●リプレイ本文
教会より少し離れた所に10人の人間が集まっていた。
UPCよりスタングレネード教会の見取図が貸し出された。
「初めて会う方もいらっしゃいますし、まず自己紹介からしてはいかがでしょうか?」
「はいはい俺からいくぜ、俺相麻 了(
ga0224)ってんだ、かわい子ちゃん大歓迎です。おっ今回も‥‥」
「私は鳴神 伊織(
ga0421)と申します」
相馬の言葉は途中で遮られる。
「‥私の名は緋室 神音(
ga3576)」
「知ってる者もいると思うが‥‥南雲 莞爾(
ga4272)だ」
「ケイン・ノリト(
ga4461)ですー」
「私はみづほ(
ga6115)と言います」
「俺はツァディ・クラモト(
ga6649)ってんだ宜しくな」
「俺の名はスティンガー(
ga7286)ですよー」
スティンガーの服装はスーツ一式に白衣を羽織っていた。
「俺は神城で、こっちは神楽だ」
「うっひょー神楽ちゃんて言うんだ。任務が終わったらUG美人との合コン宜しく頼むよ!」
「それでは作戦相談しましょうか」
相馬の声は無視された。
「しかし、彼らが教会に立てこもる理由は何でしょうかねぇ要求がないのなら別の理由があるはず‥それを見極めて行かなければだめですねぇ」
「私もその意見に賛成。そもそも立て篭もる理由が分からないわね‥‥」
緋室とスティンガーが疑問を投げかける。
「これは罠かもしれないですねぇ」
「人質もいそうね」
「偵察隊が必要でしょう〜」
そこから発展して、スティンガーやケインなどの意見に全員賛成し、話し合いの結果、偵察隊に相麻、南雲、みづほ、スティンガー、神城が決定。
「無理はしないで下さいね」
鳴神は皆に向かって言ったのだが。
「はい!鳴神さん気をつけます」
そう思ってない人が約1名
「もう皆行ったわよ」
緋室がやれやれといった表情で、苦言する。
「あはは‥‥神楽ちゃん合コンの件考えといてね」
そういって相馬は偵察隊の方へ走っていった。
(ほんとに大丈夫なのかこの依頼)
早くも、ツアディは依頼の成功を不安視していた。
●偵察隊
(「神楽ちゃん可愛かったな。終わったら、慰労パーティの手配でもしようかな」)
速くも相馬は、終わった後のことを考えていた。
(「‥やってやるさ、同じ能力者が相手だろうと。寧ろ、心が躍るのは光の裏側に馴染み過ぎたからだろう」)
南雲はそう思う。
「やぁみづほ君今回も宜しく頼みますねー」
「はいスティンガーさん、足を引っ張らないように頑張ります」
「うんその意気だねぇ」
(「噂をよく耳にしていたWBとご対面ですか‥はてさてどうなることやら‥」)
スティンガーは溜息を零した。
(絶対に許さない‥WBめ)
本部長に止めは刺すなとは言われているが、会った瞬間静止できるか神城は自信が無い。
ライフルが届かない様な、教会から離れた場所で止まった。
「二手に分かれて様子を見てみよう」
南雲の案に同意する一同。
それから二班に分かれて行動したが、教会の外は完全に塞がれていて中の様子は見れず、突入ポイントを調査するだけで終わった。
●待機部隊
(「UGにWB‥噂は耳にしていましたが‥相手は能力者か‥キメラなんかより余程手ごわい相手ですね‥心します。状況厳しけれども任務は完遂するのみ、だねぇ」)
そう思うケイン。
(「だけど内心、力(バクア)にすっころぶ人がいても仕方ないと思ってる。が、力を持つものが非力な人を盾にすることに静かに深く、憤慨しているの、だねぇ」)
静かに闘志を燃やすケインだった。
(「世界の崩壊、ねぇ‥色々やらかした割に今回は立て篭もりか、何を狙ってんだか‥」)
嘆息するツアディ。
一方鳴神は、神楽に言うか言うまいか迷っている。
そうあの事を。
(「やはり言うべきでしょう‥たとえどんな痛みを伴おうとも‥言わないより言った方が‥」)
「神楽さんちょっといいかしら」
言う決心をし神楽に歩み寄る。
「何ですか鳴神さん?」
神楽は音楽を聞く行為を止めた。
「あのね神楽さん、この前ある用で刹那さんに会ったの」
空気が明らかに変わり、神楽の顔が悲痛な表情に変わる。
「大丈夫神楽さん‥聞きたくないのなら無理には」
「いえ、言ってください‥大丈夫ですから」
(「大丈夫そうには見えないですけど、言った以上最後まで言います」)
「『速くこっち側の人間になれば楽になる』と」
「そうですか‥今は無理ですけど‥次ぎ合う時には必ず言います‥その時まで待ってくれますか?」
「もちろんよ」
そして、探索部隊が帰ってきて、作戦の確認をし‥実行段階に移った。
●教会戦争
爆破する教会の反対側の二箇所に集まり、息を潜め全員が覚醒状態になっており、スティンガーの髪がオールバック気味でツンツンヘアーな髪型になっていた。
「偵察班‥‥行くぞ」
南雲の掛け声とともにスティンガーが弾頭矢を放ち壁を破壊
そこに南雲のスタングレネードを教会内に打ち込み突入。
「あっちは行ったみたいね‥そろそろわたし達も行くわよ。」
緋室の豪破斬撃+急所突きで破壊しツアディがスタングレードを中に打ち込み突入。
チーム全体が呆気にとられた表情になる。
(「いない」)
「ぼろっちー床だなー‥‥あいたたた」
床板が壊れ、相馬の足に針金マキビシが刺さり、相馬はそう口にし‥皆が気付く‥誘い込まれたのは自分達のほうだと。
突如窓枠が爆破し、上からニチーム目掛け大量のGのおもちゃが投下された。
「上ですね」
「‥上か」
「上よ」
「上だねぇ」
「上かよ」
「上か」
「上だね」
「上」
Gのおもちゃをかわしながら全員が上を見た。
すると梁の上に死神のお面を被った男女が立っていた。
地面に落ちた瞬間、それが飛び散り足元に付着した。
「小賢しい」
緋室がそう呟く。
そして、相手の罠で暗幕が下ろされた時、スティンガーとみづほの弾頭矢で、それを破壊。
‥3人のどくろをモチーフとした死神の仮面の男達が梁の上からロープをつたい飛び降りる。
「来るぞ‥」
「ツアディ、ケイン‥迎え撃つわよ」
それとは別に神城を執拗に狙っている男も梁の上からロープをつたい飛び降りた。
「どうやら俺を狙っているらしい‥‥悪いが手加減はしない」
神城と仮面の男は教会の端に移動した。
「この分だとまだいますねぇ」
スティンガーは上に眼を光らせる。
「‥下は任せて」
「私も神楽さんと一緒に行きます」
「では、神城を抜かした偵察班で梁の上に行こう」
全員が行動を開始した。
●緋室&ケイン&ツアディ
3人の男と対峙するツアディ、ケイン、緋室。
先に動いたのは緋室だった。
(「アイテール‥限定解除、戦闘モードに移行‥」)
続いてケインが動く。
「いきますよ!」
緋室の脇腹を狙った攻撃が当たり一人が苦悶の表情になり、ケインが追撃しようとしたが、もう一人の男の技で吹き飛ばされ。
「ちぃ」
ツアディが狙いを定め撃ったが、三人目の男がそれをガード。
(スリーマンセル‥厄介ね‥)
緋室の懸念通りここから消耗戦が続き、お互い決定打が無いまま‥その時を迎える。
「ぐおぉ」
何処からともなく二発の攻撃がツアディの両肩に当たり、苦悶の叫び声を上げ倒れた。
これを好機と見て襲い掛かってきた‥が男の一人が違う場所に向かい。
そして‥動揺したかのように行動が一瞬止まる。
(「抜く前に斬ると知れ――剣技・桜花幻影【ミラージュブレイド】」)
(「とりあえず‥寝なさい」)
ケイトと緋室の渾身の一撃が、一人の男の右肩と鳩尾に当たり、その男は倒れ。
続けざま、もう一人の男を攻撃しようとしたが、6発の銃撃と矢がケインと緋室を襲い、致命傷は避けたが、緋室に3発ケインに3発当たり‥。
2人は痛み懸命に堪えた。
その隙を見て男は仲間の元へ向かう。
「緋室さん」
緋室は頷き、屈んだケインの背中を使い、低く速いジャンプをし、男の背中に急所突きが当て昏倒させる。
今度は当てる気の無い銃声が聞こえ、二人はその方を向いた。
●神楽&鳴神
神楽と鳴神の2人は罠に気をつけ、誰かいないか探していた。
2人に悪寒が走り、その場を離れる。
上からビニール製の蟲ヘビ蛙など色々な物が落ちてきたて二人の男女がロープをつたい飛び降りる。
男の手の中には、何かのスイッチとアルコールをしに込ませた火炎瓶持っていた。
(「長期戦は禁物ですわね」)
(「‥早期に‥決める」)
神楽も同じ考えで、標的まず女の方に設定する。
「言葉は不要ですね、暫く寝ていてもらいましょうか」
俊敏な動きで回避させる間もなく両腹に当て昏倒させる。
突如殺気を感じ避け、そこを狙ったかのように、それぞれ4発ずつの銃弾と矢が、鳴神と神楽は狙う。
(「全ては避けられませぬわね」)
2発は刀で防ぎ2発は当たたったが致命傷は避けた。
神楽の方も全ては避けきれず1発当たり血が出る。
(「血‥」)
途端神楽の目が血色になる。
(危険な事になりましたわね)
先ほどよりもさらに速いスピードで男に向かう。
男は火をつけ火炎瓶を投げるが難なくかわされ、ポケットに隠し持っていた小麦粉を使った粉塵爆発も避けられ、目の前に来て振り下ろす。
だが、殺気の主がそれをガードする。
「‥邪魔」
神楽は回転し二つの刀で男を2連撃し、その後なぎ払い、男は吹っ飛んだ。
「そこまでです‥神楽さん」
鳴神は神楽の頭に水をかけ、神楽は正常に戻る。
「これで終わりだぁぁぁぁぁ‥‥みんなぁぁぁぁ‥‥」
男がスイッチに手をかけようとした。
だがそれは失敗に終わる。
何故なら二人の攻撃6発が押す前に、男に当たり昏倒したからである。
そして、今度は当てる気の無い銃声が聞こえ、二人はその方を向いた。
●人実救出班
探索班は幾度かの敵の罠を潜り抜け梁の上に到達した。
「どうやら、サイエンティストがいるようだ。」
南雲が練成弱化されていることに気付き、全員慎重に梁の上を歩く。
隅の方に二人の人影がいた。
うち一人はシスターの格好。
南雲は1発射撃したが、避けられた。
「こんな所にいるシスターは、偽者だと思います‥‥ぐっ」
「どうしたみづほく‥‥がぁ」
その時、梁の上にいる男の矢でみづほの武器が落ち、5つの銃弾と矢で、スティンガーに3発みづほに2発当たり、下に落ちる。
最後の力を振り絞り、みづほはスパークマシーンを南雲に投げ、南雲は受け取る。
(「貴様ら。」)
「よくもかわい子ちゃんを」
ダブル瞬天速で近くに詰め寄り、銃を持った男に南雲がライフルのストック部での殴打し、すぐさま剣に持ち替え、敵もろとも下に落ちていく。
そう、狙いは他にあった。
(「後は頼んだぞ‥相馬」)
南雲が敵の男とともに、下に落ちたことで、背後にいたサイエンティストの姿が見えた。
「たとえかわい子ちゃんでも‥もう許せないぜ」
防御力が低いサイエンティストになすすべは無く、相馬に気絶させられる。
そして、相馬はロープをつたい下に下りる。
‥当てる気の無い銃声が聞こえ、相馬や、戦闘中の南雲はその方を向いた。
●第3の選択?
敵味方含め全員が注視する中、一人の男が現れ‥。
「まあ待ちたまえ」
そう言って、死神面ずらす。
それは今回依頼できた傭兵達が全員知っている顔。
戦っている神城と仮面の男に隙無く銃を向ける。
全員に響き渡るような声で。
「第3の結末があるのだよ‥らいおんさん、登場だ」
ライオンのお面を被り。
「――全員を捕まえろ。全て吐いてもらおう、か」
と言った。
あたりが一瞬静寂になった後、傭兵達はその男に一斉攻撃を試みた。
「何故だ」
男はそういった後。
「ここが頃合か‥全員退却だ」
と言い、残った三名は、破壊した壁から教会の外に行った。
神城の元に向かおうとした傭兵達の前に、本物の敵が3人どこからともなく現れる。
そう、初めから傭兵達やUGの人間は潰し合って貰い、残ったUGの人間や、UGが依頼した傭兵を潰すのが目的だった。
明らかに疲労困憊だったが、倍以上人数はいる。
「ふぅ、こういうの免許皆伝の百人組み手依頼だ‥OK、黒い道化師と踊ってみるかい?」
そう言い相馬が構える。
「卑怯な真似を‥許せません」
鳴神が構える。
「卑怯者の末路は‥言わなくても分かるわよね」
緋室が構える。
「――――構えも退避もさせん。その時先に喉笛を喰らうのは、俺だ‥!」
南雲が構える。
「バグアに頼って大暴れ、なーんて考え酸っぱすぎますよ、悔い改めなさい!」
ケインが構える。
「‥死ね‥WB!」
剣を持っているものは峰打ちから、くるりと変える。
もはや手加減する気も無かった。
戦闘は短時間で終わり、3つの躯が地面に横たわる。
そして神城の方を向いた。
神城は所々に傷を負っていたが生きていて、相手の方も同じだった。
そして‥次の攻撃が最後になる事も分かっていた。
●背中合わせに進む道は
神城は仮面を被っているが誰だが分かっていた。
それは親友とも呼べる存在。
その名は海藤昇。
(「何故WBなんかに‥」)
神城はそう疑問を持つ。
だが今は‥この戦いに集中した。
(「‥強くなったな昇」)
親友として素直に喜び。
同時に血が騒ぐ自分がいる。
(「次で最後‥今回も俺が‥勝たせてもらう!」)
バン!と2発の銃声が鳴り響き、最後まで立っていたのは‥。
神城だった。
それから、南雲がみづほから預かったスパークマシンで時限爆弾をショートさせる。
海道は最後の攻撃で右肩を負傷したが生きていた。
「人質は‥地下室だ」
「俺は美人だけ助けるから、あと宜しくね」
相馬の言葉に、場の空気が凍りついたが、緊張感は和らいでいた。
そして、神城を残し救出に向かう。
無事救出に成功し、帰ってきた時、神城は泣いていた。
「‥神城の涙‥初めて見る‥」
神楽は驚いた表情で呟く。
傭兵達や神楽は、音を立てずに教会の外に出てそっとしておくことに‥。
●その後
気絶していた傭兵たちが復活する。
どうやら相手も依頼できていたらしかった。
「UPCも何やってんだか‥」
ツアディが溜息を零す。
「WB側にあの人がいたと知っていたら、真っ先に攻撃したのですがねぇ」
スティンガーは少し悔しそうに言う。
「さっすがに歯応えあったねぇ髑髏チーム‥ま、何はともあれ生きて帰ってこれたのだし‥ここは可愛い女の子でも呼んでパーっといこうよ神城ちゃん」
はしゃいでいる相馬に‥。
「相馬君は教会の修理でしょ」
みづほが釘を刺す。
そう‥相手の傭兵も合わせて教会の修理を行うことに決まっていた。
「そんなぁ‥とほほ」
その場にいる全員が笑いあう
〜UG本部〜
「何!? それは本当か」
スパイに頼んだ結果が分かった。
それはにわかには信じがたい事だったが‥そう考えれば辻褄が合う。
少し話した後通信をきりデスクの椅子に座り頭に手を当てる。
‥まさか‥裏切り者が‥。