タイトル:【Gr】援軍阻止マスター:鴨山 賢次

シナリオ形態: ショート
難易度: やや難
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/02/15 23:09

●オープニング本文


●フランス・トゥールーズ UPC駐留地

「グラナダは多くの血を吸ってきた」
 軍靴の踵を打ち合わせ、両の手を腿に沿える。背筋を伸ばし、自分自身に語りかけるように。
 ブリーフィングルームに立った指揮官は、両目を閉じたまま語りだした。
「この半年間、君達の同朋が幾度もあの要塞に挑んできた。
 警戒網を潜り抜け、捕虜達と接触し、洗脳施設を破壊する。侵入経路を確保し、内部を調査し、ついに本丸へと辿り着いた。
 全て君達の功績だ。少なくとも、私はそう信じている」
 抉れた頬骨と、半ばで途切れる指が、彼の歩いてきた戦場を物語る。
 エミタへの適性を持たない者にとって、戦場とは、その身を削る鉋に他ならない。

「しかし、だ。
 その影でどれだけの主亡き墓が増えたのか、諸君らは知っているだろうか」
 生き残った者の悲しみと喜びを知っているだろうか。
 弔えない友の躯に、血と涙を流しながら背を向ける。彼はただ、躯の数を減らす為だけに戦ってきた。
「工作隊が、斥候隊が、陽動隊が、補給隊が。
 君達の栄誉の足元に、多くの友が屍を積み上げてきた」
 それでも、傭兵達への感謝は尽きない。
 彼等が居なければ、友の死を尊ぶ者も、家族の死を嘆く者も、等しく躯と化していたのだから。
「本作戦の目的は、その躯の数を減らす事にある。
 マドリード軍の側面を突くであろう、敵増援を強襲して貰いたい」

 指揮官の瞳が、ゆっくりと開かれる。
 右腕を上げ、ホワイトボードに描かれたイベリア半島の、北東端に描かれた星印を叩く。
「目標はバルセロナ周辺に残留・駐屯しているヘルメットワーム部隊だ。
 戦力数は不明。だが、10機程度なんて優しさはバグアに期待するな。
 数倍の敵を相手にして貰うことになるだろう。覚悟を決め、何よりも生還して欲しい」
 敵はピレネーを境に小競り合いを繰り返してきた、言わば負傷兵である。
 数は多いが、メンテナンスは万全では無いはずだ。
「何かを得て、何かを失う。そんなのはもう御免だろう?
 今度こそ‥‥。完全な勝利を掴み取ろう」

●参加者一覧

シェリー・ローズ(ga3501
21歳・♀・HA
東野 灯吾(ga4411
25歳・♂・PN
蛇穴・シュウ(ga8426
20歳・♀・DF
乾 幸香(ga8460
22歳・♀・AA
ナナヤ・オスター(ga8771
20歳・♂・JG
神無月 るな(ga9580
16歳・♀・SN
文月(gb2039
16歳・♀・DG
翡焔・東雲(gb2615
19歳・♀・AA

●リプレイ本文

 トゥールーズの滑走路から、8機のKVが飛び立っていく。
 ヘルメットワーム部隊は既に飛び立った後かもしれない。傭兵達には一刻の猶予も許されていなかった。
「ここであたし達が頑張れば、マドリードの友軍が助かるんですから、あたし達で出来る限りの事はしたいですね」
 乾 幸香(ga8460)の呟きは、電波に乗って友機へと運ばれる。深紅に染まった瞳は雲の間に敵影を探していた。
「ガーデンの仲間がマドリード正面に行ってるからな‥‥ここで叩けるだけ叩いてくぜ!」
 東野 灯吾(ga4411)は小隊の仲間を思い、気合を入れなおす。
 燃料計を確認しながら、エンジンの出力を上げる。灯吾の駆るバイパーは飛行速度で他の機体に劣っている。仲間達の足を引っ張るわけにはいかない。
 同じように速度で遅れをとるウーフーの操縦席では、ナナヤ・オスター(ga8771)がレーダーを睨んでいた。
「グラナダ攻略に掛ってるとなると‥‥気を緩めるわけにはいきませんね。精一杯相手方を引っ掻き回そうじゃありませんか」
 ふと前方に目をやると、強化ガラス越しに愛機ストリゴイの先端が見える。オリーブ色のボディが、眼下の草原と重なった。ピレネー山脈を越えたのだ。
『こちらトゥールーズ管制室、偵察部隊が目標を捕捉しました。飛行ルートを送ります』
「了解」
 レーダーに表示された進路に合わせ、ナナヤは機体を旋回させる。
 数分後、地平線に並行して走る、無数の飛行機雲が見えてきた。
「敵ワーム隊発見‥‥行きますよ‥‥!」




「5、10、重なってて見え難いですが、20機ってトコですかね」
 蛇穴・シュウ(ga8426)が目を細め、肉眼でヘルメットワームをカウントする。ジャミングによってレーダーの光点は不規則に点滅しており、正確な数を把握できない。
 傭兵達の2.5倍。圧倒的な戦力差ではあるが、撤退の目安にした『絶望的な戦力差』には至っていない。むしろ、シュウが問題視したのはその隊列だった。
「随分と綺麗に並んでますね。手負いの機体を動員する程切羽詰っていると思ったけれど‥‥。これは‥‥」
 シュウの思考を先回りしたのか、文月(gb2039)が呟く。メンテナンス不足の敵は、裏を返せば経験を積んだ敵でもあったのだ。
「できれば隊列の薄い場所を狙いたかったんですが‥‥仕方ない」
「予定通り、側面から突撃ですね」
 シュウと文月は通信を終え、操縦桿を握りなおした。姿勢を整え、急加速のGに備える。
「全員! ブーストして突撃するよ。準備はいい?」
 シェリー・ローズ(ga3501)の号令に、全員がOKと応える。
「カウント行くよ! 3‥‥2‥‥1‥‥」
 シェリーの合図に合わせ、KVが加速した。圧される背中をシートで支え、浮き上がる顎を気合で引き降ろす。
「さぁ、ゲームの始まりですわ♪」
 神無月 るな(ga9580)が薄く笑みを浮かべる。彼女の雷電を先頭に、8機のKVはヘルメットワームへの攻撃を開始した。

 ワームの編隊が変化したのは、傭兵達の突撃とほぼ同時だった。
 隊列の中心に居た数機が旋回し、プロトン砲をKVへと向ける。しかし、ブーストによって加速されたKVは、ワームの照準よりも速く、そして彼らの想定よりも速く距離を詰めていた。
 正面、そして側面からのワームの砲撃が傭兵達を襲う。数発被弾するも、その悉くはジェット雲を薙いだだけだ。
「仲間のとこには行かせないよ」
 他のKVが長距離砲撃を行う中、翡焔・東雲(gb2615)だけがじっとワームの動きを注視していた。
 ミサイルを回避したワームを狙い、軌道を追って高分子レーザーを発射する。燃料部分を狙いたかったが、特定できない。砲身部分を狙い、片方の破壊に成功する。
 幸香が敵陣を切り裂きながら、バルカン砲を真横に掃射する。集弾させていないバルカンではあったが、ワーム達は上下に分かれ、弾丸を回避する。
(分断できた? いいえ、これは‥‥)
 同じく、AAMからガトリングにコントロールを切り替えたナナヤは、成功した分断に疑問を抱く。
 操縦桿を引くと、頭上にワーム達の群れが見えた。前・上・下の3つ、それぞれの距離は400m前後か。
「整いすぎですねぇ」
 一際落ち着いた声を発したのはシュウだった。不慣れなKV戦。肉を抉る手応えも、爪が頬を掠る風圧も無い戦闘が、彼女を普段よりも慎重にさせる。
 ワーム隊を分断し数的優位を作る。それは良策だろう。しかし、それは何秒維持されるのだろうか。ワームに慣性の法則は通用しない。400mという相対距離は、ワームが飛行する距離そのものなのだ。
(ドッグファイトは危険すぎる)
 突撃時の攻撃で削れた敵戦力は、東雲の破壊した砲身のみだ。乱戦になれば、ものの数秒で数的優位は覆る。シュウの戦況分析は正しい。
「皆さん、もう一‥‥」
 しかし、その思考は空では遅すぎた。
「マドリードはアタシら歌姫部隊のステージなんでねぇ! 邪魔はさせないんだよぉ!」
 シェリーの駆る阿修羅”夜叉姫”が、ワームの群へと迫る。ブリーフィングで決定された作戦は『分断後の攻撃』だ。当然のように他のKVもシェリーに続く。
 AAMや弾丸を避わしながら、5機のワームが旋回する。同時に放たれたプロトン砲が夜叉姫の翼を掠める。シェリーは気にも止めず、ワームの側面に回り込んだ。
 一瞬でレーダーを確認。文月のアンジェリカが続いている。後方は任せるか‥‥否。打撃力を考えれば、命中させるべきは文月の知覚攻撃だ。
「文月、合わせなっ!」
 シェリーの声を聞いて、文月は兵装をレーザーに戻す。多目的誘導弾でのフォローを考えていたのだが、主役は譲ってもらえるようだ。
 シェリーがワームの進路にガトリングを掃射する。SESエンハンサーで強化されたレーザーが囮弾を回避したワームに突き刺さった。
 ワームの装甲を貫き、レーザー光が虚空に消える。墜落していくワームには目もくれず、文月はシェリーの後方に戻る。
(ここで一機でも多く落としてみせるッ!)
 シェリーに合わせ次のワームへと照準を定める。直後、真下からの砲撃がアンジェリカに直撃した。

 囮に放ったロケット弾が、運良くワームに命中する。バランスを崩したワームにホーミングミサイルを放つ。
「離脱?」
 ミサイルが命中するも、ワームは反撃してくる。回避行動を取りながら、幸香は思わず聞き返していた。
 突撃と同時に入ったシュウから通信。内容は一時離脱の提案だった。受取人は幸香と東雲。
『下です。もう詰められてる』
 回避で傾いた機体をそのままロールさせ、下方を確認する。近い。幸香達は既に、分断したワーム達のプロトン砲射程に入っていた。
「く‥‥」
 機体を水平に戻すと、前方にシュウのディアブロと、東雲のR−01が見える。幸香のR−01改と同じく、脆い機体だ。
『流石に数が多い。あたしの腕じゃ‥‥避けきれそうにないからね』
 東雲の悔しそうな声が聞こえてくる。薄い装甲を回避力で補う機体にとって、数の不利は致命的である。火線を集中され、一撃でも避けそこなうだけで、装甲の数割を剥ぎ取られてしまう。一斉砲撃だけは受けてはならない。
 無論、自分達がこの場を離れれば、残された仲間へと攻撃が集中することになる。
「乾機、一旦離れます!」
 通信機へと向かって叫ぶ。幸香は他の2機と共に混戦を抜け出した。

「くそっ! もう追いつきやがったのか」
 砲撃を受け、バイパー改の右翼が跳ね上がる。重力が機体を絡めとり、慣性が灯吾を襲う。ベルトが身体に食い込み、肩に鋭い痛みが走る。
「こんのぉっ」
 回転し、落下しそうな機体を引き起こす。その間にもワームの砲撃は続いている。視界の端で何かが光り、再び機体が揺れる。
 灯吾は追撃を受けながら、一直線に機体を飛ばす。機動では敵わない。優先するのは距離を取る事。
 眼前が晴れる。前方に飛行していたワームの群を切り抜けたのだ。
 コンソールに映された機体の損壊率は50%。まだ戦える。未だ空域に残っている味方をフォローしようと、灯吾が機首を返す。
 目の前に浮かぶ3機のワーム。その砲身は全て灯吾へと向けられていた。
「やべ‥‥」
 操縦桿を操り、機体を右に流す。灯吾の居た空間を3条の光線が突き抜ける。
 ワームは尚もプロトン砲を放ってくる。圧倒的に不利な状況、しかし灯吾は諦めなかった。
「仲間が待ってんだ。こんなところで落ちられっかよ!」
 1機に向けてホーミングミサイルを打ち出す。ミサイルの発煙が見える前に、今度は左に機体を流した。
 ミサイルは避わされ、光線が腹部を掠める。時間稼ぎも目的のうちではあるが、長くは続かない。
『ほらほら、貴方の後ろガラ空きですわよ? 油断大敵‥‥ですわ♪』
 通信が入ったのは、灯吾が第2射のため、ワームをセンターに捉えようとした時だった。
 バイパー改の真後ろで爆発が起きる。灯吾の後ろに回りこんだワームを、雷電のヘビーガトリングが迎撃したのだ。
 窮地を救われた灯吾だが、気を緩めるわけには行かない。そのまま後方に付いた雷電とともに、前方のワームと相対する。
『東野さん、いい囮でしたわ‥‥』
「神無月か。他の皆は?」
 ミサイルからロケット弾ランチャーに兵装を替え、攻撃を再開する。るなはターゲットを合わせてAAMで追撃した。ロケット弾は回避されるが、直撃したAAMで1機のワームが煙を上げる。
『今のところは無事ですわ。とは言っても、長く持ちそうにありません』
 るなの視線の先、最もワームが集中している個所では、シェリー、文月、ナナヤの3機が踏みとどまっていた。
 互いの死角を補うように飛行し、牽制射撃で誤魔化してはいるが、次々と被弾している。
「目の前の残りは無視だ。3機を助けに向う」
『異論ありません。練力の余裕はありまして?』
 質問に答えるように、バイパー改が急加速する。
『サヨウナラ‥‥追って来れば相手をしてさしあげますわ』
 ブーストを効かせると、ワームの姿が後方へと流れていく。ガトリングをリロードしながら、るなは3度目の突撃を行った。

「追って来たのは3機か。ありがたい‥‥かな」
 東雲が呟く。レーダーの光点は6つ。東雲、シュウ、幸香の3機に、追撃してきたワームが3機だった。
 R−01に残された練力は90。一斉離脱時のブースト分を残しても、特殊能力の発動が可能だった。
「旋回しよう」
『そうですね。一斉砲撃はやり過ごせましたし』
 手短な通信を行うと、幸香からすぐに返事が返ってくる。
『了解です。やってやりましょう』
 シュウの同意を得て、東雲は機体を180度旋回させる。後方のワーム達もまた、東雲達の後を追ってくる。
 軽く蛇行した飛行で、後方からの攻撃を回避する。光線が機体を掠めるが、直撃は避けられた。
 直ぐにでも後ろのワーム達と交戦したい状況だったが、そうはいかない。下の空域に戻るまでの数秒、攻撃をしのげばいい。
『拙いですね。囲まれてます』
 幸香の声に、東雲は前方を見詰める。混戦となった空域では、残された3機にワーム達が群がっている。数は9機、粘っているのが不思議な数量差である。
 1秒が数十倍にも感じられる。今、ワームが放った光線は何発目だろう。
 ギリ、と音が聞こえる。マイクがシュウの歯軋りの拾ったのだ。
 距離が縮まる。シュウはスナイパーライフルで、幸香は螺旋弾頭ミサイルで攻撃を始めている。
 ショルダーキャノンに兵装を切り替える。残練力を再確認すると、東雲は大きく息を吸い込んだ。
「ナナヤさん、シェリーさん、文月さん! 下降して下さい!」

『下降して下さい!』
 通信の直後、ナナヤは機首を真下へと向ける。急激な方向転換で体が吹き飛びそうになる。
 傍から見れば落下に映ったかもしれない。だが、実際はそれよりも酷い。重力に加え、推進力までもがウーフーを大地へと手招きする。
 機首を戻すと、ナナヤの内部を遠心力が襲う。血液が足元へと押し寄せ、意識と視界が真っ黒に染まる。
 飛びそうな意識を精神力で引き戻し、圧された血液を心臓が押し流す。エミタによって強化された身体は、破裂確定の血圧にすら耐え抜いた。
『ナナヤさん!』
 ウーフーを狙い転身したワームを、シュウのガトリングが襲う。強化された機銃の弾丸が蜂の巣にする。
 炎上し、下降していくワーム。撃墜寸前の獲物を追わず、シュウのディアブロはウーフーの前に降りてきた。
「助かりました」
 礼を述べるナナヤの耳に、すいません、と小さな呟きが聞こえてくる。ナナヤ達に攻撃が集中したのは、シュウ達が離脱したせいでもある。
 決して間違った判断ではない。1度の分断では不十分だったのだ。1機の撃墜も許されない以上、シュウの行動は正しい。
 ナナヤは微笑むと、マイクを指でトントンと叩いた。
「行きましょう。そろそろ撤退も考えないと」
『えぇ、帰りはビシっと。全員揃って抜け出しましょう』




 シュウとナナヤ、るなと灯吾が合流に向ったのはほぼ同時。その時シェリーは墜落寸前まで追い込まれていた。
「アタシの相棒(シギュン)を舐めてもらっては困るわねぇ」
 体勢の制御すら覚束無い状態で、シェリーはワームの攻撃を回避する。彼女の気迫を支えようと、幸香と東雲が残弾をばら撒く。
 文月も試作型G放電装置を打ち切り、レーザーでの牽制を行う。
 戦闘不能まで追い込んだワームは6機。
『シェリー! 引き際だ。煙幕を打つぞ』
「了解。そろそろリミットだね!」
 灯吾からの通信の直後、空域に打ち出された煙幕装置から煙が吹き出る。弾丸と光線の飛び交う戦場が、瞬く間に白煙で包まれる。
「抜け出す方角を間違えるんじゃないよ!」
 シェリーが叫び、エンジンをブーストさせる。白煙の北側から、7機のKVが抜け出した。

「神無月さん!?」
 レーダーの光点を見て、ナナヤが悲鳴をあげる。他の7機に遅れ、るなの雷電が、低角度から飛び出したのだ。
『平気よ‥‥。すぐに追いつきますわ』
 るなは雷電を急上昇させ、ヘビーガトリングの残弾を撃ち切る。放たれた弾丸は、KV達を追おうと白煙から飛び出したワームの腹部を直撃していた。
 ドローム社のようなスタビライザーがあれば話は別だが、雷電に攻撃回数を増やす機能は無い。残りのAAMも打ち切りたかったが、るなは諦めて空域を離脱する。
 雷電が戻ってくるのを確認し、ナナヤが胸を撫で下ろす。その時、レーダーに異変が起こった。
「戻って‥‥行く?」
 煙幕から抜け出したワーム達が、隊列を組みなおして東の空へと戻っていくのだ。
『耐久に限界が来たのかしら。手強い相手だったけれど、手負いである事に変わりはなかったのね』
 文月の声に、ナナヤは頷く。どうやら目的は達成できたらしい。
「グラナダでは無さそうですが‥‥。いつか再会するのかもしれませんね」
 次第に消えていく光点を見つめながら、ナナヤは軽く溜め息をもらしたのだった。