タイトル:毒蛇の坩堝マスター:久米成幸

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/12/09 02:02

●オープニング本文


 帰宅した少年は、唐突に下駄箱から頭を出した茶色の蛇に驚き、綺麗な回し蹴りを決めた。
 蛇が痛みに動揺している隙に、脱ぎかけた靴を履き直して、廊下を走る。
 驚愕のあまりに悲鳴を上げ、玄関から逃げ出すのが普通なのだろうが、祖父が趣味で毒蛇を飼育していることから、少年は毒蛇に慣れている。おそらく、また水槽から逃げ出したのだろうと、少年は見当をつけた。
「じいちゃん。またなんとかって蛇が逃げてるけど」
 溜息をつきながら居間に続く襖を開けた少年は、呆けたように口を開いたまま硬直した。
 なんと、巨大な楔形の頭部に、ずんぐりとした赤い縞模様の胴体を持つ祖父ご自慢のデス・アダーが、炬燵の上でとぐろを巻いているではないか。
 ツチノコに似た外見は禍々しく、いかにも毒蛇といった体のデス・アダーは、毒牙が長く、毒液も強力だ。
「逃げ出しちゃった。てへっ」
 などとおどけて、つるつるの頭をこつんと叩くお茶目な祖父でも、さすがにこれは不味いだろう。
 少年は凄まじい形相で襖を閉め、廊下を這うニホンマムシに追われるように廊下を走った。

 このころになると、毒蛇を見慣れている少年も、動揺を隠せなくなっている。
 全ての毒蛇が逃げ出しているなど、正気の沙汰とは思えない。
 少年は風のように廊下を駆け、右手に毒蛇の蠢く台所を見ながら左折し、二階へと続く階段の裏に回った。
 少年の想像通りに、地下にある祖父の部屋に続く扉は開いたままだ。
「じいちゃん。じいちゃん」
 呼びかける少年に答えるように、つるつるの頭がにゅっと突き出された。
「逃げろ。キメラだ」
「キメ? えっ?」
「きゃつめ、私の可愛い毒蛇を逃がしおった」
 怪訝そうな顔の少年を突き飛ばし、祖父は口早にそう伝えると、悲鳴を上げながら階段を転がり落ちていった。
「じいちゃ」
「くるな。すぐにULTに電話しろ。私はだいじょうひょあひあげぼろびょふあっ」
 涙と鼻水で顔を汚し、死に物狂いで駆け出す少年の背後から、不細工な中年男性の顔がふたつ覗いた。
 顔は、緩慢な動作で長い首を地下室の扉から伸ばし、二股に分かれた舌を突き出しながら下品な笑みを浮かべた。
「冷静になるんだ。冷静に。冷静に。冷静に」
 幸いにも少年は、血清が祖父の部屋にあることを知っている。とにかく病院に運べば祖父は助かるだろう。
 少年は、足を噛んだままのニホンマムシを引きずりながら、玄関を飛び出した。

●参加者一覧

白鐘剣一郎(ga0184
24歳・♂・AA
漸 王零(ga2930
20歳・♂・AA
緋室 神音(ga3576
18歳・♀・FT
瞳 豹雅(ga4592
20歳・♀・GP
シン・ブラウ・シュッツ(gb2155
23歳・♂・ER
八葉 白雪(gb2228
20歳・♀・AA
アンジェラ・D.S.(gb3967
39歳・♀・JG
土御門・姫命子(gb4042
19歳・♀・ST

●リプレイ本文

●突入
「ああ、あの、私っ、この依頼が、傭兵初仕事となります、土御門・姫命子(gb4042)といいます!」
 閑静な住宅街の隅に佇む日本家屋の門柱前で、可愛らしい顔を緊張に強張らせた土御門が頭を下げた。
「よっ、よ、よろしくお願いします!」
 唐突な挨拶に驚きながら、緋室 神音(ga3576)が「よろしくね」と微笑みを返した。
 新入社員のような初々しさに、白鐘剣一郎(ga0184)も思わず頬を綻ばせる。
 漸 王零(ga2930)は表情は変えず、軽く頭を下げたのみで、すぐに視線を土御門から家屋に移した。
「限定された空間での戦闘に、依頼人の祖父のペットの毒蛇か‥‥。面倒だな」
「比較的狭い場所での戦闘になる。皆、武器の間合いに注意してくれ」
 白鐘が一同を見回して活を入れた。
「アイテール‥‥、限定解除。戦闘モードに移行‥‥」
 神音が頷きながら覚醒すると、
「万闇よ‥‥、我が意に従い聖闇と化せ」
 と、王零も覚醒をすませた。
 アンジェラ・ディック(gb3967)は頭のバンダナとスカーフをチェックし、「コールサイン『Dame Angel』いくわよ」そういって、軍手の嵌った手で玄関の戸を開けた。

●各部屋の確認
 存外に広い家とはいえ、八人の能力者が一気に突入するとなると、やはり窮屈だ。
 特に背の高い王零などは、玄関を潜るのにも難儀している。
「まずは各部屋の確認でしたっけ」
 瞳 豹雅(ga4592)が小声で話しかけると、シン・ブラウ・シュッツ(gb2155)が棒の先に鼠の玩具を取りつけながら頷いた。王零も足首に煙草の臭いをつけた布を巻いて「そうだ」と答える。
 白雪(gb2228)は、用意してきた自前の暗視スコープで、長く伸びる廊下を確認し、続いて懐中電灯で下駄箱の中を照らした。
「玄関と廊下には、毒蛇もキメラもいないわね」
「よし。俺は居間を確認しよう」
 白鐘が物音を立てずに廊下に上がり、壁を背にして襖に手をかけた。
 神音が反対側の壁に背を預け、月詠を構える。
 襖がゆっくりと開くにつれて、光が薄暗い廊下に広がり、その中に茶褐色の尖った頭が現れた。神音が素早い身のこなしで月詠を振り下ろす。刃ではなく峰で打ったが、毒蛇は血反吐を撒き散らしながら床に叩きつけられた。
 王零が毒蛇を跨いで居間に入り、素早く左右に視線を走らせる。が、毒蛇が遠くの壁だの窓だのに張りついたり、そこかしこにとぐろを巻いているのみで、キメラらしき影は見当たらない。

 廊下を挟んで居間の反対側に上座と下座がある。こちらもやはり毒蛇と思しき群れが、日向ぼっこを楽しんだり、いちゃいちゃしたりしているが、どれもキメラには見えない。
「実はキメラがどんな姿をしているのか、わからないんですよね」
 瞳が毒蛇の頭を素早く掴んで袋に入れながら呟く。
「通報した少年が大蛇といっていたそうですが、果たしてどんなキメラなのやら」
「確かに外見は想像もつかないけれど、一目でも見れば、キメラと毒蛇の区別がつくはずよ」
 アンジェラの自信のある発言に、瞳が首を傾げた。アンジェラが神棚に鋭い視線を送りながら続ける。
「毒蛇として有名なタイパンが四メートルで、コブラ科では三番目に長くなる種だと聞いたことがあるのよ。キングコブラが六メートルだったかな。アミメニシキヘビになると、十メートル近くまで成長するものもいるそうよ」
「ああ、なるほど。長さで見分けるわけですね」
 瞳は感心したように何度も頷き、最後に手のひらをぽんと叩いた。
 二人の会話を黙って聞いていたシンが、長い舌を出して威嚇をする毒蛇の眼前に鼠の玩具を突きつけながら、
「僕も一応、蛇の生態について簡単に調べてきました。オオアナコンダの体重は三百を超えるみたいですね」
 無表情でいい、蛇の習性や生態を事細かに挙げた。
 瞳が時折質問をし、シンが素っ気なく答えるやり取りを聞きながら、能力者たちは、乱雑に家具の置かれた物置のような下座を隅々まで確認し、襖を開けて上座に入った。
 上座もあまり使われていないらしく、空虚な雰囲気が漂っている。入ってすぐ右に小さな襖があり、そこを開くと和室の前に出る。和室と台所は細い廊下で繋がっており、台所の手前を右に折れると玄関に至る。

●地下室へ
 八人の能力者は、それぞれが一階を捜索し終え、台所のガラス戸の前に集まった。
「キメラはいないな。やはり地下室のようだ」
 王零が顎に手を当てて呟き、白鐘、土御門、瞳を順番に見つめた。
「作戦通りに、俺たちが地下室に入ろう」
 白鐘が先に立って、おそらく力士では入れないであろう小さな穴に下半身を突っ込み、地下室の冷え切った床に着地したと同時に、毒蛇が地下室の壁に叩きつけられた。白鐘の手には、抜き身の莫邪宝剣が握られている。
 常人には不可能な動作をこなした白鐘は、自慢そうに笑うどころか、頬を押さえて小さく呻いた。
 毒蛇の毒牙からは逃れることに成功したが、キメラの吐く酸への対処が遅れてしまった。
 彼の右頬は赤く腫れ上がり、押さえている指の隙間からは、僅かに湯気が洩れている。
 条件反射で駆け寄ろうとした瞳を手で制した白鐘は、自身の頬を乱暴に拭った。
「問題ない。俺がキメラを抑えている間に、おじいさんの確保を急げ。血清も忘れるなよ」

 キメラは狭い地下室に、平凡な中年男性にしか見えない顔をふたつ浮かべていた。そのまた顔からは、長い舌を垂らしていた。首から下は大蛇の形をしており、床にとぐろを巻いている。
 人面犬ならぬ人面蛇に、土御門が身を強張らせた。
 が、老人を視認すると、そこはやはり能力者だけあって、迅速に駆け寄り、怪我の程度を確かめる。
「おじいさん、助けに来ましたよ」
 土御門の呼びかけに、老人は微かに呻き声を上げた。
「怪我の様子はどうですか?」
「大丈夫みたいです。とにかく早く病院に運びましょう。瞳さん、お願いします」
「了解。土御門さんは、血清をお願いね」
 頷く土御門の背に向けて、キメラが長い首を伸ばしたが、白鐘が莫邪宝剣で弾いた。
 けれども、先ほどと同様に、尾や舌は防げても、莫邪宝剣では、酸を防ぐことができない。
 白鐘は素早く身を伏せて酸を躱し、反動で大きく伸び上がりながら、キメラの顔を十字に切り裂いた。
 蛇はピット器官と呼ばれる高センサーを有しているため、白鐘はそれを封じるべく顔を狙ったのだった。
 それにしても、蛇が酸を吐くのはどういう理屈だろう。確かにナミヘビ科の一部には、不快な分泌物を出す種が存在しているが、まさかこのキメラは、ナミヘビ科の遺伝子を持っているのだろうか。

●狭い廊下での戦闘
 老人を担いだ瞳に続いて、血清を鞄に詰めた土御門が地下室を脱出すると同時に、キメラが痛みに呻きながら酸を所構わずに吐き出し、地下室から一階に伸び上がった。
「白鐘、助太刀する!」
 瞳たちと入れ替わりに、地下室の梯子に手をかけた王零が、出会い頭に酸を受けて体勢を崩した。
 が、器用に体を捻って転倒を避けると、『流し斬り』を連続で繰り出した。
 床がまるで氷に変化したように、王零がキメラの周囲を縦横無尽に舞った。
 分厚い鱗を切り裂かれて長い首を擡げるキメラの下、地下室の入り口から飛び出した白鐘が、『紅蓮衝撃』に『流し斬り』を組み合わせた「天都神影流『奥義』龍昇嵐」で竜巻のように鋭く円を描きながらキメラの周囲を移動し、複雑に動くキメラの尾を避けながら追撃を加える。
「悪いが、長々と相手をするつもりはない」
 と吐き捨てた白鐘は、修羅の如き形相で月詠をキメラに突きつけた。
 二人の活躍によりキメラは相当の傷を負ったが、ただでさえ狭い廊下で月詠を扱うのは難しく、王零と白鐘の二人は、キメラのみならず、壁や柱にも大きな傷をつけてしまった。
 瞬時に引き抜けたので何事もなかったが、丸腰でキメラと相対しなければならなくなっていたかもしれない。
 続いてキメラの前に飛び出したのは、紫がかった黒髪をなびかせる神音だ。
 両手に携えた月詠を大胆に振るい、キメラを確実に疲労させていく。
 土御門は、『練成弱体』で完璧に援護をこなしている。キメラとの戦闘は初だが、行動に余念はない。
 その土御門の隣ではアンジェラが小銃を構え、素早く『強弾撃』を放ったが、弾は逸れて壁を穿った。

 狭い場所でキメラを翻弄する五人を横目に、瞳は老人を担いで廊下を駆けていた。
 途中で神音が老人に毒蛇の正確な数を尋ねたものの、
「あだちゃんとまーむちゃんとぽいずんちゃんとべじーたちゃんとおのれ地球人の分際でわしの毒蛇を」
 老人は夢現に意味不明のことを述べるばかりで、まるで要領を得なかった。
 瞳は背中でファイティングポーズを取るじじいに舌打ちしながらも、毒蛇を蹴飛ばして玄関に回る。
 けれども、毒蛇がまるで老人を慕うように玄関に集結していた。
「ほかの出口はありますか」
 叫ぶ瞳に答えたのは、毒蛇の対処に当たっていたシンと白雪の二人だ。
「蛇だらけの家ってぞっとするわね。気持ち悪い」
 ――あれ? お姉ちゃんって、蛇が苦手だったっけ?
「う〜ん。蛇とか蛙とか、あんまり好きじゃないわね」
 ――へ〜。意外。なんでも大丈夫だと思ってた。
「白雪。あなたは私のことをなんだと思ってるの?」
 ‥‥白雪は別の人格との会話で忙しいようだが、シンがお手製の棒で蛇の気を引きながら、台所にも入り口があることを無機質な口調で伝えた。
 瞳が礼を述べ、廊下を引き返して台所に飛び込む。その動きは「天翔る忍者」に相応しい。

●毒蛇捕獲大作戦
 無事にお勝手の戸が閉じる音を聞き、シンは毒蛇に注意を戻した。
 彼は今回の作戦のために、入念な下調べを行っている。
 例えば、蛇の視覚はそれなりに作用しているが、遠距離や上や後ろはあまり見えていないとか、視界に入っている一番近い動くものを警戒する性質がある等だ。
 特にピット器官は熱と距離を感知するので注意が必要と、下座で繰り返し瞳に教えていた。
 また、鼠の玩具を先につけた棒を見ればわかるように準備も周到で、震動に敏感な蛇の特性を憂慮して、新品のゴム長靴を履いている。
「‥‥ずいぶんとたくさん取ったわね」
 と白雪が驚くのも頷けるほどに、シンの持つ袋は蛇で膨張していた。

●撃破
 キメラは外見もさることながら、その能力も決して馬鹿にはできない。特におっさんの顔から吐き出される酸は驚異的で、直撃を受けたアンジェラの左腕が赤く腫れ上がり、じゅくじゅくと奇妙な音を立てて鈍く痛んだ。
 土御門が『練成治癒』で治療を試みたが、怪我の程度が酷いため、完治には至らない。
 それでも傭兵の意地とばかりに照準を定めて放った銃弾がキメラの眼球を貫いた。
 キメラは猛烈に首を振って階段の手すりを破壊し、壁にも大きな穴を開けたが、
「汝の悪しき業、全て我が貰い受ける‥‥。流派奥義『無明』」
「夢幻の如く、血桜と散れ――。剣技・桜花幻影【ミラージュブレイド】」
 王零が『豪破斬撃』を用いて急所に月詠を突き刺し、神音は舞うような動きで果敢にキメラを攻め立てた。
 二人の猛攻により断末魔の叫びを上げたキメラは、長い体を波立たせて地下室に落ちていった。
「万魂淨葬刃軌導闇。‥‥我に業を奪われし無垢なる魂よ、その穢れた躯を棄て迷わず聖闇へと還れ‥‥」
 決め台詞の後に月詠を振るってキメラの血を落とす王零の隣で、鬼のような形相をしていた白鐘が緊張を解き、深い溜息を洩らした。
「何とか片付いたが‥‥、後始末が残っているな」

●お見舞い
 酸を受けた三人の治療を兼ねて、八人は病院に向かった。
「こんばんは。お体はいかがですか?」
 花束を抱えて病室に入った白雪に、少年が呆けたような顔を向けた。
 少年の隣に無表情で座っていた老人は、僅かに目を見開いて白雪に駆け寄り、肩を掴んで揺すった。
 王零が咄嗟に手を伸ばしたが、老人の目に涙を認め、首を振って手を戻す。
「本当にありがとう。ありがとうよ。孫にもしものことがあったらと思うと‥‥」
 用意してきた花束を花瓶に刺していた土御門の唇が俄かに震えた。
 察して近づいてきたアンジェラを一瞥し、
「新米傭兵の私でも‥‥、お役に立てました‥‥」
 土御門に釣られて、少年が鼻を啜った。

「あの状況下で、よく落ち着いた判断ができたものだ。よほど普段から慣らされていたようだな」
 白鐘が少年の肩に手を置いていうと、神音も「本当に、よく冷静に対処できたわね」と笑った。
「はっはっは。わしがよく蛇を首に巻いて驚かせたからな!」
 いつの間にやら涙を拭いた老人が、がははは、と盛大に笑う。
「なにか音がするな、と思って目を開けたら、枕元に蛇がいたりしましたから」
 少年に耳打ちされて、目を腫らした土御門が薄っすらと微笑んだ。瞳も嬉しそうに白い歯を見せている。

 極限の緊張状況の中にいた能力者たちは、龍笛『雪月花』を吹く白雪に心を癒されていたが、
「こらー! ここは病院ですよー! 病院はお・し・ず・かにぶふう」
 飛び込んできた看護師がシンと衝突し、シンの腰に結わえられていた袋が宙を舞ったのを見て、顔を強張らせた。
 少し前では心地よい音色に満たされていた病室を、唐突に極彩色の毒蛇が埋め尽くす様は、見ていて気持ちのよいものではない。が、老人だけは喜色満面の体で、
「うっひょー! あだちゃんじゃないかあ」
 と一際目を引くデス・アダーを抱きしめながら卒倒した。

 後日、土御門に一通の手紙が届いた。
「花束と毒蛇をありがとうございました。それにしても、あの病室でのできごとは圧巻でしたね。ああやってみると、毒蛇って意外と綺麗なのかもしれません。デス・アダーに噛まれた祖父は元気です。ただ、デス・アダーは二度と見たくないと、庭に放そうとしていたので、僕が飼育することになりました。
 乱暴に扱わなければ、とても大人しい子なのですよ。時々は、一緒の布団で寝ています。手紙と一緒に写真を送りますので、ぜひとも土御門さんの部屋に飾っておいてください」
 不細工なデス・アダーとキスをしている少年の写真を見た土御門が、どのような反応を示したのかは、彼女の名誉のためにも割愛することにしよう。