですからね!」
 天は『ディガイア』を構えながら叫び『瞬天速』を使用してPマンの足元を攻撃した後に『疾風脚』を使用する。
 そして天に攻撃された事でグラついたPマンを嵐が「レーザーブレイド!」と叫びながら『試作型機械剣』で攻撃を行う。
「そろそろフラフラになってきたみたいだね」
 幻堂は『風天の槍』で攻撃を行いながら呟く、そこで撮影を行っていたマリが気がついたこと。
「‥‥‥‥もふ」
 しかし、Pマンとの戦闘を行っている能力者達に聞こえるはずもなかった。
「よし! チャンスだ!」
 嵐が叫び「行け! 傭兵戦隊!」と姫咲も叫ぶと「待ってましたなのですよ!」と美空が言葉を返し『大口径ガトリング砲』を準備する。
 美空が準備をし始めたのを見ると、傭兵戦隊達は彼女のところまでさがり、それぞれが持つ強化パーツを『大口径ガトリング砲』に装着する。
 そして全員で技名を叫びながら、Pマンを撃破したのだった――‥‥。
「そんな――‥‥」
 Pマンが倒れたのを見て桜塚杜がガクリと膝をつく。
「立て! 立つんだ!!!」
 地面をバシバシと叩きながら玖堂が叫ぶが、すでにPマンは戦闘続行は不能となっていた。
「フッ‥‥やはり正義にはかなわない‥‥の‥‥ね‥‥」
 桜塚杜はバタリと倒れ、そのままスモークの中で『あくのそしきかんぶ』としても終わっていったのだった。
「マスター・李‥‥クッ、これで終わったと思うな。我が『あくのそしき』では更なる兵器が開発されているのだからな! Pマンなんぞ倒させてやるわ!」
 玖堂は捨て台詞を言うと、そのまま姿を消した‥‥。
「わーいわーい、正義は必ず勝つですよー!」
 ヨグは棒読みで叫びながら『照明銃』を傭兵戦隊の背後に撃って格好いい演出を行う。
「もう一回いくですよー!」
 ヨグはそういって『照明銃』を再び撃ちあげようとしたが「あ」と呟く。
「どうしたですか〜? 何か「あ」って聞こえたのですよ〜?」
 美空が問いかけると同時に強烈な閃光と音が能力者達を襲う。
「え、えへ‥‥『照明銃』と間違えて『閃光手榴弾』を投げてしまったですよ〜」
 どうしたら間違うんだろうか、能力者達は反論したかったのだが、今はツッコミどころではないのか誰も反論する者はいなかった。


〜お楽しみのお料理タイム〜

「大きいピーマンですね。この際見えている手足はスルーしましょう」
 天は手足を見ないようにしながらピーマンに包丁を入れていく。
「‥‥流石にPマンを千切りは難しそうですね――でも頑張ります!」
 天は呟きながらPマンを千切りにしていく。大きなピーマンという事もあり天は千切りに苦労していたが、何とか終えて下ごしらえしてきたタケノコと肉、それに人参を加えて中華鍋で炒めて味付けをしていく。
 料理が終わる頃にはチンジャオロースの良い匂いが辺りに立ち込めていた。
「うわー、美味しそうなのですー」
 ヨグが鍋を見ながら呟くと「美味しそう〜、ピーマン抜きで食べたいのですよー」と美空も言葉を返すように呟いた。
「はい、これ真里の分よ」
 調理が終わり、能力者達に皿が行き渡ると桜塚杜がマリに皿を差し出しながら話しかける。
「オツカレ様〜♪ 楽しかったね〜☆」
「うん、ありがとう」
 マリが皿を受け取ると「ヨグが何か真里が元気ないって心配してたわよ?」と話しかけてきた。
「ふふ、今日は控えめなマリちゃんを演じてみたのよ〜」
 マリが笑って言葉を返すと「そう? これから編集でしょ? 頑張って♪」と桜塚杜が笑顔で答える。
「あ、あらしんと姫若、お疲れ〜。やっぱりノリってたじゃん」
 目の前で食べる二人に話しかけ「‥‥姫若?」と姫咲が眉間に皺を寄せながら呟く。
「し、仕事でやってるんだ! ガキの頃から大好きだったとか、ないからな!?」
 嵐の言葉に「へぇ、子供の頃から特撮が好きだったのね」とマリが不敵な笑みを浮かべながら言葉を返す。
「ち、違うって言ってんだろ!」
「何で俺が『姫若』って呼ばれるんだ?」
 姫咲が嵐を押しのけてズイとマリに問いかけると「え、姫って呼ばれるのはイヤなんでしょ?」ときょとんとした顔でマリが言葉を返してくる。
「だから『若』をつけたんだけど‥‥あ、もしかして『姫坊』が良かった?」
 ごめんね、姫坊と謝ってくるマリに姫咲は疲れが押し寄せてくるのを感じて、頭を押さえた。
「諦めろ、俺もあんな感じで『あらしん』なんだから」
 そして二人は最初と同じように盛大なため息を吐いたのだった。
「そして! きょうたん! ちょっとこっちにいらっしゃい!」
 マリがビシッと指差しながら幻堂を呼ぶと「は、はい!?」と目を瞬かせながらマリへと近寄る。
「‥‥‥‥もふもふ」
「――――――は?」
「リス、もふもふ、マリちゃんの癒し!」
 何故か単語で叫びマリに抱きつかれ「うわわわっ」と周りに助けを求めるように手を伸ばすが、助けた自分に矛先が向かってくるのが分かっていたので誰も助けない。
 それを見ていた玖堂は表情こそ笑顔だったが「べき」と持っていた箸を折っている姿が見受けられた。
「うーん‥‥こういう仕事なら沢山お友達作れそうですけど‥‥本部依頼の何を見てるですかね! もう!」
 また本屋で教える必要があるかもです、ヨグはもぐもぐと食べながら独り言のように呟く。
 そして撃沈している二人がヨグにからかわれるのはこれより数分後の話‥‥。


 読者の皆様、クイーンズ記者の土浦真里です。
 今回の傭兵戦隊はいかがでしたか? 最近は食べ物ばかりだったので、次はもうちょっとシリアスなキメラを見つけたいと思います。
 最も、キメラなんて見つからない方がいいんですけどね!
 それじゃ、読者の皆様の為にこれからも爆進していくんで宜しく!

 編集・撮影 土浦 真里

 協力者(敬称略)
※天・明星
※玖堂鷹秀
※桜塚杜・菊花
※美空
※ヨグ=ニグラス
※嵐 一人
※姫咲 翼
※幻堂 響太


END