タイトル:戦場は炎の厨房マスター:岩魚彦

シナリオ形態: ショート
難易度: やや易
参加人数: 6 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2010/07/27 05:45

●オープニング本文


 ここはラストホープ内にある傭兵達が生活する兵舎。その中には、傭兵達の空腹を満足させる施設がある。
 それは、食堂。
 兵舎で暮らす傭兵は数百を超える。兵舎に複数の食堂があるとはいえ、数多くの傭兵達に低価格、高品質、大ボリュームの食事を常に提供し続ける。それは、傭兵達に劣らないほどの重労働である。
 腹が減っては戦は出来ぬ。その食料を提供し続ける食堂は、まさに縁の下の力持ちである。

 まだ準備中のとある食堂の厨房で、白く清潔な割烹着を身に着けた若い従業員と、少し年老いた従業員は仕込みを行っていた。
「さっきの電話、内容は?」
「‥‥体調不良で、今日は出勤できないという連絡でした」
 だが、そんな食堂で働く従業員達も人間であり、怪我もすれば病気にだってかかる。
 最近、この食堂内では風邪が流行りつつあった。衛生管理はしているものの、風邪の流行を防ぐのは中々に難しい。
「やっぱり‥‥。これ以上人が減ると、仕事が回らなくなるわね」
「そうですね。最近、残業が多くなってますし、時間あたりの仕事も増えてます。このままじゃあ、体調不良者が増える一方ですよ」
 きちんとしたローテーション、仕事量の配分から従業員に無理はさせないようにシフトは組まれていたが、風邪の流行というアクシデントには対応しきれなかった。その為、残りの従業員にはさらに過剰な労働を強いる事となった。
「そうだ! いっそのこと、お休みにする事は出来ないんですか?」
「それが出来ればこんなに苦労してないわ」
 だからと言って、食堂を休みにしてバグアと戦う傭兵に空腹を強いる事になっては意味が無い。
 この食堂以外に食堂がないわけではなく、ラストホープには飲食店は数多くある。だが、常連客にとっては唯一無二の憩いの場であり、ボリューム満点のランチセットを楽しみにしているお客も決して少なくない。それに、食堂から溢れた傭兵達が確実に飲食店で食事ができる保障はない。
「このままじゃあ、私達も過労も倒れちゃいますよ?」
「そうね。人を増やすしか方法はないわ」
「そんな人がいる訳‥‥」
 ここは、兵舎。依頼を受けて、それをこなす事で報酬を貰う傭兵が住まう場所。
 二人の従業員は何かに気付いたかのように顔を見合わせる。
「で、でも、そんな依頼を受けてくれる方はいるでしょうか?」
「それは分からないわ。でも、このままではいずれ仕事が回らなくなってしまう。この依頼を受けてくれる事を祈りましょう」
 年配の従業員は兵舎の経営者と交渉する為、近くの電話を手に取る。
 この依頼を受けてくれる傭兵がいる事を祈りつつ‥‥。

●参加者一覧

R.R.(ga5135
40歳・♂・EL
マルセル・ライスター(gb4909
15歳・♂・HD
如月 葵(gc3745
16歳・♀・DF
秦本 新(gc3832
21歳・♂・HD
フランツィスカ・L(gc3985
17歳・♀・GD
巫部 香奈枝(gc4319
15歳・♀・SN

●リプレイ本文

●食堂に集う戦士達
 指定された時間になると、依頼を受けた傭兵達は食堂に集まっってくる。彼等は厨房という戦場へ向かう戦士達なのだ。
 食堂は朝食が終わった直後。利用客の数はまばらで、誰もがゆったりと過ごしていた。
「この度は依頼を受けて頂き、ありがとうございます。私達がサポートに回るので、思う存分腕を振るって下さい」
 年配の従業員が軽く挨拶をする。
「ワタシ、R.R.(ga5135)アルね。炎の中華料理人アル。よろしくアル」
 R.R.は従業員を含めたメンバー全員に挨拶を行った。
「お料理は得意なので、任せて下さい」
 満面の笑みを浮かべて如月 葵(gc3745)が意気込む。
「腹が減っては戦は出来ません。バグアを倒すためにも傭兵達にしっかり食事を提供しなければね」
 秦本 新(gc3832)は冷静に食堂の心配をしていた。
「ぇと‥‥手伝いに来た‥‥巫部 香奈枝(gc4319)です‥‥宜しくお願い‥‥」
 引っ込み思案気味の香奈枝の挨拶は、最後の方は殆ど聞こえてこない。
 従業員が仰々しく頭を下げると、戦士達もそれに合わせてお辞儀をして返す。そして、戦士達は従業員に連れられて、真の戦場へと足を運んだ。

●戦闘準備(仕込み)
 戦地に到着して、戦士達はまず地形の分析を始める。
 油を多用する食堂の厨房にしては清潔に保たれており、銀のシンクは輝きさえ放っていた。道具類も使い込まれている割に、その輝きは失われていない。戦場としては申し分ない場所であった。
 戦士達は担当するランチ毎に分かれ、仕込みを開始する。

 Aランチ・和食 担当 巫部 香奈枝・秦本 新
「‥‥私は‥‥日本食しか出来ないから‥‥Aランチを‥‥手伝います‥‥」
 遠慮がちに香奈枝が申し出る。そして、彼女をサポートする形で新がAランチ担当となった。
 新はエプロンと三角巾を身に付け準備を行い、従業員にお客の数を確認する。従業員は一つのランチにつき五十食は作って欲しいと要望を伝えた。
 新は頭の中で作る量の計算を始める。その間に、香奈枝も準備を完了させていた。
 香奈枝がメインとなるアジの塩焼きと味噌汁の調理に取り掛かると、その間に新が副菜として筑前煮の調理を始める。
 香奈枝は鍋に水を溜めると、コンロにかける。そして、出汁を取る間に大根・ネギ・豆腐を刻んでいく。
 新は筑前煮の具材である鶏もも肉、竹の子、大根、蓮根、人参、蒟蒻、ごぼう、しいたけを捌いていく。鶏肉と蒟蒻は一口大に切り、他は乱切りにした。
 新は大量に作る為、下茹で用、炒める用と煮る用に鍋を三つ使用する事にした。具材をそれぞれ下ゆでした後、小さめの鍋で炒め、ダシを張った大型の寸胴鍋に投入していく。
「流石に量が多いな‥‥、急がないとマズいですね」
 新が急いで作業をしていると、香奈枝が声をかけてきた。
「‥‥んと‥‥手伝って欲しい事あったら‥‥言って‥‥?」
 二人は協力して、具材を全て捌いて鍋の中に入れ終わる。寸胴鍋をかけてあったコンロに火を着け、煮込み始めて調味料を使って味を調えた。
 香奈枝の料理も進み、アジを捌いて塩焼きにする。その間にも、鍋に大根を投入し煮込む。味噌を溶かして味を調えてから、豆腐、ネギを投入した。
「‥‥ぁの‥‥味‥‥どうですか‥‥?」
 新の太鼓判をもらい、ドキドキと緊張していた香奈枝の表情がパァッと明るくなる。そして、礼を言うと調理に戻って行った。
 三十分以上煮込んだ筑前煮に、彩として茹でたさやえんどうを散らしておく。冷奴も生姜、浅葱を加え、桜海老を乗せた。
 こうして、Aランチの仕込みが完了した。

 Bランチ・中華 担当 R.R.・フランツィスカ・L(gc3985
「元々店を出そうと思ってたところにバグアアルね。店やってる場合じゃないから屋台引いてたアルよ。皆おいしいもの食べて元気になってもらう、それがワタシの目標アル」
 R.R.は自分の経緯を語りながら、準備を進めていく手に馴染む中華鍋がないか丹念に調べていた。その話をフランツィスカは心ここにあらずといった感じで、頷きながら聞いていた。
 フランツィスカの視線の先にはCランチを担当するマルセル・ライスター(gb4909)のお尻があった。
(マルセルさん‥‥ハァハァ‥‥)
 マルセルの可愛い顔がこちらを見た瞬間、視線を逸らす。フランツィスカは視線に気付かれないように、準備を進めていた。
「定番料理の回鍋肉アルね」
 R.R.はフランツィスカに野菜の下ごしらえをお願いして、から豚肉をブロックのまま茹でると、バラ切りにする。
 フランツィスカは野菜を厳選して、菜切り包丁で刻んでいく。その手際はかなりのもので、多くの野菜が綺麗に刻まれていた。
 中華鍋で先ず肉だけを炒めておく。そして、フランツィスカが刻んだ野菜を別の鍋に放り込み炒めた。その間に、フランツィスカは肉を茹でるのに使用した鍋を片付ける。
 ある程度下ごしらえが済んだR.R.は、次の料理に取り掛かる。
「湯(タン)も作っておくアル」
 鶏肉、豚肉を使用し出汁をとりながら、具材としても利用する。大きな鍋に多く作っておく事で多人数にも対応できるようにした。
 こうして、Bランチの仕込みも完了した。

 Cランチ・洋食 担当 マルセル・ライスター・如月 葵
 マルセルがメインのハンバーグを、葵が付け合せのスープとサラダを調理する事になった。
「エプロンを貸して頂けませんか?」
 葵は従業員からエプロンを借りると、すぐさま身に着ける。借りたエプロンを身に付けたマルセルの姿は、下手な女性よりも似合っていた。
 マルセルは早速、挽肉を作り始める。
 前もって容器やミキサーを冷蔵庫で冷やしておき、調理ではそれを使用する。
 豚のしっとり感と牛の旨みのバランスが良い、豚6牛4の合挽肉。ミキサーで二度挽きする事で舌触りの滑らかさを増す。更にしっとりとした歯触りにする為、繋ぎにはパン粉ではなく、前もって牛乳に浸したパンを使用。
 合挽き肉に、先程牛乳に浸したパン、卵、玉葱、香辛料を加え、米を研ぐように全身でこねる。手の熱で肉がだれるのを避ける為、素早くこねていく。仕上げに叩き付ける様にこねあげて、中の空気を十分に抜くのも忘れない。
 その間に、葵はスープを作り始めた。大きな鍋に細かく刻んだ野菜を入れて煮込んでいく。葵はメインであるハンバーグを引き立てるように、その味付けにも細心の注意を払う。
 その頃、マルセルはハンバーグのソース作成に入っていた。ソースは牛の出し汁に玉葱、ダークチェリーを加えて煮込む。
「普通赤ワインを加えて、コクと風味に深みを出すところだけど、ここに黒ビールを入れるのが俺流!」
 ドイツ人らしく黒ビールを使ったデミグラスソースが完成した。
 次にマルセルはハンバーグの焼き行程へと入っていく。表面と側面を最初に強く焼き上げて、肉汁が外に逃げないように気を付けた。
 スープが完成した葵は、サラダの作成へと移った。色とりどりの旬の野菜を使用し、目に鮮やかなサラダを作る。今朝、ラストホープに届いたばかりの新鮮な野菜で作った、旬野菜サラダの完成であった。
 焼きまで終えたマルセルは、皿に飾り付けていく。ハンバーグを中心に、パスタ、ポテト、人参を添えたら、ソースをかけて完成。
 ハンバーグ、野菜スープ、旬野菜サラダにこだわりのライ麦パンを付けてランチ完成。お客の要望次第ではパンがライスになるという気配りもある。

 コーヒーやケーキのセルフサービス品に関しては、従業員が準備作成したのでランチ注文者は自由に取る事が出来るようになった。

●開戦(ランチタイム)
 時間はついにランチタイムへと突入し、戦士達の戦いが始まった。
 昼休憩を利用して殺到する傭兵達。戦士達は準備を万端にしてそれを迎え撃つ。用意したランチは百五十食を超え、いつもならランチタイムを乗り越えるに十分な数だった。
 先ず、飢えた傭兵達が向かう先は、注文カウンター。そこで、待ち構えるは接客担当の葵とマルセル。
 葵はエプロンを脱いで、キャミソールにジーンズ生地のハーフパンツにサンダルという、今の季節にピッタリの涼しげな格好へ。一方、マルセルは半ズボンにエプロン姿という、一部の客に大好評な格好をチョイスした。
 傭兵達はカウンターへ殺到する。
「いらっしゃいませ。ご注文は何にいたしましょう?」
 笑顔で対応する葵に、客が「おお!」とざわめく。
「本当に傭兵がランチ作ってるんだな‥‥。あ、オレ中華ね! お前は?」
「じゃあ、私はAランチで」
 男女ペアの傭兵は早速注文を行う。それを受けた葵は注文を復唱した。
「ではメニューの方を確認させて頂きますね。Aランチ一つとBランチ一つで、よろしかったでしょうか?」
 注文をした傭兵が了承すると、葵はすぐさま厨房へ注文を伝える。注文を聞いて、R.R.と香奈枝が動き始めた。
 香奈枝はアジの塩焼きと、味噌汁、筑前煮、冷奴、ご飯を綺麗に盛り付けしてトレイに乗せ、一足先に従業員へと渡していた。
 R.R.は別々に炒めた肉と野菜を、合わせて炒めながら醤を加えて最終的な味を調える。
「ちょっと手間だったアルか?! いやいや料理人として手を抜くわけには行かないアル」
 出来上がった回鍋肉を皿に盛り、事前に作った湯を一緒のトレイに載せて完成。そのトレイを従業員に手渡す。
 出来上がったランチを注文した傭兵に手渡した。
「お! 美味そうな回鍋肉!」
「本格的な和食ね。美味しそう!」
 二人組みの傭兵は上機嫌で席へと向かう。
 葵が注文を受けている頃、マルセルも同様に客の対応に追われていた。
「注文を繰り返します。Cランチのパンが二つ、ライスが一つでよろしいですか?」
 三人組の女性傭兵が蕩けそうな笑顔で「はーい」と返事をしている。傾向として、葵に男性客。マルセルに女性客が多いようだ。
 マルセルの注文を聞いた従業員が出来上がっている料理を綺麗に盛り付けして、お客へと手渡す。
「わー! 本格的!」
「ハンバーグのいい香り」
「サラダとスープも何気にいい感じじゃない?」
 三人の傭兵は盛り上がりながら、席へと向かっていった。

 ランチタイム開始から三十分。
 客足は増える一方で、返却された食器も数を増してきた。皿洗い担当の新とフランツィスカは黙々と自分の仕事をこなす。
 新は手を動かしながら、注意深く注文状況を確認していた。
(ふむ‥‥、Cランチが特に人気のようだなぁ‥‥)
 新は重点的にCランチ用の食器を洗う。
 洗い場の隅っこでは、ある一点を凝視しているフランツィスカの姿があった。その視線の先にはやはり、マルセルの半ズボンと生足がある。それでいて、フランツィスカの作業のスピードは新に勝るとも劣らない。
 慌てた様子の若い従業員が、セルフサービス用の皿が足りない事を告げた。
「予想以上に盛況ですね。本気でいきますよ‥‥!」
 新は覚醒すると、作業スピードは驚異的に上がっていく。
「‥‥家、貧乏だったんで、色々仕事を掛け持ちしていたんですよ。こういう仕事なら大得意です‥‥」
 フランツィスカが視線を流しに移すと、その手捌きはさらに洗練された。

 大変なのは皿洗いだけではなかった。盛り付けも徐々にスピードを要求されるようになってきた。
 R.R.は覚醒すると、右手から全身に向けて炎のタトゥーのような赤い痣が浮き出る。
「ハイハイ、ハイハイ、ハイハイ、ハイハイ、ハイー!」
 食材の取り出し、盛り付けが格段に早くなり、要求に対応できるようになった。
 香奈枝も従業員の手を借りながら、盛り付けのスピードを上げて対応する。
 こうして、ランチタイムは慌しいままに過ぎ去っていく。

●戦いを終えた戦士達(後片付け)
 ランチタイムが終了する頃には、戦士達は燃え尽きていた。持てる全ての力を使い果たし、戦場を駆け抜けた結果である。
 百五十食以上用意したランチは全て完売。出来がいまいちで客に出せなかったランチだけが、戦士達の昼食であった。傭兵が作ったというランチが噂を呼び、いつも以上に盛況だった事がその原因である。
 戦士と従業員は少数のランチを分け合い、お腹を満たしていく。
「もう一味欲しいところアルね〜」
 R.R.はランチを食べながらそう、感想を口にする。味覚が鈍感な為、そう感じているようであった。
 葵、新、香奈枝は集まって食事を取る。
「‥‥私‥‥美味しく‥‥料理作れたかな‥‥?」
 香奈枝が遠慮がちに尋ねると、葵と新は香奈枝の料理を絶賛した。
「‥‥良かった‥‥。ちょっと‥‥食べてみて‥‥良い‥‥?」
 香奈枝は少しホッとした様子で、二人に尋ねる。了承した二人から、回鍋肉とハンバーグを少しずつ貰い口に運ぶ。
「‥‥美味しい‥‥」
 香奈枝は少しはにかみながら微笑んだ。
 マルセルが一人で昼食を食べていると、その隣にフランツィスカが顔を赤くしてやってくる。
 フランツィスカは隣に腰を下ろすと、マルセルと雑談を交わした。フランツィスカはもじもじとしながらも、積極的に話しかけていく。
「能力者になる前は、9人の弟達に御飯も作らなければいけませんでしたし‥‥。こういう仕事、慣れているんです」
 雑談を交わす中で、フランツィスカはつい暗い話をしてしまいハッとする。
「ライ麦は、どんな厳しい環境でも強く育つんだ。俺はきっとライ麦のように、どんなに世界がくすんでしまっても、真っ直ぐ強く生きたいのだと思う。美味しいパンを作って、皆を幸せにする‥‥それが俺の夢でね。戦うのは、相変わらず苦手なんだけど。‥‥でも、これだけは誰にも負けたくないんだ」
 マルセルはフランツィスカの言葉を真摯に受け止め、自分の思いをフランツィスカに話した。
「羨ましいです‥‥。こんな‥‥戦いばかりの世界でも、しっかり自分の夢を持って前進して‥‥。とても強い意志がなければできないことだと‥‥思います。‥‥あの、私、そんなマルセルさんが私はす、す、すk言えないっ!!(ぁ」
 結局、フランツィスカは自分の思いを伝えらないままに、短い昼食は終わっていく。
 今まで使ってきた食器、道具を一つ一つ丁寧に綺麗になるまで洗っていく。
「器はお料理の心。ですね」
 雑談を交わしながらも、決して手を抜く事は無い。戦士たる者、道具の手入れも抜かりは無い。
 後片付けが終わる頃、年配の従業員が戦士達の前に立と、お疲れ様と声をかける。
「‥‥ぇと‥‥お疲れ様でした‥‥」
「今日は本当に助かりました。これで、仲間を休ませてあげることが出来ました。食堂もいつも以上に盛況で、感謝の言葉もありません」
 従業員は仰々しくお辞儀をする。
 戦士達の戦いは終わり、多くの従業員は十分な休息を取る事が出来た。この様子なら、この食堂もいずれ持ち直す事だろう。
 食の戦士達よ。本当にありがとう。