タイトル:歓迎!カンパネラ学園寮マスター:クダモノネコ

シナリオ形態: ショート
難易度: 不明
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/05/17 20:49

●オープニング本文


※この依頼は【学園生フラグ】がオンのPC様向けです。キャラクタークラスは問いません。

 カンパネラ学園。
 ラスト・ホープに付随する人工島に建設された、能力者のための学校である。AU−KVを装着できる「ドラグーン」クラスの研究施設としての側面がある故に、学生は「ドラグーン」適性のあるものに限られていた。
 そう、北極圏制圧作戦が完了するまでは。
「カンパネラ学園については、広く門戸を開ける事にしよう。一般の能力者に対しても、聴講生ではなく学生として身分を保証する」
 UPC欧州軍准将、ウォルター・マクスウェルの一声を以て、学園は希望する能力者すべてを学生として受け入れる方針を示したのだ。
 時に2011年の春。
 桜は既に、青々とした葉を茂らせようとする頃合いだった。


 さて、とある日の放課後、場所は生徒会事務部室。
「新規入寮生向けのオリエンテーション、ですか?」
 生徒会執行部員の訪問を受けた笠原 陸人(gz0290)は、やや緊張した面持ちで問い返していた。何しろ執行部といえば、会長の龍堂院 聖那を筆頭とした、超優等生集団である。「どうにか留年せずに3年生に進級できた」陸人とは、もはや住む世界が違う生徒たちだ。
「ええ。寮での暮らしは、学園生活において大きな比重を占めます。兵舎からの転居や親元からの独立‥‥生徒さんによって境遇は様々ですが、一日も早く慣れてもらいたいと我々は考えております。そこで事務部に、オリエンテーションをお願いしたいのです」
 穏やかな口調で理由を説明する、黒髪が美しい3年生。だが陸人の表情は冴えない。
「オリエンテーションって、何をすれば? 僕、実は寮生じゃないんですよ。だから正直、よくわからないかも‥‥」
 ああ笠原。ここは「任せてください」とハッタリをかます場面だろう。そんなだから3年生になっても雑用係なんだよ、君は。
「あら、却って良いではありませんか。あなたが寮に新しく入ると考えてみて。どんなことに期待を抱き、何を不安に感じるか。そういったところを中心に、考えてくださればいいと思いますわ」
 執行部の3年生は、にっこりと微笑んだ。
「うーん‥‥」
「難しく考えなくても、あなたには寮生のお友達が大勢いるのではなくて? 皆で力を合わせて、新しい友人を迎えてくださればよいのですよ」
 どうやら、一人でやらなくても良いらしいことに気づいた陸人は、少しだけ考え込んだ。
「友達かあ‥‥」
 学園に来てもうすぐもう3年目、友達には恵まれているとの自覚はしっかり持っている。
「わかりました。僕一人じゃ難しいけど、友達が一緒なら、できます」
 だから彼には珍しく、しっかりと言い切ることができたのだ。
「‥‥たぶん」
 ちょ、最後の一言、余計だっつーの。

●参加者一覧

L45・ヴィネ(ga7285
17歳・♀・ER
佐倉・咲江(gb1946
15歳・♀・DG
鯨井レム(gb2666
19歳・♀・HD
プリセラ・ヴァステル(gb3835
12歳・♀・HD
獅月 きら(gc1055
17歳・♀・ER
ガル・ゼーガイア(gc1478
18歳・♂・HD
功刀 元(gc2818
17歳・♂・HD
明河 玲実(gc6420
15歳・♂・GP

●リプレイ本文


 カンパネラ学園学生寮。戦いに明け暮れる若き能力者たちの、第二の我が家だ。
 学生は年間を通して入学するが、やはり4月と9月に集中する。
 故に春と秋には生徒会執行部の主導で、寮の案内が執り行なわれていた。
 そして今年も。葉を茂らせる桜の木の下に、新入生がいた。

「これで、ほんとの同級生だね」
 日差しの中、真新しい学園制服に身を包んだ薄紅梅の髪の少女を、少年は眩しそうに見つめていた。
 だが彼女は、目の前の同級生の心内には気づかない。
「よろしくね、りっくん」
 両手で少年の左手を取り、屈託なく笑う。
「あ、うん、僕こそ‥‥」
 よろしく。
 俯いて返したその言葉に、鐘の音が被さった。
「あ、もう時間だよ!」
 弾かれたように、ふたりは共用棟に駆けてゆく。
 大時計の針は、午前10時を示していた。



 カンパネラ学園は男女共学だが、寮は当然の如く男女別棟である。
 但し日々の食事や課外活動には、ふたつの建物の間にある共用棟が用いられていた。
 中を覗いてみよう。まだ昼食には早い食堂のテーブルを、9人の学生が囲んでいるではないか。何やら話し合いの最中らしい。
「時間だ、始めよう。まず在校生から順に自己紹介を。僕は 鯨井レム(gb2666)。学園寮管理部の部長を務めている」
 生真面目そうな隻眼の少女に続き、後を引き取ったのは眠たそうな赤毛の少女だ。
「がぅ、案内役の佐倉・咲江(gb1946)。皆、今日一日よろしく‥‥」
 三番手は、黒髪のハイドラグーン。
「功刀 元(gc2818)です。去年はこのツアーで新入生として参加しましたので、今年は先輩として皆さんをしっかり案内したいと思います」
 さらに、ガル・ゼーガイア(gc1478)が続く。
「何かわからねぇ事があったら先輩を頼れ! 困ったことがあったら先輩を頼れ! 少なくとも俺は見捨てねぇ!!」
 燃えるような赤毛の少年は、なかなかの熱血漢のようだが
「‥‥たまに先輩の特権を使うことがあるけどな」
 小声でつけ加えた一言をレムに聞き咎められ、慌ててそっぽを向いた。
「では、新入生の自己紹介に移ろう。まずそこの君から」
 何気ない言葉に驚いたような顔をしたのは、プリセラ・ヴァステル(gb3835)。
「うにゅ!? あたしは新入生じゃないの!? 鯨井さんと同じ先輩なのよー!?」
 あどけない顔とは不釣合に育った胸を揺らして、心外そうに「先輩」をアピールする。
「がぅ。ごめん。その隣の、人」
 咲江がやはり眠そうに、金髪の眼鏡っ娘を指した。
 彼女もプリセラに負けず、よい胸部主兵装を装備している。制服に収納しきれず、前合わせを大きく開かざるを得ないほどに。
「L45・ヴィネ(ga7285)だ。聴講生として通っていたが、この度正式に学生として入学する事となった。宜しく頼む」
 7人目と8人目は、開始前に桜の木の下にいたふたりだった。
「獅月 きら(gc1055)です。ようやくみんなの仲間になれた気がして、嬉しいです」
「事務部雑用係の笠原 陸人(gz0290)です」
 そして最後に立ったのは、銀髪の美少女。
「明河 玲実(gc6420)、よろしく。入学は半年前なんだけど、食堂と大浴場、自室くらいしか知らないから、悪いけど案内、お願いするね」
 屈託なく笑う少女に、咲江が頷いた。‥‥ん、少女?
「がう、よろしく‥‥レミちゃん」
 曖昧な表情で、玲実は内心訂正する。
(レイジだってば‥‥男だってば‥‥ちゃんじゃなくて、くん!)

 顔合わせを終え、レムが手元の行程表に目を落とした。
「ではこれより、男女に別れて各寮内の施設を見てもらうことにする。集合は2時間後、この場所で。では一旦解散」



 レムと咲江を先頭に、プリセラ、ヴィネ、きらが女子寮の廊下を歩く。
 寮生の居住部分を見た後、一行が向かったのは最上階のランドリールームだった。
 全自動洗濯機と乾燥機が数台整然と並んだタイル貼りの空間には石鹸の香りが漂っている。
「ここで各自の洗濯が行える。共同で使用する場所であるから、節度を忘れず使用するように」
 レムの説明に、きらがしゅたっと手を挙げた。
「せんぱーい! 洗濯物は外には干せないんですか?」
 すかさず咲江が、奥の扉を指して答える。
「がぅ。そこの扉開けると、屋上。見に、行く‥‥?」
「はい!」
 屋上はさわやかな5月の空。真っ白なシーツとチェックのテーブルクロスが、風をはらんではためいている。
「うにゅ、風が気持ちいいのー。ね、ヴィネちゃん!」
「ああ、よい気候だ」
 しばし青空を堪能した一行は階段を降り、談話室へと向かった。
 談話室は三人掛けのソファが1脚と1人掛けのチェア、それに液晶テレビが置かれた、落ち着いた佇まいだ。ローテーブルの上には寮生の手作りと思しきクッキーの皿があり、マガジンラックには雑誌が数冊ストックされている。
「共用棟閉鎖後は消灯までここでくつろいで構わない。飲み物と茶菓子程度の飲食も許可されている」
「がぅ。でも‥‥匂いの強いものは‥‥だめ‥‥」
 レムと咲江の説明に、ヴィネが頷いた。雑誌を手に取り、物珍しげに呟く。
「ふむ、雑誌などもあるのか。息抜きにはもってこいだな」
 普段専門書ばかり読んでいる本の虫には、新鮮に映ったようだ。

 さてその頃、ガル、元、玲実、陸人の男子も、同じルートを回っていた。
 もっともその内情は随分異なっていて。
「おう! ここが洗濯するところだ!」
 ランドリールームにガルの声が響いた。
 洗濯機と乾燥機が並んでいるのは同じだが、こちらは機械の中に、洗い終わった洗濯物が放置されている。さらに床には干す前の洗濯物が詰まったかごが置きっぱなし。壁に貼られた「洗い物放置厳禁」「アレなシーツは手で洗え」の注意書きが空しい。
「相変わらず‥‥男の園ですね‥‥」
 天井に張られたロープにぶら下がるトランクスを見上げ、複雑な表情を浮かべる玲実。
「むさくるしいから次行きましょう。ここよりは多少マシなはず‥‥」
 元が苦笑いして、一行を談話室へと先導した。
 ソファとテレビがあるのは女子寮と同じだが、テレビにはゲーム機が繋がっており、コントローラが転がっている。
「ふふ、ここにはこのような雑誌も満載です」
 元が微笑み、マガジンラックからグラビア雑誌を取り出した。
「わあ!」
「ちょ‥‥」
 目を輝かせる陸人と顔を赤らめる玲実。しかしお宝はそれだけではなかった。
「もちろんDVDもあるぜ! アイドルモノから企画モノまでばっちりだ!」
 ガルがソファの下からDVDの詰まった箱を取り出した。肌色とピンクが踊ったパッケージが、ちらりと覗く。
「すごい!」
 だが残念無念、まだお日さまは高い。
「まあガルさん陸人さん、それは夜のお楽しみで♪」
 そんなわけで元の手によって、それらは再び収納されたのであった。



 大鐘楼の鐘が、お昼を告げて間もなく。9人は再び寮の食堂に集合していた。
「体質、宗教上の理由などで食べられないものがあれば各自申告を‥‥」
「おばちゃん!いつものカレーとカツ丼とオムライス頼むぜ!」
 レムの説明に、腹を空かせたガルの声が被さる。
 その横で咲江は、新入生たちに献立の説明をしていた。
「がぅ。バハムー丼、アスタロ丼‥‥色々あるけど、オススメは、日替わり定食、かな」
 ラミネートされたメニューを眺めながら、ヴィネが首を傾げる。
「そうだな、カロリー低めなメニューは無いか? 何か、最近また太ったような気がしてな」
 お腹をさする友人に、笑みを向けたのはプリセラ。
「うにゅ♪ ヴィネちゃんごはん少なめにしてもらうのよ〜」
 そうこうしている間に、日替わり定食が届く。
「ん、美味しいですね‥‥って明河さん、もう食べ終わったんですか?」
 二口三口食べた元は、隣りに座る新入生を見て目を剥いた。
「ああ、うん‥‥」
 定食の皿は既にあらかた食い尽くされており、当の玲実はガルのオムライスを凝視している。
「なんだお前、少ない量しか頼まなかったのか!? 分けてやるぜ!」
 視線に気づいたガルが、オムライスをあらかた玲実の皿に乗せる。
「先輩の言う事は絶対だ! 大人しく食べろ!」
 ちょっとした意地悪モードだったのだが、玲実が一瞬で食い尽くしたのは言うまでもない。

 満腹になったところで、質疑応答の時間が始まった。司会は当然の如くレムである。
「では寮生活について、質問があれば挙手で」
「はいはい、せんぱい! しつもーん!」
 最初に手を挙げたのは、きら。
「カンパネラは寮生同士で、お付き合いとかしても、大丈夫なんですか? ほら、男女交際禁止とか、そういう学校もたまにある‥‥し」
 いかにも女の子らしい質問に、元が微笑みながら答える。
「大丈夫ですよー。僕女子寮に彼女さんいますから」
「何ィ?」
 何故か反応したガルが、隣りに座っていた陸人の肩をガクガクと揺すった。
「よし陸人、しっ闘士として共にあいつを粛清するぜ!」
「ええええっ僕もですか」
 戸惑う陸人に、プリセラが追い打ちをかける。
「うにゅ、そういえば陸人君、猫耳のあの娘とはどうなったのぉ?」
「あの娘、だとぉ!? 陸人おまえもかあああ!!」
 嗚呼やぶへび、ガルはさらにヒートアップした。何とか逃れた陸人は咳き込みながら答えを返す。
「ちちちちがいます誤解です! そりゃ憧れだしファンだけど、住む世界が違うっていうか、手は届かないっていうか‥‥そんなことよりほらっ、きらちゃんの質問の続きを聞きましょうっ」
「あ、うん。えっと、土日も特に外出は大丈夫なのかな?」
 助け船を出すように、今度は咲江が回答。
「がぅ。大丈夫、だけど。門限は、注意」
「門限かぁ。先輩たちはデートとか、どうしてるんだろって‥‥ね? りっくん!」
「え、あ、そうだね‥‥」
 笑顔と視線に、名を呼ばれた少年が耳まで赤くなる。
「おまえやっぱり後で粛清な!」
 ガルの言葉は聞こえているやらどうなのやら。
「では、他に質問は?」
 空気を切り替えるレムの声に、挙手したのはヴィネ。
「私物はどれくらい持ち込んで良いのだろうか。今の住まいに相当量の本があるから、それが全部入れられれば良いんだが。‥‥一部屋埋まるぐらいはあるが」
「お部屋はワンルームだから、ヴィネちゃんの蔵書全部は難しいかもなの」
「ふむ、そうか。ならば厳選せねばな」
 プリセラの答えに、才媛はしばし考え込み呟く。
「寮ではどんなことをして過ごすの?」
「お茶したり、ゲームしたり、ネコさん弄ったり色々です♪」
「お茶好きなんだ。私も好き。シレット・ティーやコーヒーがあるから一緒に飲もう」
「はい♪」
 次に質問した玲実は、元と意気投合したようだ。
 この後さらに質疑応答は続き、新入生たちは不安と引き替えに、寮生活の希望と期待を手に入れたのであった。



 その後も様々なプログラムをこなしているうちに、あっという間に夕方で。
「一日の疲れを癒すのは、なんといってもお風呂なの〜♪ 寮のお風呂は大きくて気持ち良いのよ〜」
 女子寮の1階奥にある大浴場に、プリセラの歓声がこだました。
 規格外のバストをたゆんたゆんさせながら湯船にダイブする。
「ほら、ヴィネちゃんも咲江ちゃんも早くぅ!」
「ん、ああ‥‥」
 眼鏡がないから足元が不安なのか。ヴィネは戸惑い気味に湯に浸かった。きょろきょろとあたりを見回し、ふうと息を付く。
(ふむ‥‥今回は胸部主兵装のチェックに値する者はいないか‥‥)
 湯の中で手指をわきわき動かす才媛の表情は、やや憂いを帯びて見えた。揉む相手がいないのが、残念で仕方が無いらしい。
そんなヴィネの後ろから、近づく影があった。咲江である。
「がぅ、大きい‥‥。どうしてこんなに大きく‥‥」
 切実な吐息とともに、スキだらけのヴィネの胸をがっしと両手で掴む。
「って、わ、私か!?」
「がぅ。やわらか‥‥ふよふよ‥‥」
咲江は羨ましそうに不思議そうに、手の中の柔らか素材を確かめるように、指に力を込める。
「うにゅ〜楽しそうなの、くらべっこなの!」
 さらにプリセラが擦り寄ってきた。湯の中で2人の胸が触れ合い押し合い、ちゃぷんと音を立てる。
「いや、私はそんな大したものでは…んぁぁ!?」
 きゃあきゃあとはしゃぐ3人の様子を、少し離れた場所からきらが微笑ましく見つめる。
「りっくんや男子の皆は、今頃なにしてるかな〜」

 さてその頃男子たちは、女子寮の敷地内にいた。もう少し正確に言うならば、ダンボールをかぶって偽装し、女子大浴場の壁際に忍びこんでいたのである。
「よし陸人、肩車だ!」
「ほ、ほんとにやるんですか?」
「ここまで来て引き下がれるか! ロマンだロマン!」
 何がロマンなのかはイマイチ不明だが、ガルは陸人の肩に乗っかり、女子大浴場の換気窓にかぶりついた。玲実はやや引き気味、一方元は冷静に、ガルにツッコミをいれる。
「ガルさん、ハイドラグーンなんだから、スキル使えばいいじゃないですか〜。【機鎧排除】と【竜の翼】デ、壁を登ればどこにだって♪」
「覗きってのはこうやってやるのがロマンなんだよ‥‥うぉ、獅月‥‥」
「ガルさんだめです! きらちゃんはみちゃだめ!」
「他の皆さんはいいんですか」
「や、それはむしろ僕も見た‥‥」
 ダメだこいつら、早くなんとかしないと。
 と、そこに。
 ピ─────ッ!!
 ホイッスルの音が鳴り響いた。
「やべえ!」
 ガルが焦るも、時既に遅し。レムを先頭に、バトルモップや釘バットを持った女子生徒達が周囲を取り囲んだのだ。もはや逃げる術はない。
「ほう、見慣れぬ女子生徒だな。しかしその格好はいただけない」
 万事休すの4人に、レムが口の端を上げた。

 それから1時間後。
 捕獲された4人は女子制服を身につけ、女子達の前に立たされるハメに陥っていた。
「うにゅ、玲実子ちゃんは全く違和感がないの〜」
「うふふ、陸子ちゃんと元子ちゃんも可愛いですね♪」
 きらの声に、春色アイメイク&つやつやリップの2人は顔を見合わせ力なく笑う。
「がぅ。ガル子、野性的」
「顔立ちは悪くないのではないか」
「うるせえ! ガル子言うな!」
 咲江とヴィネの評にミニスカートの足を踏み鳴らして怒るガル。
「何を言う。君は女子寮の生徒だろう? ガル子・ゼーガイア」
 レムが冷静に口を挟む。だがその肩は、細かく震えていた。



 楽しい時間は瞬く間に過ぎ、寮の窓から灯りが消えた。消灯の時間である。
 暗くなった部屋ではガールズトーク・ボーイズトークが繰り広げられていることだろう。
 そんな中、家族の待つ家を持つふたりが下校の途についていた。
 
「りっくん、一緒にかえっても、いい?」
「もちろん‥‥てかごめんね、でも見てないから! ほんとに見てないから!」
「‥‥もう、しちゃダメだよ」
「わかってる」
 ふたりは少し間をおいて並んで歩く。
 チューブトレインの駅まで徒歩十分。指と指の間は、あと何センチ?