タイトル:【竜宮LP】泡と姫の戦場マスター:岩魚彦

シナリオ形態: ショート
難易度: やや難
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/01/03 22:45

●オープニング本文


 ――人が闇を恐れるのは、そこに何かが潜んでいると想像するからである。

 人の体内を走る血管の様に、『そこ』の内部は入り組んでいた。
 四方八方に広がる通路は薄暗く、続く道の先は暗闇しか見えず、人の本能に根付く闇への恐怖を目覚めさせる。
 時折、遠くから届く爆発音と振動が、君達の不安を掻き立てる。
 その薄暗がりの中、白衣を身に纏った少年が酷薄な笑みを浮かべていた。
 白衣を翻し振り返る少年の視線の先には、巨大なキメラプラントが広がる。

「さぁ‥‥歓迎してあげるよ。僕の可愛いこの子たちがねぇ」

 ――だが、闇を恐れてはいけない。例えそこに何が潜んでいようとも。

●竜宮攻城、数日前‥‥
 やけに暗く、生物を連想させる壁や、設備のある部屋の中に二つの影があった。
 一つは、金の長い髪にウェーブをかけてあり、白衣を羽織った女性。もう一つは、黒いストレートの髪をしているものの、何も身に着けていないように見えた。
「ねぇ、ちょっとお願いがあるのだけど、いいかしら?」
 白衣の女性‥‥バグアの科学者リーゼンベルグは、自分の改造人間である泡美姫へ向けて声をかける。
「はい、何でしょうか、リーゼ博士」
 声をかけられたことが泡美姫にとって嬉しかったのか、優しく微笑んだ。
「んー、最近ね乙姫ちゃんの所が騒がしいのよね。だから、貴女は乙姫ちゃんに協力してあげて」
 リーゼにとって、乙姫は興味深い研究対象。仲良くある為にも、協力を惜しむつもりはない。
「は、はい。分かりました‥‥」
 先ほどの笑顔は少し曇り、若干寂しそうに見える。泡美姫にとってリーゼの元を離れる事は、何よりも辛い事であった。自分を強化してくれた恩人として、心より崇拝している。
「でも、死ぬことは無いわ‥‥。貴女が死ぬことなんてないの。危険を感じたら、逃げて来なさい。乙姫ちゃんも大切だけど、貴女も大切なの」
 リーゼは泡美姫の顎を持ち上げて、顔を上げさせる。リーゼと泡美姫の視線が合うと、どちらともなく唇を合わせた。

●開かずの扉
 傭兵達に先行して、偵察、調査を行う特殊部隊が狭い通路を走っていく。捕虜となった友軍を探す為の部隊で、キメラとの戦闘を極力避けながら進んでいた。
 彼らの前に大きな扉が現れる。その手前は少し広くなっており、他からの通路もここに合流していた。どうやら、この先に何かありそうだと、その扉を調査する。だが、開閉装置らしきものは一切なく固く閉ざされていた。
 特殊部隊は扉を開ける事を試みるが、一向に開く気配が無い。持ってきた装備では扉を開く事ができず、途方に暮れるしかなかった。
 その時、突如何をしても開かなかった扉が開く。
「扉を開けて欲しかったら、ノックをしなさいな。礼儀知らずなお客さん♪」
 扉が開いた瞬間、扉の前にいた兵士が流水に飲み込まれて流されていった。
 残りの兵士が扉へと視線を向けると、そこには女性が立っていた。だが、その姿に兵士達は動きを止める。
 長い黒髪に、ほぼ全裸という格好。局部は申し訳ない程度の泡で隠されているだけという、色んな意味で危険な女性だったからである。
「本当は早く帰りたいんだけど、リーゼ様のご命令だからやる事はやらせて頂くわ」
 女性は足元に落ちていたナマコのようなモノを拾い上げると、それを手で上下にしごく。すると、ナマコは徐々に硬くなっていき、ついには白濁液を女性にぶっかける。
「ふふふ‥‥なまこちゃんの力があれば、人間には負けないわ」
 白濁液を顔や髪に浴びた女性は、にっこりと微笑む。そして、なまこちゃんを投げ捨てると、兵士へと襲い掛かっていった。

 命からがら逃げだした兵士は、傭兵達に合流する。その体は傷だらけで、いつ絶命してもおかしくない状態であった。だが、その顔は満ち足りており、死して悔いなしといわんばかりである。
 兵士は最後の力を振り絞り、傭兵に扉の事を話すとそのまま気を失ってしまった。

●参加者一覧

九条・運(ga4694
18歳・♂・BM
L3・ヴァサーゴ(ga7281
12歳・♀・FT
伊万里 冬無(ga8209
18歳・♀・AA
大鳥居・麗華(gb0839
21歳・♀・BM
柚紀 美音(gb8029
16歳・♀・SN
ネージュ(gb9408
12歳・♀・HG
樹・籐子(gc0214
29歳・♀・GD
リュティア・アマリリス(gc0778
22歳・♀・FC

●リプレイ本文

●屍を乗り越えて
 友軍救出に向かった傭兵一行は、竜宮城内の通路を慎重に進んでいた。
「海辺のナンパ騒動が竜宮城攻防戦に繋がるなんて、お姉ちゃんもびっくり仰天よ」
 樹・籐子(gc0214)は以前受けた依頼を思い出す。その依頼で誘拐される事は無くなったとはいえ、誘拐された人々が囚われているはずだ。
「久しぶりにマトモな戦闘依頼ですわね。腕が鳴りますわ!」
 上機嫌で大鳥居・麗華(gb0839)はキメラを警戒しながら先に進む。
 傭兵一行はその行く先で、傷付いた兵士と出会い、事の顛末を知る。
「何とも大胆な恰好な強化人間ですね♪ 泡美、アワビ、成程‥‥うふふふ、このアサルトメイド。燃えてきましたです♪」
 兵士から敵の詳細を確認した伊万里 冬無(ga8209)は、泡美姫に並々ならぬ関心を寄せていた。
「倒したら扉を開ける事はできず、本気でやると倒してしまいかねなくて、手を抜きすぎると怪しまれそう‥‥」
 閉ざされた扉を開いた泡美姫。どうやって彼女に扉を開けさせるか、ネージュ(gb9408)は悩んでいた。
「我‥なまこ、確保‥狙う‥‥」
 ナマコキメラの話を聞き厄介だと判断したL3・ヴァサーゴ(ga7281)は、キメラを確保する事を考える。
「これはまた、変なキメラを作ったものですね‥‥」
 何故か顔を赤らめる柚紀 美音(gb8029)に対して、ヴァサーゴは首を傾げた。
「散っていった朋友達の熱き魂、確かにオレが受け取った! オレがバッチリと記録してきてやるぜ! 次に遭遇する時に必ず勝つ為だからな!」
 横たわる兵士の前で九条・運(ga4694)は、涙を流しながらデジカメを掲げる。
「運様‥‥そちらの方は気を失っているだけなのですが‥‥」
 兵士を死者扱いする運に、リュティア・アマリリス(gc0778)は突っ込みを入れた。
「伊万里‥‥何してますの?」
「え、何って。これは当然記録の為です、この後の激戦(?)を収める為の♪」
 話を聞いてから、ずっとカメラを弄っていた冬無に嫌な予感を覚えた麗華は、つい訊ねる。すると、やはり想像通りの返答で麗華は苦笑いを浮かべた。
「ふふー、同伴者も可愛い娘揃いでお姉ちゃんは嬉しい処! わくわくどきどき、レッツゴー♪」
 籐子は先頭に立って、意気揚々と先へ進んでいく。

●泡美姫となまこちゃん
 開かずの扉へとやってきた傭兵一行。そこには長い黒髪に、局部は申し訳ない程度の泡で隠されているだけという、情報通りの姿をした女性が立っていた。
「また性懲りもなく来るなんて‥‥悪いけどここは通せないわ」
 泡美姫はやれやれといった感じで、肩を竦ませる。
「あの格好‥‥冗談じゃなかったんだね」
 ネージュは若干引き気味に泡美姫の姿を眺めた。
「変身!」
 対して運はその姿にテンションを高め、いきなり覚醒&変身。デジカメを片手に突っ込んでいく。
「ふ、あれを奪い取ればいいんですね。一気に行きますわよ!」
 泡美姫の手の中でビクビクと蠢くターゲットを発見した麗華は、瞬速縮地によって一気に距離を詰めた。そして、ナマコを奪い取りおもむろに胸に抱き、再び瞬速縮地で距離を取る。
「しかしこれ、何か形状とか液とか色々と嫌ですわね‥‥きゃ!?」
 奪取したナマコをとりあえず上下に摩って見る麗華だったが、突然吐き出された白濁液を顔に浴びる。顔を白濁液でドロドロにさせた麗華は驚いて、冬無へ投げ渡した。
「美音さん、なまこちゃんをお願いしますですね♪」
 冬無はナマコの外見に嫌悪を示す美音に無理やり持たせると、他のナマコを奪取する為に行動を開始した。
「ぬるぬるグロテスクです‥‥」
 美音はいやいやながら、ナマコを持つととりあえず確保する。

「参ります!」
 リュティアは覚醒と共に迅雷で泡美姫に肉薄する。そして、両手に持った短剣を演舞のように振い確実にダメージを入れていった。
「震えるぞハート! 燃え尽きる程ヒート! 刻むぞ戦闘のメモリー!」
 黄金龍の獣人へと変身した運は、まず銃撃によって泡美姫に牽制を入れる。相手が怯んだ隙を突いて、懐に潜り込んだ。刀身の背を使った獣突で泡美姫を真上に放り上げ、落ちてきた所へさらに獣突で床に叩きつける。
 勿論、撮影は続行中である。
「やるわね‥‥でも、その勢いはここまでよ! このなまこちゃんの力を思い知らせてあげる」
 起き上がった泡美姫はその辺に落ちていたナマコを拾い上げると、強く扱いて白濁液を顔に浴びる。そして、近くの運に抱きつくと、そのまま全身を使って運を泡まみれにしていった。
「ヤバそうなのは分かるが‥‥ここで逃げたら男が廃る!」
 運は体が痺れていくのを自覚しながらも、泡美姫の責めから逃れられない。悲しきは男の性である。
「ふふふ‥‥こんなに硬くしちゃって、そんなに気持ちいいのかしら?」
 硬くなったのは、麻痺した運の全身であり、特定部位ではない事を明言しておく。
「ご馳走様でした。次は貴女達よ!」
 泡美姫は水流を操って、傭兵達を攻撃する。
「神は言っている‥‥ここで死ぬ運命ではないと‥‥!」
 運はデジカメを庇って流水を受けるしかなかった。
 泡美姫が攻撃に専念している隙を突き、冬無はナマコを強奪した。
「! 私のなまこちゃんを!」
 冬無は入手したナマコをすぐに扱くと、仲間に向けて白濁液を浴びせていく。
「いやー麗華さん助けてー!? ――ん? 強くなったような?」
 白濁液をかけられて、麗華に助けを求めた美音だったがその効果に目を白黒させた。
「あは、あははははっ♪ いや〜これは実に楽しいですね♪」
 冬無は次々に仲間を白濁液まみれにして、その様を堪能する。

 そんな冬無をよそ目にナマコを確保したヴァサーゴは、恐る恐るそれを扱いてみる。
(‥? 硬く、なった‥? 不思議‥。扱いたら‥硬く、なる‥‥?)
 ヴァサーゴは徐々に固くなっていくナマコに興味が尽きない。更に扱いたらどうなるか気になったヴァサーゴは、さらに続けていくとナマコは限界を迎えて白濁液を吐き出した。
「‥っ!? こ、これ‥一体‥? ‥‥でも、何だか‥美味しい、かも‥‥」
 ナマコが吐き出した生暖かい白濁液が顔にかかると、その一部が口に入ってしまった。だが、白濁液の味を気にいって、さらに扱き続ける。
「冬無さん、お返しですよ! さらに、麗華さんにも!」
 美音は白濁液をかけられたお返しとばかりに、冬無に向けて白濁液をぶっかける。そして、ついでに麗華へまで白濁液をぶっかけた。
「美音まで何してますの! こら、伊万里! 何処に突っ込んでますの!?」
 突っ込んだ場所は胸の谷間であって、他の場所ではないので安心しよう。

 冬無からナマコの白濁液を浴びた籐子は、泡美姫へとタックルを敢行。素早く泡美姫の懐に飛び込み抱きしめた。
「んー、感触良い感じよ」
 軟体の体を持つ泡美姫の感触は巨大な蒟蒻のようで、抱きしめるとその柔らかさが心地よい。
「な、何を‥‥」
「ごめんね、お姉ちゃん仕事なのよー。それとも気持ち良い方が良い?」
 泡美姫の体をぺちぺちと叩く籐子だったが、趣向を変えて泡の中に手を忍ばせた。
「あぁっ! んっ! そこは‥‥」
「んふふふ‥‥お姉ちゃんも気持ちよくなってきちゃった」
 二人が激しい絡み合いをしている最中、ネージュは泡美姫の側面へと移動する。そして、援護しやすいポジションで銃を構えた。
「ここからなら、援護しやすいかな?」
 運は麻痺していても、デジカメを構えて二人の絡み合いをじっと撮影していた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ‥‥」
「ごめんね、満足して貰えたらここから撤退して貰える? 泡美姫みたいな可愛い子をこれ以上傷つけるのは、お姉ちゃん心苦しいのよねー。だから、お願い」
 籐子は泡美姫と重なり合ったまま、滑らかな黒髪をゆっくりと撫でる。若干潤んだその瞳を見つめて撤退を薦めてみた。
「貴女も悪くないけど、私はリーゼ様一筋なの。ごめんなさいね」
 泡美姫はそう言うと、水流で籐子を吹き飛ばす。
「想い人がいるって訳ね」
 籐子は起き上がり、銃を構えて戦闘姿勢へと移行した。

「ここはスナイパーの腕の見せ所(?)で、なまこちゃんの白いのを命中させますよ〜」
 麗華は自分に白濁液を浴びせる冬無と美音に文句を口にする。
「私は既に浴びてますわ!」
「んふっ、何の事ですか? 私はお手伝いしてるだけですよ♪」
「浴びすぎても、害はないですし」
 まるで反省する様子が無い二人へ、麗華は鞭打ちのお仕置きを決行した。
 額に浮いた汗を拭ってから、ヴァサーゴに動きが無いのに気付いた。それから、視線を彷徨わせるとナマコを口に銜えたヴァサーゴの姿が目に止まる。
「んっ‥‥んっ‥‥」
 喉をコクコクと動かして、何かを飲んでいる事がはっきりと分かる。顔に白濁液が大量に付着しており、この姿勢にたどり着くまでに相当の量を飲んだに違いない。
「ヴァサーゴさん普通に飲みすぎです‥‥」
 お仕置きされた後でも、律儀に突っ込みを忘れない美音であった。
「‥麗華も‥飲む‥‥?」
 麗華の視線に気付いたヴァサーゴは、ナマコを差し出してくる。断ろうとも思ったが、水流を受けたダメージがあった事は確かであったし、何より美味しそうに思えてしまった。
「く、この絵面はなんというかこう‥‥画像に残したくありませんわね」
 麗華はナマコを口に含み、頭を上下に動かしていく。そして、怒張したナマコの白濁液を喉の奥に流し込んだ。

 その間にも、リュティアと泡美姫は激しい戦いを繰り広げていた。
「そうは‥‥させません!」
 麻痺で動けない運を庇うように、流水の攻撃を受けてダメージが蓄積していく。
「援護しますよ〜〜」
 ネージュは泡美姫の鼻先に銃撃して、集中力を逸らすが今度は自分が狙われてしまった。
「お待たせしましたわ! 私がかわりますから下がって回復を‥‥ええ、まあちょっとアレですけど回復をしてきなさいな」
「申し訳ありません、麗華様」
 代わるように前へと出た麗華の援護を受けて、リュティアは一旦後退した。
「リュティアさん! ほら、これをお飲みになって下さいです♪」
 戦場に到着した冬無は、リュティアの口にナマコを押し込む。
「あ、あの、冬無様?」
 リュティアは動揺しながらも、ナマコを口に含んだ。それから、優しく舌で撫でながら、奉仕をするように刺激を与えていく。徐々に硬くなるナマコはついに白濁液を発射した。
「キャッ!」
 発射された白濁液に驚いたリュティアは口を離してしまい、顔までドロドロに汚れてしまう。
「ああ‥‥汚れてしまいました」
 リュティアは口元にこぼれた白濁液を指ですくって、舐め取った。

「うう‥‥べとべとする‥‥でも手は休みませんよ〜」
 白濁液でベトベトになった美音は弓を引き、スキル全てを乗せた矢を放つ。何故かいつも以上に調子がいいように感じた。これがナマコパワーなのだろうか。
 ヴァサーゴは傷付いたネージュの元へと駆け寄ると、手にしたナマコをネージュの大きすぎる胸の谷間へと差し込む。そして、両脇からもにゅもにゅと揉みながらナマコへ刺激を与えた。
「んっ‥‥し、刺激が強過ぎ‥‥はぁ」
 ナマコからびゅるびゅると発射された白濁液が、顔や胸に降り注ぐ。ネージュは口元にこぼれた白濁液を舐め取り、次は口に銜えて刺激を与えた。ヴァサーゴも協力して二人して胸の中のナマコを刺激して、さらに搾取していく。
「こぼれちゃいましたね」
 口から溢れた白濁液は胸に溜めて、ネージュは攻撃を続行した。ヴァサーゴは耐えられず、胸に溜まった白濁液に舌を伸ばす。

「よっしゃ! ふっかーつ!」
 麻痺が抜け切った運は、何とか防衛したデジカメを構えつつ、泡美姫へと猛攻をかける。
「お待たせしましたです♪ さぁ、一大攻勢ですよ♪」
「泡美だか鮑だか知りませんが、今度は私が相手しますわ!」
 それに合わせるように、冬無と麗華が攻撃を仕掛けた。金蛟剪とラブルパイルによる連携攻撃に泡美姫を追い詰めていく。

●扉の解放
 度重なる攻撃により、ついに膝を付いた泡美姫。このままでは不味いと感じ逃亡の算段をつける。前方の道は既に傭兵の手によって抑えられていた。となると、残る逃げ道は‥‥。
「乙姫様には悪いけど、ここで死ぬ気はさらさら無いの!」
 そう叫んだ泡美姫は両手を大きく開くと、何かを押し出すような仕草をした。直後、大きな津波が傭兵達を襲い、若干怯ませる。その隙に泡美姫は端末を操作し、扉を開けた。
「! 開いた!」
 ネージュは開いた扉を閉じられないよう、発砲して牽制する。
 泡美姫としては背中への攻撃には絶対の自信があり、背を向けて逃げる事にためらいは無い。扉を閉じる操作をするより、安全に逃げる事ができると確信した泡美姫は、そのまま竜宮城深部へと消えて行った。
「うーん‥‥無事、扉は開いたけど、泡美姫を落とせなかったのは残念ねー」
 泡美姫が撤退した事を確認した籐子は、構えていた銃を降ろす。
「もう‥‥白まみれで大変です‥‥♪」
「キャッ! ちょっと、美音何をしてますの!」
「‥‥我も」
「うふふふ、私も混ぜなさいです♪」
 麗華の顔に付いていた白濁液を舌で舐め取った美音を見て、ヴァサーゴと冬無も参戦する。体を密着させて、お互いの白濁液を舐め取っていった。
「お姉ちゃんも参加するわね」
「ネ、ネージュの胸を舐めないで‥‥あん!」
「冬無様‥‥そ、そんな大胆な!」
 舐め合いはついに全ての女性を巻き込んだ、激しい絡み合いへと発展していく。
「一番いいシーンをたの‥‥いや、これが海鼠の力か! 『資料』としてキッチリ収めないと!」
 女性達の行為をデジカメに収めていく運は、その味や臭い等を質問していた。
「そ、それは‥‥苦い様な、しょっぱい様な‥‥そして、喉に引っかかるような‥‥」
 顔を羞恥で赤く染め、視線を背けたリュティアが白濁液の感想を答えていく。
 運はデジカメ片手に回答を録画していた。麗華はそのデジカメを取り上げると、メモリーを抜き出して握りつぶす。
「どうして、『資料』に味が必要なのかしら?」
 相手を竦ませるその恐ろしい笑顔に、運は抵抗する事も出来なかった。その後、冬無のカメラも破壊された事は言うまでもない。
 なまこちゃんは短時間しか生きられないよう設計されており、戦闘が終わった後は死んだように動かなくなった。そして、二度と白濁液を出す事は無かった。
「‥そう言えば‥何故、皆‥あのなまこ、見て‥微妙な表情、してたのだろう‥‥?」
 ふにゃふにゃになったなまこちゃんを見つめ、ヴァサーゴはポツリと呟いた。
「戦闘よりそれ以外に疲れた気がしますわ、精神的に‥‥」
 自分達の格好を改めて見て、麗華は深いため息を吐いた。

 扉の奥には予想通り友軍が囚われており、傭兵達は彼らの解放に成功した。だが、竜宮攻城はこれからが本番である。