タイトル:後の祭りマスター:星光線

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/11/24 21:01

●オープニング本文


●気が抜けない間柄?
「そういえば文化祭は終わったらしいな」
先ほどまで目の前にいる能力者と雑談をしてたオペレーターだったがふと手元に流れてきた依頼書をみてそう呟く
「ん? ‥‥何の話だ?」
突然の話を変えられて多少むっとしたようだが多少気になるのかそう答える能力者
「ああ、今来た依頼の話だよ。‥‥聞く?」
「聞く」
「聞くのね。…まぁとある学校の文化祭が終わったらしくてね。片付けに能力者の力を借りたいんだってさ? ちなみに報酬に図書券をつけてくれるそうだ。お得だな。勿論手伝いにいくよな?」
「‥‥悪いが他の依頼に入っててな、だが一応どんな内容か聞いても罰は当たらないよな?」
なんとなく嫌な予感がした能力者は依頼に入ってるという事にしつつ会話を促す
「依頼に入ってるなら仕方ないな。「うん」と言ったら問答無用で名前を書き込む気だったのに‥‥」
そんな事をぶつくさ言いながらオペレーターは手元の依頼書の内容を見せるのであった

●片付けるまでが文化祭です
「いやぁ‥‥文化祭は楽しかったですね」
そんな事を言いながら手に持っていた書類をドスンと机に置く男子学生
「嫌味ですね?これから文化祭の後処理の為に書類を書かないといけない私に対する嫌味ですね?」
机に置かれた書類を睨み付けながらそう答える女子学生
「そんな訳ないじゃないですか。こんなに僕と貴方で意識の差があるとは思いませんでしたよ」
「なら手伝ってくれますよね?」
「残念ながら僕は外で屋台の解体とかテントの片付けをしないといけないので」
「屋台に潰されてしまえ!」
そんな事を部屋の中で言い合いあっていた二人だったがふと気がつくと外が妙に騒がしい
「‥‥外が騒がしいですね。少し外を確認してきますよ」
そう言い残し外の様子を確認しに行く男子生徒
話し相手が居なくなり仕方なく書類を片付け始める女子生徒だったが出て行った男子生徒が何時までたっても帰ってこない
流石に気になったので女子学生は休憩を兼ねて外の様子を見に行く事にしたのだった。
外に出てみると周りの人が物凄い勢いで走り回っている。
「何があったのですか?」
とりあえず走り回っていた生徒を呼び止めて状況を聞こうとする女子生徒
「あぁん? 見ればわかるだろ! あんたも早く避難しろよ!」
しかし呼び止めた生徒はそう答えるとさっさと走り去ってしまう
「見に行けと? ‥‥まぁ見れば分かるのなら見てきましょう。避難はそれからでも遅くないはずです」
そう言って皆が逃げてる逆方向に向かって進む女子生徒。
どうやらグラウンドから皆は逃げてきてるようだ。
(グラウンド‥‥。確か文化祭の時は特設ステージが設置されていたはずですね…)
そんな事を思いながらグラウンドに到着した女子学生が見た物は‥‥

その特設ステージが四本足を生やして生徒を追い回してる光景だった。

●色々な意味で大掃除
「まぁもう分かったと思うけどその特設ステージがキメラだったんですよ。
被害はステージを片付けようとした人と様子を見に来た男子生徒、そして逃げ遅れた生徒数人が轢かれて重態、通った所にあった荷物や屋台がそれなりに破壊、後は逃げる時に転んだとかの軽傷だね。
幸いキメラの大きさのせいか動きが遅かったおかげで被害が少なくすんだみたいだね。
ただステージが動いてるだけあって大きいしどうやら防御力はかなり高いらしいね。
避難は完了したらしいから全力で壊してきてよ」
そういいながらじーっと能力者を見るオペレーター
「いや、他の依頼があるから‥‥」
そういって能力者はオペレーターから目線を外してすたすたと逃げるのであった。

●参加者一覧

セイン(ga5186
16歳・♀・SN
シーヴ・王(ga5638
19歳・♀・AA
ティム・ウェンライト(gb4274
18歳・♂・GD
ジリオン・L・C(gc1321
24歳・♂・CA
シクル・ハーツ(gc1986
19歳・♀・PN
イスネグ・サエレ(gc4810
20歳・♂・ER
立花 零次(gc6227
20歳・♂・AA
アクア・J・アルビス(gc7588
25歳・♀・ER

●リプレイ本文

●何故こんなキメラが…
「前に戦った相手は恋人型、今度は体育祭ステージ‥‥バグアって結構愉快な連中なのかも‥‥」
 グラウンドをのっしのっし歩くステージ型キメラを見てセイン(ga5186)は思わずそう呟く。
 依頼の解決ついでに実戦の勘を取り戻すという目的で今回の依頼を受けたセインだったが‥‥
 キメラを実際に見て(バグアって結局何を考えてるのだろう…)と少し悩んでしまっているようだ。
「またわけの分からないキメラが‥‥用途は分からないが、キメラである以上、退治させてもらう」
 このキメラに関して同じ様な感想を抱いているシクル・ハーツ(gc1986)もそう呟く
「でも、あの赤い星を何とかしないと根本的な解決にはなりませんよね?」
 そのシクルの言葉にイスネグ・サエレ(gc4810)はそう返事を返す。
 しかしその言葉に対して誰も返事を返さないので少し寂しそうである。
 まぁ報告官の私が返事をさせて貰うとすれば『でも今は、そんな事はどうでもいいんだ。重要な事じゃない』と返すのが正しいのではないかと考える。
「ステージが動いてるんですー。中に巨大な亀がいるとかじゃないんですかー?」
 そんな霧が濃い会話(?)を後ろにアクア・J・アルビス(gc7588)がキメラを遠めから観察しながらそんな事を言う。
 本当は近くで観察したいようだがそれはキメラを倒してからじっくりする事にしたようである。
「‥‥こんなデカいモン、どうやって紛れ込みやがったのか、ツッコミどころ満載でありやがるんですが。暴れるまでステージの振りして待ってやがったんですかね?」
 アクアと同じくキメラの動きを見ながらシーヴ・王(ga5638)がもっともな疑問を口にする。
 依頼者によると「いつの間にか入れ替わっていました!」っと言う事らしく本当に文化祭中ずっとステージの振りをしていた可能性もあるらしい。
「とーぅ!! 俺様は! ジリオン! ラヴ!クラフトゥ! ‥‥未来の勇者だ!」
 そう自己主張をしながら登場するのはジリオン・L・C(gc1321)。
 今回のステージ型キメラを見て「おお‥‥なんというキメラ‥‥! やはり運命の女神は俺様にときめいているのだな‥‥!」と軽く感動しているようだ。
「ステージを見ると舞いたくなりますねぇ。まぁしかし、今回はジリオンさんにお譲りしましょうか。熱唱を期待しておりますよ」
 そんな勇者とキメラを見ながらそう呟く立花 零次(gc6227)。
 古典芸能が趣味という事も在ってか少しステージ型キメラに惹かれたようだったが今回は勇者にステージを譲るらしい。
「そろそろキメラ退治にいくよ!だけど他の人や学校の施設には被害を出さないようにしないとね」
 そう皆に呼び掛けながらティム・ウェンライト(gb4274)はユニバースフィールドを構える。
 それを聞いて各々キメラ退治に向けて動き出すのであった。

●楽しく騒がしいキメラ解体ショー!
「幸い、避難は完了済みか。遠慮無くやらせてもらう!」
 そう言いながらシクルは雷上動で遠距離から牽制を始める。
 さらにセインもアサルトライフルで牽制に加わる
「この刀を使うのも久方ぶりですねぇ。屋内では使い辛いですし‥‥」
 その二人に合わせ零次が名刀「国士無双」で切り付けてキメラの動きを把握していく。
「目はどこなんですかー?」
 後ろではアクアが他の人に練成強化を施しながらそう言う。
 しかし残念ながら何処からどう見てもステージに足が付いてるだけで目は見つからない。
「う〜ん。見つかりませんねー」
 そんな事を言いながらとりあえず超機械「魂鎮」を撃って牽制していく。
 しかし撃たれてばっかりのキメラではない。
 アクアに向かって突撃をしようとするキメラ。
「うおお!待て待て待てーーぃ!」
 そこに勇者ことジリオンが物凄い勢いでキメラを追いかける。
 そしてあまり速くないステージ型キメラなのが幸いしジリオンがキメラに追いつく。
「勇者!ジャーーーーンプ!」
 そのまま勢いよく瞬天速を使いステージ型キメラの上に飛び乗ろうとする。
 しかし勇者が飛び込んでくるのを見計らったようにキメラは向きを変えてジリオンの方に突撃してくる。
 その二つの動作が組み合わさり結果的にジリオンは自分の方に突撃してくるキメラを瞬天速で飛び越えてしまい、その上ステージに着地するつもりだったせいで着地に失敗して思いっきり転んでしまうのであった。
 しかしジリオンが上手くキメラの注意を引き付けて時間を稼いでくれたおかげで皆がグランド中央に陣形を取る事が出来たのだった。
「こっちよ!こっちに来なさい!」
「分の悪い賭けをする気はない‥‥多分」
 そう言いながらイスネグとティムがグランド中央で盾を構えてキメラを挑発する
 その挑発を聞いて少し力を溜めた後、キメラは二人に向かって突撃をする!
 いくら二人が防御が高いとはいえこのキメラは体が大きくこのままでは二人で止めきれるかわからない!
「全く、無茶な作戦だ。ならば、これで少しでも勢いを殺せば‥‥!」
 そう言いながらシクルが突撃してくるキメラの足を風鳥で上手く攻撃する。
「こんだけデカいと、流石に斬り放題でありやがるですね‥‥ちと硬ぇですが」
 シクルの攻撃と同時にシーヴもソニックブームでキメラの足を攻撃する
 だがこう見えてもかなり防御の高いキメラ。攻撃されつつもそのまま突撃しようとする。
 しかしそれで傭兵達の攻撃は終わりじゃない!
 シーヴは突撃があたる直前にさっとキメラの横に回り込み横合いから豪破斬撃を乗せたヴァルキリアで切りかかる!
 さらにキメラの後方に回り込んでいた零次が二段撃ソニックブームで足の付け根を狙う。
 流石のキメラもこれだけ足を攻撃されれば突撃が鈍る。
 しかしそれでも盾を構えてる二人を轢き逃げようとするキメラ!
 真正面から受け止める二人!
「わ、で、でっかいかも‥‥。でも‥‥っ!止めてみせる!わたしは男の子ーっ!」
「フォローはまかせろー」
 そんな事を言いながらもキメラに押し込まれる二人。
 しかし2mぐらい押された所でキメラを止める事が出来たのだった!
 キメラが止まったのを確認した勇者ことジリオンは今度こそとステージ上に飛び乗る
 そのままジリオンがステージ上に着地した瞬間、何故かキメラが大人しくなる。
「ちょああああっ!」
 ステージ上に飛び乗ったジリオンは持ってきたランドグリーズをステージ中央に突き刺す。
 それでもキメラはびくっとするだけで殆ど動かない。
 どうやら上に人が乗っているとキメラが乗ってる人を振り落とさないように動かなくなるようだ!
「ククク‥‥舞台は整ったぞ‥‥!聞けーぃ!皆の衆!勇者!オンステージ!今こそ!俺様の!歌を!聞けええええ!」
 そう叫ぶとジリオンは突き刺したランドグリーズに手を添え腕を突き上げて勇者ソングを歌い始めた。
 それを確認したイスネグは自分もステージに飛び乗ると勇者と一緒になって歌い始める。
 その光景を見て一瞬ぽかーんとする6人。
 しかし自分を取り戻した人から曲に苦笑したり拍手したりしながらじわりじわりとキメラを解体していくのだっだ‥‥。
 あ、ちなみにキメラは解体されている間もずっとじっとしてたりスポットライトを出したりしてました。とてもステージ魂のあるキメラ(?)ですね。
 さて歌も解体も佳境に入った頃‥‥。
 シーヴがステージに飛び乗りって皆に声をかける。
「皆、離れやがれです!」
 そう言いながらステージの上で剣を構える。
 それに合わせイスネグが練成超強化をシーヴに、アクアが練成弱体をキメラにかける。
 そして歌に夢中のジリオン以外はシーヴを残しキメラから離れていく。
「この一撃で、くたばりやがれです!」
 シーヴはそういうと豪破斬撃と十字撃同時に発動してキメラに切りつける!
 ステージ上に紅い十字架が走りステージ型キメラはバラバラに砕け散るのであった。

「ぬ、お、お、とぉぉぉう!勇者!よけぇぇぇ!!」
 なお、勇者ことジリオンはギリギリ瞬天速で逃げ切る事が出来ました。危ない危ない。

●祭りの後という物は‥‥
「祭りが終わると何だかさびしいですねぇ」
 そんな事をぽつりと漏らすイスネグ。
「うわぁ‥‥すごい散らかっちゃったね‥‥。す、少し、片付けていこうか‥‥?」
 ふと、散らばったキメラの残骸を見ながらシクルはそう言う。
 なお、戦闘をしていた時よりも穏やかな口調に変化している。
「このステージって燃えるんですかねぇ? キャンプファイヤーにしましょうか。」
 シクルの言葉を聞いて零次がキメラの処理方法を提案する。
 確かにキメラといえどもステージなら燃える物も多いはずである。
「駄目です。これから私が観察するのですからー」
 しかし片付けようとしている皆に待ったをかけるアクア。
 話し合った結果ある程度観察したら片付ける事を条件に観察してもいい事になった。
「ここの材質は‥‥やっぱり木材ですかー?」
 アクアは興味深そうに全体を眺めたり細かい所を叩いたり触ったりしている
「あ、ここの材質は生物ですね。せっかくだから、ちょっともらっていくですー」
 そんな事を言いながらキメラの一部をどんどん切り取っていく。
「そういえば、こんなに大きなキメラ、いつの間に入れ替わったんだろう? そもそも、元々のステージはどこに行ったのかな?」
 その様子を見ながらふと疑問に思った事をアクアに尋ねてみるシクル。
「詳しくは調べてみないと分からないけどー、見た感じでは生物の部分が外から分かりにくいように成ってるみたいだから最初から入れ替わってたかもしれないですー」
 そう言いながら色々な所を観察していくアクアなのだった。
 その頃別の所ではシーヴ、ティム、零次がテントを運んだり調理台を運んだりと力がいる仕事を一段落させたところであった。
 実は運んでる途中でティムが「こう見えても男ですからね。力仕事は任せてください」と言った時に周りの学生が「‥‥え?」と言ったりしてたのは内緒である。
 そんな感じで荷物を運び終えた3人がう〜ん! と腕を伸ばしているとたこ焼きを持ったイスネグがふと通りかかる。
「あ、皆さん。たこ焼きを貰ったので皆で食べませんか?」
 3人にそう声をかけると丁度キメラの観察を終えたアクアとシクルが通りかかり6人でたこ焼きを食べる事になった。
 その後、みんなで残った片付けをするのであった。

 なお、セインが下心出しつつ背の低い学生の手助けをしようとしたら本人に下心を見抜かれて即逃げられたり、ジリオンが「仕方あるまい!俺様が、彷徨える魂達を導いてやる‥‥!」と言いながら書類整理を手伝わされていたのはまた別の話である。