●リプレイ本文
●何はともあれ製作開始
「すみませーん、登場シーンとかってアイディアだしてもいいですか? バイクで空から飛び込んでくるとかやりたいんですけどー」
「ああ、派手な入場はあっていいと思いますから組み込みましょう」
フェイト・グラスベル(
gb5417)からの意見を取り込み、開発責任者の角は作業をプログラマーに頼む。
来て早々、挨拶もほどほどにモーションキャプチャーによるデータ取りは始まっていた。
体にセンサーをいくつもつけた木場・純平(
ga3277)がヤクザキックなどをすると、プロジェクターで映し出されている人形が同じように動く。
「なるほど、こうやって作っているのか。最近のゲームは出来がいいものも多いから、奥が深くて実に楽しい‥‥ただ、責任重大なのが緊張するな」
自分の動きがそのままゲームキャラの魅力に繋がるということもあり木場は珍しく緊張していた。
「アイディアとして見せ場のカットインやダメージの反映のために衣類や顔への傷があると面白いと思いますわ」
モーションキャプチャーの数のこともあって出番待ちのエリザ(
gb3560)はプログラマーへ要望をあげてみる。
「固定キャラだけなら楽やけど、エディット系だと難しいところやなぁ」
「それならシェルシーリングをつかいます?」
「時間かかかりすぎてアカンが、年内諦めていくなら初めからそれでアバター風に作った方が楽やろな」
熟練のプログラマーが唸りながら、妥当な路線の解答をした。
「我‥‥鮮血エフェクト、望」
スタッフが要望に対応しているなか、L3・ヴァサーゴ(
ga7281)もまた自分の攻撃エフェクトに鮮血を飛び散らせたいという注文を持ってきた。
「角っ! こっちの要望の対応をしてくれ」
「い、いまいきますっ!」
開発責任者とはいえ、プログラマー達は角よりキャリアが上の人ばかりである。
傭兵とプログラマーのパイプ役を行いながら角は走り回るのだった。
●製作佳境
「ディスプレイが矢で壊れた!? ちょっとポーズだけでいいんですってばっ!」
製作も佳境に入ってきたとき、角の悲鳴があがる。
流月 翔子(
gb8970)が撮影中に飛ばした弓があらぬ方向に飛んでいって刺さったのだ。
大惨事になりかけである。
「あら、すみません‥‥やはりリアリティを求めるのでしたら実際に行う方がよいと思いまして」
「モーションをとるだけですからね‥‥。えっと、次はアーマーブレイク時の撮影なんですが‥‥」
「下着はつけませんよ? あんなはしたないものつけたくないです」
「あのですね‥‥別に下着姿だけではないんですが。とりあえず弓胴着の防具だけ壊すことでいいですから」
翔子の真面目だが、焦点のずれた行動に角は困る果てていた。
「撮影はもっと大変かと思いましたが、意外と簡単なんですね」
センサーをつけて動くだけという意外と簡単な作業に辰巳 空(
ga4698)は少し拍子抜けする。
アーマーブレイク姿もズボンとシャツだけを残した姿で取って終了した。
翔子と空がエクセレント秋那(
ga0027)と瞳 豹雅(
ga4592)のペアと交代して撮影を始める。
「オラァ!」
「なんちゃって」
パワーファイトタイプの秋那とスピードタイプの瞳が違う動きと声を出しながら撮影を進めていた。
投げ技を使うときはぬいぐるみを使っているためシュールな光景である。
「IMPとしての参戦はできませんが、それとなくわかる人はわかりそうな感じでやらさせていただきます」
事前に事務所と確認もした緋霧 絢(
ga3668)だったが、ゲームで名前を出すことは世界観等の問題もあってNGとなった。
「設定としてアイドル傭兵という形は通させてもらいますから、また別の機会でお願いします」
撮影待ちで設定等を先に詰めていた絢に角は頭を下げて謝る。
「いえ、お互い事情というものはありますからしかたありません」
無表情ながらも、少し残念そうな雰囲気を帯びた絢はモーションキャプチャーへの撮影に向かった。
●ライバルキャラ紹介
名前:Dr.T
攻撃:B(投げ技以外はD)
防御:C
速度:A
操作:D
覚醒:両目が紅く輝く。
台詞:「また、病院送りにされたいのですか」
「私の‥‥勝ちです」
術技:柔術
武器:素手
設定:
傭兵相手に医業を営む医者。
素手で武装した傭兵達と渡り合う凄腕だが、その正体は謎に包まれている。
基本性能:
当て身投げ・打撃投げ連携と特殊な技が多いが、普通の技も遠近揃えている。
覚醒後はダッシュがテレポートのように高速になる。
ただ、素手という事もあり、投げ技以外の技やガードの性能は出が速い代わりに低めなので、手数以外では打ち負ける事も多い。
必殺技:
<乱打>:目にも留まらない拳の連打技であり、コンボに組み込みやすい技で当たり判定も広い。
超必殺技
<幻影輪舞>:一瞬で踏み込んですれ違い様に相手を巻き上げ、分身して上空で取り囲み、袋叩きにする投げ技。
名前:シャヴィア
攻撃:A
防御:D
速度:D
操作:A
覚醒:瞳が紅く染まり、全身に血で書いたような呪術的文様が現れる。
台詞:「標的確認‥‥排除、開始」
「標的、抹殺完了‥‥任務、続行」
術技:殺人術
武器:大鎌
設定:
何者かの命令で大会へ参加した少女。感情の無い虚ろな顔で大鎌を振るい、対戦相手の殺害も厭わぬ、殺人マシンの如き娘。
基本性能:
攻撃特化型。防御力・機動力が低く、全体的に攻撃の隙も大きい。ただし攻撃力は非常に高く、リーチ・判定にも優れる。
必殺技:
<旋−Tsumuji−刃>:高速移動から、ボタンによって攻撃パターンの違う斬撃を放つ。
超必殺技:
<凶−Magatsu−滅>:徐に大鎌を横薙ぎに一閃、相手の喉笛を掻っ切る。暗転後にガードが間に合わない程発生が早い。命中時は、真っ暗になった画面に赤黒い刃の軌跡が走るエフェクトが入る。
名前:エリザ
攻撃:A
防御:A
速度:B
操作:E
覚醒:背中から光の粒子で構成された光の翼を展開する。
台詞:「一撃必殺、これがわたくしの信条ですわ」
「いつでも勝負は受け付けていますわ」
「もっと強くなったら、再戦を申し込みますわよ!」
術技:我流
武器:巨大斧
設定:
AU−KVを纏い、より強い相手との戦いを求める女騎士で真正面、正々堂々を好む。
基本性能:
ガードの上からでも削れる一撃必殺タイプ。
基本ステータスは全体的に高レベル。
一撃は重いが、モーションが大きい為に潰されやすく、コンボも出来ない。
覚醒時は攻撃モーションが潰されなくなり、空中ダッシュが可能になるも覚醒モードが短い。
必殺技:
<シュツルム・ファング>:大振りの斧を使った一閃。当たれば吹き飛ばせるがモーションが大きい。
超必殺技:
<ヴァルキュリア・シュラーク>:光の粒子で構成された羽を撒き散らし、上空から急降下の一撃を叩き込む。
出も遅く回避も容易だが、決まればゲージの7割持っていく
名前:ダークネスAKINA
攻撃:B
防御:C
速度:C
操作:B
覚醒:黒いオーラを纏いだす。
台詞:「這い蹲らせてやるよ!」
「悪いねぇ、これが現実って奴さ」
「てめぇ、次は覚えてやがれ!」
術技:プロレス
武器:凶器(チェーン等)
設定:
元女子プロレスラーの傭兵。本来はベビーフェイスだが、興行にはヒールとして派手なメイクとチェーンなどの小道具を手に参戦している。
観客のヒートを買う為に積極的に悪辣なファイトを展開する。
実はファイトマネーを孤児院に寄付している。
基本性能:
レスラータイプではあるものの、比較的扱いやすいバランス。
飛び道具は無いもののタメの突撃技やダウン技など扱い安い技が揃っている。
必殺技:
<ドロップキック>:ヒットすれば相手を吹っ飛ばせるタメ突撃技。
超必殺技:
<地獄のフルコース>:腋固め→アンクルホールド→STFと関節技を極める。ボタン連打でダメージUP。
名前:神田 源五郎
攻撃:B
防御:B
速度:C
操作:C
覚醒:全身が硬質化したように、肌が変質し隆起する。
台詞:「やるんかコラ」
「西むかせたろうか」
「次は覚悟しとけや」
設定:
能力者たちの興行の経営に食いついてうまい汁を吸おうと企む暴力団組織の組員。
戦いに勝ち進み名を上げて興行の経営陣に取り入っていこうとしている。
常にパリッとのりのきいたスーツにサングラス、オールバック。典型的な怖いヤクザの外見。
基本性能:
空手をベースとした総合格闘技系のスタイルにヤクザの喧嘩スタイルが混ざっている。
背筋を伸ばし相手を見下ろすような体勢が構え。
全体的にバランスタイプで、打撃だけでなく低空タックルから関節技にもいける。
必殺技:
<急所打ち>:ショートアッパーで相手を仰け反らせ、顔から腹部まで正中線に沿って拳を叩き込む技。
超必殺技:
<ヤクザ道>:低空タックルからのクラッチからヤクザキックの連打で頭突きを何度もたたきつけた後に<急所打ち>でトドメの乱舞技。
名前:フェイ・リバーフィルド
攻撃:C(覚醒中はA)
防御:A(覚醒中はE)
速度:C(覚醒中はA)
操作:C
覚醒:AU−KVをパージ、外見年齢が19歳程に成長し、背中に光の翼が広がり斧の刃部分が光に変わる。
台詞:「わは〜、通りすがりの竜騎兵だ!」
『この速度、ついて来られますか‥‥?』
「お疲れ様でっす、またどうぞ〜」
術技:我流
武器:巨大斧
設定:
常に明るく元気に振舞っているが時折影が見えるちびっ子、「勝てば賞金とか貰えるかも!」と参加してきたらしい。
基本性能:
リーチを活かして中距離戦をメインとしている。
攻撃モーションは大きく遅く、強そうな見た目でも威力はそこそこ、逆にAUKVの重量と武装の大きさから防御に徹すると堅い。
覚醒すると速度・攻撃力が劇的に上昇するが、防御力が紙同然にまで落ちる。
必殺技:
<ガイア・クラッシュ>:巨大斧を地面に叩きつけて地割れを起こして攻撃する技。
超必殺技:
<オーロラ・イリュージョン>:覚醒した姿で斧を投げ当ててから始まる連続乱撃技。
名前:水流・翔子
攻撃:D
防御:D
速度:A
操作:A
覚醒:髪と瞳が赤へ台詞も荒くなる、連射速度が上がり威力も若干上がる。
台詞:「シュート!」
「シュー!」
「ファイヤー!」
術技:我流(銃術+弓術)
武器:銃器いろいろと弓
設定:祖父の代で廃れたしまった弓術を拳銃を取り入れる等アレンジをし新しい流派創設しようと模索中する為
世界中の猛者を相手に無茶(笑)修行中。
基本性能:
弱攻撃以外が銃器というキャラクター。しかし、リーチがあり厳密には飛び道具ではない。
攻撃力防御力は低く対空性能もイマイチ。
無敵技等接近されるとピンチになる。
ジャンプ力、移動速度は速いので距離とり空中戦に持ち込む戦法を得意とする。
ジャンプ中方向キーの入力で発射角度を換えられる。
必殺技:
<予感的中>:弓によるれっきとした飛び道具。ボタンにより打ち分けができる。
超必殺技:
<帯完巨砲>:バズーカ砲から巨大なレーザーのようなものを放つ飛び道具技。
●隠しキャラ紹介
名前:豹六さん
攻撃:C
防御:C
速度:S
操作:E
覚醒:一般人のため変化が無い。
台詞:「ども、通りすがりの一市民(笑)ッす」
「うわ、やる気満々ッすか」
術技:不明
武器:中華剣
設定:
ボーナスキャラ。一定確率でバトることになる善良な一市民(笑)
基本性能:
超速撹乱型。手動では操作し難いほど迅く、スピード以外の性能は低い。
COMは使いこなすので激強。PLが使うと実力差がモロに出る。
覚醒モードに突入するとキャンセルポイントが増えるが見極めるのは難しい。
必殺技:
<アクセラレイザー>:特殊ボタンによるアクション中からのみ出せる強判定斬撃技。覚醒中はさらに特殊アクションでキャンセル可。
超必殺技:
<ブラックライナー>:発動モーション等なし。一定時間、通常技のモーションがなくなる。見えないだけで、攻撃判定や硬直等の性能は変化しない。覚醒中は目押しコンボ可。
一定の入力をすると、残像分身微塵斬りが発生する。
名前:アヤ
攻撃:C
防御:C
速度:B
操作:A
覚醒:銃口の先端に円形の魔方陣が多重展開する。
台詞:「どちらが勝つか、其れを決めるのは技量ですね」
「技量の差が勝敗を分けましたね」
「油断があったでしょうか?」
術技:ガンカタ
武器:リボルバー二丁
設定:
連勝数に応じて遭遇率の高まるキャラクター。
大会には宣伝目的で参加している傭兵アイドル。
首輪や手枷等のアクセサリを装着。
リボルバーを用いた近〜中距離戦闘を得意とし、肉弾戦闘はあまり得意ではない。
基本性能:
近〜中距離戦闘のバランス型。
ステータスは高くないが、技の出や攻撃の速度が速く、手数で勝負するタイプ。
強ボタンで通常射撃可能。覚醒は攻撃の威力が上昇し、攻撃速度が更に上昇する。
必殺技:
<始マリト終焉ヲ告げる前奏曲>:中距離のリボルバー6連射。
超必殺技:
<無限ニ連ナル葬送曲>:銃口周辺に無数の魔法陣が多重展開、各々が鎖を射出し相手を拘束後、単発のヘッドショット。
●撮影終了!
「皆さんお疲れ様です。データ等の整備はまだですけど、キャラシートくらいはできました」
角が集まった能力者達に頭を下げて、プロジェクターを通して設定や性能の書かれたキャラクターデータを映し出す。
キャライラストはラフ画でデザイナーが参加者を見ながらアレンジして書き上げていた。
「本当にゲームを作ったんですね〜。だんだん実感が沸いてきた! あ、さすがにゲームディスクは無理ですよね〜」
「前作のを上げますので、そちらで我慢してください」
フェイトがスライドショーのように流れるキャラクター達を眺めて目を輝かせる。
「来年中の発売になりますが、事前の宣伝等には力入れていきますので、これからも協力お願いします」
角は初めてのプロジェクトの手ごたえを感じ、また能力者達の熱心な拘りに感服した。
ゲームの完成までは時間はかかるが、期待を裏切らないようにしたい。
どんなゲームに仕上がるかあとは自分たちの頑張りなのだ。