タイトル:HW☆ジャックを探せ!マスター:いずみ風花

シナリオ形態: ショート
難易度: やや易
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2007/11/15 14:01

●オープニング本文


『ラスト・ホープ』
 人の手で作られたこの都市でも、昔と変わらぬ人々暮らしが日々営まれている。
 その為か、いつもどこかしらで人々の心を和ませる色々なイベントが行われている。

 今日も街角の小さな窓を飾るオレンジ色のカボチャ。
 壁に蝙蝠やファンシーなお化けが描かれたポスターが貼り出されている。
 そこに書かれた「Trick or Treat!」の文字。
 ──『ハロウィン』である。

 ☆☆☆☆☆

 ハロウィンのお祭りで、ラスト・ホープ内はとても可愛らしく、華やかな雰囲気に溢れていた。仮装する者も沢山居て、しばらくは、多目に見てくれるのだという。
 兵舎に程近いオープンテラスのカフェ『しろうさぎ』では、ハロウィン期間と銘打って、限定、南瓜のプリンと薫り高い紅茶のセットが評判である。広場には、昼も夜も沢山の仮装した人達が集まり、話に花を咲かせている。夜ともなれば、繁華街にもオレンジの灯りが灯る。南瓜の灯りをつけたバー『ラスト・ムーン』では、南瓜と挽肉のパイの良い香りをさせていた。研究所の近くの森の小道では、のんびりとくつろぐ為のベンチの端に小さなパンプキンのマスコットが括り付けられた場所もある。はらはらと落ちる銀杏の葉を眺めるには最適な場所だ。図書館と広場を結ぶ道には、時折、焼き栗売りが出る。熱々の焼き栗を紙に包んで売っている。良い香りは焼き栗だけで無く、石焼き芋の屋台も動き。

 ラスト・ホープ内に現れる、ジャック・オ・ランタン。それは、UPCの職員有志が扮する謎の南瓜男。額に壱・弐・参と、被りものより、僅かに濃く書かれたその文字は見難くて、探すのに苦労するのだという。
 見つけたら、そっと近寄り、「Trick or Treat!」と叫ぶのだ。見つけたジャック・オ・ランタンとじゃんけん勝負をしてもらいます。ぐー、ちょき、ぱー。
 見つけたら1点。勝ったら1点、点数がもらえます。誰が一番点数を取れるか。
 数字を額につけている、ジャックを探せ。
 これは、ミッションである。
「ミッション〜っ?!」
「‥‥何かものすごく馬鹿馬鹿しいヒントが書いてある‥‥」
 ♪壱のジャックは高い場所で悩んでる♪弐のジャックはお寝坊さん♪参のジャックは踊りが大好き♪
「この間の体力強化といい、職員。お祭り好きばかりかよ」

『ジャックの隠れている場所は、以下の通りである。
1)広場
2)兵舎
3)本部
4)ショップ
5)研究所
6)図書館

 探す時間帯は以下の通り。
A)朝
B)昼
C)夜

 行動出来るのは、ひとり三箇所まで。
 作戦の成功を祈る』

「地球の未来はここにあるんだよな?」
「ん‥」
 盛大な溜息がモニターの前に広がった。

●参加者一覧

大泰司 慈海(ga0173
47歳・♂・ER
鷹見 仁(ga0232
17歳・♂・FT
鏑木 硯(ga0280
21歳・♂・PN
姫藤・蒲公英(ga0300
11歳・♀・ST
姫藤・椿(ga0372
14歳・♀・FT
銀野 すばる(ga0472
17歳・♀・GP
鯨井昼寝(ga0488
23歳・♀・PN
流 星之丞(ga1928
17歳・♂・GP
西島 百白(ga2123
18歳・♂・PN
ゴールドラッシュ(ga3170
27歳・♀・AA

●リプレイ本文

● ♪ 壱のジャックは高い場所で悩んでる ♪
 朝の光が木々の間を抜けて、眩しい光を降り注ぐ。日中に比べて、気温は高いとはいえないが、その陽射しは今日も心地良く、空気を暖める。普段は手にしない文庫をおもむろに開くと、大泰司 慈海(ga0173)は小さく溜息を吐く。何故ここにはジャックが居ないのか。

「子供のころにやった、かくれんぼみたいでなかなか面白そうですね」
 高いところに居るのならば、中央にそびえるブレインタワーでは無いかと、鏑木 硯(ga0280)は思った。思ったのに。図書館へと足を向けてしまった。もうひとつの悩んでいるというキーワードが気になったのだ。悩むのならば、夜に違いないと、外灯が穏やかな光をこぼす道を歩き、図書館へと向かう。

 朝日の中には、屋台も何も動いては居ない。ゴールドラッシュ(ga3170)は、広場に佇む。モデル立ちをしている、スレンダーな彼女は、朝の散歩をする人々から、何事?と注目されていた。

 兵舎に程近いオープンテラスのカフェ『しろうさぎ』では、姫藤・蒲公英(ga0300)がオレンジジュースの中ジョッキと睨みあっていた。おかしい。普通サイズを頼んだはずなのにと、思うのだが、声を上げるのも恥ずかしく。中ジョッキのオレンジジュースを少しづつ攻略して行く。姉の姫藤・椿(ga0372)に引きずられるように出て来たのだ。椿といえば、フリルの沢山ついたゴスロリ系のドレスワンピースが、ハロウィンメットに、意外と似合っていた。漆黒のドレスワンピの裾が揺れる。椿は運ばれてきたオレンジ色したプリンに歓声を上げた。
 カラメルでジャック・オ・ランタンが描かれて、炙られるのは小さなお城。生クリームがお化けの形に添えられて、チョコパウダーでお化けの顔が作られる。薄いリボンのようなピンクとオレンジのキャンディデコレーションは、触ったらはらりと音を立てて崩れそうに繊細なカーブを描く。ルビー色した紅茶は仄かに甘く、すっきりと口の中の甘さを溶かして消える。
「カボチャのプリン美味しそう〜。ね、一緒に食べない?」
「‥ひ‥人も‥見てるし‥は‥恥ずかしい‥です‥から‥」
 金のスプーンでプリンをすくい、椿は蒲公英に食べさそうとするが、流石にそれはと、真っ赤な顔した蒲公英はオレンジジュースのジョッキの陰に隠れた。
 ローラーシューズで道を滑るように進む銀野 すばる(ga0472)は、本部を目指す。

「実は、こういうイベント結構好きなんだ」
 黄色いマフラーをなびかせて。流 星之丞(ga1928)は少し照れながらもジャックを探す。だが、時間帯を僅かに読み間違えていた。基本的に本部の活動時間は昼間だと踏んだのだが、朝も早くから、夜も遅くまで、人の出入りは無いわけでは無く。
 悩んでいるのはお偉いさんだろうかと鷹見 仁(ga0232)も星之丞と同じ時間帯に本部に居た。一日、思考をぱーにして遊べば気も晴れるだろうと、深く読むが、思考が固まるという意味で、ぐーなのでは無いかとの最初の考えのまま進めば良かったのだが‥。
「行くぜ! 待ってろよ、ジャァアアアアック!」
 見つからないと燃える。仁は、握り拳で次の場所へと走り出した。
「‥‥高い‥‥所‥‥か」
 ラスト・ホープの道をそういえばしっかり歩いた事は無いかなと西島 百白(ga2123)は、本部へその足を向けると、ハロウィンメットよりも、僅かに大きな南瓜頭の、ジャックを見つけた。自身も、ハロウィンメットを被っている。まさか、これを被るのかと、受付職員に聞くと、満面の笑顔で頷かれ、酷く複雑な表情でメットを眺めて、仕方なしと被っている。そんなオレンジのメットのまま百白は小さく頷くと、じゃんけんの勝負を挑んで、その結果は‥。
 これはミッションである。鯨井昼寝(ga0488)はその言葉は気にかかっていた。今回のジャックが、実際にキメラだったと仮定して、直感を頼りに突き進む。そう、ミッションには違いない。しかし、本当の街の探査ミッションならば、直感で動くのはお勧めしない。情報から導き出される推測でなければ悲劇にならないとも限らないからだ。だが、今回は彼女の直感がぴたりと当たった。
 ぽんと、手の甲に小さな丸の印がゴム印で記されて。

 高い場所とは、大方の予想通り、本部であった。本部では毎日のように頭を悩ませる問題が持ち上がる。依頼も出る。考え事をする時に、ぱーやちょきでは無いぐーであった。
 正解:3−A(ぐー)

● ♪ 弐のジャックはお寝坊さん ♪
 おねぼうさんなら、朝は寝ているのかなと兵舎を覗いたすばるは、行き交う能力者達にハロウィンメットのオレンジ色を沢山見つけて、惑う。しかし、明らかな被り物としてのジャックの顔は見れなかった。同じように、寝坊ならば兵舎とあたりをつけてい星之丞は、ううむ。と腕を組んでハロウィンメットの群れを見送る。寝坊と兵舎は組み合わさらなかったのだろうか。
「こ‥ここはっ‥何所でしょうっ?」
『しろうさぎ』を出た蒲公英は姉椿とはぐれて彷徨っていた。そういえば、最初の挨拶の時に椿さんの後ろでみかけた子だと、星之丞は涙目の蒲公英に声をかけた。
(「‥参ったな、凄い照れ屋さんみたいで要領が。犬のお巡りさんもこんな気分なのかな」)
 下を向いて、あう。とか、はう。とか言葉にならない蒲公英に、とりあえず一緒にジャックを探す事を提案する。目的は同じなのだから、探していれば自然と会えるだろうと言えば、真っ赤な顔して、蒲公英は頷いた。
「あ、これ可愛い〜。これは欲しいかもっ。あっ、あれもいいな〜」
 その頃椿は、昼下がりのショップに居た。小物を探す女性達がごった返す。丁度この時期は、オレンジとブラックの配色が可愛らしい物が多い。椿は、満足いくまで小物を手にし、歩いていると、泣きべそをかいた蒲公英と、顔見知りの星之丞と再開する事になる。

「想像以上に手強いわね、このミッション」
 ジャックを探し当てた昼寝は、二度目の勝負にも敗退して、ううむと、自らのじゃんけん運を思う。
「次ぎ‥‥行くか」と、ぽつりと呟く百白は、負けて地に伏すジャック弐を眺めて、やれやれと溜息を吐くが、何所となく楽しそうだ。屋台の良い香りに歩みを早める。甘酸っぱいタレの匂い。香ばしい醤油の香り。クリームの甘ったるさが百白の鼻腔をくすぐる。
「‥‥‥」
 元気いっぱい呼び込みをしているゴールドラッシュを横目に。中華ちまきの旨そうな香りを選び歩いて行く。筍と椎茸と人参とごぼう。豚の角煮がごろりと入ったちまきはお腹と心に溜まっていく。
「あんまり動き回るのは面倒‥もとい。愚作よね‥」
 思わず本音をぽろりと漏らしたゴールドラッシュは、ずっと広場場所に居るつもりだった。ベンチに寝転ぶ彼女は、僅かに眉間に皺を寄せると、ある決意をする。呼び込みの押し売りである。お祭りの賑わいだ。

 仁は、考えた。寝坊と言えば、生活の場所である兵舎。そう、そのまま兵舎へ向かえばよかったのだ。しかし、仁は、まてまてとさらに考えてしまったのだ。徹夜仕事だとしたら?‥徹夜と言えば、研究所ではないだろうかと、手を打ち付ける。お寝坊さんの徹夜明けの研究員。朝の光を浴びて出てくるに違いない。寝ぼけ頭はぱーに通じる。しかし、仕事をすっぱり切り上げるにはちょきだろう。とても非常に正解にしたい。しかし。朝の光を浴びて街路樹の道を進む仁にはジャックは微笑まなかった。
 オレンジ色したかぼちゃの被り物をしている怪しさ満点のUPC職員を大泰司 慈海(ga0173)は見つけた。「Trick or Treat♪」とそっと背後からしのびより、耳元に囁けば、ジャック弐はがっくりと力尽きたようである。しかし、すぐにジャックは復活する。負けちゃったと笑う慈海は、そのままオープンカフェテラス『しろうさぎ』へと足を伸ばす。今日のランチはクラブサンド。たっぷりとした鶏肉とレタスにしゃきしゃきのオニオン。特製のマヨネーズドレッシングがぴりっと味をしめ、コーンスープがほこほこと身体を温める。食後にと紅玉を思わせる色した紅茶の香りを楽しむと、程良い甘さの南瓜プリンを口にすれば、自然と笑顔がこぼれてくる。
「おはようございます」
 硯は、にこやかに兵舎のドアを開けて回った。昼夜問わず人の出入りの激しい場所だ。お寝坊さん確定です。と、くすりと笑いつつ、鍵が開いている場所は、遠慮などせずどんどんと開けていく。ぶーいんぐも聞こえたが、そういえば今日は例のミッションだったかと、怪しげなUPCからの依頼を目にしていた能力者達は脱力しつつ硯の暴挙を許す。似たい依頼があれば倍返し。そんな呟きも聞こえたが、硯は、とりあえず気にしない。
 そして見つけたオレンジの被り物には、弐の文字が。
「この私が負けるとはっ」
「お疲れ様です」
 硯はその手に二つの丸印を勝ち取った。

 寝坊。それは、至福の時間。朝も早くから起きることの無い、世間一般の時間を無視‥もとい。気がつかずに寝てしまった時間の事である。兵舎昼に、何事も考えずにと言う事で、ぱーが選択された。
 正解:2−B(ぱー)

● ♪ 参のジャックは踊りが大好き ♪
 昼の広場には、良い香りが漂う。賑やかな音楽も流れ始めて、ステップを踏む者、ピエロの格好でバトンを回すジャグラー。2mはあろうかという自転車の上での曲芸。可愛らしい犬達が蛍光色したサテンのベストに身を包み、輪をくぐったり、子供が押すかたかた鳴るおもちゃを二本足で立って押したりもする。
 ゴールドラッシュの客寄せは確かに賑やかであった為。必死な彼女を、大道芸の人達がおいでおいでと寄せてくれて、お昼ごはんに混ぜてもらい、人心地ついた所で、ジャック弐を見つける事に成功する。
「Trick or Treat!」
 つかみ掛らんばかりに叫ぶ彼女は勢い良くぱーを出す。しかし。ゴールドラッシュの胸の高鳴りと裏腹に、じゃんけんは終わってしまった。お疲れ様ですと、肩をぽむぽむ叩かれて、貰った箱には金銀財宝がと開けるが、その箱の中身は参加賞のカラフルなキャンディであった。

 鯨井昼寝(ga0488)の移動距離は一番あったのかもしれない。情報外の場所も行きそうな勢いで各エリアの隅々まで見廻り、探っている。実践を想定しつつ動いているせいか、その足元は静かだ。
「沢山つきました」
「そうか‥」
 ジャック参に最後のゴム印を押してもらい、昼寝はミッションの終了を告げられる。仲間達の移動を見つつ、ただ、探索は広範囲行えば良いというものでは無く。取捨選択が必要だろうと、自らの行動を省みて反省点を探す。ひとつのミッションは次のミッションへの階段だから。

 踊り好きならば、広場以外には無い。暗くなり、様々な色の灯りが灯った広場は、仮装した人々や、鳴り止まない音楽でちょっとしたパーティ会場である。陽の光では急いで作った仮装のボロが見えてしまう。仮面の塗りむらが浮き出てしまう。羽飾りが偽物で煤けているのが恥ずかしい。でも。夜になれば。
 人工の光は、陰影を曖昧にする。笑い声と様々な音楽が騒然と一体になり、広場をひととき魔法で包む。
 軽いステップを踏んでいたジャックは、仁に捕まる。
「なかなか目立ってるな。だがそれじゃダメダメだ!」
 皆で踊らなきゃなと、ジャックの肩を軽く叩けば、優雅に礼をされ、きらきらの箱を投げられて、キャッチする。夜の明かりにそれはまるで宝石箱のように光って、離れていくジャックに仁は手を振った。
 どこか怪しい雰囲気に、星之丞はやっぱりかと呟いた。魔物の活動時間は‥夜。なんとなくそんな符号を思いついたら面白くて、それが当たったようで、また嬉しくて。キャンディボックスを手にして、硝子細工や、小間物の屋台を散策する。
「食べたいけど‥‥太っちゃうかな?」
 でも、今回は沢山動いたし、またすぐに沢山動く依頼があるしと、呟きながら、石焼芋を抱えているすばるは、昼間見たら、きっと怪しい色をしているだろう。色鮮やかな炭酸水がしゅわしゅわと吹き上がる飲み物も、祭りの場所では酷く美味しそうと、石焼芋と見比べて、これも飲んでみようと、手を出した。手にはやっぱりキャンディボックスを抱え。食べたら踊りに行かなくてはと、徐々に大きくなって行く踊りの輪を見て嬉しげに微笑んだ。
「ね、ね、せっかくだから一緒に踊らない? お祭りだし」
「え‥私より‥星之丞さんを誘ってみたら‥」
「見失っちゃったわよ」
 ちょっと残念ね。と、椿が蒲公英を踊りに誘う。しかし、蒲公英は疲れたのか、行ってらっしゃいと、椿の分も、キャンディボックスを抱えてベンチに腰掛けた。ひと踊りしたら、『ラスト・ムーン』の特別メニュー食べに行こうねと、椿は蒲公英に手を振って、踊りの輪の中に入っていく。
 
 隠し味に醤油で味をつけた挽肉は、甘い南瓜に良くあった。大人の拳を二つ合わせたぐらいの大きさのパイは、ジャック・オ・ランタンの顔に形作られている。ぱりぱりのパイ皮にナイフとフォークを入れれば、さっくりと小気味良い音が響く。星型に抜かれた人参のグラッセと森のようなブロッコリーが皿の縁を彩る。手間のかかった限定パイは、あと数個で品切れのようだ。
 最高点は聞いたけれど、パーフェクトやダントツ一位は出なかったみたいである。実はジャックの仮面の下には、美少女職員が居て、ご褒美に祝福にキスとかあったら‥と、夢見ていたが、ジャックを発見した時点で、夢は星空に帰った。どうみても、男。ひっくり返っても男。ぶつぶつ呟きながら、パイを食べに、『ラスト・ムーン』を訪れた硯は、カウンターに先に来ていた仲間を見つける。しかし、声はかけずに、軽く会釈する。極彩色の羽根のついたアイマスクをはずして、綺麗な女性と笑いあっている慈海も、そんな硯に軽く目配せすると、琥珀色の酒がたゆたうグラスを口に運ぶと、面白いミッションだったと、思い出し笑いをし。
「‥‥『最後の月』‥‥か」
 『ラスト・ムーン』の看板を見て、僅かに目を伏せた百白は、少し、街を見て帰ろうかと、広場を後にする。夜の街も空の星と同じくらいには光を放っているだろうかと。

 誰も正解がいなかったらどうしよう。そんなチキンハートなUPC職員は一計を案じた。昼から夜に踊ったっていいじゃない。‥‥弱腰である。上官はまあそれもありだろうと、このハロウィン企画にGOサインを出した。結果は上官に預けてあるので、途中でズルが出来ないようにはなっていたので問題は無いだろう。
 正解:1−BもしくはC(ちょき)
 
 最も多くポイントを稼ぎ出した者は2名居た。お疲れ様と、参加賞のキャンディを配っていたUPC職員から、敢闘賞だと褒められていた。
 さて次なるお祭り好きのUPC職員主催の依頼は、雪だるまかカマクラか。そんな相談が能力者達の耳に入ったとか入らなかったとか。