●オープニング本文
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ラスト・ホープ UPC本部内の一室に『幻想戦隊◆ラウズブレイバー』に出演している傭兵達が集められた。
「色々な事情でしばらく放映がお休みされていましたけれど〜、撮影が開始されるということらしいですねぇ」
オペレーターの小野路 綾音(gz0247)は皆に資料を配りながら言う。
「前回はバグアバグを一時退けて、対決は仕切り直しのような形で終わっていましたっけ〜。最終話まで、今回も含めてあと三回ですもんねぇ。頑張って行きましょ〜」
いまいち締まらない声で激励し、綾音は室内の照明を半分に落とす。
「いつものように前回収録した分から作成したACT.6のオープニングが上がってきてますので〜」
スイッチを入れるとスクリーンに映像が映し出された。
●
無数の光が浮かぶ漆黒の海に浮かぶ蒼い惑星──バグはひとりそれを見つめ佇んでいた。
「思ったよりも手間の掛かる星だね‥‥その悪あがき、どこまで続けられるかな?」
完璧に作り上げられた笑顔は、変わらずバグの顔を飾っていた。
地下の基地を離れたバグアバグの戦艦は『全生命の再生』を成すための、無数の悪意渦巻く中に残された最後の希望──『パンドラの箱船』と、そう呼ばれている。
地球を眼下に望み、宇宙空間にて機を窺っているのだ。
「正義のため、私は何を失っているのか‥‥」
呟きはラドルのものだった。
ラウザー達は護るべきものの為に『正義』を胸に戦っている。かつての自分のように。今の自分がしている事は‥‥。
先の戦いで、眼前で蘇った姉を奪われた青燈の叫びが胸の奥で消えずに残っている。だが──。
「このワタシの『正義』も、揺らぐ訳にはいかないのですヨ‥‥」
道化に身をやつし、自らを騙してさえも選んだ道を行く。
生命の復活だけが、この身に刻まれた罪を消し去る唯一の手段なのだ。護れなかったあの方々の命を取り戻し、罪を贖うには‥‥
それを成すか、この身が滅ぶか。ふたつにひとつ──。
今後、ラウズブレイバーと戦うにはもっと強い力が必要となる。ラドルはフェリアスの研究に活路を見出そうとしていた。
そのフェリアスは、自らの研究室としてあてられた艦内の一角で初戦を終えた幻装魔鎧と幻神のメンテナンスを行っている。
「ボロ負け〜‥‥まぁ、オルちゃん子犬ですし、それに‥‥」
真の幻装魔鎧は、まだ完成していない。
フェリアスが見上げた幻装魔鎧の隣には、もう一体の魔鎧が。鳴動する二つの魔鎧の上には、アールマティの力を研究し作成した水晶柱に囚われたベリアルの姿があった。
振り向いたフェリアスの視線はベッドに横たわる人物に向けられた。生死もわからぬほど静かに眠る横顔は、失われた亜夢そのものだった。
同じ頃地球では──。
その先に『箱船』があるとは知らず、星空を見上げるアイナの頬を涙が伝う。
「サラスヴァティ‥‥ゴメンね」
敵基地での激戦の最中、幻神によって封じられていた記憶の一部を垣間見た。それはナイアと過ごした幸せな過去──自身が持ち歩いているホログラムの光景そのものだった。
「でも私は、戦わなくては‥‥」
ラウズブレイバー司令室では、多聞が端末を操作している。画面に表示されたのは地球と、月軌道のほぼ中間に明滅する赤い点。
崩れゆく基地を脱する際に、自動飛行式小型発信機を飛ばし『箱船』に潜り込ませていたのだ。今のところ発信機の存在は気づかれていないようだが──。
「さぁて‥‥これからが正念場か」
敵はどう動くか。こちらはどう動くべきか。
椅子に深く身を沈めた多聞は両足を机の上に乗せ、じっと明滅する赤光を見つめた。
●
【幻装戦隊◆ラウズブレイバー】
地球軍所属特殊部隊。普段は軍服着用。
敵組織により、体内に『オーララウズ』を宿した箇所を奪われた。そこに宿った幻神の力が奪われた箇所を構成、人知を越える力を得た戦士。
通常時は常人の二倍(敵雑魚を蹴散らす程度)、変身後はさらに数倍の力(幹部等と戦闘可能)を発揮。
「幻神天装!」の声と共に、幻神の姿とKV(AU−KV)をミックスした装甲『幻装天鎧(ゲンソウテンガイ)』を瞬着。
幻神(地球に伝承される幻獣や神)は和洋問わず。
奪われた箇所は身体のパーツのうちどこか一つ。武器は基本的に奪われた箇所に準拠する物を考案。
『奪われた部位』『幻神の姿や能力』『武器と必殺技』の三つがリンクしているのが理想。
オーラ、及び幻装天鎧の色は個体毎に異なる。
【バグアバグ】
突如として地球に現れた悪の組織。
謎の生命体キマイラを操り地球の征服をもくろむ。
侵略の目的は稀少エネルギー『オーララウズ』を得るため。幹部クラスはオーララウズを結晶化する技術を有している。
オーララウズは様々な場所や物に、時には人体にも宿っている。結晶化したものは『ラウズライト』と呼ぶ。
幹部は人型。衣装+悪役メイク。地球では時間的活動限界がある。
キマイラは獣人型(トラキマイラ、サメキマイラ等)。着ぐるみ着用。少量のラウズライトを含む象徴武器を持ち、それを破壊されると死に至る。
敵雑魚はキメラ(TV版ではCG)
★各詳細は前作までのOP末資料参照。
●リプレイ本文
●
「我の犬歯全てがオーララウズの元となる‥‥さぁ蘇れッ! そして創造されよッ! 夢の巫女よッ! かみ殺す獣よッ!」
この惑星での、神と噛みは、発音似てる
〜暗黒闘士FERIAS〜
高らかに謳うフェリアスの眼前で発生したまばゆい烈光が室内を満たす。
「幻神ベリアル‥‥名の如く価値無き幻神よ。我が作りし幻神に、その命、捧げるのだッ!」
声に応じ光の中に生じた双頭獣が、封じられたベリアルの魂を水晶柱ごと噛み砕く。進化を果たし咆哮を上げる三首の番犬を見上げフェリアスが言う。
「彼を苦しめた魔は私が喰い殺し、その業も私が背負う。これでよいのです」
光が収まると共にラドルが研究室を訪れる。横たわる亜夢の顔に血色が戻っているのを見、僅かに瞳が和らいだように見えたのは一瞬。その目はすぐフェリアスが創り出した幻装魔鎧へと向けられた。
「新しい力‥‥フェリアス! 実に素晴らしいよ君は!」
内から溢れる喜びを抑きれずラドルが言う。宿敵を倒すべく力を望みながら、その一方で誰にも届かぬ呟きを洩らす。
「この力で、罪を重ねましょう。唯一の、贖罪のため‥‥」
●
地球軍日本基地内では、来るべき決戦に向けての準備が慌ただしく開始された。
バグアバグがこのまま引き下がるとは思えない。今後の戦いを切り抜けるためにも彼らの戦艦『パンドラの箱船』に対抗する戦艦の準備等が必要だ。
多聞の進言に上層部が指示を出しためだった。
ラウズブレイバー司令室に向かう廊下で、隣を行く多聞に青燈が言う。
「‥‥飲んだくれ、感謝はしてやる」
一度軍を離反し敵対した青燈への上層部の反応は予想通りのものだった。全て聞き流していた青燈だったが、話が幻界──亜夢の事に及ぶと動揺を隠しきれず。そんな彼を庇って多聞は、
『俺の部下は皆信頼できる仲間です。もしスパイだ何だと難癖をつけるなら‥‥それ相応の覚悟の上で発言してもらいましょうか』
これまで見せた事のないほどの真摯さで、青燈を含めた皆で戦う決意を示して見せたのだ。
司令室の中では時定が盛大に溜息をついている。
「はぁ、本当についてねぇなぁ‥‥」
というのも、愛用の改造軍服がついに没収されてしまったのだ。それも含めて昇格したばかりの階級は、何度目か覚えていないが中尉へと降格していた。
開かれた扉から多聞と青燈が司令室へ入った瞬間、バグアバグ出現を知らせるアラームが鳴り響いた。
「おっと、敵さんのお出ましか。行くぜぇ」
「おう! ひと暴れして憂さ晴らしてやるぜ」
駆け出す二人の後を追おうとした青燈は足を止めた。幻界の幻神達のざわめきを感じたからだ。
「不穏な空気か‥‥わかった、肝に銘じておく。‥‥神々よ。今迄の不敬なる狼藉、許せとは言わぬ。この償いは行動に示そう」
幻神達が感じ取った深い闇は、地球のすぐそこまで迫っていた。
「陛下、そろそろ地球に到着します」
抑揚のない冷たい少女の声が響けば、それに応えたのは中性的な青年の声だった。
「ほう、これが地球か‥‥生命に溢れているな。我の復活も近いぞ、カリス」
彼らが降り立とうとしている青い星は、青年がかざした手に覆い隠された。
●
駆けつけたその場所は焦土と化していた。今この時も方々で爆炎が上がっている。三人はアイナと合流し幻装天鎧を纏う。
「我ら幻装戦隊ラウズブレイバー! さあ、十字を切って己の罪を悔いなさい!」
言い放つヴァティに緊張が走る。風に流される黒煙から姿を見せたのはナイアだったのだ。
ナイアが腕をひと薙ぎするだけで、激しい剛炎が巻き起こりラウズブレイバーを襲う。それまでの彼女とは比べものにならないほどの力に驚いたのは、時を同じくして駆けつけたラドルもだった。
「馬鹿な! 私の調整が‥‥!?」
回収すべきオーララウズをも巻き込んでナイアはラウズブレイバーを──ヴァティを攻撃する。
「オマエは何もかも奪った。だから全てを元に戻すため、オマエとの決着をつける!」
記憶と感情の奔流にラドルの施した洗脳も押し流され、ミラーマスクから限界を超えた力が彼女に流れ込んでいるのだ。その力に、ヴァルナは無貌の神の力を見た。
「這い寄る混沌、ナイアーラトテップか‥‥」
「そんな、まさか‥‥」
ラドルは動揺を隠せない。鏡の仮面はナイアを調整する為の拘束具として用意したもの。それにいつ幻神の力が宿ったというのか――彼女の内に宿る混沌が、鏡の仮面にナイアーラトテップを引き寄せたのだろうか。
「見つけたぜ、ラドル!」
ナイアに駆け寄ろうとしたラドルを制したのはオーディだった。
「オーディ。貴方にだけは、負けませんよ‥‥その拳に全てを穿つ‥‥魔拳フェンリル!」
ラドルの道化装束は闇に溶け、しかし代わりに彼の身体を包むのは黒甲冑ではなくシンプルな白銀の戦闘スーツ。顔を覆うバイザーの奥に力強い赤眼が覗くが表情は窺い知れない。
「行くぜ!」
オーディはファーストリミットを解除し地を蹴る。甲冑をパージした神速の突きをラドルは余裕をもってかわす。
赤黒い鎖の如きものが絡んだ両腕両脚を駆使しオーディを翻弄する。動きに連動して各部のエアインテークが開き、スーツ表面が獣皮のように逆立ち波打つ。その姿はまさに白銀の獣。
オーディが苦戦するのも道理。扱う武器が異なるものの、まるで自身を相手に戦っているような錯覚さえ受ける。
ラドルの手刀による神速の突きがオーディを大きく後退させた。
「やるじゃねえか、宿敵! そうこなくっちゃよ!!」
オーディは笑みさえ浮かべてグングニルを振りかざした。
「お前に負けるわけにはいかねえ。セカンドリミット、いくぜ!!」
拘束具が外され、本来のオーディンの槍としての力を漲らせるグングニル。力と速さのルーンが浮かび上がったそれを構えたオーディがラドルへと跳びかかった。
一方ヴァティは姉──ナイアの記憶を取り戻したが故に防戦一方に追い込まれていた。
「もう昔の姉さんには戻れないの!」
「うるさい!」
近距離から放たれた避けきれない一撃。だがヴァティには届かない。
「貴方は‥‥もしや」
彼女を護った光球はラウザー7大黒天シヴァ――姉妹が憧れたその人の魂だった。
「何故‥‥お前は、私から全て‥‥全て奪って行く! お前さえいなければ、私は‥‥っ!」
一旦距離を取り間髪入れずに放たれたナイアの火球の嵐。
「魂よ唸れ、必殺閃光拳!」
それを光速の必殺拳が次々叩き落す。
「諦めたらそこでお終い‥‥姉さんも宇宙もアタシが全部救ってみせる!」
決意の炎が全身を金色に染め上げ、その魂に宿るのは創造神ブラフマーの力。
「金色に輝く光の戦士、絶対無敵ブライラウザー!」
強化された幻装天鎧により、超越したナイアの力と互角の戦いを繰り広げる。
●
「祠堂青燈ッ!貴様に紹介しよう、私の助手だッ!」
突如現れたフェリアスの陰に突き従う猫耳メイド姿の女にヴァルナが言い放つ。
「貴様、戦場にその出で立ちで‥‥って姉さん!?」
「私の全てはご主人様の物あなたの元に戻るつもりはないわ」
フェリアスの五円玉洗脳を受けた亜夢は、表情もなくフェリアスが掲げたボードの文字を棒読みする。
「そして‥‥血風纏いて運命を拓くッ! 漆黒魔神‥‥ケルベリァァァァスッ!」
カンペを捨てたフェリアスは改良された幻装魔鎧を装着した。漆黒のアヌビスを頭部に、左右の肩には凶悪に歪んだ阿修羅とパイドロスの面が配されている。
「この『ベリアス』は、貴様の『ベリアル』を喰らった姿なのだッ!」
「くっ‥‥姉さんの猫耳メイドはジャスティスだ。しかしフェリアス! 貴様の愚行には鉄槌を下すのみぃいっ!」
しかしフェリアスはすでにオロチの方へ突進していた。
「貴様を倒し、素麺と麺汁だけ生活からおさらばなのですッ!」
その刹那、天を割り上空に現れたのは巨大な宮殿だった。宮殿の一角に佇む美青年が高らかに宣言する。
「我が名はダークマター、前宇宙に君臨せし唯一絶対の王なり。全ての者は我の前に平伏し、この肉体を完全なものとすべくライフエナジーを我に捧げるのだ」
その姿は巨大な立体映像として地球全土に布告された。
踵を返し、彼は後ろに控えていた少女に告げる。
「カリス、タイタニア達を降下させよ」
「仰せのままに」
宮殿を見上げ、ブライとオーディが言う。
「ダークマター?」
「なんだ、あいつは‥‥ち、次から次へと変な奴がきやがる」
「奴が亜夢殿の言われていた魔神か‥‥よし逃げよう!」
フェリアスが素早く戦線を離脱するが早いか、宮殿からカリスを模した数百もののアンドロイドが地上へと放たれた。無差別に破壊を開始するそれらと共にカリスが皆の前へと舞い降りる。
「我が名はカリス、ダークマター陛下に永遠の忠誠を誓いし魔械騎士なり。陛下の意志、それ即ち全宇宙の意志である」
どれだけ攻撃を与えようと、カリスが全て盾となり遮って行く。その様子をダークマターは冷ややかに見下ろしている。
「笑止、その程度の力で我に刃向かうと言うのか」
「‥‥ふざけるな‥‥志も持たぬ力など!」
ダークマターを睨み上げ激昂するラドルの前にカリスが立ちはだかった。
「陛下の為に魂を差し出すが必定なのだ。ライフエナジー吸収!」
胸部の生命力吸収装置が作動し、ラウズブレイバーとバグアバグ達の身体から生命力を吸収し始める。
「うあああぁぁっ!」
「力が、抜ける‥‥!」
戦士達が次々と膝をついたその時、両者の間を遮る位置で時空が裂けた。
皆を救ったのは時空の狭間から現れた少女だった。一新される前の地球軍軍服に身を包んだ彼女はラウザー達を見て微笑む。
「新しい仲間も増えたんですね。天野鈴菜です。よろしくね」
「天野‥‥行方不明になっていたラジエラウザーか」
オロチの言葉に鈴菜は頷く。戦いの最中異次元に呑み込まれた鈴菜はダークマターと遭遇し相見えた。完膚なきまでに叩きのめされた彼女を救ったのは幻神達だった。
その後鈴菜は、自らの力を強化しながら地球に帰還するための方法を探していたのだ。
敵に向き直った鈴菜は敢然と言い放つ。
「この前は負けたけど、今度は逃がさない。幻神天装!」
左目から発したオーラが天使ラジエルを形取り、橙色の幻装天鎧に身を包む。
ラウザー達がカリスとタイタニア達に向かう。
「全生命を贄にするだと? その前に私が‥‥!」
ダークマターに向かおうとしたラドルだったが、その足を止めた者がいた。仮面の暴走による負荷に加え、カリスに生命力を奪われ昏倒しているナイアだ。
ラドルはナイアを抱え闇に紛れるように姿を消した。
●
こちらは生命力を奪われ戦局は劣勢。それだけではない危機感をもってヴァルナが言う。
「原嶋、早々に退却だ!」
ヴァルナの言葉を受けてオロチは皆に命じる。
「一時撤退し体勢を立て直す。俺に殿を任せてお前らは退け!」
「撤退!? 馬鹿な。まだ、まだやれる!!」
反論するオーディをヴァルナが諫める。
「今此処で奴と争うのは自殺行為でしかない‥‥!」
「二度の敗走‥‥三度目は、ないぞ‥‥!」
歯を食いしばり自らを納得させると、
「おい、隊長。いいもん用意して待ってるぜ?」
オーディに言われ、オロチが答える。
「もちろん、旨い酒もご馳走してくれるんだろうな。帰ったら司令室でミーティングだ! 各自報告書作っとけよ」
セカンドリミットの反動を抑えつけ基地へ向かうオーディにヴァルナが手を貸す。
「‥‥余り無茶はするな。人間の体には幻神の力は堪える」
それは時定に宿るオーディンにも向けられた言葉だった。
濃緑の雷電を模した天鎧を纏ったオロチは護るべき部下を背に天叢雲剣を構える。
「荒ぶる剛龍オロチラウザー! これより先へは行かせん」
ラジエは幻神の力・ラジエルの書を解放し敵の隙を探る。
「まだ不安は残るけど、この技しかないか」
集中させた意識を幻神とリンクさせ幻装天鎧のオーラの比重をパワーからスピードへ移行させる。異次元での能力アップで身につけたのが、このパワーバランスのコントロールなのだ。
琥珀色に輝くオーラを両脚に纏い、ラジエがカリスを攪乱する。
「以前のデータとは比にならない速さ──」
ともすれば自身を上回る速度に翻弄されるカリスが僅かな隙を見せた。
力を剣に溜め機会を待っていたオロチがオーラを解放する。
「今だ! 剛断撃!!」
「魂よ轟け‥‥必殺金剛閃光拳!」
オロチとブライの必殺技がカリスと周囲のタイタニアを吹き飛ばした。
「今のうちに!」
ラジエの言葉に二人も頷き戦線を離脱した。
起きあがったカリスは、そのアンドロイドの身体に傷一つ追わずダークマターを見上げた。
「申し訳ございません陛下、鼠を取り逃しました」
「カリス、お前らしくないな‥‥まあよい、たかが小娘どもになにができる訳でもなかろう」
地球の各地で上がる悲鳴と崩壊の音にダークマターは恍惚の表情を見せる。
だがカリスは自らの電子頭脳で解析できなかったブライの能力を危惧していた。
(あの娘‥‥まさか)
その不安を口にはせず、ダークマターの待つダークパレスへと帰還する。
タイタニア達による破壊と生命力の吸収により蹂躙される地球の運命は──?
黒木時定(オーディ)/如月(
ga4636)
アイナ(ヴライ)/鬼道・麗那(
gb1939)
天野鈴菜(ラジエ)/シャーミィ・マクシミリ(
gb5241)
原嶋多聞(オロチ)/桂木穣治(
gb5595)
祠堂青燈(ヴァルナ)/CHAOS(
gb9428)
フェリアス/フェリア(
ga9011)
ラドル/ドッグ・ラブラード(
gb2486)
ナイア/伊達 士(
gb8462)
カリス/戎橋 茜(
ga5476)
ダークマター/赤城・拓也(
gb1866)
亜夢/小野路 綾音(gz0247)