タイトル:水を招くモノマスター:コトノハ凛

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/10/30 19:54

●オープニング本文


●貴州省、山間部にて。
 十月も十日を過ぎ、山間部の夜はかなり冷え込むようになっていた。
 降り注ぐ雨が水面を揺らし、湖面はいつもの3割り増しにもなろうとしていた。
 そこに、ドンドドンと何かをぶつける音が響く。
「なんだ?」
 そこに駐在する、ダム管理の男は夜半過ぎのその音に目を覚まし、そっと窓の外を伺った。
 管理所兼、彼の住まいであるその小さな建物からは、水を塞き止める壁が見える。
 と、土砂降りの中、黒い影がいくつもあるのを認める。
 ヒトの様なその影は、ダムの壁の上で時にじゃれあうように動き、そして壁を叩いていた。
「猿‥‥か?」
 それにしては大きい。それに、耳が4つあるように見える。
 そう思った時、ドンドォォンと地面が揺れる様な振動と轟音が彼を襲う。
 思わず窓の下に身を小さくして強張らせる。

 音が止んでから、そっと窓の外を見た時、外の風景は一変していた。
 見慣れた壁が、無かったのだ。

●要請
「と言う訳で、お仕事です」
 生真面目なオペレーターはいつものように切り出した。
「今回の依頼はあるダムの警護になります」
 そう言いモニターに表示させたのは、比較的大型のダムのようだった。
「中国の貴州省において、最近ダムの崩壊が相次いでいるのですが、その原因が同一キメラの仕業である可能性が出てきまして、皆さんにはこのダムの警護をお願いしたいのです」
 ダムが崩壊すれば、下流の集落が押し流される。
 幸い、先日までに崩壊したダムは小さい規模で被害も少なく済んだらしい。
「そして、被害のあったダムを線で結ぶとその先に近隣で最大規模のダムがある事が解かったのです」
 そのダムが崩壊すればその被害は計り知れず、キメラを逃がせば更にダムを崩壊させる可能性すらあった。
「現場付近は最近の大雨により、水嵩も増していますし、何より水による直接的な被害の他に、
 ライフラインという意味でもダムの崩壊は止めなければなりません」

「本来ならば、ダムに軍の者を派遣したい所なのですが、デリーでの戦闘の影響でこちらに回す兵力が無いのが実情との事です」
 そこで傭兵の出番という事になったらしい。
「急な依頼ですいませんが、その分いつもよりちょっとだけ報酬も良くなっています」
 そう、彼女が指差す報酬
「下流域には、軍の施設もあります。ダムの警護、そして可能ならばキメラの撃破をお願いします」
 そう言い、オペレーターは傭兵に必要な情報を提示するのだった。

●参加者一覧

鳳 湊(ga0109
20歳・♀・SN
藤田あやこ(ga0204
21歳・♀・ST
野良 希雪(ga4401
23歳・♀・ER
瞳 豹雅(ga4592
20歳・♀・GP
榊原 紫峰(ga7665
27歳・♂・EL
翡焔・東雲(gb2615
19歳・♀・AA
鳳覚羅(gb3095
20歳・♂・AA
水無月 霧香(gb3438
19歳・♀・FT

●リプレイ本文

●空は曇天にて
 貴州省山間部、付近最大の規模を誇るそのダムは見るものを圧倒する。
 落差120メートル――水門を開放した際の瀑布はちょっとした滝を凌駕し、そのエネルギーは水力発電として利用もされている。
 その豊かな水量を塞き止める堤も当然厚く、並大抵の事では決壊する様な事も無いよう作られている。
 建設当時には、想定出来ようも無い侵略者の生物兵器の存在は、ダムをかつて無い危機に晒していた。


 空気はじっとりと重い。
 ダムの護衛の任に付いたのは8人は事前の打ち合わせ通りに二手に分かれて準備にあたっていた。
 防衛対象に比べて、人員は決して多いとは言えない。
 それ故、人手を補う手段を用意してきたのだ。
「予報は雨か‥‥こんな事もあろうかとビキニは着て来たけど‥‥」
 暗い雲の垂れ込めた空を見上げ藤田あやこ(ga0204)が残念そうに呟く。
 サイエンティストの彼女の十八番である『超機械』は感電を懸念して使用を控えていた。
 必ずしもそうなるかは判らないが、不安要素は排除しておきたい。

「思った以上に高いですね」
 ダムの管理所に協力を要請し、ダムを照らすライトのチェックしていた鳳 湊(ga0109)が、改めてその大きさを実感する。
 彼女は戦闘時、高所からの狙撃を行う手筈となっている。
 高い技術を要求される狙撃、もし予報通りに雨が降るのであれば尚更。
 それでも、
「これもスナイパーとしての仕事。四の五の言ってはいられませんね」
 改めて気を引き締めた湊の視線の先では、瞳 豹雅(ga4592)が堤の上からロープを何本も垂らしていた。
 足場になれば良いとメンテナンス用の物を借りてきたのだ。実際に使うかどうかは、敵の動き次第。
 しかし、何が起こっても良い様に、対処の選択肢は増やしておきたい。

「全域に格子状に足場が組めれば良かったのですが」
「ムリな面はなんとかしましょう。それにしても、冷え込みますね。ホットコーヒー、湊さんもどーぞ」
 ライトのチェックを終えた湊が豹雅を手伝いに来たのに、豹雅がケラリと笑ってコーヒーを勧めた。
 物資的に、そして時間的にも全面に足場を組むのは難しい。
「無いものは仕方が無いからね」
 そう答えたのは、あやことメンテナンス機の調整をしていた榊原 紫峰(ga7665)だ。
 櫓を組む程の時間は無かったが、代わりにダムにはメンテナンス用の吊り下げる籠があった。
 2基しか無かったが、狙撃用の土台として使う分には問題無い。
「あとは、向こうの帰りを待つだけね」
 あやこの言葉に3人は頷く。
 そして下流にあると言うUPCの軍施設に、交渉へ行った4人を待つのだった。


 その頃、軍施設に向かった4名、野良 希雪(ga4401)、翡焔・東雲(gb2615)、水無月 霧香(gb3438)そして、鳳覚羅(gb3095)は施設で事情を説明し管理者に会っている所だった。
 始めは幾ら能力者だとはいえ、余所者である所の傭兵達への物資譲渡を渋っていた。
 こういった地方の末端機関となるとこう言う事がまま起こりがちである。
「この依頼失敗したらここも大変だと思うけどね?」
 しかし、覚羅が微笑みながら言う言葉に、漸く状況を理解したのか物資の提供を諒解した。
 スタングレネードの他に、細かいトラップ用資材、それに小型の投光器などを借り受けた。
「なぁなぁ、地図とかあったりせぇへん?」
「それと、この辺での目撃情報だな」
 物資の他に、情報も手に入るなら手に入れたい。
 霧香と東雲が聞くと、確かに猿のような不信な影が施設周辺で昨晩目撃されたらしい。
「方向的には、そのお猿さんで間違いなさそうですね〜」
 地図と照らし合わせると、此処から北東に先日決壊したダムがあり、――南西には彼等が護衛するダムがある。
 そして、此処とダムの距離は車で30分程度。
 何時襲撃を受けてもおかしくは無いと判断した彼等は、足早にダムへと戻るのだった。

●臥して待つは
 時刻は11時を少し廻った頃。
「うちは哨戒行ってきますわ、投光器の設置頑張ってや!」
 投光器等をあやこに渡した霧香は、明るくそう言ってダムの下へ降りていく。
 合流した8人は、再び二班に分れ投光器の設置と、哨戒をかね日の明るいうちにダムの周りに罠の設置をして夜に備える。
 軍施設で、目撃情報が聞けた事で大まかな襲撃進路の予測も立てられた。そして、やはり目撃時間が夜だった事も踏まえ夜行性という見方を強めた彼等は、日中は警戒しつつも準備と体力の温存を図り夜間に備える選択をした。
 紫峰の指示で地面だけでなく、木の幹にも、ワイヤートラップを手際よく配置していく。
「お猿さんは大好きですがちょっとおいたが過ぎますね〜」
 同じくトラップを設置していた希雪が明るく言ったが、その言葉に含まれる気合は十分なものだった。
 頷いた雅が、ワイヤーとスタングレネードを繋げて細工をする。
 広範囲を、少人数で守らなければいけない。その為の手段として用意した策の一つがこれだ。
 ワイヤーに引っかかると、強力な光で敵の視野を麻痺させるスタングレネードが炸裂する。
 単純だが、強力な光で現れた居場所もすぐに特定出来る上に設置にかかる時間も少なくて済むのだ。

『投光器の設置は終わったぜ。こっちもトラップの設置を手伝うぜ』
「りょーかい! A班、ダム中央の設営完了やて」
 想定より早い東雲の報告を、無線でうけた霧香が仲間に知らせる。
「それでは、西回りで行くよう伝えてくれるかい」
 そして覚羅は地図を確認し、満足そうに――面白そうに微笑んだ。
「周囲には罠、ダムには投光機この縦横無尽に張り巡らされた蜘蛛の巣のような警戒網、猿の頭で引っかからずに来るのはまず無理さ」

「だ、そうだ」
 B班に連絡を済ませたA班――東雲が、側でダムの水面を睨むあやこを見た。
「出来るだけ早く設置してしまいたいわね、雨もいつ降り出すか判らないし」
 山の天気は変わりやすい。
 あやこは気がついていた、戦闘になった時水位を注意する為にも今の水位を確認していたのだが、先刻よりも増えている。
 僅かではあるが、上昇したダムの水――川上で雨が降り始めたのだ。
 恐らくは、この人数、この準備期間での対策としては最善を尽くしたと言える筈。
 それでも尚、不安が残るのは自然という計算では図りきれない要素がある為か。
「数々の想定外を計算で捻じ伏せて来たけどこれは難敵ね」
 談じても仕方が無いと、思考を切り替え仲間の下へ向かうのだった。

●雨風、闇と共に
 哨戒を終えた傭兵達は、夜に備えテントを張り仮眠を取った。
 夕方頃からしとしとと降り始めた雨は、夜半過ぎには強い雨となり秋も深まった山間部の冷え込みを更に強いものにしていた。
 当初仮眠を取った分、全員で警戒に立つ作戦が練られていたのだが、凍えるような雨、そして星月の明かりの無い夜の闇は数多くの経験を積んだ傭兵にとっても、厳しい条件だと理解するのに15分とかからなかった。
 あやこの提案で傭兵達は急遽、見張り交代のローテーションを組んで体力を回復させる事にしていた。
「雨、ごっつ強なったな」
 休憩用のテントから出たなり、強くなり出した雨を受けて、霧香がぶるりと冷えた体を抱く。
「そうですね、この寒さが狙撃に影響しなければいいのですが‥‥」
 同じく、交代の為に外に出た湊も手に息を吹きかけ暖めた。

「お疲れ様です、交代します」
「お疲れ、一気に冷え込みましたねー。ポンチョ用意して正解でしたよ」
 湊の言葉にほっとした様にダムの中央で見張りをしていた豹雅が答える。
 同様に、霧香が紫峰に声をかけて交代する。
「冷えるね」
 やや遅れて覚羅がテントから出る。
 テントと、希雪の持ってきたアルコールストーブが無ければ、もっと酷い状況で一晩を明かす所だったかもしれない。
 交代を待っていた東雲も大きく頷いた。
「幾ら、常人よりは熱さにも寒さにも耐性があるったって、ずっと覚醒してる訳にもいかないしな」
 交代を終えて3人がテントへ向かおうとしたその時、鋭い閃光が視界の中で弾けた。
 ――意味する所は考えるまでも無い。
 即座に、湊が双眼鏡を覗き、一番テントに近い位置に居た豹雅が急を知らせる。
 方角は予想通りの北東方面、ダムの下流。
「よっしゃ! 締まって行こか!」
 雨の中を一番に駆け出したのは、水浅葱味を帯びた瞳を鋭く変化させた霧香、手には愛刀の氷雨を構えている。紫峰も伊達眼鏡の奥の瞳を白く光らせ、それに続く。

 見張りの布陣は、ダムの東側をA、西側をBとして、
 A班はあやこ、覚羅、東雲。中央に湊、雅が狙撃手と遊撃担当として控える。そして、今閃光が奔った側を担当するのが、B班希雪、霧香、紫峰の3名。
『敵は、今の所Bサイドにしか確認出来てません。数は凡そ5、いえ6です』
 一番高い所から、双眼鏡を確認した湊の無線が緊張を確かなものにする。
 と、その時再び鋭い閃光が近くで迸る。
『―来ます!』
「ギャギャギャッ」
 光から逃げるように、頭を抱えた大型の猿の様な影が木々の闇から現れた。
 報告通り、耳が2対。チョウユウだ。
 まだ、スタングレネードの威力が残っているのか動きが鈍いソレに対して、遠慮をする必要のある相手ではない。
 一呼吸で距離を詰めた霧香の蒼い刀身が、すれ違い様に深く先頭のキメラを斬り裂いた。
 素晴らしい太刀捌きと、力加減で、首の付け根から袈裟掛けに斬られたキメラが絶叫する事すら遮る様に、もう一太刀浴びせた。
「うちはそないに甘くないで、此処を抜けたきゃ気合入れて掛かってきい!」
 倒せこそはしなかったものの、初手で大打撃を与える事に成功した霧香の攻撃は先頭の一頭を戦闘不能に追い込んだ。
 しかし、だからこそ残りの5頭の狙いを集めてしまう。
 フォローするように、紫峰も前に出て蛍火を振って1匹を引き付けるがそれでも尚、霧香の負担は大きい。
「手伝いますよ」
 そこへ、フォローに入ったのはテントへ声を掛けに行ったはずの豹雅だった。
 揺らぐ刀身を逆手に構えた彼女は、独特の身のこなし――見る人が見れば忍者の様だと賞する動きで、チョウユウを叩き伏せる。
「ギギャッギャ」
 数こそ多いが、手応えからして然程強敵ではないらしい。
 そう、紫峰が判断しようとした時、チョウユウの拳が身をかすめる。
 咄嗟に身を引き回避したが――ズドンと、地が揺れる錯覚を起こす。
 否、確かに揺れた。
 見れば、かわしたチョウユウの組み合わせた形の両拳が大地を打ち付けていたのだ。
「なるほど、‥‥当たると確かに砕けそうだ」
「く、砕けるで済むんかいな。ようは、当たらなきゃえぇんよね」
 治癒の能力を扱える希雪も、もう側まで来てるだろう。
 ならば、多少の無理は何とかなる筈。
 そう思いつつ、チョウユウの攻撃に注視するのだった。

「向こうに行くべきじゃないのか?」
 既に覚醒状態の東雲は、覚羅と、テントから急ぎやってきたあやこに言う。
 対岸では、戦闘が始まっている。
 作戦では、対岸班に群れが現れた場合は応援に駆けつける事になっている。
「もう少し、本当にまずければ行くべきですが‥‥」
「こっちに敵が来ないとは限らないわ、それに‥‥何かひっかかるのよね」
 それは予感の様なものでもあり、ずっと引っかかっている見落としのような棘。
 しかし、あやこはその答えを出すには至らなかった。何故なら――
 ズンッ
「っ! 敵、かっ」
 辛うじて、回避に成功した覚羅が、飛び出してきた影を見る。
 各所に設置した投光器の光の中に浮かび上がったのは、対岸に居るキメラの二廻りも大きな猿のキメラ。やはり2対の耳があった。
「つまり、ボス猿って所ね」
「敵もいろいろやってくれるもんだ」
 陽動のような事をするとは。
「どちらにしても、ここは通さないよ」
 覚羅の言葉に答えるかのように、大型のチョウユウは吼えた。

●招かれざるもの
『こっちは一体よ、湊さんは向こうの班のキメラが抜けていかないか注意して』
 あやこの指示に了解と返した、湊はスコープをA班の方へ向ける。
 希雪も合流して、そちらも大分戦闘が安定し始めていた。
 攻撃力は高い代わりに、身のこなしと体力はそれ程高い訳では無い様なのが幸いしたのだろう。
 とはいえ、ダムの上で戦う事を選択していたら、より辛い状況になったであろう事は、一人ダムの上からの狙撃を担当した湊は痛感した。
 距離は勿論の事、雨と寒さが驚くほど厄介だったからだ。
「出来る限りやってみますとは言ったものの‥‥」
 それでも、もしもB班の後ろへ抜けた敵が居れば全力で狙い打つのが仕事だ。
 だが、既に同数にまで減らされたチョウユウが全て減らされるのも時間の問題だろう。
 そう、思った時。スコープの端に何かを見た気がした。
「? 今のは‥‥」

 大型のチョウユウは、その体に反して中々素早い動きをするキメラだった。
 鉤爪のような物の付いた後ろ足で素早く踏み込み、叩きつけるような打撃。
 単純でありながら、ぞっとする程の威力を見せ付けてくる。
 敵が多いなら、弾幕で行動の邪魔をする予定だったけど、一体なら遠慮はいらないわね!
 水滴からやや庇う様に超機械を動かすと、狙いを大型チョウユウに定める。
 更に、別の手順を踏んで己の武器に淡い光を纏わせる。
「一分一秒でいい、持ち堪えて」
 弱体化したキメラへ、強化したあやこの銃撃が叩き込まれる。
「君には斬撃もプレゼントだ」
 柔らかく、だがどこか底冷えを感じさせる微笑を湛えて、覚羅がイリオスで赤い軌跡を描く。
 その時、チョウユウの2対の耳が酷くあやこの意識を捕らえた。
「耳! もしかして振動波で地質を調べてる?」
「耳だなっ!」
 即座に意図を汲んだ東雲の流し斬りが、見事に左耳を切り飛ばした。
 その瞬間――。
「ガァァァァァァ」
 大型チョウユウと、そして対岸のチョウユウが同時に苦しみもがいた。
「これは‥‥」
「判らないけど、そのまま墜ちちまえ!」
 東雲の渾身の一撃で、大型のチョウユウは後ろに崩れ落ち、そのままダムから流れ落ちた河に倒れこんだのだった。

●影の残り香
「これで、全部かな〜。安眠妨害の悪いお猿さん」
 希雪が負傷者の手当てをしながら、まだ少し怒った口調で言う。
「‥‥」
「どうかしたん?」
 ダムの上から降りてきた湊が、考えこんでいるのを見た霧香が気づき聞く。
 他のメンバーもどうした? と見ると、見間違いかもしれないと前置きをした上で、
「人影を見た気がするんです」
「!」
 この場合の意味する所は――
 結局、湊が見た付近を照明銃の明かりを使い捜索したものの、ソレらしい影は見当たらなかった。
 ただ、その場所からワイヤー断ち切られたがスタングレネードが見つかった。

 傭兵達は見事ダムを守り抜き、無事雨上がりの朝を迎える事が出来た。しかし、一方で新たな影を知る事となったのだった――