タイトル:コスプレ舞踏会にてマスター:羽月 渚

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/05/19 21:24

●オープニング本文


「コスプレ舞踏会?」
 強い春風の舞う季節も終わりかけた頃。夏との境界線に一歩踏み込んだこの日に、その報せは突如届いた。
「何でも、コスプレ好きの大富豪達が、自分たちのコスプレ魂を見せ合う大人の場なんだってさ」
「ふーん。言ってしまえば、変人の集まりってところかしら?」
 ――ULT事務局
 本部に掲示される依頼の確認を行っていた男女2人組のうち、興味津津な顔で話す男に、女はあまり興味ないといった様子で軽く返す。
 コスプレ。確かに可愛いと思えるし、やってみたくないと言えば嘘になるかもしれないが、正直皆で集まって披露しあうには恥ずかしい。
 そんなことを考えながら手際よく資料を整理する女性を横目に、隣の男は完全に興味が向いたのか、資料をなめ回すように読んでいる。
「ほらほら。何時までもサボってないで、仕事しなさいな」
「分かってるって。とは言っても、コスプレ舞踏会の護衛か〜。俺も参加してみたかったぜ」
 こう言いながら、渋々と次の作業へと移る男性。
 春風が窓を叩く音が少し煩いこと以外は、普段と何ら変りない日常の光景だった。

 ――UPC本部
「本依頼では、米国のとある地域で行われる、コスプレ舞踏会なる社交イベントの護衛についていただきます」
 オペレーターも、読んでいて思わず不思議な気持ちになる依頼。そんな心境とともに読みあげられた内容は、少々耳を疑うものであった。
 コスプレ好きな富豪達が催す本イベント。初めて聞いた感想としては、正直変態チックな気がしないでもない。
 ちなみに、依頼の概要としては、有力な権力を持つ富豪が一斉に集う為、何でもバグア側から狙われる可能性が示唆されているとのこと。つまり、要は対バグア勢力となった場合には、一般の警備員では話にならないので、参加者の身の安全を確保してほしいという事だろう。
 舞踏会とはいっても、言いかえればコスプレ大会ともとれなくないイベント。しかし、そこは依頼主から承る立派なお仕事だ。やるからには、万全を期して臨まなければ。
「尚、本作戦では会場内に直接入り込んでの警備となる為、皆さんにもコスプレしていただくことになっています」
 ‥‥勿論、こんなオチが待ってても、ね。

●参加者一覧

相沢 仁奈(ga0099
18歳・♀・PN
神崎・子虎(ga0513
15歳・♂・DF
百瀬 香澄(ga4089
20歳・♀・PN
エレノア・ハーベスト(ga8856
19歳・♀・DF
朔月(gb1440
13歳・♀・BM
狐月 銀子(gb2552
20歳・♀・HD
九条・嶺(gb4288
16歳・♀・PN
雪火(gb4438
24歳・♀・SN

●リプレイ本文

「だ〜れだ」
「むむ!?」
 ――米国
 少しひんやりとした空間の中、目の前に聳えるお城(っぽい建物)を眺めつつ、そこでは神崎・子虎(ga0513)が感嘆の溜息をこぼしていた。
 立派なお城の遥か彼方で輝く月が、またムードを一層と演出しているような――そんな光景を前にしてドキドキで興奮している彼に、ふと後ろから覆いかぶさってくる手と声が。
「この声は〜。仁奈さんと予想♪」
「あはっ、正解〜。今日は一緒にお仕事頑張るで!」
 仁奈さん、と見事に名前を当てられ、嬉しそうに神崎の横で笑うのは、小麦色の肌に輝く金髪が眩しい女性、相沢 仁奈(ga0099)だ。
 大きなお城に似つかわしくない2人の少年少女。一方は少年と呼べるかはともかくとして、これにはしっかりとした理由があった。だが、その理由と言うのが‥‥
「子虎ちゃんは魔法少女なんやね♪ ウチは魔女やで〜。どや、似合ってるやろ?」
「ふっふー。魔法少女、トラリオンなのだ☆ うん、仁奈さんも似合ってるよ♪」
 そう、何故ならば、今日はまさかのコスプレ舞踏会なるものが開催される日なのだから!
 正直、主催者始め参加者の考えには理解できないものがあるが、バグアに狙われるかもしれないとのことで、今回護衛にやってきていた相沢と神崎の2人。
 はてさて、虚ろな魅惑の空間を前に如何なる舞踏劇が始るのか。時刻は午後8時。鐘の音と共に、いよいよその全貌が明らかとなる――

●始まりの宴
「いいねぇコスプレ。着てよし見てよし弄ってよし。さっさと不届き者を蹴りだして、目の保養でもしますかね」
 壮観、とでも言うべきだろうか。広い豪華な会場内。そこに広がっていた光景は、辺り一面に散らばるコスプレイヤー達だった。
「しかし、コスプレもひとつのファッションだ。センスは必要だね」
 と言いつつ、周囲のコスプレをじっくり堪能しているのは百瀬 香澄(ga4089)。自身は見えそうで見えない片側スリットが絶妙な赤チャイナドレスのおかげもあり、既に溢れる貴賓が他とは段違いな気もする。
「もうすぐ、始りそうですね」
「フフ、ショータイムの始りアルネ♪」
 ‥‥しかも、雪火(gb4438)の言葉にこう返す百瀬は、やるからには口調も変えるという徹底ぶりだ。身も心もチャイニーズ、といったところか。
 コスプレ舞踏会。聞こえこそ不思議なイメージだが、その本質は何てことはないダンスパーティである。会場に参加者が入り出してから30分程。いよいよ挨拶と同時に、会場にBGMが鳴り響きだす。
「え、ごく普通の白バニーガールですよ?」
 と、開始早々周囲の注目を集めていたのは九条・嶺(gb4288)。長い金髪の長髪に、生脚、臍だし、裏地無しの究極コンポ。これ、普通‥‥なのだろうか。

「これがコスプレ舞踏会かいな。にしても、うちの普段着はほぼコスプレみたいなもんやから、あんまり抵抗あらへんな」
 一方、各々の能力者達が新鮮な姿を見せていた中で、普段からコスプレっぽい服装を好むエレノア・ハーベスト(ga8856)は、特に気にする様子も自然な身振りで周囲を警戒していた。
 見ていると瞳孔が思わず縮瞳してしまいそうな、全身ピンクを基調とした姫ロリ姿の彼女。所謂ロリータファッションというジャンルになるのだろうが、ある意味斬新さも目立つ特徴的なコスプレである。
 そんな中‥‥特徴的、と言えば忘れてならないのがこの少女――朔月(gb1440)だろう。
「ちょっと動きづらいかな〜。まっ、気にはならないけどさ」
 こう言って微笑む彼女なのだが、その可愛らしい笑顔は見えない。というより、見たくても見えないのだ。何故なら
「ほほう、着グルミですか。これは珍しい」
 そう、まさかの猫の着グルミ姿というクオリティなのだから! しかも、超絶に可愛いときた。

「さて、そろそろ見回りしとこうかしらね」
 こうして、開始された舞踏会。だが、楽しむ間もなく傭兵達は早速動き出す。まず、狐月 銀子(gb2552)とエレノアが交代で周囲の警戒に当たる為に会場外へ。
「まだ撮影用の場所完成してないし、早いとこ片付けてパーティを楽しみたいわね。折角の機会だし♪」
「せやね。手早く済ませて、憂い無く愉しみまひょか」
 手に持っていたパラソルを閉じ、エナメルブーツをカツカツと履き直しながら、いざ見回りへと向かい出す狐月。彼女の衣装はレースクイーン風味なのだが、マイクロミニのタイトスカートと、全体的に明るい色調のおかげもあり、アクティブさが巧みに表現されている。
 これでバイクも一緒だと絵になるんだけどね〜と、冗談交じりで苦笑いする彼女だが、さすがにAU−KVを城内に持ち込むことはできなかった様子。
「会場以外は、随分と寂しいどすな。それでも、注意せんとあきまへんけど」
 もう少し賑わいがあるかと思えたが、廊下に響く音は2人の足音以外何もない世界。静寂に包まれた少し不気味な空間を進む九条と狐月だが、これなら、何も起こらないだろう。そんな気が不思議としてきたのも、事実だった――

「御譲さん、随分と似合っていますヨ。どうですか、一曲?」
 一方、場面は変わってパーティ会場内。相変わらず口調も成りきっている百瀬は、目ぼしい女性に声をかけてはダンスのお誘い中。マダムばかりで彼女のお気に入りは中々見つからないかと思いきや、意外と若い女性も多かったのか、結構満足気な面持ちだ。
 とは言え、その本意はバグア一派の刺客の洗い出しにある。己主張の乏しい奴、特定の誰かと一定の距離にいる奴‥‥彼女の選定眼は常にターゲットを探し、会場に溶け込んでいく。
「お上手アルネ〜。フフフ」
 ‥‥探している‥‥はず、ということにしておこう。案外ノリノリのようですが。

「それにしても子虎ちゃん‥ホンマ可愛ぇなぁ。ウチ、結構我慢できへん性質なんやで?」
「可愛いって、やぁん♪ そんなこと言ってると、僕もその気になっちゃうぞ☆」
 が、百瀬以上にノリノリな傭兵がここに2人。ダンスを踊る数々のペアに負けないほどのイチャイチャ空間を作り出している気もするが、あえて見なかったことにしておこう。
「んー、そろそろ時間だね。それじゃあ、いこうか♪」
 そんな2人だが、勿論任務は忘れない。打ち合わせ通り、所定の時刻になったことを時計で確認すると、そのまま2人は更衣室へと見回りへ。
 パーティ開始から1時間。とりあえず、現状は特に異常も見当たらなかった。


「すみません、ちょっとお話しませんかぁ♪」
「!?」
 と、その時。遂に局面は動き出す。
 1人、会場内で明らかに不審な行動を取っていた男性を、朔月が見つけていたのだ。
 具体的には、辺りを気にしながら壁の陰へと行き、異様なまでに腕時計に気を配っていたその男性。怪しい‥‥直感的に何かを確信した朔月。近寄り、まずは軽く接触を試みる。
「な、何だね、君は!」
「何てことはない、ただの着グルミさんさ♪ そっちは、あんまりコスプレに力入れてないみたいだけど。元ネタとか、教えて下さいよぉ♪」
 動揺する男。ビクっと震えつつも、声を荒げる男性に朔月はおどけた調子で返す。が、男性からすれば何かのマスコットみたいな猫さんが近づいてくるわけで。結構、怖かったのかもしれない。
 そんな視覚的効果も相まったのか、男性は目線を逸らしながら朔月から遠ざかろうと一歩。間違いない。彼女は思った。おそらく、コイツが――
 ――バリィイン
「なっ!?」
 瞬間、突如として鳴り響くガラスの割れる音。何事だと騒ぎ始める参加者達。そして、朔月の無線に更衣室から会場に戻っていた相沢達からの通信が届いた。
「敵さんのお出ましやで!」

●私と、ダンスを
「パーティを邪魔する不届き者には、お仕置きや!」
「トラリルトラリル‥魔法の力で戦闘モードに変身☆ 悪い人には僕達がお仕置きだ♪」
 誰よりも早く窓から廊下へと侵入してきた敵――2体の鳥人型キメラに気づいた相沢と神崎は、そのまま覚醒。戦闘態勢へと移っていた。
 が‥‥
「うわっ、変身ネタ被った!? さすが子虎ちゃんやね、やるぅ♪」
「む、そっちはバニーさんかぁ♪」
 何でしょうか、この光景。決め台詞とともに2人が服を脱ぎ捨てていたかと思うと、相沢はぴっちりバニーに、神崎に至っては猫耳&スク水という何かもう色々と不味い状況に。しかも
「子虎ちゃん、ずっとこの水着着てたん? 結構キツかったやろ?」
「んー、でもこの締め付けが‥‥って、やぁん♪ 何言わせてるの、仁奈さんったら☆」
 子虎君。まさかの女性用水着です。

「さてさて。とんだお邪魔者のご登場みたいだけど、さっさと片付けないとね」
 全員の無線に連絡が入ってから僅か数十秒後。相沢達の元へと駆け付けた狐月は、そのままパラソルを横に放つと、ジャケットの裏からエネルギーガンを取り出す。その横には、クロムブレイドを抜刀しているお姫様――エレノアの姿も。役者は揃った。さぁ、戦闘開始!

 ――ドガガ
 淡い月明かりに照らされて、エレノアは剣を片手に踊る。
「逃がさせん」
 一声。瞬間、放たれる一筋の衝撃波が敵一体を包みこんだ。
「ギシャア」
 体勢を崩すキメラ。そこにすかさず狐月から繰り出されるエネルギーの集合体が突き刺さる! 焼けつく外皮。一度体勢を持ち直してから反撃、そう判断したのかキメラはそのまま後方へ一蹴。が
「側面が甘い!」
 滑り込むように横へとつけたエレノアが、攻撃を受け流しつつ反転後刃を一閃!
「グギャア!」
「!」
 しかし、やはりタダでは済まない。刀身を腹にめり込ませつつも、キメラは翼でエレノアを叩きつける。右肩に痛打。
 更に、そのまま刀身を引き抜こうとする彼女へ追撃の一撃――と、その時!
「ヒーローは、遅れて来るものネ?」
 エレノアの耳に響いた声。
 刹那、瞬天速で間合いを詰めた百瀬が、キメラの顎めがけ強烈な拳をお見舞いしていた――

「会場内の騒ぎは抑えておきました。親バクア派と思われる方には、少々眠ってもらっています」
 戦闘開始から数分後。駆け付けた残りのメンバーのうち、九条は手をひらひらしながら微笑む。朔月からの連絡を受け、首謀者と思しき人物に貫き手を食らわせ気絶させた後、医務室へ運んでいた彼女。訊きたいことはとりあえず後にし、今は目の前の敵殲滅が最優先。
「さて、着グルミの恐ろしさ、身をもって味わってもらおうか」
 と、着グルミの爪先部分からジャキンと刃を飛びださせたのは朔月。何という隠しギミック。
「そっちばっかり見てると、怪我するで! 必殺・ムーンサルトストラァイクッ!」」
 救援に戸惑うキメラだが、その隙を相沢は見逃さない。壁を蹴りあげたかと思うと、そのまま死角からの急接近と同時に爪で切り裂く。
 が、動く度に揺れるダイナマイトボディと、クイ、クイとくっきり形の分るお尻にどうしても目が行ってしまうのは内緒だ。更に極めつけは、スラッと伸びた網タイツに包まれる美脚ときた‥‥攻撃を受けたのか所々タイツが破けているが、ある意味おいしゅうございます。
「これで最後だ♪ 必殺トラリオ〜ンスマッシュ!」
 まだ声変わりしていない声で告げる神崎。相沢の一撃で怯んでいるキメラに、更に傷口を狙い大剣の振り下ろし!
「グ‥ガ」
 引き裂かれる腕。気づけば、それと同時に背後から朔月の爪が頭部を貫いていた。

「己が過ちを悔いながら逝け!」
 一方、もう一体の方でも、エレノアによる最期を告げる一撃がキメラの胸に突き刺さる。吹き出る血で自慢の姫ロリファッションを染め上げながらも、彼女の表情は揺るがない。
「お疲れ様でした。無事討伐完了ですね」
 キメラ二体が廊下に平伏した後、雪火の声が静かな月夜の空へと響くのだった――

●美しき舞台で
「アナタのコスプレは私のあるものを盗んでしまったアルヨ。それは‥心ネ♪」
 さて、親バグア派の人間も捕らえ、会場に迫った脅威を無事取り除けた今、あとはコスプレ舞踏会を存分に楽しむだけだ。結局、百瀬は最初に目をつけていた女性に積極的なアピールを続け、最後まで楽しい一時を過ごせることに。
「え、俺は誰かって? やだなぁ、着グルミの中の人だよ♪」
 一方、こちらはキメラの返り血によって着替えを済ませていた朔月。着替えと言っても、元々下に着ていた黒ワンピとエプロン、ナースキャップ姿になっただけなのだが、結構意味深な組み合わせに興味をそそられる。
「あら、美味しい料理ですね。雪火さんもどうですか?」
「ありがとうございます。いただきますね」
 と、どうやら立食パーティも始った会場。並ぶ豪華な料理に目移りしてしまいそうだが、九条は雪火を誘ってお食事タイムへ。

「綺麗に撮っておくれやす、月並みな台詞やけど」
 パーティで踊ったり食べたりを楽しむ参加者も多い中、こちらでは一風変わった趣として、狐月を中心に撮影会が開かれていた。
 なるほど、一番初めに準備していた撮影場所とは、これのことだったのか。カシャッ、カシャッと眩しいフラッシュを浴びながら、満足気な顔で狐月はせくしー&びゅーてぃーな自分を大公開。
「綺麗に撮っておくれやす? 月並みな台詞やけど」
 それに便乗するのは、朔月と同じく返り血のせいでゴシックロリータ風のワンピに着替えたエレノアだ。白い肌に透き通る唇が浮かべる微笑に、もう大興奮の紳士諸君。恐らく彼らの望むコスプレイヤーの姿が、目の前の2人なのかもしれない。
「結構楽しいかもしれないわね‥癖になりそ」
 そんな現場の雰囲気に思うところあったのか、ポツリと呟かれた狐月のこんな一言。何気に新たな一歩を踏み出した気がしないでもないが、コスプレ舞踏会の参加者の気持ちも分っていただけたかも?

「子虎ちゃん。スク水の肩掛けが外れてるで? 待っときや、今かけ直すさかい」
「ぁ。うん、ありがと♪」
 さて、各々が各々の楽しみ方をしているなか、やはり忘れてはいけないのがこの2人だろう。
 ピトッ。少し肌蹴た神崎のスク水に手をかける相沢だが、同時に彼の肌に触れてしまった瞬間、心の中で何かが爆発してしまう。
「あ、あかん‥。子虎ちゃん、やっぱ我慢できへん!」
「え? って、うわぁ」
 何やってるんですか。気づけば、そのまま神崎を押し倒す形で馬乗りになっている相沢。ムッチリとした太ももの感触が、神崎をギュウっと挟み込んでいるではないか。
「やぁん♪ そんなことすると、撲もお返ししちゃうんだぞ☆」
 が、それに負けじと反撃するかのように神崎は相沢にピー。
「あ、ちょ、やめてぇな。あかん、やっぱウチ、ドMかもっ」
 ‥‥ゴホン。これ以上のシーンはここでは述べないが、とりあえず言えることは、ここが誰も見ていない休憩室で良かったということだろう。

 こうして、コスプレ舞踏会を無事に終わらせることのできた能力者8人。
 最後まで幻想的で美しい月の光に包まれたお城の中で、魅惑的な夜は更けていくのだった――