●リプレイ本文
●何故こんなキメラが…
「前に戦った相手は恋人型、今度は体育祭ステージ‥‥バグアって結構愉快な連中なのかも‥‥」
グラウンドをのっしのっし歩くステージ型キメラを見てセイン(
ga5186)は思わずそう呟く。
依頼の解決ついでに実戦の勘を取り戻すという目的で今回の依頼を受けたセインだったが‥‥
キメラを実際に見て(バグアって結局何を考えてるのだろう…)と少し悩んでしまっているようだ。
「またわけの分からないキメラが‥‥用途は分からないが、キメラである以上、退治させてもらう」
このキメラに関して同じ様な感想を抱いているシクル・ハーツ(
gc1986)もそう呟く
「でも、あの赤い星を何とかしないと根本的な解決にはなりませんよね?」
そのシクルの言葉にイスネグ・サエレ(
gc4810)はそう返事を返す。
しかしその言葉に対して誰も返事を返さないので少し寂しそうである。
まぁ報告官の私が返事をさせて貰うとすれば『でも今は、そんな事はどうでもいいんだ。重要な事じゃない』と返すのが正しいのではないかと考える。
「ステージが動いてるんですー。中に巨大な亀がいるとかじゃないんですかー?」
そんな霧が濃い会話(?)を後ろにアクア・J・アルビス(
gc7588)がキメラを遠めから観察しながらそんな事を言う。
本当は近くで観察したいようだがそれはキメラを倒してからじっくりする事にしたようである。
「‥‥こんなデカいモン、どうやって紛れ込みやがったのか、ツッコミどころ満載でありやがるんですが。暴れるまでステージの振りして待ってやがったんですかね?」
アクアと同じくキメラの動きを見ながらシーヴ・王(
ga5638)がもっともな疑問を口にする。
依頼者によると「いつの間にか入れ替わっていました!」っと言う事らしく本当に文化祭中ずっとステージの振りをしていた可能性もあるらしい。
「とーぅ!! 俺様は! ジリオン! ラヴ!クラフトゥ! ‥‥未来の勇者だ!」
そう自己主張をしながら登場するのはジリオン・L・C(
gc1321)。
今回のステージ型キメラを見て「おお‥‥なんというキメラ‥‥! やはり運命の女神は俺様にときめいているのだな‥‥!」と軽く感動しているようだ。
「ステージを見ると舞いたくなりますねぇ。まぁしかし、今回はジリオンさんにお譲りしましょうか。熱唱を期待しておりますよ」
そんな勇者とキメラを見ながらそう呟く立花 零次(
gc6227)。
古典芸能が趣味という事も在ってか少しステージ型キメラに惹かれたようだったが今回は勇者にステージを譲るらしい。
「そろそろキメラ退治にいくよ!だけど他の人や学校の施設には被害を出さないようにしないとね」
そう皆に呼び掛けながらティム・ウェンライト(
gb4274)はユニバースフィールドを構える。
それを聞いて各々キメラ退治に向けて動き出すのであった。
●楽しく騒がしいキメラ解体ショー!
「幸い、避難は完了済みか。遠慮無くやらせてもらう!」
そう言いながらシクルは雷上動で遠距離から牽制を始める。
さらにセインもアサルトライフルで牽制に加わる
「この刀を使うのも久方ぶりですねぇ。屋内では使い辛いですし‥‥」
その二人に合わせ零次が名刀「国士無双」で切り付けてキメラの動きを把握していく。
「目はどこなんですかー?」
後ろではアクアが他の人に練成強化を施しながらそう言う。
しかし残念ながら何処からどう見てもステージに足が付いてるだけで目は見つからない。
「う〜ん。見つかりませんねー」
そんな事を言いながらとりあえず超機械「魂鎮」を撃って牽制していく。
しかし撃たれてばっかりのキメラではない。
アクアに向かって突撃をしようとするキメラ。
「うおお!待て待て待てーーぃ!」
そこに勇者ことジリオンが物凄い勢いでキメラを追いかける。
そしてあまり速くないステージ型キメラなのが幸いしジリオンがキメラに追いつく。
「勇者!ジャーーーーンプ!」
そのまま勢いよく瞬天速を使いステージ型キメラの上に飛び乗ろうとする。
しかし勇者が飛び込んでくるのを見計らったようにキメラは向きを変えてジリオンの方に突撃してくる。
その二つの動作が組み合わさり結果的にジリオンは自分の方に突撃してくるキメラを瞬天速で飛び越えてしまい、その上ステージに着地するつもりだったせいで着地に失敗して思いっきり転んでしまうのであった。
しかしジリオンが上手くキメラの注意を引き付けて時間を稼いでくれたおかげで皆がグランド中央に陣形を取る事が出来たのだった。
「こっちよ!こっちに来なさい!」
「分の悪い賭けをする気はない‥‥多分」
そう言いながらイスネグとティムがグランド中央で盾を構えてキメラを挑発する
その挑発を聞いて少し力を溜めた後、キメラは二人に向かって突撃をする!
いくら二人が防御が高いとはいえこのキメラは体が大きくこのままでは二人で止めきれるかわからない!
「全く、無茶な作戦だ。ならば、これで少しでも勢いを殺せば‥‥!」
そう言いながらシクルが突撃してくるキメラの足を風鳥で上手く攻撃する。
「こんだけデカいと、流石に斬り放題でありやがるですね‥‥ちと硬ぇですが」
シクルの攻撃と同時にシーヴもソニックブームでキメラの足を攻撃する
だがこう見えてもかなり防御の高いキメラ。攻撃されつつもそのまま突撃しようとする。
しかしそれで傭兵達の攻撃は終わりじゃない!
シーヴは突撃があたる直前にさっとキメラの横に回り込み横合いから豪破斬撃を乗せたヴァルキリアで切りかかる!
さらにキメラの後方に回り込んでいた零次が二段撃ソニックブームで足の付け根を狙う。
流石のキメラもこれだけ足を攻撃されれば突撃が鈍る。
しかしそれでも盾を構えてる二人を轢き逃げようとするキメラ!
真正面から受け止める二人!
「わ、で、でっかいかも‥‥。でも‥‥っ!止めてみせる!わたしは男の子ーっ!」
「フォローはまかせろー」
そんな事を言いながらもキメラに押し込まれる二人。
しかし2mぐらい押された所でキメラを止める事が出来たのだった!
キメラが止まったのを確認した勇者ことジリオンは今度こそとステージ上に飛び乗る
そのままジリオンがステージ上に着地した瞬間、何故かキメラが大人しくなる。
「ちょああああっ!」
ステージ上に飛び乗ったジリオンは持ってきたランドグリーズをステージ中央に突き刺す。
それでもキメラはびくっとするだけで殆ど動かない。
どうやら上に人が乗っているとキメラが乗ってる人を振り落とさないように動かなくなるようだ!
「ククク‥‥舞台は整ったぞ‥‥!聞けーぃ!皆の衆!勇者!オンステージ!今こそ!俺様の!歌を!聞けええええ!」
そう叫ぶとジリオンは突き刺したランドグリーズに手を添え腕を突き上げて勇者ソングを歌い始めた。
それを確認したイスネグは自分もステージに飛び乗ると勇者と一緒になって歌い始める。
その光景を見て一瞬ぽかーんとする6人。
しかし自分を取り戻した人から曲に苦笑したり拍手したりしながらじわりじわりとキメラを解体していくのだっだ‥‥。
あ、ちなみにキメラは解体されている間もずっとじっとしてたりスポットライトを出したりしてました。とてもステージ魂のあるキメラ(?)ですね。
さて歌も解体も佳境に入った頃‥‥。
シーヴがステージに飛び乗りって皆に声をかける。
「皆、離れやがれです!」
そう言いながらステージの上で剣を構える。
それに合わせイスネグが練成超強化をシーヴに、アクアが練成弱体をキメラにかける。
そして歌に夢中のジリオン以外はシーヴを残しキメラから離れていく。
「この一撃で、くたばりやがれです!」
シーヴはそういうと豪破斬撃と十字撃同時に発動してキメラに切りつける!
ステージ上に紅い十字架が走りステージ型キメラはバラバラに砕け散るのであった。
「ぬ、お、お、とぉぉぉう!勇者!よけぇぇぇ!!」
なお、勇者ことジリオンはギリギリ瞬天速で逃げ切る事が出来ました。危ない危ない。
●祭りの後という物は‥‥
「祭りが終わると何だかさびしいですねぇ」
そんな事をぽつりと漏らすイスネグ。
「うわぁ‥‥すごい散らかっちゃったね‥‥。す、少し、片付けていこうか‥‥?」
ふと、散らばったキメラの残骸を見ながらシクルはそう言う。
なお、戦闘をしていた時よりも穏やかな口調に変化している。
「このステージって燃えるんですかねぇ? キャンプファイヤーにしましょうか。」
シクルの言葉を聞いて零次がキメラの処理方法を提案する。
確かにキメラといえどもステージなら燃える物も多いはずである。
「駄目です。これから私が観察するのですからー」
しかし片付けようとしている皆に待ったをかけるアクア。
話し合った結果ある程度観察したら片付ける事を条件に観察してもいい事になった。
「ここの材質は‥‥やっぱり木材ですかー?」
アクアは興味深そうに全体を眺めたり細かい所を叩いたり触ったりしている
「あ、ここの材質は生物ですね。せっかくだから、ちょっともらっていくですー」
そんな事を言いながらキメラの一部をどんどん切り取っていく。
「そういえば、こんなに大きなキメラ、いつの間に入れ替わったんだろう? そもそも、元々のステージはどこに行ったのかな?」
その様子を見ながらふと疑問に思った事をアクアに尋ねてみるシクル。
「詳しくは調べてみないと分からないけどー、見た感じでは生物の部分が外から分かりにくいように成ってるみたいだから最初から入れ替わってたかもしれないですー」
そう言いながら色々な所を観察していくアクアなのだった。
その頃別の所ではシーヴ、ティム、零次がテントを運んだり調理台を運んだりと力がいる仕事を一段落させたところであった。
実は運んでる途中でティムが「こう見えても男ですからね。力仕事は任せてください」と言った時に周りの学生が「‥‥え?」と言ったりしてたのは内緒である。
そんな感じで荷物を運び終えた3人がう〜ん! と腕を伸ばしているとたこ焼きを持ったイスネグがふと通りかかる。
「あ、皆さん。たこ焼きを貰ったので皆で食べませんか?」
3人にそう声をかけると丁度キメラの観察を終えたアクアとシクルが通りかかり6人でたこ焼きを食べる事になった。
その後、みんなで残った片付けをするのであった。
なお、セインが下心出しつつ背の低い学生の手助けをしようとしたら本人に下心を見抜かれて即逃げられたり、ジリオンが「仕方あるまい!俺様が、彷徨える魂達を導いてやる‥‥!」と言いながら書類整理を手伝わされていたのはまた別の話である。