●リプレイ本文
●始まり(人類側)
この最終決戦に集まってくれた部隊の中で最新鋭の人間は21名。
その中でもさらに12人のコード持ちがいる。
その内11名の事を『バクアオブラウンズ』と言う。
高度を、『ラストホープ島』と同じにして1km離れた所で全員が配置につき‥ある人物の言葉を待った。
通信傍受される覚悟で、全員が通信を合わせる
「争い奪い獲得せよ!その果てに未来がある!! オールハイルバグアニアッッ!!」
「「「オールハイル・バグアニア!」」」
それは這いよる秩序(
ga4737)‥コードネーム『皇帝』
「諸君、我々は追い詰められている。ゆえに我々人類は能力者どものラストホープへと侵攻を開始する。この作戦は非常に危険であり、生還の可能性は限りなく少ない。しかし誰かがやらねばならぬ。ならば我々がやらねばならぬ!愛しい者、守りたい者を守るために!オールハイル!バグアニア!」
「「「オールハイル・バグアニア!」」」
続いて、緑川 安則(
ga0157)‥通称『バクアオブラウンズ1」が高々に叫び、聞いているものを鼓舞する。
ラウンズは1〜10まであり、噂では0もあると言われているが‥定かでは無い。
順番にラウンズ達の演説が始まり、新条 拓那(
ga1294)‥『ラウンズ6』の番になる。
「しかしまぁ、良くこれだけの顔ぶれが集まったなぁ。
指折りのエースが揃ってるんだ。どんな堅固な要塞でも絶対に陥とせるよ。
ひとつ、ブチかましてやろうじゃないか!」
それは、新条の純粋な想い。
そして全ラウンズの言葉が終わり‥。
「これより全軍作戦を開始する!!」
「イエス・マイ・コマンダー」
全人類の想いを乗せ、全軍『ラストポープ』に向け滑走する。
(傭兵側)
「人類側が攻めてきただと?‥やはりな‥能力者全員に告げる!敵は最後の攻勢にでた。全力で!こんな反攻作戦など許すな!」
ある人物からの情報により、人類側の最終作戦は筒抜けだった。
だからここに残っている戦力は、ある一部以外、KVに乗って待機している。
共通通信でカルマ・シュタット(
ga6302)‥能力者側指揮官‥全身黒で統一し、顔も黒いファントムマスクを付けていた‥男が号令を発する。
その傍らにはルーシー・クリムゾン(
gb1439) ‥参謀兼司令官補佐が居て、通信や作戦指示等を一手に担っている。
「突撃部隊は出発してください。市街地部隊は一般人をシェルターに誘導が所定の位置に待機‥‥‥皆さんの語武運を祈ります。」
両軍が‥‥最終終着駅『ラストポープ』を巡り、今まさに激突しようとしていた
●空戦
傭兵側で、最初に人類側の前に現れたのは‥。
「我が名はアーシュ! 恐怖の魔王アーシュ・シュターシュ(
ga8745)よ!」
アーシュで、相手の通信に合わせ名乗りをあげる。
だが‥。
直に、漸 王零(
ga2930) が搭乗する機体、それの下降部にあるガドリング砲を放つ。
「ふふっ、私を倒したぐらいで‥‥これで勝ったと、思うなよぉぉぉぉぉっ!!」
と、断末魔を残し、あえなく被弾し‥爆破する。
えてして、ホームとアウェイとではホームの方が断然有利である。
それは何故か?
地の利、そこでつち重ねた経験値、ありとあらゆる事を想定した訓練‥何もかもが人類側にとって不利なものばかり。
アーシュが自らを犠牲して作ったのは時間。
あのままKVを全速力で突進していたら破られていたであろう、その時間で、空の陣形は完了し、『ラストポープ』に到達するのを困難にさせる。
加えて、攻撃範囲内によるとKV空戦用攻撃部隊が人類側のKVを襲うが‥回避行動のみで攻撃できない。
何故なら攻撃したらその隙で、逆に傭兵側の防御部隊に攻撃されるからである。
「各自散開せよ!」
這いよる秩序はこう言う場合も考え、次の作戦に移る。
人類側の誰かが防衛部隊の一角を崩せば上陸できると。
榊 兵衛(
ga0388)は散開した人類側の敵を追い、一人の敵と対峙する。
コックピット越しに、敵の姿は確認できなかったが、女と言う事は分かる。
(「女を殺すのはためらわれる。恋人もいたが、理想の為それを捨て、LHに赴いた。今でも彼女の事は愛している」)
女‥クラリッサ・メディスン(
ga0853) は能力者側の一人の敵と対峙していた。
だが、一つ違う点は、相手は誰だが分かっている。
「ここで決着をつけます」
空戦の場合、背後を取った者が有利とされる。
背後を見せないよう、両者とも回避しながら高分子レーザー砲とガトリング砲を間髪いれず放ち、互いを牽制する。
「我らが理想の実現の為、此処で退く訳には行かぬ。おとなしく墜ちてもらおうか」
埒があかないとみるや、榊は多少の損傷覚悟で女の機体、ワイバーンに向け突進する。
ロケットランチャー発射スイッチを押そうとする手が止まる‥‥まるで金縛りに合ったかの様に。
(「ごめん、皆」)
結局クラリッサには榊を落とす事はできない。
(「もらったー‥そう言う事か‥髪って者は居ないのか‥って俺についている訳はないか」)
両者の距離が数mまで近づき榊も対峙している人物は誰だが分かった。
(「地獄に堕ちるのなら共に逝きましょうね」)
迷わず両者が爆破スイッチを押す。
((「「愛して(ますわ)る。今も変わる事はなく。だから、生まれ変わったら‥もう一度‥」」))
漸とラウンズ6の終夜・無月(
ga3084) ‥は連携し、背後を無くし、次々と敵を倒してゆく‥だが、それらはエース機では無い。
そんな時、能力者側のベル(
ga0924)は、ある人物を見つけ、直さまそちらに向かう。
「‥‥来ると思ってましたよ‥無月さん‥」
攻撃をするかどうか問う漸に、終夜は、1人で闘う事を告げ、漸は黙って引き下がる‥ そこに何かしらの決意を感じながら。
「戦おうか‥手加減はしないよ」
最初に攻撃を当てたのは、終夜の方だった。
ブースターにより、格段に高くなった回避力で、ベルの攻撃を回避する事に成功し、その隙を点いて機体用ハンドガンで徐々に装甲を削る。
「当たれ!」
焦るベルの機体は微妙に揺れていて、徐々に正確性を失っていく。
それを尻目に終夜は冷静に機体をコントロールし‥。
(「これで終わりだね」)
ベルは終夜の機体を見失う。
(「まさか‥」)
コックピットから上を見ると陸型に変形し、剣を持った終夜の機体が‥。
「‥やっぱり‥強いですね‥無月さんは‥‥でも」
含み笑いをしてベルは眼を閉じる。
深々と剣を突き刺されたベルの機体は爆破して、終夜は爆破する前に、近くに居た、漸の機体に飛び乗った。
(「行こうか」)
空戦では人類側の方が押し気味に進めていて、上陸は時間の問題。
だが、カルマは笑っていた。
「そろそろだな」
カルマは目配せし、ルーシーは頷く。
「“絶望の序曲?を開始してください」
「了解」
そういった人物は愉快そうな声だった。
●背後からの奇襲
空戦が起こっている人類側の最後部より少し後ろの、さらに遥か下の海から、ジャマーをかけ探索不能にした、潜水艦が姿を現し、起動音と共に、潜水艦が真っ二つに分かれ、中から現れたのは、クラーク・エアハルト(
ga4961)、神無月 ルナ(
ga9580)、人工知能型無人機2体。
「神無月、奴等に教えてやろう」
(「やつらと俺らの違いを‥命の代価として」)
「うふふふ、楽しみですわね」
奇襲部隊はそこから飛びたった‥人類側に災厄を齎しに。
人類側の伊藤 毅(
ga2610)、三枝 雄二(
ga9107)、ジェームス・ハーグマン(
gb2077)の三人は皇帝の機体の近くで、皇帝を守りつつ、連携して敵を撃破していた。
「ヌゥーハッハッハッハァ〜〜! どうした傭兵共。 全軍悪の島『ラストホープ』に上陸せよ」
「「「「イエス・マイ・コマンダー」」」」
伊藤は、猛烈にやな予感がした。
それはあのときに良く似た‥。
陣形が前屈みになっていて、最後尾の這いよる秩序や伊藤達との距離は開いている。
(「いるのか‥あいつが」)
「ドラゴンリーダーより各機、きよ」
言い終わる前に背後から轟音がなり、仲間の機体が次々と撃退されている。
「ドラゴン2‥あれは!?」
ドラゴン部隊全員が、ある機体のエンブレムを知っていた。
「やはり貴様か、クラーク・エアハルト!」
伊藤の怒号が。
「エアハルト中佐!? そんな、戦死したはずじゃ!?」
三枝の驚きが。
「まさか、隊長の言ってた、裏切り者の親友って‥」
3人に視線を浴びたクラークが悪魔の様に笑う。
「戦いというものを教えてあげますよ‥上陸しようとする皆さんにもね」
●上陸の代償
背後から音が鳴ったが、自分達の目的は『ラストホープ島』の破壊。
皇帝の事は防衛部隊に任せ、傭兵側の防衛部隊を崩さんとする人類側の面々。
防衛部隊の赤村菜桜(
ga5494)は、スナイパーライフルで、敵が突破しないよう必死で 防衛している。
「ここから先は、何人たりとも通しません!」
しかし、相手が一気に攻勢に出た為、突破されるのも時間の問題となっていた。
「援護お願いします!」
祈るような気持ちで通信したが誰もが必死で、援護所では無い。
周りは次々と人類側によって撃墜され。
「同じ翼でも、鋭さが違う!!」
突進して来た、ラウンズ5、井出 一真(
ga6977) の鋭利な翼によって、右翼部分など機体を半壊し。
「ここで終わりですか‥」
操縦不能に陥り、人類側の銃撃によって、爆破する。
緑川、漸、終夜等の部隊が続々と防衛を突破し‥戦慄する。
まるで全てを見透かされたように、「ラストホープ島」から大量の人工知能型機体が『ラストホープ』から飛行し、こちらに向かって飛び、ミサイルを発射して来た。
精鋭達は、俊敏な操作で何とかかわした者の、突破した一般部隊の半数が打ち落とされ、残りはラストホープの下から行こうとした。
「まて、お前ら」
「君達、そっちに行っては‥」
漸や、戦闘員Aのレティ・クリムゾン(
ga8679)‥等の静止も聞かずに。
ラストホープ下降部には、対空砲が設置されていて、セタンタ・マクリール(
gb0363)達数名が下に来る敵を狙っていた。
「‥くそ! 人類め‥無駄に足掻きやがって!!」
狙いを定め、撃ち‥人類側の機体を次々と撃破して行く。
「焦らせやがって!」
「全力攻撃! 野望と一緒に沈めぇっ!」
市街地の奥に動力炉らしき建物を確認した新条は、仲間からの生死の声も聞かず。被弾しながらも攻撃網を掻い潜り、右手で操縦管を倒し、動力炉まで‥無謀な突撃をする。
左手はお守りを握っていた。
人類側にとって、状況は悪化の一途を辿っている。
「バグズオブツー、イスル・シュガー(
gb0925)より各員、支援射撃に入ります。‥一応いっておくけど、当たらないでね」
「バグアオブラウンズ4のソード(
ga6675) です。空と地上を素敵な色に染めてあげましょう」
イスルやソードが後方から的確に敵機を撃ち落としているが、数が多すぎるため何体かはすり抜けられている。
それは突撃部隊も同じで、倒しても倒しても、きりが無い。
「皆後退せよ。バグズオブラウンズNo3、フジータ・アヤコ‥藤田 あやこ(
ga0204) だ。裁きを受けよ。」
前衛が撤退したのを見計らい、敵機の上空を飛び。
「いでよ『ガラポーン』」
下に投下したのは螺旋ミサイル。
それが見る見るうちにとげとげとなり、敵機にコックピットに刺さり。
「『ガラポーン』よ、バグ亜菌を撒き散らせ」
これは藤他が作った生物兵器で、触手から出る細菌に寄生されると、人類側に服従する。
それは機械でも例外では無い‥だが。
その代償は高く、寄生されていない敵機の集中射撃に合い。
「やな感じぃ〜」
と言い残し、どくろマークに爆発する。
「今がチャンスだ。行くぞ」
そして‥降下を始めた。
●空戦(最終決着)
えてして戦場では頭に血が昇った方が負ける。
いつも通り、ドラゴン部隊3人で連携して奇襲部隊を殲滅する選択肢もあった‥だが。
「裏切り者め!よくも」
『雄二、後を頼む。僕は、あいつと決着を付けなけりゃ、ならないからね』と言い残し、対峙する。
だが、性能差は歴然で、冷静さを失って伊藤には
「そろそろ、退場して貰うか」
クラークの機体からホーミングミサイルが発射され、伊藤の機体に直撃する。
「やはり、ここまで性能差が開いていては、どうにもならないか‥ごめん、みんな、いま、そっちに‥‥」
憎しみから解き放たれ、伊藤の最後は安らかな顔だった。
「そんな、先輩が、おとされた‥くそ! 自分だけ姐さんのとこ逝って、楽しようなんて、虫が良すぎるっすよ! エアハルト中佐覚悟!」
「うふふ、貴方も死ぬんですよ」
三枝はクラークに気を取られて、背後に移動した神無月に気付かず。
無常にも神無月の機体からレーザーとホーミングミサイルが発射し。
「‥くっ」
気付いたときには、回避不可能な距離に。
(「すいません‥先輩の仇‥後は頼むぞジェームス」)
ラストホープ突入部隊以外の最後方に残っていた部隊は挟み撃ちにされ、残す所、這いよる秩序とジェームスのみとなった。
しかも機体は既にぼろぼろで、今‥囲まれている。
「はは、電装系がイかれてる、イジェクションシートも、だめそうだ‥ごめんマチルダ、約束、守れそうにないよ‥‥」
「愚かが‥‥。例え我を滅ぼしたとて、もう一人の皇帝が表に現れるのみ。そうであろう? ラウンズ0、いやもう一人の皇帝よ! 今我が倒れたということは、我が優れなかった証に過ぎん! 後ろを振り返るな! 前へ進め!」
「島の防衛も残っていますので、そろそろ幕を降ろさせていただきます」
「全機発射‥うふふ」
空戦は傭兵側の勝利となり‥舞台はラストホープ島へと移行する。
●待ち受けていたもの(上陸編)
「俺と終夜が先陣を切る。皆の者続け」」
そう、ラウンズ0、真の皇帝‥裏皇帝は漸の事。
「天駆で行くぞ」
「了解」
漸の機体の上に人型のまま終夜は乗り降下する。
傭兵側の第一陣より少ない、第二陣無人部隊を天駆で駆る。
天駆とは遠距離の場合は漸の機体がガトリング砲を終夜が、ぶれないよう右肩部にハン ドガンの後部を固定し、接近時は漸の鋭利な翼と、左手部に持った剣で破壊する。
一歩後ろには緑川と鹿島の雷電強襲部隊とレティ、戦闘員C篠原 悠(
ga1826)、ラウンズ8砕牙 九朗(
ga7366)の連携部隊等、さらに後ろにソードやイスルの支援部隊が次々と『ラストホープ島』に上陸する。
「3手に分かれるぞ」
陸上形態に以降後。
1班、漸(0)、終夜(?)、ソード(?)、井出(?)。
2班、緑川(?)、レティ(戦闘員A)、篠原(戦闘員C)、伊河 凛(
ga3175)、砕牙(?)、鹿嶋 悠(
gb1333)(?)。
3班 ユーリ・ヴェルトライゼン(
ga8751)(戦闘員B)、若林聖(
ga5542)、ディアラ・D・ダロル(
ga5889)、八神零(
ga7992) 、 櫻小路・あやめ(
ga8899) (?)、イスル(?)。
に分かれて、慎重に前進しながら各自移動した。
「来たか」
まるで予想していたようにカルマは呟く。
「予想通りですね」
カルマの考えを見透かしたかの様にルーシーは同意する。
「第二作戦に移行しろ」
ルーシーは頷き、二つの回線を開く。
「敵がラストホープに上陸。各戦闘員はプランAに従って行動してください。」
「了解! あっ今度お茶でも」
「却下です」
早々に返事が帰ってきたのは、広場近くで待機している 須佐 武流(
ga1461) 。
ルーシーはばっさりと切り捨て、市街地部隊の返答を待つ。
「市街地部隊了解した。安心しろ、住民は残らずシェルターに避難した。」
「迅速な対応ありがとう御座います」
気掛かりの一つが消えた事にルーシーは安堵する。
「どうでるかな人類側の諸君」
カルマは、モニターを凝視していた。
1班が中央広場に到達する。
「やはり相手の位置はわから無いか」
今の今まで、ラストホープに降り立ってから、こちらの探知装置に敵機がかかった事はなく、漸は内心良毒づく。
「大丈夫だよ漸」
「大丈夫ですよ。相手よりも早く撃ちますから。
「そうだぜ、大丈夫だ!」
「ああ‥」
と言いながらも猛烈に胸騒ぎがしていた。
頭部を絶え間なく動かし、周りに以上が無いか、絶え間なく確認し、歩を進める。
中央広場の中央付近まで来た時‥胸騒ぎが現実のものとなる。
森の中が大きく裂け、変わりに人類側の機体を囲むようにして、4つの機体が姿を現す。
「見つけたぞ!」
「血は滾ってきちゃったじゃないか〜この責任とってもらうからね〜?」
「お姉ちゃん、私も〜」
「晩飯前には終わらせたいですね」
須佐、エレナ・クルック(
ga4247) 、キョーコ・クルック(
ga4770)、立浪 光佑(
gb2422)
は囲みながら、一斉射撃し、人類側に先制攻撃する。
人類側の4機は盾でガードして、1対1の勝負に持ち込む。
須佐はラウンズ5井出と戦っていた。
「なかなかの機体に乗っているようだが、俺に苦戦しているようではな! 命を懸けて来たんだろう?ならそれだけの価値を見せてみろ!」
井出の四速歩行型ロボットも速いのだが、須佐の機体は、運動性能で井出の機体をうわまわっていた。
井出の攻撃はことこどくかわされ、須佐の攻撃で、損傷が蓄積される。
(「尻尾を埋め込みさえできれば」)
だが近づくと右手部に握られている剣で斬られ、離れると左手部に装備されているレーザー砲の餌食となる。
(「チャンスは一回のみだ!」)
獣が雄叫びをあげるが如く、咆哮し、今までより素早いスピードで井出機は突進する。
(「面白い」)
須佐もまたその勝負に受けて立つ。
30m離れていた両機は、一瞬にして零になり。
(今だ!)
井出は尻尾を須佐機のコックピット目掛けて攻撃を仕掛ける。
だが、須佐はそれを見切り、右に反転してかわし、右手部から両手で井出の機体をぶったぎる。
「‥‥」
井出は思いびとの名を口にし‥井出機は爆破した。
森の中に潜み、銃撃戦を繰り広げているのは、エレナ機とソード機。
ソードはじっと潜み、隙を窺う。
だがここは彼女達の庭。
「どうしたの〜? そんなんじゃ全然楽しめないよ〜?」
その声を察知し、素早く立ち上がり声の下方向に全身をもっていく
いつの間にか、背後に移動したエレナ機はペイント弾でカメラの性能を減少させ、近づき前足で、胴部の装甲を削る。
(「やはり1対1は不利でしょうね」)
右手部に持っていた、マシンガンは破壊された。
ソードは相手近づくのを待った。
「うふふふ、死ね〜」
突進し、エレナ機は止めを刺そうと試みたが。
ソードの放ったホーミングミサイルにより状況は一変し、回避しようとしたが、頭部、 両手両足部を大きく損傷し。
「貴方が近づかなければ、貴方の勝ちでしたでしょうね」
「お姉ちゃん」
ソード機の剣で、コックピットを突き刺され、その言葉が最後の言葉となる。
キョーコ機と漸機は近距離で戦いをしていた。
「あっはは‥どうしたの〜、どんどん削られちゃうよ〜」
確かに攻撃力は漸機の方が圧倒的に上回っていたが、キョーコ機の圧倒的なスピードを前に、装甲が削られて行く。
(「くっ、このままじゃやばいな」)
漸に焦りが見え始めたとき。
「もう飽きた。死になぁ〜。」
左腕に隠し持っていたワイヤーで、漸の機体を拘束する。
「くっ‥もはやここまでか」
漸は死を覚悟したが‥いつまでたってもそれは来ない。
「嘘‥エレナ」
モニターに映し出されていたエレナの反応が消えていた。
その事実に、キョーコは驚愕し。
その呟きと共に、消えた現場に全速力で移動する。
ソードは前方に凄まじい速度で向かう敵機を確認する。
先ほど同様ホーミングミサイルを発射するが。
「貴様―、よくも妹ぉ〜」
キョーコは声を張り上げ、キョーコ機は空中に大きく跳躍し、弓なりに体を大きく反り、剣をソード機目掛け投げる。
(「参ったな。生け捕りにした方が良かったな」)
それがソードの最後の思考となる。
(くそっ、よりにもよって1対1かよ)
皆が3手に分かれてしまったため、仕方なく立浪は敵機と対峙していたが‥。
(「冗談じゃない、こんな所で死んでたまるか」)
立浪は逃げるように、後退しようとしたが。
追いついた終夜によって両足を破壊され。
「命では取らないよ。そこまで非情ではないからね」
その後、終夜は、漸機の拘束しているワイヤーを斬り、今、須佐と対峙ていてた。
「残ったのはお前らだけだ‥と言っても内の血染めの天使さんが戦意喪失したから俺だけだけどな」
「貴様らと話している暇は無い。終夜一気に決着をつけるぞ」
「そうだね。あいつをやればここを通れるしね」
「2対1か‥卑怯なヤツめ!これではどちらが悪だかわからないな!」
「黙れ。終夜、斬獄を使うぞ」
「了解」
須佐は超エース機2人を相手にして苦戦している。
2人の連携も完璧なため。
「よくも俺の機体に傷を! どうやら本気で怒らせてくれた様だな‥? この代償は高くつくぞ」
こう言う事になるのに、さして時間はかからなかった。
「そろそろ決めるぞ」
漸機は下に銃撃し、土煙を舞わせ、撹乱する。
「何処にいったぁ〜」
愛機をぼろぼろにされ、冷静さを失う須佐
「「後ろ(前)だ」」
二人の声が重なり。
前後から袈裟斬りする。
「俺が倒されるとは‥これで‥俺は‥」
須佐は呟き、最後は安らかに散っていき、中央広場決戦は終わりを告げた。
●待ち受けていたもの(市街地編)
「まもなく敵機がこちらに向かって来ます、数は6。雷電3機、ワイバーン1機、ディアブロ1機です。危険になったら離脱してください」
最後の言葉はルーシーの願い。
「了解。最後の言葉は善処するよ」
そう言って、緋沼 京夜(
ga6138)は通信を切る。
(「すなまいな」)
心の中で、守れない約束の謝罪をする。
そして、内心で激しい怒りを宿しながら。
(「ここを襲って‥非戦闘員をも無差別に巻き込む気か‥‥この下衆共がっ!」)
「各自所定の位置に待機。1人残らず・・消し去れ」
「了解、全部蹴散らすわよ!」
「蹴散らすのです〜」
「‥カレー屋は守る」
「参ったね。そんな戦力でここを通れると思われてるんですかね」
「先手必勝だ」
アシュラ(
ga5522) 、緋沼、ハルトマン(
ga6603)、周防 誠(
ga7131)、飯島 修司(
ga7951)、最上 憐 (
gb0002)の6人は、敵が来るのをじっと待っていた。
B班は集団で行くと、相手の餌食になると判断したため、3班に、分かれて市街地を注意深く探索しながら進んでいる。
A班は前衛は緑川機、後衛は伊河機で、左のルートで進んでいる。
だが二人は気付かない。
「いい子ちゃんだからもう少しこっちにくるのですよ」
「一発で決められればいいんですけどね」
遥か前方のビルの屋上と、左の森の中から、射程距離に入るのを待っている周防機とハルトマン機を。
射程距離に入った時、待ってましたといわんばかりに、周防機とハルトマン機はうつ伏せの状態で、右手部でトリガーに指をかけ、左手部で固定しているスナイパーライフルを、違う場所から発射する。
「くっ‥! どこから撃ってきた!? 被弾率10%未満、まだやれる」
「どうやら、2体から攻撃されたようですね」
攻撃されていると分かった時には、回避不可能な位置にあり、緑川は左肩部、伊賀は左アームを損傷した。
そして、緑川は前方に凄いスピードで移動し、伊河は森の方角に向け、P−115を構える。
何度か撃たれ、ようやく伊河は位置を確認する。
それというのも、機体の色を周りの色と同色にし、溶け込んでいたせい。
「これより、反撃に移る。」
狙いはコックピット部分。
だが損傷が激しくセンサーも壊れていた。
(「問題ない。いける」)
「きゃはははは〜。ばれたからには死ぬのです」
2人同時に、同じ場所を狙い‥。
「きゃはは〜嘘だ嘘だ‥きゃ‥は‥は」
「その台詞‥これを避けてから言うべきだった‥な」
2人とも生命を停止した。
ビルからビルや逃げながらの周坊の遠距離からの攻撃で、破損していく緑川機。
同じビルの屋上に追い詰めた時は、損傷率が半分近くいっていた。
「卑怯者め。見せてやろう。人類の意地と誇りと怒りを!これぞ怒りの鉄槌だ!」
緑川機は右手部にライトニングハンマーを装備し、振り回す。
周坊機の盾にした銃機は、破壊され、逃げようにも、背後を見せれば鉄球の餌食になるのは分かりきっていた。
「やれやれ、仕方ないね」
低い体制から前足で地面を蹴り、鋭利な翼で相手の機体を真っ二つに裂ける様に試みる。
背中部分に鉄球の衝撃を感じたが、構わず両手で、前方に操縦官を倒していた。
『肉を切らせて骨を絶つ』的な突進を、武器を捨てガードするが両アーム切断され、 深々と突き刺さり、ここで緑川は迷い無く爆破を選択する。
「「最新鋭機との心中だ。贅沢だろうが!」
ビルの屋上は炎に包まれた。
中央ルート‥B班は、砕牙機、鹿島機だったが、別れて20mあるいた後、いきなり空戦形態の敵機によって攻撃される。
「‥‥ん。撃ったら。逃げる。ヒット&アウェイ」
近づきざま最上機は、20mmバリカンを発射し、空中へ逃げる。
それは、近づいてくるもう一人の注意を逸らす為。
「さあ、アシュラと戦って!」
射程距離まで入り、ガドリング砲をぶっ放すアシュラ機。
「ん‥深追い無用」
「分かってるわよ! でもちょっと遊ぶわよ」
「ん‥カレー屋は壊しちゃ‥駄目」
(「こっちに来たのは、やっぱりそれね‥」
アシュラは心の中で嘆息する。
ちなみにカレー屋はここの通りにある。
「ちくしょー、俺はレティと一緒にいきたかったのに」
砕牙はレティと一緒に行きたかったが、とある者に邪魔されて、B班になる。
「何を言っている。今は戦闘中だ。奇襲に備えて周囲警戒!」
「と言っても、あちらさんは誘導が目的だぜ」
敵機から来るのは威嚇射撃のみ。
近づくと空中から銃撃があるため、不用意には近づけない。
「レティの所に‥」
「馬鹿者! どうやらあちらから、招待してくれるらしいな」
「レティさん‥何だか」
「ああ‥、私も分かった。悠、準備は良いか? 私達の力を見せてやろう」」
右のルートを選択した2機‥レティと悠は誰かに見られてると気付く。
それを見計らったかの様に。
「卑怯などとは、所詮弱者の戯言。反駁したくば、勝つことだ」
背後のビルに潜んでいた傭兵側の飯島が、後衛の篠原にバルカン砲とリニア砲をぶっ放し。
「我が前で同胞の血は流させん!」
数十m先の横の脇道から緋沼が突進し、両手を使って振り回している鉄球を前衛にいる レティ目掛け振り下ろす。
辛うじてガードしたが、篠原もろとも後方に吹っ飛ばされる。
最初の攻撃で著しく損傷したレティと篠原のニ機は、それでもレチィは機槍で悠はライフルで、絶妙な連携で、反撃していたが‥今は篠原の煙幕銃で煙幕を張り、飯島のいる場所より後方の路地に逃げ込んだ。
「くっ、大丈夫か悠」
「レティさん‥私を置いて‥。」
篠原の機体は足部分を重点的に狙われたため、機動性は大幅に低下している。
「馬鹿を言うな。悠、お前を置いていけるか‥」
そういうレティの機体も左アームが破壊され、装甲の破損も酷い物だった。
「レティさん大好き」
「別れの言葉か? 私の答えは後で言おう‥だから生き残るんだ2人で」
そして、最後の作戦を実行する。
一方、飯島と緋沼も、予想外の抵抗で、各部破壊はされて無い物の後一撃くられば、両手足破壊されてしまうほど損傷している。
「予想外の反撃ですな。餌と知らずに、良く喰いつく!」
「油断するな。次で決まる」
その時路地から煙幕弾が発射される。
「煙幕なんか、無いのと一緒だよ。必中の弾丸‥味あわせてあげる‥っ!」
篠原のライフル弾と飯島のリニア砲がすれ違い。
(「ごめん、レティさん‥約束」)
「馬鹿な‥」
レティの後ろで爆発音を聞く。
「悠をっ! よくも貴様ぁっ!」
「貴様らこそ許さん!」
緋沼の鉄球が装甲をぶち破り、レティの投げた機槍が緋沼の胴部に深々と突き刺さり‥活動を終える。
市街地戦は両者痛みわけの結果となる。
●明日に向かって
いち早く動力炉付近に到達したのはC班。
イスルは、端末を探しに市街地に行き。
「さて、ここは一気に叩いてしまいましょう」
C班の陣形は散開隊形を取っていたが‥逆にそれが仇となる。
遮蔽物から櫻小路の合図で一斉に飛び出したが‥
目の前には燃えている新条の機体。
死角になっているその後ろから煙幕弾が放たれ。
(「まずい」)
「各自密集して死角を‥」
八神の声は煙に包まれる
「折角中で待ち伏せしてたのに‥わああん」
煙幕銃を持っている事もあり、動力炉の外での防衛戦に借り出されたキザイア・メイスン(
ga4939)。
敵機5機を確認後、的を絞り、指部を動かしトリガーを引く。
「ここから先は通さないっ!」
「抜けるものなら抜いて見なさい!」
レイアーティ(
ga7618)と御崎緋音(
ga8646) は若林の機体に的を絞り、煙幕の中に突っきる。
傭兵側のモニターはジャミングされている人類側とは違い、敵機を見たら、煙幕の中でも攻撃するのは難しくは無い。
挟まれ、なすすべなく胴部を切断された若林は
「ああ、すまな‥い‥。」
と力なく呟き、刃の餌食となる。
続いて、数十離れた所にいる矛先をディアラに変え、同じように。
「こんなところで‥」
撃破する。
「私が時間を稼ぐわ、その内に遮蔽物に隠れて。」
西島 百白(
ga2123)のソニックブレードが振り下ろされ右肩部から右を切断されながら、ユーリの機体は残った左アームで撒き付く。
「地獄へ付き合ってもらうわよ」
ユーリは、あらかじめ仕込んで置いた大型燃料タンクに設置した、爆弾のスイッチを押す。
「ちゃんと役目、果たしたよ」
「「『力』だけを‥求めた結果が‥これか‥また‥守れなかったか‥俺は‥これで」
2機は炎に包まれる。
それから、漸、終夜、鹿島が合流し、突撃を行おうとした矢先、背後からクラークと大量無人機の奇襲を受け絶体絶命となる。
砕牙は1人、隠れながら、奇襲しようと試み。
隠れて狙撃していた、フィオナ・フレーバー(
gb0176)を発見する。
「隠れて狙撃とは卑怯な奴だ‥悪者め」
その声に気付き、フィオナは機体を反転する。
「なにが私達が悪者ですか!? 善と悪で二つに分けるというならばあなた達こそ悪ですよ! 恥を知りなさい!!」
そう言いながらもフィオナは焦っている。
1対1で戦えばフィオナが負けるのは分かりきっていた。
「そうですよ。奇襲とは、中々卑怯な事をしますのね」
2人の間に如月・由梨(
ga1805)がわって入り。
「フィオナさん、ここは私にお任せください。」
フィオナは如月に礼を言い、違う場所に隠れる。
一方イスルの方も。
「悪い子には、たーっぷりとお仕置きしてあげるわ、覚悟なさい‥うふふ」
背後から来た神無月と対峙していた。
「希望は渡した‥後は‥見せてあげるね僕の‥ナンバー2の実力を」
漸達は話し合い、ある作戦を実行する。
「すまない、皆」
「任せてください‥人類を頼みます。」
「頼んだ‥ゼロ、シックス」
「頼みましたよ、ゼロとシックス」
そして、背後にいる敵機に向かって鹿島は決死の覚悟で突撃する。
「「バグズ・オブ・ラウンズ10‥『蒼き吸血鬼』鹿島 悠‥行くぞ! 一機でも多く破壊する」
そして、八神と、櫻小路は激しい抵抗に合いながらも、動きを止める。
「早く‥行ってくれ」
「未来を私達に」
「「オールハイル・バクアニア」」
漸と終夜は絡み合う、四機の間を潜り抜け。
突入寸前で突如終夜の機体が止まる。
(「何故‥」)
終夜が見た者‥それは、敵機に乗る、恋人である如月の姿。
「早く行くぞ!」
漸の声で我に返り、動力炉内部に突入する。
「最後だな、俺もディアブロで出る‥ただ‥緋霧 絢(
ga3668)に全てを話し、コード0を実行後、お前は脱出しろ」
「必ず‥生きていて下さい」
カルマは笑みを浮かべ、機体に乗り動力炉の最深部に移動する。
途中、ギザイアの罠や障害物があったが、難なく突破し、最深部手前で戦車砲で応戦していたギザイアの機体を倒す。
そして‥。
最深部に到達する。
「うん、非戦闘員の脱出はすませたわ‥了解、ルーシー様も無茶しないでね」
通信を切り‥緋霧は急ぎ市街地から動力炉に移動する。
ルーシーは‥。
「悪いね‥ナンバーツーはただの冗談じゃないんだ‥」
神無月の機体を倒し、ライフルを押し付ける‥が
「それはどうかしら」
足払いを仕掛け、傾城を逆転させる。
「その表情ぞくぞくするわ〜‥うふふふふふ」
ドリルに変形した足で胴体を生みつけ‥コックピット破壊する。
「ココまでか。‥でも、僕で終わりじゃない。せいぜい頑張ってね‥」)
爆破する機体に、神無月は微笑む。
「うふふふ、可哀想な坊やね‥あなた達の戦力は‥うふふ」
動力部前の対決は、残す所人類側では砕牙のみとなる。
対峙している如月は、終夜を見た時戸惑ったが、すぐに冷静さを取り戻し、ワイヤーを警戒しながらKV刀で応戦する。
一旦距離を置き。
(「例え組み付いても‥撃墜する」)
砕牙は、決死の覚悟で特攻し。
「私に斬られて冥府へとお行きなさい」
如月は剣を薙ぐ。
「やはり黒幕はお前等だったか。傭兵部隊創設者‥漸王零とその相棒終夜 無月」
「我を売ったお前らが悪い‥でも残念だったなカルマ‥我は今お前の目の前に立っている」
そう、漸は全世界を支配する事しか頭に無いと感じたカルマは、漸と、側近の終夜を罠に嵌め、人類側に情報を渡し‥死んだはず‥だった。
「お前は世界を支配する事しか頭に無く‥我等のことを考えていない」
「ああ感謝しているよ。おかげで人類側の精鋭部隊を殺してくれたからな‥両軍全滅すれば我が世界の王になれる‥」
漸の真の目的は両軍の全滅で、動力炉を落とす気などさらさら無かった。
「まだ我の同士が残っている」
心底おかしそうに漸は笑う。
「まだ‥分からないのか‥クラークが‥」
砕牙を倒したのはクラークだった。
「どういうつもりですかクラーク様」
目に激しい怒りを宿す如月。
「あなたを落とさせるわけには行きませんからね」
クラークは如月の両手両足を切断し、動力炉の入り口に立つ。
「隠れている最上さんとアシュラさんフィオナも聞いてください」
隠れていた三人の機体は、少し左右に揺れながら、隠れていた場所から出る。
「そいつは、裏切り者だ。外道が‥‥貴方達に戦士としての誇りは無いようですね」
自分の言いたかった台詞を緋霧さらったので、若干不機嫌になるクラーク。
「まぁ、良いでしょう。やれ無人機でも」
しかし無人機は動かない。
『只じゃ死なないぞ』
藤田は意識の一部をバクア菌の中に入れ、人工知能を完全に支配していた。
「馬鹿な。こんな事が」
クラークが目の前のことが信じられないと言った表情で残った。
「手出し無用だ。いざ‥尋常に勝負」
「「天狼」」
漸と終夜の切り札、漸一撃目を放ち、終夜が二本の雪村でニ撃目を放つ連携技で、胴体部を残し切断された
絶望的な状況‥だがカルマは笑っている。
その理由は‥。
突如警報ブザーが鳴り。
(「地獄まで・・道連れだ」)
『この施設の爆破システムが起動されました。爆破まで後30分』
カルマの嘲笑と共にアナウンスが鳴る。
複雑な構造のため、傭兵達でも最深部から動力炉入り口まで40分かかる
「無駄だよ。ここの構造は知り尽くしている」
「汝をやった後で、解除すればいい」
憎たらしいぐらいの冷静さにカルマはもう打つ手が無い‥と思った矢先最深部前の通路から轟音が鳴り、通路が遮断される。
「そう思いましたので、ここから先は通行止めにしました。すいません‥命令に背きました‥」
「相変わらず優秀だ‥さすが俺の補佐だ」
そう‥背後から姿を現したのはルーシーだった。
「仕方が無いね」
(「‥由梨‥君だけは」)
ようやく終わった悪の連鎖から開放され、終夜は晴れやかな表情で自爆まで待ち。
「くそー!! 後少しで我が!!!」
漸の絶叫が最深部内に鳴り響いた。
●エピローグ
崩壊するラストホープ島を空から見つめる複数の機体。
こうして両陣営多数の死者を出し最終決戦が終わりを告げる。
この戦いの先に何があっただろうか?
それはまだ分からない。
だが一人一人の明日の為に‥一人一人が描く未来の為に。
そこには、死をも覚悟するほど明確な意志がある。
その理由は、恋人であり、市民であり、仲間であり‥。
人類側も傭兵側の明日の未来を勝つ取るために‥この戦いが行われたのだと‥そう感じている。
(完)
余談だが、映画の撮影が終わった後、真っ先に監督のバクア検査が行われたとさ‥。