タイトル:スキー場の一大事マスター:壱南 藍

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 5 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/01/22 23:15

●オープニング本文


 
 そこは一面の銀世界。
 パウダースノーで有名な、近くの町からでも一時間はかかる場所にあるスキー場。
 今、そこで事件は起きていた。


「支配人っ! とりあえず私たちも避難しましょうよっ!!」
 スキー場に隣接したホテルのフロント。
 そこでは困惑している従業員達が、一人の初老の男性を見つめていた。
「こんな‥‥こんな年始早々、宇宙人なんかにウチのスキー場を潰されてたまるかっ!!」
 一人息巻いている男性。彼はこのスキー場とホテルの支配人だった。
 髪には白髪が混じっているものの、今この場で誰よりもテンションが高い。

 実はこのスキー場、昼間からスキー滑走路にキメラらしき物体が出現。スキーを楽しんでいた客達が怪我を負う事態になっていた。
 年明けにスキーを楽しんでいた客もだが、スキー場を経営する側からしても大損害。
 その上。
「しかも明日からイベントだというのにっ!」
 そう。このスキー場では年越しの瞬間だけではなく、その後週代わりで様々なイベントを催しているのだ。
 そして今週。丁度明日の夜20時から、スキー客に松明を持ってもらい、スキーコースを滑ってもらおうというイベントが開催される。‥‥予定だった。

「仕方がありませんよ、私たちじゃキメラを退治できませんし」
 先程とは別の、若い女性従業員がそう返す。
「それに、先程連絡をしたらすぐに傭兵さん達が来てくれるみたいですし‥‥避難するよう言われたじゃありませんか!」
 今度はスキーウェアに身を包んだ男性が言った。彼はつい先程まで客の誘導をしていたのだ。
 迅速な避難誘導のおかげで、そこそこ来ていた客達も既に近隣の町へ避難済み。残るはこの場にいる従業員だけなのだが。
「わしは行かんぞ!お前達はさっさと逃げなさい!!」
 と、先程から支配人は言ってきかない。
「はい、そうですかー‥‥って行ける訳ないでしょう!?」
「スキー場なら心配ないですから、それより此処に居て怪我でもした方が問題ですっ!!」
 口々に言われるも、彼は頑なにその場を動こうとはしない。
「私まで逃げたら、この後スキー場はどうなる? 評判が落ちて客が来なくなったら‥‥! 大体こんな状態じゃ明日のイベントだって‥‥」
 言いながらもどんどん落ち込む支配人。もはや自分の想像で、どん底まで落ちていた。


「あ、あのぉ」
 そこでおずおずと手を上げたのは、この中では一番若い、アルバイトとして此処に来ていた男子学生。
 何事かと、全員が彼の方に注目すると。
「じゃあ、キメラが退治された後‥‥明日の松明滑走に傭兵さん達にも参加して貰ったらどうですか‥‥? それならお客さんも安心だし、傭兵さんとスキーできるって話題になるかも‥‥」
「それだぁっっ!!」
 年甲斐も無く大声を上げる支配人。その声は提案した方が吃驚するほどだった。
「え、でもそんな無茶聞いてもらえるんですかね?」
 急に生き返った支配人は置いておき、冷静な従業員達は横でこそこそと話していた。
「まぁ、駄目で元々‥‥頼んでみましょうか」
「だから支配人、私たちは避難しましょう! っていうかお願いですから避難して下さい! 私たちも避難できませんからっ!!」
 そうしてようやく彼らも車に乗り、避難することができたのだった。

●参加者一覧

UNKNOWN(ga4276
35歳・♂・ER
メシア・ローザリア(gb6467
20歳・♀・GD
未名月 璃々(gb9751
16歳・♀・ER
サウル・リズメリア(gc1031
21歳・♂・AA
エリーゼ・アレクシア(gc8446
14歳・♀・PN

●リプレイ本文

●決戦前の身支度

 ホテル横にある、小さな倉庫。
 そこはスキーやスノーボード等の用具一式は勿論、スキー場で使われる機材や道具が纏めて置いてある。
 そこでは今、傭兵達がキメラ退治のために入念な準備を行っていた。
 ‥‥傍目からは、これからウィンタースポーツを楽しむための準備に映ったかもしれないが。

「早く雪だるまを倒して、華麗にウィンタースポーツを楽しみたいものですわ」
 そう呟いたのはメシア・ローザリア(gb6467)。着込んでいるのは黒い下地に幾つも赤い薔薇模様が描かれたスキーウェアで、金髪赤眼の彼女には良く似合っている。スキー靴は黒で、手に持ったスキー板は赤だ。雪焼け防止のために、日焼け止めを付けることも忘れていない。
「スキーは人生初体験ですがー、これも撮影の為です」
 その隣には、ローザリアの小隊に所属する未名月 璃々(gb9751)がカメラを構えながら立っていた。スキー場についてから借りたインナーを何枚も着込み、その上から赤いスキーウェアを纏っているため、少々着膨れしている。
 そこに、ローザリアへ向かって歩いてきた青年が一人。
「よう、メシア。胸が成長し‥‥」
 言葉半ば、ローザリアがスキー靴のまま蹴りを見舞う。
「ぐはぁっ」
 蹴飛ばされ、床に転がったのはサウル・リズメリア(gc1031)。ローザリアの幼馴染であり、他の者達同様、上は青で下は黒のスキーウェアを纏っていた。
「私はこれにしようか」
 そう言ってロイヤルブラックのスノーボードを手にしたのはUNKNOWN(ga4276)。彼は他の傭兵と違い、ウェアではなく到着したときのフロックコートのままである。
 その横では、エリーゼ・アレクシア(gc8446)が道具一式をどれにしようか迷っていると。
「アレクシア、君はこれなんかどうかな」
 UNKNOWNが差し出したのは、彼女の眼に合わせたような青いスキー板。靴の方は白地にデザイン化された花があしらわれている可愛らしいものだ。
「わぁ、ありがとうございますっ」
 それを受け取り、彼女も準備を進める。

 一通り準備が終わったところで、倉庫をぐるりと見ていたリズメリアが、箱を手にして一団の元へ戻ってきた。
「サウル、何を持ってきたの」
「あー、ペイント弾だ。スキー場だし、もしかしたらって思ったけど‥‥これでその雪だるまに目印つけられるかなっと」
「あ、それなら私も持って行きますよ。銃もありますし」
 未名月が手をあげ、リズメリアと二人で数発そこから借りていく。
「そうだ、未名月。撮影ならアレに乗ったらどうだろう」
 言ってUNKNOWNが指し示したのは、一見小型トラックに見える代物。しかし、本来車輪があるはずのところは、キャタピラになっている。雪山用の雪上車だ。
「良いですね。暖かそうですし、じゃあ私はそれで」
 寒いのが嫌で着込んでいた未名月は嬉しげにそう言った。

「スキー初心者も居るようですし、とりあえずコケ方だけは教えてさしあげますわ」
 外に出るとローザリアが言う。とはいっても、本当に初心者なのは未名月とアレクシアの二人だけである。
「絶対に前のめりに転ばないように。危なくなったらとりあえず後ろに転ぶ。以上ですわ」
「そうそう、転ぶことを恐れずに。なに、雪が受け止めてくれる。あとは、慣れない間は板を平行にしないことだ。ハの字にしてゆっくり滑れば大丈夫だ」
 ローザリアの言葉に、UNKNOWNが補足を入れる。
「じゃあ、行くかっ!」
 未名月は雪上車で滑走路横の木をすり抜けつつ、他の四人はその上を通るリフトで、滑走路頂上を目指すのだった。


●雪上の対決

 山の頂上、広場になったような場所。そこにリフトを降りた四人が立っていた。
「それでは、ゆっくり滑っていくとしようか」
 まず滑り出すのがUNKNOWN。コートの裾を翻しながら、スノーボードでゆったりと軌跡を描いていく。
「まぁ、普通のボードならこんなものだろう」
 既に覚醒した状態で滑りながら、自身の能力である探査の目やGoodLuckを使い雪だるまを探し始めた。
 それに続き、ローザリアも滑り出す。
 彼女もスキー上級者のため危なげなく雪上に軌跡を描いていく。覚醒しているため、その背には羽が生え、さながら雪上の天使。彼女も探査の眼と呼ばれる能力を使い、周りを見ながらややゆっくりと滑り降りていく。
 その少し後方、スキーに不慣れなアレクシアの様子を見つつ、リズメリアも滑り始めた。二人とも覚醒し、アレクシアの周りには粉雪のように光の粒子が舞い、リズメリアの背には黒い翼が生えている。妖精と悪魔‥‥に見えるかもしれない。
「大丈夫か?」
「はい、なんとか。ゆっくりなら‥‥」

 そうして四人ともが距離を置きつつ滑走しはじめると、横にある木立からスキーの滑走音が近づいてきた。

「おや、来たようだ」
「来ましたわね」
 先頭を行くUNKNOWNとローザリアの背後。ちらりと見れば三体の雪だるま達がスキーで滑ってくるのが見える。その滑りはあたかもプロプレーヤのそれである。
 そんな雪だるまを、木陰から銃口が狙っていた。
 丁度銃口の傍を雪だるまが通ると、発砲音が立て続けに四発響く。一発は外れたものの、残り三発は三体に当たり、真っ白な雪だるまに鮮やかな色を付けた。
「じゃあ、後はお任せしました」
 ペイント弾の狙撃をしたのは、一人雪上車で先行していた未名月。バイブレーションセンサーで敵の数を確認した後、狙撃眼の能力を使いつつペイント弾を発射したのだ。
「やりますわね。にしても敵ながら、美しい滑りですわ」
 動きがぶれながら、なおも華麗な滑走をする雪だるまを待ち受けるローザリア。気づいたUNKNOWNも、オーリーB180‥‥滑走途中に体をひねり逆向きにする技を使い、上から滑ってくる雪だるまを待ち受ける。
「おお、すごいですね」
 勿論技が決まった瞬間を横から未名月が激写していた。
 雪だるまの方も二人に気づき止まろうとするも、スピードが落とせず二人を抜き去ってようやくスピードを落とす。
「背中を狙われることはありませんわよね。背中を狙えば」
 にこりと微笑み、ローザリアが手に付けていた超機械、クロッカスで背後から近づき攻撃する。向き直れない雪だるま一体が前のめりに倒れた。もう一度立ち上がる前にスキーで横へ回り込み、再度クロッカスによる攻撃を仕掛ければ、その雪だるまはぱたりと倒れてしまう。
 一方、止まった雪だるまに向かいボードを滑らせるUNKNOWN。雪だるまの手前で、奥側の足に力を入れると、そのまま体をひねりながらボードごと宙返りをする。能力者ゆえ、通常の人がやるそれよりも高く上がったところで、下に居る雪だるまに向かい手にした拳銃‥‥に見える超機械カルブンクルスから火炎弾を立て続けに発射する。
 そのまま空中で更に体をひねり、雪だるまを通り越して危なげなく雪上に降り立った時には、二体の雪だるまは炎に包まれ溶けていく最中であった。
「今日は良い写真がとれますねぇ」
 勿論、木陰に隠れつつ未名月はきっちり二人の雄姿を写真に納めていた。

 そんな三人から少し上。
 リズメリアとアレクシアの後ろからも二体、雪だるまが追ってきていた。直前に響いた未名月の銃声を聞いてなのか、そちらの方へとかなりのスピードで滑って行く。
「させるかっ!」
 他に背後から追ってきていないのを確認してから、リズメリアが雪だるまを追い抜き、前へ回り込む。その数メートル先には未名月が居た。
「自由と愛と平和の戦士、俺、参上!」
 主に未名月へ聞かせるための口上。だったのだが、生憎彼女はローザリア達の写真撮影に夢中で気づいていなかった。
「さーてと」
 なおも追い越して行こうと、今度は二体揃ってジャンプした雪だるまに向かって、リズメリアが手にした小銃S−01でペイント弾を発射。上手く雪だるま達にペイントを施した。すると雪だるま達は木立に隠れるように滑って行ってしまう。
「待てこらっ!」
 それを追いかけ、一体のすぐ近くへ。すかさず、手に装着した梟の爪のような武器、ストラスで掻き切る。スキー板から転げ落ちた雪だるまが、雪の上でもごもごと動いている様を見て。
「どうせなら雪の女王のキメラがよかったなー。胸がデカイと尚良かったのに」
 言いながらストラスで止めの一撃を加えた。
 もう一方の逃げた敵は、滑走路から遠ざかって一転、ちょうどUNKNOWN達が雪だるまを仕留め終わった滑走路上に現れる。が、鮮やかに着色されたペイント弾が仇となり、早めに気づいたUNKNOWNの銃撃であっけなく倒された。

 その場ではそれ以上何も現れないため、また四人は滑走路上を滑って行く。未名月も雪上車で少々後ろから並走していた。
 すると、四人が順に滑り下りて行った直後に、背後からやはり雪だるま達が現れた。大きなジャンプに最初に気づいたのは、一番後ろのアレクシア。
「皆さん、来ますっ!」
 前方三人も、それぞれ止まり、武器を構える。
「それにしても、何故、何故雪だるまなの――雪像ならば、とても美しいでしょうに!」
 クロッカスでの攻撃が一体に当たる。アレクシアも手にした剣を振るい、一体に攻撃を当てバランスを崩させるものの、二体とも着地と同時に逆側の木立へ。すぐさまUNKNOWNとローザリアがその後を追う。
 残り一体は攻撃を受けずに着地すると、くるりと振り返りその場に残ったリズメリアとアレクシアへ勢いよく雪玉を投げつけてきた。
「きゃあっ!」
 慌てて手で防ごうとするアレクシアの前面に、滑り込んだリズメリアが盾になる。そんな二人の後ろに、いつの間にか雪上車から下りた未名月がやってきていた。手にはやはり、カメラ。緊張感の欠片もなく、リズメリアを盾にしてキメラを撮影していた。そんな二人を見つつ、雪玉攻撃を防ぎながらぼそりとリズメリアが呟くのは、恨み事ではなく‥‥。
「しっかし、年齢が低いのがなぁ――だが、二人ともいい女になるぜ」
 なんてことだった。しかし、こうしていても埒が明かない。攻撃に移るためにも、隙を見てスキーで滑りかけて‥‥リズメリアが転んだ。何故、と思う間もなく立ち上がる前に雪玉の猛攻。あっという間にリズメリアの体は雪だるま状態になっていく。
「雪だるまになっても、いいと思いますよ」
 そんな様子をも撮影する未名月。何のことは無い、彼女がリズメリアのスキー靴を固定している部分を、ストックで解除していただけなのだ。
「よくはねぇ!」
 ストラスで雪をはねのけ、手早くスキー靴をセットすると、先ほどまで雪玉を投げていた雪だるまが背を見せて悠々と滑って行く。ちらりと振り返った顔に表情は無いものの、何か小馬鹿にしているようにも見え。
「待て、勝負だっ!」
 そのまま、追走。一人と一体は結局麓までデッドヒートを繰り広げ‥‥、滑走路の終わり間近でリズメリアが雪だるまの横を追い抜く。
「良い勝負だったぜ」
 残り二体を倒し、降りてきた四人の眼前。まるで悔しがるかのような雪だるまを、彼のストラスが切り裂いた‥‥。
「何をやっているんですの、サウル」
 半ば呆れながら、ローザリアがそう言えば。
「え!? いや、俺格好良かっただろ?」
「さっさと倒してしまいなさいな」
 格好をつけたはずが、結局ローザリアに頭が上がらないリズメリア。

 雪だるま達との戦いは、こうして終わりを告げたのだった。


●白銀に煌めく松明

 キメラ討伐の翌日。五人は夜のイベントまでの自由時間を思い思いに過ごしていた。
 日中は見回りをかねて、従業員達だけがスキー場を滑走している。
 そんな中にローザリアの姿があった。スキー講師もしている従業員に教授を願ったのだが、一度滑りを見せると「教えられることが無いですよ」と言われ、ならばとUNKNOWNにやったことのないスノーボードを教わっていた。
 他方、リズメリアはアレクシア、未名月にスキー講習を行っていた。それは、
「いやぁ、いい男は雪も似合う。将来の美女とお近づきにならねぇとな」
 という動機からだが、元々スキーの上手い彼。アレクシアも教えられて、すいすいと滑ることが出来るまでになっていた。未名月も一応付いては行くものの、もっぱら景色や滑走してく仲間たち、従業員の撮影にいそしんでいる。

 そして夜。
 松明滑走に参加するため、一般の客たちも数十人訪れスキー場も賑やかになっていた。
「そうですわ、これ聖火リレーのように出来ないかしら? 一本の松明を、受け継いでいくの」
 ローザリアの提案に、従業員達や支配人もそれは良い、と準備にとりかかった。
 そうして、松明を十五人で順番に受け取りながら滑って行くことになる。護衛のため、傭兵達も分かれてスキー場を滑走することになった。
 最初に滑るのはローザリア。火を次に渡した後も、彼女はそのまま最後まで滑る。滑走上の半ばにはアレクシア、そして最後をリズメリアが担当することになった。

 そうして、一般客も混じりスタンバイが終わって、二十時。
 頂上に松明の明かりが灯った。手にしているのはローザリア。ゆっくりと大きく左右へ弧を描きながら滑り降りる。
 その光景は、ホテルのテラスからも見ることが出来た。数人の見物客に混じりUNKNOWNもウイスキーを傾けながら、雪上の聖火リレーを眺めている。
「うむ、いいものだ」
 その一方、外では着こんだ未名月が、カメラを構えシャッターを切っていた。
「そもそも、私、スキー出来ませんし」
 そうして、丁度二人目へ松明の火が渡される。受け取った男性が滑って行く後ろ姿を見ながら、
「嗚呼‥‥人々の心の中に、ギリシアのロマンは受け継がれているのね」
 ローザリアの嬉しげな言葉が、宵闇に溶けていった。
 順調に灯は受け継がれ、中腹のアレクシアの番になる。昼間教わったおかげもあってか、危うさもなく滑り降り次へと灯を渡す。
「綺麗ですね‥‥素敵です」
 見送り、彼女もその光景にほうっと溜息をつきながら呟いた。
 そして、最後の滑走者。灯が近づいてくるのを見ながら、リズメリアが嬉しそうに。
「やっぱ俺がトリだろ。いい男はそうでないとな」
 と頷く。
 渡された灯を持ち、なだらかな斜面を滑り降りる。そして広場の真ん中に用意された台の上へその松明を設置。既に彼の後ろには、先ほどまで順に松明を受け渡してきた人、そして下で見物していた人々が集まっていて、設置が終わると誰からともなく拍手が起こった。
 こんな時代だからこそ、この幻想的な光景が心の癒しとなったのだろう。
 雪山の中、拍手がいつまでも続くのだった。

 その後、未名月から送られてきた写真はスキー場施設の至る所に飾られ評判となる。また、この時の松明滑走がこのスキー場の名物行事となるのだが‥‥それはまた別の話。