タイトル:轟竜の守護獣マスター:玄梠

シナリオ形態: イベント
難易度: 普通
参加人数: 11 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2010/01/09 00:32

●オープニング本文


「ULTからぁ?」
 MSI、テストチームデスク。
 軍事関連の割に緊張感に欠ける雰囲気が全体を包んでいる。
 実態、ここの所仕事も無く。やる事と言ったら出荷前機体の挙動チェックに立ち会ったり、警備に回されたりと、雑用係に近い。
 頭脳労働組は頭脳労働組で、シミュレーターに新しい演算やデータを打ち込んだら、後は開発室が『とりあえず作ってみた』だけのアイディアを検証に掛けるだけ。
 丁度そういう時期で、誰もが連絡事項のボードに自分の異動通知が来るのを待っている様な状態であったから、その連絡は嬉しさ半分、もどかしさ半分でもあった。
「えぇ。正確にはULT発、開発室経由、テストチーム行きですわね。開発室の方で新しい荷物も積まれてますけれど」
「何だよ、ウチはそんな所から頼られる様な技術は無いぞ」
「仕事があるんだから、言う物じゃありませんわよ? それに‥‥」
「一応、うちでやる理由もあるらしいですから」
 同僚のケース・シラーに窘められ。脇でそのやりとりを見ていた白衣の男からホチキスで括っただけのコピー紙を受け取るドレッド頭のシャマ・ラマ・ケッタ。
 急いで取ったようなコピーだが、とりあえず原本の文面を読むには困らない。
 しかし、それを真面目に読み通さない人間も居るから、困る。
「いいんだよ、下っ端は中身なんて気にしなくてよ。だからお前、あれだ、俺が何するかだけ説明しろ」
「駐機場の警備ですよ」
「‥‥ッ俺関係ねぇぇぇ」
「灰掻き回さないでください。‥‥色々あるんですよ。対応は広報室から冬子さんがこっちに来るそうなので」
「何だ、あいつまだ帰ってなかったのか。っと‥‥『島上がり』ってのは優遇されるもんだな」
 灰皿を均していた指を離し、真新しい割に質の悪さが滲み出る安煙草を咥えるシャマ。
 椅子の背もたれを腹で抱いて、咥え煙草の火が着かない距離でコピー紙を覗き直す。
「担当した機体‥‥出るまでは、帰れないんじゃないですかね」
「ふーん‥‥で、よう。結局ULTからの仕事って何なんだ?」
「ビーストソウルのヴァージョンアップですよ。水中機の数も増えてきた所で、ある程度配備数も上がった機体にフォローを入れろって事でしょう。丁度UK3のチームも帰ってますから、そっちの技術も使えます」
 もっとも、リリース当初の高級感は、英国の伊達と矜持とやらで煤けてしまったが。
 UK3が本格的に運用され始めているこの時期だからこそ、かもしれない。
「それから、兼ねてからの艦載機計画についても、開発室からオーダーが来てます」
「オーダー?」
 珍しい物言いだな、と思いつつ次のページを捲れば、確かに発注書も同然の書き方をされている。
「UK3艦載機、DH−201グリフォンの需要調査を兼ねつつ、兵装のアイディアが欲しいと」
「それを‥‥あの『ゲーム機』でやろうってんだな?」
「‥‥また暇潰しで遊んでたんですか? やめてくださいよ、あれ本当使うのに許可とか‥‥」
「いいだろ、もう魔改造なんてしてねぇよ。‥‥要するに、冬子が傭兵連れて来るから、ビーストソウルとグリフォンであれやこれやさせると」
 俺の仕事何処行ったんだよ畜生、と、灰を磨り潰しながら呻く。
 テストパイロットにも色々居るが、シャマのように『壊れるギリギリまで壊す』事を仕事にする耐久屋は、こういう新しい物の件には絡みづらい。
 元々、新品担当の試験屋も居たには居たのだが‥‥バグアの襲撃によって今は殆どが引退か、治療に専念している。
 それにテスターはテスター。アイディア屋でもなければ、MSI私兵の実戦組でもない。
「グリフォンの方は、特にアヌビス乗りから情報が取りたいようです。‥‥基幹部分の担当アーキテクトが同じですから、おそらく特殊モーション系が組み込まれるんでしょう」
「‥‥俺一人の癖を調教しても駄目って訳な‥‥」


 そういう訳で、お鉢は傭兵に回ってきた。

●参加者一覧

/ 鯨井昼寝(ga0488) / 林・蘭華(ga4703) / アルヴァイム(ga5051) / 古河 甚五郎(ga6412) / 井出 一真(ga6977) / 美海(ga7630) / 百地・悠季(ga8270) / 龍深城・我斬(ga8283) / 抹竹(gb1405) / 鹿島 綾(gb4549) / 天原大地(gb5927

●リプレイ本文

○検証前景

「スクラムジェットの‥‥砲?」
 会議の始まる少し前。忙しなく資料等が運び込まれている部屋の丁度真向かい。
 アヌビスや阿修羅、リヴァイアサン等からの補正値吸い出しを待つ間。鹿島 綾(gb4549)の持ち込みを面白がった設計屋が、先に準備出来る事ならと数値を打ち込んでいく。
 当の本人はテストチームに挨拶に行っているようだが。
 傭兵が集まればここも騒がしくなるのだろうと、私物を片付けていたテスターが作業の様子を覗き込む。
「超音速下の吸気加圧を利用するのか? ‥‥流動モデルが違うか、燃焼ガスを‥‥こんな事したら推力不足で空気圧縮が間に合わなくなるだろ」
「さぁね、傭兵の考える事は分からんさ。今日はドネリさん来てるか、遊び用の粗ポリゴンでいいから頼んでくれよ」
「何をだい」
「スクラムジェットキャノン。揚力とか反動値とか、必要な変数は作っとくからさ」
「‥‥趣味が悪いな」
 あまり細かい設計には付き合わない、その男の目からしても、打ち出された数値は変則を極めていた。



○海下の守護獣

「海戦力向上のために、がっつり話しあうわよ!」
 気合いの乗り方が大海嘯。
 防波堤無しに直撃を受けた冬子が一瞬どきりとして振り返ったが、当の鯨井昼寝(ga0488)は既に資料を前にしていた。
 担当の人間こそちらほらと見えるが、手狭なテストチームの会議室に詰め込まれる事十数人。
「けもたまもいよいよバージョンアップでありますか。とっても楽しみなのでありますよ」
 参加者の中には、期待通り海戦部隊の名もちらほらと見える。美海(ga7630)もその一人だった。
 隣室では、持ち込まれたアイディアを粗検証する為の打ち込みが始まっている。
「では、先に抗外圧装甲‥‥400m帯域ですか? 此方の意見から」
 アルヴァイム(ga5051)による事前資料の取り纏めで、近似のアイディアは纏められていた。
 個々に綴じられたコピーは百地・悠季(ga8270)がせっせと席に回していく。
 その中でも、抗外圧装甲に関しては、目的も含めて同一の意見が二つ。
「早期発見速攻殲滅の一助として、深深度侵攻への対応が挙げられます」
 海下・海上活動を主にするという小隊の古河 甚五郎(ga6412)は、200mより深い脅威と、資源に目を向ける。
 海底油田の主要な埋蔵帯域を意識するアルヴァイムもまた、抗外圧装甲の強化を推していた。
「確かに、200mを限界にするよりはより深くへ、というのも分かりますが‥‥どうですか?」
 話を振られたのは、ビーストソウル開発を経てUK3建造に派遣されていた研究員。
「えぇ‥‥正直な所、400m帯域となると、ビーストソウルでは作業の余力を作るのが難しいですね。ただ潜るだけなら出来るかもしませんが、KVとしての意味を成すかは不安な所です」
「それは‥‥戦闘機としての?」
「そうなります。高深度下のテストはそう回数が取れないので、全てが判明している訳ではありませんが‥‥」
「ふむ‥‥」
 ちら、と古河の方を見遣るアルヴァイム。
 水圧の壁よりも深く高い技術的な問題を前に、ややも目を合わせていたが、一旦手を置く。
「宜しいですか? ‥‥では、御願いします」
 2、3、4‥‥と挙げられた資料を数えていく冬子。
 席順から、鯨井が先に立つ。
「今のアクチュエータは正直弱みに感じるわね。他は良く纏まってる機体だから、実情に合わせて強化すべきでしょ」
「そうですね‥‥俺も剛性アクチュエータが良いかと思います」
 阿修羅乗りの井出 一真(ga6977)も、意見に乗る。
「アルバトロス、リヴァイアサンは機動性の機体ですからね。逆に打撃力、という事で」
「出来れば格闘武器の限定を外せればいいんだ、け、ど‥‥」
 手元の資料に目を落とす鯨井は、アクチュエータの概要を見て言葉を止める。
 ビーストソウルの強装アクチュエータは、その名の通り通常稼働用のアクチュエータに加えて出力・剛性の高いアクチュエータを稼働させる物。
 直接的に恩恵を受けるのは近接武器と衝撃耐性。射撃を行うのに銃座となる腕部の筋力を増強しても、弾丸の威力自体は変わらない物だ。
「まぁ、バージョンアップに過度な期待は禁物よね」
「純粋に強化しても、売りにはなる能力だからな」
 リヴァイアサン持ちの鹿島も、剛装アクチュエータを押す。
「特に変形の手間がかかる所は、他所の機体に比べても大きく劣っているからな。他機の追随を許さないパワフルさと頑強さが必要だろ」
「そう、そこだ」
 天原大地(gb5927)の意見に、静かに手を挙げる龍深城・我斬(ga8283)。
「ビーストソウルに必要なのは既存特殊能力の強化でも、基本能力の向上でも無い!」
 力強く言い切った龍深城。
 その勢いに、またも冬子だけがびくりと姿勢を止める。
「移動力の強化と強化変形機能の導入、これだけだ」
 理由を纏めると、こうだ。
 現在の海戦事情は、ビーストソウルを基準とすれば価格帯上位も下位も変形に行動力を消費しない即時変形を常としている。
 水中では戦闘機形態でない限り移動は1、戦闘機形態を駆使するとなると、変形に行動力を消費するかしないかは大きな違いとなる。
 特にビーストソウルは近接格闘を主要とする機体。
 その機体が、近接格闘を行う手順においてイニシアチブを逸している。
 単純な数値差でもない為、強化による数値増補では根本的な解決にはならない。
「これに関しては‥‥」
 話を振られた白衣チームは、仲間内での確認を暫し重ねていたが、代表らしき人物が肩を押されて立った。
「えぇ‥‥移動力は可能の範囲ではあります。変形機構に関しては、駆動部負荷との兼ね合いを見て報告に挙げたいかと」
 コストの算出上、既にある物に手を加えて再現するしかない。
 大柄な機体だけに、どれだけの事ができるか。居並ぶ面々は何れも不安という顔を揃えていた。
「特殊能力をあれこれ弄るより、生命を特化して欲しいでありますね」
 此処までの能力改善に対して一転、シンプルな形での増補を挙げる美海。
 白衣の席から「一番手軽ではあるよな‥‥」という駄目な呟きも聞こえたが、置いて。
「生命は普通に強化しても中々伸びない物でありますから」
 場の反応は鈍い。
 深度400m対応、剛装アクチュエータ、変形機構問題、生命値‥‥
 各々の意見で、重ねられる所は重ね、譲歩、妥協、推敲が揺れる。






○空下の守護獣

「では、グリフォンの方からですね。此方はとにかくアイディア出しとなりますので、よろしく御願いします」
 どうぞ、と発言を渡された林・蘭華(ga4703)。
 件のテストチームの件でも見た顔だが、アヌビス乗り。
 求められていた経歴と、その容姿とで、研究員の視線がせっせと動く。
「新型は艦載機として軍へのリース予定だっけ?」
「そうですね。仕様を変えて傭兵側への数も整える予定ですが」
「艦載機として運用の速さをつけるなら垂直離着陸‥‥艦での長期的な運用を考えるなら整備性も必要ね‥‥」
「母艦を中心としての行動を前提とするなら、多少航続距離を減らしても空戦に有利な能力を上げるのが宜しいかと‥‥」
 同じくアヌビス乗り、抹竹(gb1405)の意見。
「尾部はその減らした分を補う、増槽、という事でも」
「ドロップタンク方式は使えないかな? 爆雷との切り替えで」
「切り離しというのは一寸‥‥」
「尻尾が尻尾なら、いつぞやの『銀狐』が使えないかな。抹竹も見たろ?」
「あぁ‥‥あれですか」
 同じ依頼をこなした鹿島の振りに、担当機材の出てきた開発者が慌てて該当の資料を取りに走る。
 フレキシブル・スラスター。
 アヌビスの将来性を研究する過程で、バージョンアップとも異なる改良型として研究されていた部品。
 元々が『稼働範囲の広い』事を売りとしているアヌビスの推進系を、更に極端な形にした物でもある。
「艦載機という事であれば、哨戒機器は欲しい所ですねえ」
「UK3からの情報支援を強く受けられれば、守護という面から見ても、機体性能の底上げに繋がると推測するのです」
 尾部に関しては複数のアイディアが挙げられ、その度に百地が書き連ね、分類を掛けていく。
 司会回しに集中する冬子をサポートしながらも、そそっと自らの意見を重ねていく事に不備はない。
「グリフォンは水上で離着陸出来て、それでどうなの?」
 龍深城の疑問に、資料のページ数が指示される。
「えー、此方を御覧ください。‥‥表面効果、及び四肢の制動によって、変形状態にあれば陸上と変わらぬ機動が可能となっております」
 更に、井上の挙手。
「これ、もしかして水中用キットとか装備してたら、空中から水上へ着水、そのまま潜行とか出来ませんかね?」
「いっそ陸上を切って、空・海で運用するとかね」
「UK3は巨大ですから、艦上活動も充分に考えられます。陸を捨てるのは難しいですが‥‥そうですね、水中は視野に入れられそうです」
 空・陸・海。
 三種対応出来れば、KVとしては初となる。
 尤も、密閉を含めた耐水保護と、空戦に耐えうるバランスの保持という所で難しい舵取りを要求されそうだが。
 百地の書き出しもそろそろ纏まりを持ってきた、という所で、丁度昼も過ぎた辺り。次に備えて一時休憩を挟む事となった。

「あぁ‥‥一寸良い?」
「え‥‥あ、はい。なんでしょう」
 前半仕事終了さて今日のランチは何にしようか、と、すっかりこの土地の勤務形態に慣れてきた冬子。割と図太い。
 そそくさと席を離れ、移動しようとしていた所で、林が確保。
「私用にパイロットスーツを注文したいんだけど‥‥出来る?」
「えぇと‥‥流通の方に確認を取れば‥‥私の着ていた物と同型で良ければ、ですが」
 MSIも規模が規模なだけに、一般支給されるパイロットスーツと、冬子のような特別な事例でのみ着用する、ある主の対外用途とでは異なる事もある。
 その場では一応の約束を取り付けるに留まったが、パイロットスーツ。そういう物も商品になるのかと、そっと蠢く影があった。



○検証光景

「おい、シミュレーターで誰か叫んでないか」
「スクラムジェットが音速越えて錐揉みしてるからな。叫ぶだろ」
「吐かなきゃいいけどな」
 他の筐体はまだ静かだが、唯一異常なほどに、疑似慣性を伝える油圧器が猛烈な勢いで軋む音。
 その軋みが一段高くなる毎に、制御を失った機体の滅茶苦茶な機動がモニターを駆け抜けていく。
「ラム機構の出力に目を付けたまではな。砲撃の度に推力水準が乱れてあの調子だよ」
 肝心のスクラムジェットキャノンは、発案者に非情な空の旅を見せているようだ。
 だが取り寄せてきた流体管理の資料は無駄ではなく、案の改良は続けられる事になった。
「それで、隣は?」
「深度400mの世界を体験中。5秒間隔でアラート対処は大変だろうな‥‥良いデータになる」
「対処が出来てるのか?」
 二席を借りて動かしているのは、発案であるアルヴァイムと古河。
 操縦の様子を画面から覗くと、其所だけ企業研修のような微に入った作業が続いている。
 その様子をにやにやと見守る趣味の悪い担当さえ居なければ、本当に何らかのエキスパートを育成する風景のようだ。
「対処と言える対処じゃあないが。いやあ、傭兵の動かし方っていうのは面白いね」
 元々耐えられない海の底。想定される改良点と簡易保護だけで潜るには、それがただの再現画面と分かっていても暗く、深い。
 急制動の掛けられない負荷地獄の中、規則的ながら時折裏切りを見せる海流。
 そうした風景を待っている間も、グリフォンのシミュレーションを行っていた面々が次々に脱落していく。
「半回転は‥‥拙い‥‥」
 アヌビス慣れをしている筈の抹竹も、四脚獣型の踏み脚とステップ・エアの旋回速度に振り回されている。
「強烈‥‥ですねぇ。関節は大丈夫なんですか?」
「アヌビスのリミッターを定める時に、各部の遠心耐性やアクチュエーターの耐久性については研究しつくしましたからね。これでもまだまだ余裕はある方です」
 整備士としての心配をする井上だったが、返ってきた答えにふぅと肩を落とす。
 その様子を眺めに、テストチームの警備と交代してやって来たプロダクトEPWの面々。見つけた百地が声を掛ける。
「そうそう、仇になる蜂迷彩は、知り合いが退治したって聞いてるわね」
「あぁ、聞きましたよ」
 筐体から重い足取りで机に凭れ、運動量より冷や汗で濡れ雀となった鹿島をちらと見て。
「意識させました? ‥‥こんな業界ですから。死にたくないからってこういう勤務を希望してても、やられる時は一緒ですよね」
 そろそろ全体も休憩、もしくはやる事はやり終えたといった状態になり、アルヴァイムが人数分のコーヒー等を用意していた所で。
「‥‥長いな、あのシミュレーション」
 一番端、剛装アクチュエータの試用を行っている筈の筐体は、開始からずっと停止する様子がない。
「地形指定は‥‥何だ、UK3? この間の再現じゃないのか」
「想定される状況ではあるってさ。‥‥まぁ、艦内一周ツアーをされるとは想定してなかったが」
 広大な参番艦。KVによる戦闘が予想されるほぼ全ての公開範囲、そして予想される事件・事故が、シミュレーター上に記録されている。
 無論そういった訓練用のプログラムとしても稼働する為、甲板上の巨大な操舵輪を回したり、閉じかけた艦橋をよじ登ったり、第三艦橋の破棄までに脱出するといった事も。
 傭兵の協力無くしては完成も有り得なかっただけに、このぐらいはサービスの類だろう。

 こうして集められていった傭兵達の意見、そして仮にでも、シミュレーター上で再現された意見の形をそれぞれが味わい、擦り合わせていく。
 結果、ULTへの提出となったのは、剛装アクチュエータの実装。ただしその剛装アクチュエータにも、変形時に関わる改良点と見直しが行われる事となった。
 グリフォンに関しては、特に素体への見直しという点も少なく、尾部に関しては哨戒・情報用途から対潜、救難、傭兵へのリースといった複数の装備・配備形態に合わせて売り込みを掛ける形となった。
 回収した意見と、纏まった案を提出しに開発部へ訪れた冬子。
 そして丁度その手伝いをしていた百地は、何やら開発とは別の部署で、慌ただしさの増すのを目撃していた。
 その時は、特に気にも止めなかったが。